更新日:2022/05/27
「ブランド力のあるメーカーで活躍したい」「国際的な視野を持って働きたい」と考えたとき、外資系メーカーへの転職を検討する方もいるのではないでしょうか。
大手のメーカーでは、スケールの大きな仕事に携われる可能性もあるため、キャリアアップを理由に転職を決意する方もいるでしょう。
しかし外資系メーカーでは、日本企業と異なる風土があるため、働き方の違いに戸惑うことが多いかもしれません。
そこでこの記事では、外資系メーカーへ転職する際のポイントについてご紹介します。
外資系メーカーの特徴やメリットを理解し、転職に役立てましょう。
目次
外資系企業の中でも、多くを占めるのが外資系メーカーです。
外資系メーカーとは、食品や化粧品、医療機器などを生産する外国法人の企業を指します。
海外と共同出資で設立した会社や、海外企業の日本支社も、外資系メーカーに分類されるでしょう。
外資系メーカーは、働き方がシビアだといわれることも多く、「実力主義」や「成果主義」であることをはじめとして、国内メーカーとは異なる性質を持っています。
ここでは、転職前に知っておきたい特徴について詳しくご紹介します。
年功序列の風土がある日本企業と違い、多くの外資系企業は個人の能力や仕事の成果を評価する「実力主義」を取り入れています。
実力主義では、「若いから」「女(男)だから」「低学歴だから」など、業務における実績や成果以外を理由に周囲と差がつくことは少ないでしょう。
外資系メーカーにおいても、実力主義を取り入れている企業がほとんどです。
そのため、年齢や性別を問わずに昇格できるチャンスがあります。
すべてが実力で判断されるのは、報酬面においても同じです。
多くの外資系メーカーでは、個人の成果や実績で、給与などの待遇を判断する「成果主義」を取り入れています。
成果を出せば出すほど評価される環境であるため、高いモチベーションを持って仕事に取り組めるのが、成果主義の魅力でしょう。
また外資系メーカーは、社員の月収や年収が高いといわれています。
インセンティブ(報奨金)が支給される場合には、日本企業と比べて平均年収が大きく上回る可能性もあるでしょう。
日本では謙虚さが美徳だとされており、実際に大きな成功を収めた起業家の中にも、謙虚な人は多く存在します。
しかし外資系企業では、謙虚を美徳とする風土は薄く、積極性が要求される環境だと考えておきましょう。
必要以上の謙虚さは「自信がなく消極的な姿勢」と捉えられて、業務の上でマイナスに働いてしまうこともあります。
そのため外資系メーカーでは、正しく自己主張をすることが大切です。
「自分の意見をはっきりと伝える」「自らの判断で積極的に業務を遂行する」「自分の実績をアピールする」など、さまざまなシーンにおいて積極性をみせることが、評価に大きく関わる可能性もあります。
外資系メーカーに限らず、実力主義や成果主義の企業の場合は、雇用が不安定になりやすいという特徴があります。
終身雇用や長期雇用を前提としている日本企業では、真面目に勤務を続けることで、安定した雇用が保証されるケースがほとんどです。
しかし外資系メーカーをはじめとする外資系企業の場合、成果を出せないときには、退職を余儀なくされるケースもあります。
もちろんいきなり解雇とはなりませんが、期待されている実績が出ない場合、報酬の減額やプロジェクトから外されるなど、目に見える形で転職を促されることもあるようです。
さまざまなプロジェクトがスピーディーに進んでいくことも、外資系メーカーの特徴です。
多くのライバルが存在する外資系メーカーでは、判断の速さが経営を左右することも少なくありません。
そのため「トップダウン(上層部の意思決定を下部組織が実行)」を取り入れている企業が多く、通常の作業においてもスピード感を要求される傾向があります。
メールひとつをとってもレスポンスの速さが重視されるため、入社後にスピード感に驚く方も多いようです。
私たちが普段手にする食料品や日用品、高級ブランドや車など、外資系メーカーが取り扱う製品も多種多様です。
ひと言で外資系メーカーといっても、業種によっては企業風土や働き方が異なることもあります。
ここからは、外資系メーカーの主な業種や、その特徴をみていきましょう。
外資系メーカーと聞いて、多くの人が思いつくのは、「消費財」メーカーの名前ではないでしょうか。
消費財とは、FMCG(Fast Moving Consumer Goods)とも呼ばれ、消費者向けで回転率がよい製品を指し、シャンプーや柔軟剤などの日用品、アイスクリームやジュースなどの食品、美容品やスキンケア用品などがこれにあたります。
消費財メーカーでは、営業や経理、市場戦略をはじめ、マーケティングや研究開発が1つのチームを組んで業務にあたることが多いようです。
