更新日:2022/10/04
システムエンジニアが転職する際、希望する会社によっては英語力が重視される場合があります。
また、実務に英語力が必要でなくても、英語力の高さは選考の際に大きなアピールポイントとなります。
ここでは、「システムエンジニアの転職に英語力がどう役立つか」「転職に際して英語力をどうアピールすればいいか」といったことについてご紹介していきましょう。
目次
英語が読めたら、聞き取れたら。英語力はあった方が良いと思われている方も大勢いらっしゃると思います。
その一方で、システムエンジニアもしくはIT業界で働いている方で、日常的に英語を使う機会はあまり無いという方も多いと思います。
では、なぜシステムエンジニアに英語力があった方が良いと言われているのでしょうか。その理由をみていきましょう。
複数の大手IT企業が、社内公用語を英語にすると公表したニュースをご存知の方もいらっしゃると思います。
グローバル化が進む現代では、「TOEIC何点以上」を応募条件にしている求人も増えています。
日本企業であっても英語の重要性を理解し、採用の基準として取り入れているのです。
グローバル企業や外資系企業など、世界展開している企業が英語を使ってコミュニケーションをとっている様子は想像しやすいと思います。
海外に支部やグループ会社があると、会議を英語で行うのも理解できるでしょう。
それだけでなく近年では、企業規模に関係なく海外進出する企業だったり、オフショアを活用したりする企業が増えています。
そのため、公用語とまではいかなくても、会議や業務連絡で英語を使っている企業が身近になりつつあります。
IT技術やプログラミング言語は世界共通です。
世界中のエンジニアに伝えたいならば、世界共通語と言われている英語で発信するのは当然でしょう。
また、技術書やIT機器の説明書などのドキュメントも英語で書かれているものが多いので、英語を読む力の必要性は高いです。
「外資系企業やグローバル企業、海外にクライアントを持つ企業への転職を希望するなら、英語力が必要になるだろう」。
そう考えて、英語の勉強に取り組んでいるシステムエンジニアの方も多いでしょう。
実際、英語力を採用条件の必須スキル、または希望スキルに加える企業は増えてきています。
とはいえ、今のところそのような企業は少数派です。
「英語があまり得意ではない」というシステムエンジニアでも転職に困ることはありません。
しかし、英語力は転職活動を進めていく上で強力なアピールポイントになるため、身に付けておいて損はありません。
では、英語力を身に付けることで、システムエンジニアにどのようなメリットがあるのでしょうか?
転職活動を進める際には、様々な求人情報をチェックしてエントリーしたい企業を絞り込んでいく方がほとんどでしょう。
しかし、自分にとって理想的な企業が見つかったとしても、その求人の必須条件に英語力が掲げられていたら、英語力に自信のない人はエントリーしにくくなります。
エントリーできる企業の選択肢を広げるためにも、英語力を高めておくことが望ましいといえるでしょう。
IT機器の大多数は英語が標準となっていて、エラーが発生した際に原因やヒントを表示してくれます。
よくあるエラーであれば、世界中のエンジニアが解決している事がほとんどですが、特定の条件でのみ発生するエラーも存在します。
翻訳ツールを使っても、専門用語や特殊な言い回しを適切な日本語に翻訳する事は難しいでしょう。
エラー内容からいくつか分かる単語を見つけられると、あたりを付けられるので調査時間の短縮に繋がります。
IT技術に関するブログや最新の技術書など、英語による情報収集力の高さは、転職志望先の採用担当者に対する強いアピール材料となります。
システムエンジニアの採用面接で「IT技術の情報収集はどのようにしていますか?」と質問されたときに、「世界的に著名な技術者のブログや、ユーザーグループのコミュニティを定期的にチェックしています」と回答できれば、頼もしい印象を残すことができるでしょう。
また、最新の技術書を原書で読み、それらの書籍について自分なりに意見や感想を語れるレベルに達していれば、採用選考で一目置かれることは間違いありません。
「英語が必要になるのは外資系企業やグローバル企業」とばかりはいっていられない時代が来ています。
日本のIT企業でも、IT大国として知られているインドをはじめ、世界各国の人材が働いています。
転職先の会社の上司が外国人であっても不思議ではありませんし、外国人エンジニアが自分の部下や後輩として入ってくることもあるでしょう。
外国人の同僚と円滑なコミュニケーションをとれるレベルの英語力は、システムエンジニアとしての人材価値を高めるのに大きく役立ちます。
また、日本で働く外国人エンジニアの多くは、日常会話程度なら日本語を話すことができますが、ちょっと複雑な話になると日本語の語彙が追いつかず、説明を省く可能性があります。
そこで、英語で聞き返してミスを防いだり、複雑な話は最初から英語で話したりすることで、仕事の効率が大幅に改善され、ミスやトラブルを回避することができるでしょう。
近年はグローバル企業以外でも、海外の企業と提携して開発のコスト削減やスピードアップを図るSIerが増えてきています。
チャットやビデオ会議などで日常的に海外企業のスタッフと意思疎通を図り、協力して仕事を進めるスタイルは、もはや珍しくありません。
企業としては「少なくとも海外の取引先と技術的な会話ができる人材を採用したい」というのが本音ではないでしょうか。
また、システムエンジニアが習得するプログラミング言語は、全世界共通のものです。
そのため、英語力があれば、海外の企業に就職することも夢ではありません。
英語力を計るための基準のひとつに「TOEICスコア」があります。
ご存じのとおり、TOEICには合格・不合格といった線引きがなく、テストで獲得したスコアがその人の英語力のレベルを表す仕組みになっています。
TOEIC事業を展開する一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会によると、リスニングスコアは375点、リーディングスコアは425点を突破していれば、一定の英語力を有しているとみなされるようです。
その他、実用英語技能検定(英検)やTOEFLなども、英語力を証明するための有力な材料となります。
しかし、転職においては、必ずしもこうしたスコアや資格がそのまま評価につながるとは限りません。
面接などで英語力をアピールするには、「英語力を駆使して、どのような実績を残したか」「英語力を活かしてどのように仕事をしていきたいか」など、英語を活用したシチュエーションを具体的に語るほうが有効です。
例えば「海外のクライアントや協力企業、外国人スタッフとコミュニケーションをとり、システム開発に成功した」というようなストーリーがあれば、最高のアピール材料になるでしょう。
今すぐ転職を考えていない人でも、将来のことを考えた場合、英語力に磨きをかけておいて損はないでしょう。
ただし、日常英会話やビジネス英会話など、システムエンジニアの世界と縁遠い英語学習法は仕事に直結せず、モチベーションを持続しにくいという懸念があります。
システムエンジニアは、一般的な英語力を高めるよりも、IT分野で使用される用語などを重点的に勉強したほうがいいでしょう。
例えば「発音や文法は非ネイティブレベルで構わないから、とにかく外国人のエンジニアと技術的な意思疎通ができるようにする」など、具体的な目標を掲げて取り組むのが有効でしょう。
また、定期的に海外の開発ブログやITメディアをチェックすることで、世界の最新技術をキャッチアップするだけでなく、リーディングスキルの向上にもつながるはずです。
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