更新日:2024/05/28
この記事のまとめ
「契約社員としてのキャリアは転職に不利に働く」と思っている方も少なくありません。しかし実際には、契約社員としてのキャリアを強みにして転職を成功させた方は多くいます。
そこでこの記事では、契約社員としてのキャリアをアピールにつなげるための職務経歴書の書き方を解説します。職務経歴書を通じて契約社員として培ってきたスキルや経験をうまくアピールできれば、書類選考通過率をより上げられるでしょう。
目次
転職の応募書類に非正規雇用である「契約社員」としてのキャリアを記載すると、採用担当者に不利な判断材料を与えてしまうのではないかと心配する人がいます。「単なるサポート業務だったから」「勤務期間が短いから」といった理由で、あえて書く必要はないと判断するケースもあるでしょう。しかし、実際はどうなのでしょうか。契約社員としてのキャリアの取り扱い方について確認しておきましょう。
応募書類への記載・不記載の判断を明確にするためにも、契約社員とはどのような雇用形態なのか、いま一度確認しておきましょう。
契約社員は、あらかじめ労働期間が定められた有期雇用契約を企業と交わして業務に従事します。契約期間が満了すると、契約更新をして同じ企業で引き続き働くか、退職して別の仕事を探す形が一般的です。企業によっては有期雇用契約を交わした契約社員を「準社員」「嘱託」「非常勤」「臨時職員」と呼ぶこともありますが、履歴書や職務経歴書に記載する場合には「契約社員」で統一します。
雇用形態には正社員や契約社員、アルバイトなどさまざまなタイプがあります。雇用形態が正社員ではない場合、応募書類にどこまで記載したらよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。応募書類に経歴を記載するときの大枠は以下のとおりです。
アルバイトやパート経験は、社会保険に加入していた場合には記載したほうがよいという意見もあります。一方、契約社員の場合は応募書類にキャリアを記載するのが基本です。
履歴書や職務経歴書を作成する場合は、契約社員という雇用形態を明記することが必要です。雇用形態を転職先に正しく伝えていなかった場合、経歴詐称と見なされる可能性もあるため要注意です。
また契約社員とひと口にいっても、業務内容は人によって大きく異なります。正社員とほとんど同じ責務を担いながら業務に従事している方も少なくありません。契約社員としての勤務経験が転職先の業務に活かせるときには、職務経歴書を作成して積極的にアピールするとよいでしょう。
まずは履歴書に契約社員であったことをどのように記入すればよいのか、詳細を見ていきましょう。履歴書のフォーマットはほぼ同じであり、記入の仕方にもルールやマナーがあります。契約社員だったかどうかに関わりなく、履歴書作成の前には基本ルールを確認しておくことが大切です。
履歴書と職務経歴書は目的や利用方法が異なるため、まずはその違いをしっかりと理解しておきましょう。履歴書は転職希望者に関する情報の大枠をまとめた書類であり、人事情報として保管されます。それに対して、職務経歴書は企業が求める人材かどうかをスキルや経験という側面から確認するための書類です。職務経歴書を通じて、履歴書では十分伝えられなかったスキルや能力をアピールできるところがポイントです。
履歴書では正確さや丁寧さといった社会人としての基本的な素養もチェックされるため、ビジネスマナーを踏まえたうえで作成・提出することが大切です。
履歴書の職歴に契約社員であることを記載する方法は以下の2パターンです。
【パターン1】
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【パターン2】
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なお、契約期間の満了をもって退職した場合は「契約期間満了により退職」、自己都合で退職した場合には「自己都合により退職」または「一身上の都合により退職」、会社都合で退職した場合には「会社都合により退職」と記入します。契約社員から正社員に登用された場合には、「同社の正社員に登用」と記入するようにしましょう。
履歴書の職歴に契約社員であることが記載されている場合、面接担当者がチェックするポイントは2点です。
