更新日:2022/05/26
この記事のまとめ
社内SEは、社内の要件定義をはじめインフラの構築、運用、保守、自社独自のシステム開発といった幅広い業務があります。SEの経験が豊富であれば、さまざまな業務に携われるでしょう。
エンジニア系の仕事の中でも人気の高い社内SEに未経験で転職したいと考えている方もいるのではないでしょうか。この記事では、未経験者でも採用されるのか、注意すべきポイントを解説します。
目次
未経験でも社内SEに転職できます。近年は社内SEの需要が高くなっているため、未経験者を採用している企業は増加傾向です。まずは、未経験でも社内SEに転職できる理由、未経験者の年収目安を見ていきましょう。
近年、IT技術が進歩しSEの需要が増える一方、供給は追いついていません。経済産業省のデータによると、2030年には最大79万人不足すると算出されています。少子高齢化が進んでいることから特に20代の供給が少なく、需要も増えています。
そのため、一から社内SEを育て上げようと考え、未経験者でも採用する企業が増えてきました。現場で経験を積むことで、実務年数に応じた段階的なスキルが取得可能です。
社内SEの年収には個人差があります。平均年収の目安は約516万円ですが、これは転職経験がある方のデータで、年代によっても異なります。
未経験であれば約400万円が妥当でしょう。ただし、能力次第では20代でも倍ほどの年収になることもあります。
社内SE未経験者でも、企業が採用したいと思えるような人物であることが理想です。たとえば、IT関連の知識があれば、採用されやすくなるでしょう。ここでは、企業が求めているのはどのような人材かについて解説します。
SEは未経験でも、業務知識を持っていれば採用されやすいでしょう。業務で使用するシステムを開発する場合、その業務に関する知識を持っていると認識の疎通がスムーズになります。また、業務知識を生かして利用者にとって便利な機能を提案できれば、業務知識のないSEよりも優位に立てるでしょう。
ただし、業務知識を生かせる工程に関わる場合でもSEやプログラマーとやりとりする場面はあるため、最低限のIT関連業務の知識も必要です。
社内SE未経験者の需要は高まっているものの、転職しやすい年齢は20歳代から35歳までといわれています。35歳を超えると、長期キャリア形成の面から未経験者の採用は狭き門となるでしょう。
ただし、採用で重視されるのは、前職までの経験やスキルという経歴です。30歳以上で転職する際は、マネジメントができ、チームリーダーとして活躍できるような基礎スキルがあると有利です。
社内SE未経験者に任せられる仕事には、IT技術に詳しくなくてもできる業務や今まで携わってきた仕事に関連する業務、社員のサポートといった業務があります。ここでは、どのような内容の仕事を任せられるのか、ピックアップして紹介します。
未経験者でもできる仕事例として、過去のIT業務の知識を生かして、社内で使用するシステムやソフトウェアが有効活用できるようにマニュアルを作成する仕事があります。
マニュアルを作成する際は、実際に社内で運用されているシステムやソフトウェアを操作します。その過程でシステム構築や運用のスキルが身につくため、仕事をしながら現場の業務に関する知識を学べるというメリットがあります。
業務の一環として社員のサポートもします。パソコンのセットアップからトラブルが起きたときの対応、ITツールの操作の問い合わせまで幅広く担当する仕事です。
社内にはパソコンやソフトウェアの知識や経験が浅い人もいるため、社内SEが頼りにされる場面は多いでしょう。社員サポートはさまざまな対応を求められるため、多くの経験が積めます。
社内SEへ転職をする際に、取得しておくとよい資格がいくつかあります。特に、IT関連の資格があれば、知識やスキルの証明として利用できるでしょう。ただし、難易度の高い資格もあるため、しっかりと対策することが重要です。ここでは、基礎的なスキルを証明する資格と特定領域での資格を紹介します。
情報処理推進機構(IPA)が運営する情報処理技術者試験のひとつで、ITエンジニアの登竜門ともいわれる国家資格です。
基本的な知識や技能を測る試験で、社内SE未経験でも基礎を身につけている証となります。試験は4月と10月に実施され、情報処理技術者試験制度のスキルレベル2と難易度はやや高めです。
参考: 『基本情報処理技術試験|独立行政法人情報処理推進機構』
