更新日:2022/05/16
この記事のまとめ
商社は顧客や企業を相手にした輸出入代行や貿易事務、事業投資といった多方面の活動に携わっています。さまざまな事業に精通しており、特に総合商社は日本独特の形態です。
商社に勤める営業職の平均年収は高く、大手総合商社では1,000万円を超えることも珍しくありません。この記事では、商社で働く営業職の平均年収を紹介します。役職や職種による違いだけでなく、総合商社と専門商社の違いも分かる内容です。
目次
商社の営業職に転職したい方が気になることとして、残業時間や休日、仕事のハードさが挙げられます。同時に、平均年収も重要な要素です。ここでは、営業職を含む商社の平均年収を紹介します。20代、30代の平均年収の傾向を知ることで、自分の理想的な転職像とも擦り合わせやすくなるでしょう。
商社全体の平均年収は384万円です。20代前半が294万円、20代後半が362万円、30代前半が408万円、30代後半が447万円と、20代前半から30代後半にかけて153万円増えています。30代は役職に就くことや海外赴任のような環境の変化があり、年収の高額化につながる要因です。
また、平均年収は取り扱う商品によっても異なります。電子部品・半導体の商社が462万円であるのに対し、鉄鋼・非鉄金属・金属製品の商社は398万円です。商社の平均年収は需要の高さと比例する傾向があります。なお、企業規模によって大きく変わるため、平均年収は参考程度にお考えください。
総合商社の生涯賃金の目安は5億円程度といわれており、ほかの業界より高額です。大学卒の平均生涯賃金が男性は2億9,200万円、女性は2億4,400万円であることから、総合商社の年収は極めて高いといえるでしょう。
ただし、金額はあくまでも目安であり、商社に勤めたからといって必ずしも同じ年収を得られるとは限りません。商社の営業に就職したいとお考えの方は、自分の希望する会社の年収を確認しましょう。
商社の年収は高く、営業職に転職した場合も例外ではありません。理由はいくつか考えられますが、「在庫を持たない」「海外赴任がある」「ボーナスが高い」という3つが代表的です。ここでは、それぞれの理由について解説します。
商社の年収が高い理由には、在庫の有無が関係しています。商社営業と異なるモデルとしてメーカー営業を例に考えましょう。メーカー営業は自社製品の売り込みがメインの仕事です。自動車や鉄、ガラス製品といったさまざまな製品に携わるメーカーがありますが、いずれも在庫を抱えて、品質を保たなければなりません。
一方、商社はメーカーの商品調達や販売を促進する役割があります。多くの在庫を抱えることはなく、その分の管理コストを人件費に回せるのが商社の強みです。ただし、扱う商品の種類は多岐にわたるため、幅広い知識を求められます。
商社の業務の中には海外製品の輸出入も含まれるため、営業は海外赴任も考えられます。企業によっては海外出張や転勤を言い渡されるケースもあるため、海外で働くことに抵抗がある方は志望する企業の営業の勤務状況を細かく確認しましょう。海外出張や海外勤務には手当がつくため、商社営業の年収を上げる一因です。
海外との取引を担当することで、忙しさややりがいも増すでしょう。海外出張や勤務には大口の案件も見られるため、営業としての能力を問われます。一方、ものづくりがメインとなるメーカー営業は海外勤務の機会が少ない点が特徴です。
ボーナスの有無や金額も年収を考える際に重要です。商社は他業界よりボーナスが高く、年収を上げる理由といえるでしょう。
ボーナスが高い要因のひとつが繁忙期の忙しさです。商社の営業はスケジュールが厳しくなりがちで、忙しさにやりがいを感じられる方であれば、理想的な職場環境になるでしょう。また、海外との橋渡し役になる営業職の収入は高い傾向があります。
商社営業は年功序列で収入が増える傾向があり、40代や50代になると年収1,000万円を超える場合があります。年齢だけでなく役職や職種も影響しており、主任や課長といった役職で変わる部分、総合職と一般職の違いによって変わる部分を事前に知ることで、年収の目安がより鮮明になるでしょう。
どの業界でも役職によって年収が変わることは珍しくありません。商社も同様で、同じ年代でも役職の違いで年収は異なります。
下記の表は、大手総合商社の年代や役職による平均年収の違いです。20代や30代の若いうちに年収の高い役職に就くことはほとんどないため、年収は他業界と比較しても極端な上がり幅は見られません。
一方、40代や50代を迎えて役職に就くと、年収が大幅に上がります。30代で1,000万円を超えるケースも見られ、役職が大きく関わっていることが分かるでしょう。