ひとつ目は、働いた期間です。契約社員は有期雇用契約であるため、労働期間が契約期間を超えることはありません。しかし契約期間の満了まで勤務したことが分かれば、トラブルもなくしっかりと仕事に向き合ってきた姿を評価してもらえます。
2つ目は退職理由ですが、特に注意したいのは「会社都合」のケースです。「解雇」と誤解される恐れがあるため、倒産や事業縮小といったやむを得ない事情での退職の場合には注釈を入れて補足するようにしましょう。
職務経歴書には、それまでのキャリアを通じて培ってきたスキルや経験を転職先にアピールする目的があります。履歴書とは異なり職務経歴書にはさまざまなフォーマットがありますが、書くことはほぼ共通しています。ここでは、契約社員というキャリアを職務経歴書に記入するときのポイントと注意点を見ていきましょう。
日付と名前は「職務経歴書」というタイトルの後、1枚目の冒頭に記載するのが一般的です。日付は履歴書と同様にします。年号は職務経歴書全体で統一する必要があるため、西暦にするのか、和暦にするのか決めておきましょう。
職務経歴書を郵送する場合には投函日、メールの場合には送信日、面接時に受付や採用担当者に手渡す場合には面接日を記入します。
「職務要約」や「経歴要約」として、これまでの職務経歴を250文字程度にまとめます。時系列でまとめたり、似たような職種や業界をまとめて記載したりして簡潔に要約するのがポイントです。転職先企業と関連性の高い職務経験に重点を置くと、採用担当者の目に留まりやすくなります。
職務経歴書のメインともいえる項目が「職務内容」または「職務詳細」です。実際に働いた職場ごとに、企業名、会社概要、働いた期間、雇用形態、業務内容、実績などを詳しく記載します。契約社員として働いていた企業である場合には、「雇用形態」の項目に「契約社員」と記入します。「退職理由」の項目を作り、働いた企業ごとに退職理由を記載するのもよいでしょう。
履歴書とは異なり、詳細な内容を記載できるのが職務経歴書の特徴です。転職を考え始めたきっかけや転職に対する意欲につながる内容にすると説得力が増します。
強みとなるスキルや経験は箇条書きで記載します。すでに取得している、または取得に向けて学習している資格や免許についても記載しましょう。ただし数を書けばよいというものではなく、転職先企業が必要としているスキルや経験を優先して記入するのがポイントです。
その際にも、採用担当者がイメージしやすい具体性のある書き方を心掛けましょう。事務経験を強みにしたいのであれば、単に「パソコンスキル」と記載するのではなく、「Microsoft Word」「Microsoft Excel」「Microsoft PowerPoint」でできる作業内容、タッチタイピングのレベル、ファイル管理の内容などを具体的に記載すると効果的です。
契約社員として働いた経験を強みにするうえでは、自己PRをうまく活用することが重要です。任せられていた仕事内容や身につけたスキル、成功体験、仕事に対する取り組み方など、転職先企業が求める人物像に重なっている部分や業務に役立つものを積極的にアピールしていきましょう。
テクニカルスキルに乏しいのであれば、ビジネススキルや人間力などどの業務にも活かせるパーソナルスキルをアピールすることをおすすめします。
特記事項は「特に記載しておくべき事項」という意味です。フォーマットによっては「本人希望記入欄」や「通信欄」という書き方をすることもあります。契約社員であったキャリアを強みにするためにも、特記事項も有効に活用しましょう。
たとえば病気や家族の介護などで契約社員として働いた事情がある場合には、現在の状況も合わせて記載することで誠実な姿勢を示せます。人生設計やキャリアマップについても記載すると、前向きな転職と見なしてもらえるでしょう。
契約社員とひと口にいっても、キャリアが長い方、働いていない空白期間がある方、契約社員から正社員に登用された方など実際の職歴・内容はさまざまです。ここではいくつかのケースを取り上げ、効果的な職務経歴書の作成ポイントを解説します。
最初に取り上げるのは、契約社員として働いてきた期間が長いケースです。契約社員として働いた経験が転職先企業の求めるものとマッチしていれば、キャリアが採用で不利に働くことはありません。