そのため、高いコミュニケーションスキルや専門性に特化した業務遂行能力が求められます。
ITメーカーは、外資系の中でもエリートが活躍する業種といわれています。
華やかなイメージが強いため、ときには「外資系ITエリート」などと呼ばれることもあるでしょう。
ITメーカーでの具体的な業務としては、ソフトウェアやハードウェアなどのIT製品開発が挙げられます。
日本支社の場合には、製品を日本向けに改良する作業が多いかもしれません。
システムエンジニアをはじめとし、さまざまな職種で成り立つITメーカーですが、成果主義でシビアな一面もあります。
インセンティブの割合も多いため、成果によって報酬が大きく変わることも珍しくはないでしょう。
BtoBとは「Business to Business」を意味し、法人向けにサービスを提供する企業を指します。
たとえば自動車の部品を供給したり、商品に利用する素材を提供したりなど、部品や素材の取り扱いを行っている多くの企業が、BtoBにあたるでしょう。
日本国内で経済活動を行う外資系のBtoB企業では、取引先の日本企業と深く関わることが多く、日本の文化や日本企業の社風を理解している企業が多いのが特徴です。
直接消費者と関わることは少ないため、ブランド力や知名度は低いかもしれませんが、企業風土や組織体制などが働きやすい優良企業も多いため、転職を検討する際はチェックしてみるとよいでしょう。
外資系メーカーには、ラグジュアリーブランドを扱う企業も多くあります。
レザーやジュエリー、時計やフレグランスなど、扱う商品は企業によってさまざまです。
またファッションアイテムだけでなく、広く知られている高級外車メーカーなどもあります。
ラグジュアリーブランドを取り扱う企業では、百貨店との取り引きや顧客対応も仕事のひとつです。
そのため商品知識だけでなく、マナーやコミュニケーション能力が求められます。
さらには自社製品に愛着を持つことも、顧客の信頼を得るうえで大切なマインドです。
ラグジュアリー系の企業は、ワークライフバランスを取りやすい傾向があるため、プライベートを重視できるという特徴もあります。
「対人関係がドライ」「ハードワークが多い」など、外資系企業にマイナスイメージを持つ方もいるかもしれません。
また給与面のよさや成果主義に魅力を感じて転職したものの、日本企業とは風土が違い、不安な思いをする方もいるでしょう。
福利厚生や対人関係なども、デメリットに感じる要素として挙げられます。
転職を考えている方は、まずはメリットやデメリットについて、しっかりと把握しておくとよいでしょう。
さまざまな魅力がある外資系メーカーですが、その中でも大きなメリットは報酬面のよさです。
外資系メーカーを含む外資系企業では、基本給とインセンティブが支給されます。
努力しだいで報酬が増えることは、モチベーションアップにもつながるでしょう。
外資系メーカーのメリットは、それだけではありません。
実力主義で年齢や性別にとらわれない評価制度は、男女を問わず「働きやすさ」にもつながります。
子育てのサポート体制が整っている企業の場合、フレキシブルな働き方でキャリアを積むことも可能です。
休暇に対しての考え方も日本企業とは異なり、非常に充実している傾向があります。
日本企業ではまだ導入されていることが少ない「バケーション休暇」や「シックリーブ(病気休暇)」を活用できることも、大きなポイントではないでしょうか。
日本企業と風土が異なる外資系メーカーで働いた場合、制度の違いに不安を感じる方がいるかもしれません。
企業によっては、通勤手当や住宅手当、家族手当などの福利厚生が存在しないケースもあります。
企業によって制度に違いはありますが、外資系企業では長期雇用を前提としていないため、退職手当が用意されないことも珍しくありません。
また対人関係がドライであることに不安を感じる方も多いようです。
外資系企業では、よくも悪くも同調圧力などがほとんどなく、社員一人ひとりが自分の達成すべき目標を持って仕事に取り組みます。
先輩が後輩の面倒を見るのが当然、というような職場環境はあまり多くないようです。
そのためチームや組織を大切する日本企業の風土に慣れている場合には、少し寂しく感じるかもしれません。
オンとオフもはっきりしているため、仕事以外のつき合いも少ない傾向があります。
同じ外資系メーカーでも、国によって社風や働き方が違う場合もあります。
たとえばキャリア志向が強く、ハードワークが多いというイメージは、欧州系の企業には当てはまらないこともあるようです。
また実力主義のイメージが強い外資系メーカーですが、国によっては年功序列の給与形態が取り入れられている場合もあるでしょう。