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商社の総合職と一般職は仕事内容や年収が異なります。総合職は主にトレードを担当する営業を指し、商社の業務の柱であるトレードに携わるやりがいを感じられる仕事です。取引先がどのような商材を求めているのか理解し、仕入れ先から調達する必要があるため、他社とのやり取りも多く生じます。
一般職は取引先との連絡や来客の対応といった総合職のサポートを担う仕事です。特に、総合商社は取り扱う商品が多いため、一般職でも幅広い業務に対応できる能力が求められます。平均年収は一般職より総合職のほうが高いのが一般的です。
商社の種類は、総合商社と専門商社の2つです。同じ営業職の同じ役職でも収入や求められる知識・経験が異なります。転職を検討している企業がどちらに属しているか確認するためにも、それぞれの違いを知っておくとよいでしょう。
総合商社は貿易や販売、物流を軸としたトレーディング事業に携わっています。商品を売りたい企業と買いたい企業の中間に立ち、それぞれの企業の要望に応えたトレーディングから収益を得る仕事です。一般的に、総合商社の平均年収は高額で、1,000万円を超える場合もあります。
ただし、インターネットによる注文の発達やメーカーの売却手段の確立に伴い、総合商社がトレーディングによって得られる利益は時代とともに徐々に少なくなりました。
現在の総合商社は事業投資を重要視し、他企業への投資によって利益を確保しています。事業投資の対象は多岐にわたります。総合商社の大半は大手で、取り扱う案件や収益の規模が大きい点が特徴です。
専門商社は総合商社と違い、特定の分野に特化している点が最も大きな特徴です。特定の分野に特化することで、顧客との強い関係性や独自のノウハウを維持できる点がメリットです。食品や鉄鋼、繊維とさまざまな分野に専門商社は存在します。大手メーカーから独立する場合や、複数の企業が合併して専門商社になるケースもあります。
専門分野の知識と経験が武器になる一方、専門商社は多数の在庫を管理しなければなりません。売却する企業と購入する企業の間に立つ総合商社とは違い、在庫の管理にコストが掛かる点がデメリットです。
専門商社の平均年収は、総合商社に比べて低い傾向があります。また、年収には個人差が見られるため、企業の出す条件を確認しましょう。
商社の営業職に転職して年収を上げたい場合、いくつかのポイントを心掛けるとよいでしょう。即座に給与に直結しなくとも、将来的に年収が上がる要因となります。特に、マネジメント能力や語学力は長い時間をかけて身につけなければなりません。ここでは、年収を上げるポイントを3つ紹介します。
マネジメント能力は、年収を上げたいケースだけでなく、営業職として働き続けるために大切なスキルです。営業職は予想外のスケジュール変更に対応したり相手の意向をくみ取ったりする必要があります。その都度、柔軟に対応できるマネジメント能力が必須です。
適切な目標設定や意思決定もマネジメント能力に含まれます。また、営業にはコミュニケーションスキルも欠かせません。正しい目標を設定し、目標に向かって具体的なスケジュールを組むことでマネジメント能力が育まれます。
商社の営業職は海外赴任も珍しくありません。海外赴任は出世のきっかけになりますが、相応の語学力が求められるため、事前に身につけることをおすすめします。
語学に苦手意識を持っている場合、早めに学習を始めましょう。語学の習得には長い年月が掛かるため、海外赴任が決定してからでは間に合いません。「語学が堪能でなかったために海外赴任できず、出世のチャンスを逃した」といったことにならないように、早めに対処することが大切です。
働きながらの転職活動は、時間や体力に関して大きな負担があります。また、「興味を持っている企業について詳しいことが分からない」「どの企業の人気が高いか分からない」といった自分で得られる情報の限界も問題でしょう。
転職エージェントを活用すれば、転職活動はスムーズに進みます。これまで分からなかった内容もプロに相談することで解決するかもしれません。転職までの道筋がはっきりする点も、転職活動の効率化につながります。
商社の年収は他業界の同年代と比べて高く、特に年齢を重ねた40代50代で違いが顕著になります。営業職はボーナスが高額で、海外赴任の可能性もあるため、高い年収を得たい方におすすめの転職先です。
一方、転職活動には難しさも伴うでしょう。総合商社と専門商社は年収や仕事内容が異なるため、自分に合った企業への転職が鍵です。マイナビ営業エージェントでは、リクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーがチームになり、最適な転職先を紹介します。
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