職務詳細は時系列にまとめる編年体形式でも、その反対の逆編年体形式でも構いませんが、一番上に記載する実績が一番印象に残ります。働いた企業数が少ない場合には、強みをアピールできる職場での経験を先に記入するとよいでしょう。働いた企業数が多い場合には、業務内容やプロジェクト単位でまとめるキャリア式での記入がおすすめです。
職務経歴書に退職理由を記載しなければならないという決まりはありません。しかし、退職理由は企業側にとっても気になる部分です。契約社員で契約期間の満了前に退職した経歴がある場合には、「またすぐに辞めてしまうのでは」という不安を抱かせてしまうことも考えられます。
キャリアアップやスキルアップを目指した自己都合退職、倒産や事業縮小といった会社都合退職などの場合には退職理由を明確に記載し、企業側の不安点を先に解消するのもひとつの方法です。
仕事をしていない空白期間がある場合には、「働く意欲がないのでは」と思われてしまう可能性があります。そのため、資格取得や留学、病気、介護などキャリアに空白期間がある理由を簡潔に説明するとよいでしょう。
一方、アルバイトやパートの職歴は職務経歴書には記載しないのが基本です。しかしアルバイトやパートで働いた経験や得た業界知識、スキルなどが転職先企業の業務に活かせる場合には、職務経歴書に記入して積極的にアピールするとよいでしょう。その際は、雇用形態を「アルバイト」「パート」と明記することが大切です。
契約社員としてのキャリアを転職成功につなげるうえでの大前提は、業務内容や仕事への取り組み方を重視している転職先企業を見つけることです。ここでは、契約社員のキャリアをアピールにつなげるために押さえておきたい職務経歴書作成時のポイントを4つ解説します。
企業と有期雇用契約を結んで業務に従事する契約社員は限られた職務に注力するよう求められるケースが一般的ですが、正社員とほぼ同じ業務内容であることも少なくありません。正社員と変わらない業務をこなしていた、正社員以上に成果を上げていたといったケースでは、担当した業務の範囲や内容、成果、実績などを職務経歴書に具体的に記載してアピールしましょう。
一方、契約社員として働いていた企業で正社員登用制度がないこともあります。その場合は、正社員登用制度がなかったと明記することで、正社員になれなかった合理的な理由を提示できます。
契約社員で限られた業務しか任されてこなかった場合でも、担当業務の内容や必要とされるスキルが転職先企業にマッチする場合には大きなアピールポイントになります。まず強みにしたいのが業務に直接使う「テクニカルスキル」です。どのようなスキルをどのレベルで使えるのかを具体的にアピールしましょう。
接客ノウハウや商品提案力といった「ビジネススキル」は、業種や職種が変わっても活かせます。ビジネススキルをアピールするときは、どのような成果を上げてきたのかを具体的な数字とともに職務経歴書に記入することがポイントです。
ほかにも、論理的思考力やプレゼン能力といった「ポータブルスキル」、協調性や柔軟な発想などの「パーソナルスキル」など、企業によって効果的なアピールポイントは異なります。企業研究を徹底し、アピールできるスキルを見極めましょう。
契約社員と正社員の基本的な違いは雇用契約期間です。契約社員は有期雇用契約者であるため、決められた業務に専念し、期間内に一定の成果を上げることを求められています。一方、正社員は無期雇用契約であり、中長期的に会社の発展に貢献することが期待されています。
正社員を目指すのであれば、ビジネスに直接関わる部分をはじめ、事業方針やプランの策定、人材育成、新たなビジネスの提案など、会社を成長させていくためには何が必要なのかを考えることが必要です。与えられた仕事を粛々とこなす人材だと採用には結びつきません。自ら積極的に学習し、企業の発展に貢献する意欲があるとアピールすることが重要です。
職務経歴書にはこれまでキャリアだけでなく、今後取り組みたいこともしっかりと記載するようにしましょう。
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契約社員としてのキャリアを強みにしたいのであれば、履歴書だけでなく、職務経歴書の作成をおすすめします。履歴書だけでは伝わらないスキルや経験、意欲を職務経歴書でしっかりとアピールして転職成功につなげましょう。
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