ここでは、米国系企業と欧州系企業を比較し、それぞれの違いをご紹介します。
「トップダウン」が定着し、上層部が大きな権限を握るのが、米国系企業の特徴です。
米国系企業では、キャリア志向の社員も多く、ハードワークをいとわない傾向があります。
年齢や性別に関係なく、成果を出すほど評価が上がるため、バリバリ働きたいという方には向いているかもしれません。
出世までの期間も短いため、若くして重要なポジションを狙える可能性もあるでしょう。
また米国系企業では、ジェネラリスト(総合的に活躍する人)よりもスペシャリスト(専門分野に精通した人)を求める傾向があります。
プロジェクトごとに各分野のスペシャリストを集めるため、プロジェクトが終わると同時に、転職を考える働き方も珍しくはありません。
欧州系企業では「ボトムアップ(現場の声を意思決定に反映)」が定着している企業が多いようです。
そのため上層部の意思決定にしたがう米国系企業と比較し、社員の提案がとおりやすい職場環境だといえます。
また、ハードワークをしてバリバリ働くというよりは、ワークライフバランスを重視して働く社風が多いのも欧州系企業の特徴です。
欧州系企業の中には、年功序列を取り入れている企業もあり、日本企業から転職した場合でも、職場環境に馴染みやすいでしょう。
転職を検討している場合には、その企業が求める人材像を把握しておくとよいでしょう。
多くの外資系メーカーにおいて、必要になるのは英語力です。
TOEICではスコア700以上が基準といわれており、ポジションによってはさらに高い英語力が要求される可能性もあります。
語学力だけでなく、コミュニケーション能力を身につけておくことも大切です。
個人で作業を行う印象が強い外資系メーカーですが、周囲とのコミュニケーションや最低限のマナーは守らなくてはいけません。
積極的に自分の意見を主張しながらも、相手を尊重した対応を心がけましょう。
また、プレゼンテーションスキルも磨いておくことをおすすめします。
プレゼン資料の読み合わせ程度のプレゼン力では、外資系企業においては通用しません。
顧客相手だけではなく、社内でもプレゼンを活発におこなう企業文化が定着しているため、オリジナリティがあり、十分な説得力のあるプレゼンテーションスキルが求められます。
外資系メーカーへの転職を成功させるためには、社風や仕事の内容を理解しておくことが大切です。
意思決定の違いや取り扱う製品など、メーカーについて下調べをしておくとよいでしょう。
また、最低限のグローバル・リテラシー(国際対話能力)を身につけ、転職後に即戦力になれるよう準備をしておくのもおすすめです。
ここでは、転職を成功させるためのポイントをご紹介します。
同じ外資系メーカーでも、企業によって社風に大きく違いがあります。
たとえばトップダウンを採用する米国系のメーカーと、ボトムアップを採用する欧州系のメーカーでは、意思決定の速さや一体感が異なるでしょう。
また取り扱う製品によって、仕事の内容が変わるケースもあります。
転職後に、「想像と違う」「このようなはずではなかった......」とならないためには、事前の下調べが重要です。
外資系メーカーに転職する際には、グローバル・リテラシーを身につけておくとよいでしょう。
企業によって必要なリテラシーに違いはありますが、主に語学力が必要です。
多くのメーカーでは、語学力の中でも、特に英語力を重視しています。
そのためTOEICで高いスコアを持つほど、転職に有利になるかもしれません。
メーカーによっては、専門的な用語を用いたコミュニケーションが要求される場合もあります。
特に、日常的に海外とのコミュニケーションが必要なメーカーの場合、高いレベルの語学力が要求されるでしょう。
転職を成功させたい場合には、転職エージェントの利用がおすすめです。
外資系メーカーでは、採用活動がクローズドで行われる傾向があるため、非公開求人も多くあります。
また会社概要が外国語で掲載されている場合には、メーカーの特色が分かりにくいかもしれません。
そのような場合、強い味方になるのが転職エージェントです。
転職エージェントでは、非公開求人や、企業についての詳しい情報を豊富に抱えています。
カウンセリングをしながら、転職における優先事項を整理し、外資系企業・国内企業という枠を超えて自分に合った企業を探すサポートをしてもらえます。
転職の際にはそれぞれのメーカーの特徴を知り、メリットやデメリットについても把握しておくことをおすすめします。
社風についても理解し、分野に応じたリテラシーを身につけておくことで、即戦力として活躍できる可能性が高まるでしょう。
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