基本情報処理技術と同様に、情報処理技術者試験のひとつである国家資格です。技術から管理、経営まで幅広い知識と応用力が求められる試験で、マネジメントやシステム管理、プログラミングといったIT基盤構築に役立つでしょう。
難易度はスキルレベル3と高めで、20歳代で持っていると評価されやすくおすすめです。試験は4月と10月の年2回実施しています。
スキルレベル4に相当する高度情報処理技術者試験で国家資格です。プロジェクトの意思決定をし、確実に成功に結びつけたりメンバーの成長を促したりできるマネージャを目指す人におすすめです。
社内独自のシステムを開発している企業では、プロジェクトマネージャの資格を持っている人材を求めている場合が多く、そのような企業へ転職したい人にもおすすめの資格といえるでしょう。
参考:『プロジェクトマネージャ試験|独立行政法人情報処理推進機構』
スキルレベル4に相当する非常に難易度の高い国家試験です。開発・設計を主導するための資格で、的確な分析やニーズに適した設計によってシステムの上流工程を担う上級SEを目指す人におすすめの資格です。未経験でも、この資格を持っていると転職に有利となるでしょう。
参考:『システムアーキテクト試験|独立行政法人情報処理推進機構』
ベンダー資格とは、国家試験と異なり製品のメーカーが主催している資格試験です。個々のメーカーの製品やサービス、ソフトウェアに特化した試験で、その分野に精通していることが証明できます。代表例は、Microsoft「MOS」やLinux「LPIC」です。
いずれも実務的な知識が求められ、中には、国家試験より難易度が高い資格もあります。該当する製品を利用している企業であれば、採用されやすくなるでしょう。
社内SEは多くの社員と接する機会があり、さまざまな業務をこなす必要があります。そのため、コミュニケーション能力や分析力がある人におすすめです。ここでは、どのような人材が社内SEに向いているか、ピックアップして紹介します。
社内SEは社員のサポートやシステム開発の要望をまとめるといった仕事があり、現場の社員と接する機会が多いという特徴があります。
たとえば、システムやパソコンのトラブルに対応できない人やトラブルの内容が分からずうまく説明できない人に対して、技術的な内容を丁寧に分かりやすく説明しなくてはなりません。また、システムに関する要望を引き出すには、相手の気持ちをくみ取るスキルが必要です。さまざまなシーンでコミュニケーション能力が求められるでしょう。
社内SEは物事を論理的に考え、優先順位を即座に判断して業務を進められる人が向いています。システムにトラブルが起きた場合、最も影響を受ける部署を判断し、優先的に業務に取り掛かるといった判断力・即決力が大切です。
また、複数の社員から同時に問い合わせが来ることも考えられ、どれを優先すべきか判断しなければなりません。業務内容を見て分析する力がある人に向いています。
社内SEは未経験者でも転職は可能です。ただし、資格や素質といった条件以外にも、未経験者だからこそ気をつけたいポイントがいくつかあります。転職の事前準備として、ぜひ参考にしてみてください。
未経験者の社内SEを募集している企業は多いものの、すぐには応募せず、まずは企業についてしっかりと調べることが大切です。企業の情報は、インターネットやSNSで簡単に調べられます。
特に、未経験者がチェックしておきたいのは育成システムの有無です。教育体制が整っており、新人育成に力を入れている企業であれば、未経験者でも安心して働けるでしょう。
募集要項を熟読することもポイントです。業務内容をよく確認することで、求められるスキルや経験が分かります。応募の際にアピールする点を把握し、必要な資格を取得するといった対策が可能です。
プログラミングの知識は必須です。企業が指定するプログラミング言語を使った開発経験が応募条件になっている場合もあります。知識や経験が必要なプログラミング言語は企業により異なるため、募集要項をよく確認しましょう。開発経験やプログラミングの知識がない人は、独学やスクールで学ぶ必要があります。
未経験でも社内SEへの転職は可能です。IT関連業務の知識や資格、コミュニケーション能力があれば、より有利になるでしょう。また、プログラミングの知識は必須であるため、独学やスクールで身につける必要があります。
マイナビITエージェントには、それぞれの職種を専門とするキャリアアドバイザーがいることが強みです。一人ひとりに寄り添いしっかりとサポートするため、社内SEへ転職をお考えの人はご相談ください。
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