更新日:2023/11/13
この記事のまとめ
データサイエンティストへの転職を考えているものの、はたして自分には適性があるのかが分からずに悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、データサイエンティストに向いている人の特徴や転職するメリット、転職を実現する方法について解説します。事前に自分に適性があることを確認し、ポイントを押さえたうえで転職活動を進めると、データサイエンティストへの転職を成功しやすくなるでしょう。
目次
これからデータサイエンティストを目指すにあたり、仕事内容を把握しておくことは大切です。転職後のミスマッチを防ぐためにも、企業におけるデータサイエンティストの役割を事前に押さえておきましょう。ここでは、データサイエンティストの仕事内容やデータアナリストとの違いについて解説します。
データサイエンティストは、企業が抱える課題の解決や新たなビジネスの創出のために大量のデータを分析する職種です。データサイエンティストの仕事は、主に以下の流れで進みます。
データサイエンティストが特に活躍するのは、「蓄積されたデータを役立てたいが、その基盤が整っていない状況」です。まずはクライアントや担当者にヒアリングをし、課題の把握に努めます。メイン業務は、課題を解決に導くデータ分析環境を構築することです。そのために蓄積されたデータを環境に適した扱いやすい形へと加工したり、分析に活用する統計的モデルを構築したりもします。
なお、データサイエンティストの仕事は自社のデータ分析を担当するケースだけでなく、他社から依頼を受けてデータ分析環境を構築し、納品するケースもあります。
データサイエンティストとよく似ている職種に「データアナリスト」があります。データアナリストもデータサイエンティストとほぼ同様の工程で仕事を進め、分析したデータをビジネスに役立てる点では共通しています。
しかし、データアナリストが主にWeb上のデータを収集して分析するのに対し、データサイエンティストはWeb上のみならずさまざまなビッグデータを活用する点に違いがあります。データアナリストに比べると、データサイエンティストにはより高度かつ幅広い知識が求められるといえるでしょう。
ただしデータアナリストもデータサイエンティストも、企業によって担当領域がさまざまです。実際の仕事内容は各社の求人票や面接の際によく確認しましょう。
仕事を長く続けキャリアアップや年収アップを実現するには、職種に対する適性の有無が重要です。ここでは、データサイエンティストに向いている人の特徴を4つ紹介します。転職活動を始める前に、自分にデータサイエンティストとしての適性があるかどうかを確認しておきましょう。
データサイエンティストに向いている人の特徴として、地道な作業を繰り返すことが苦にならないことが挙げられます。
データサイエンティストの仕事は膨大な量のデータを分析し、仮説を立てては検証することを何度も繰り返します。そのため、長時間におよぶデータ収集や検証作業を苦とせず、企業が抱えている課題解決に寄与するという達成感にやりがいを抱ける人ほどデータサイエンティストに向いています。
データサイエンティストの仕事は、データの分析だけではありません。データの分析にあたってクライアントや担当者から課題をヒアリングしたり、分析結果をプレゼンテーションしたりする必要があります。また、ヒアリングに際しては相手が抱えている本当の課題を引き出す能力が、分析結果を報告する際には分かりやすく伝えるスキルが欠かせません。
そのため、他者とスムーズにコミュニケーションを取れる人、相手の立場になって物事を考えられる人はデータサイエンティストに向いているといえます。
物事を論理的に考えられる人もデータサイエンティストに向いています。データサイエンティストに求められる論理的思考とは、主観や臆測を挟まずに知識とデータを用いて関係性を導き出し、課題解決のための筋道を立てることです。
直感で動いてしまう人よりも、何事も客観的な視点で考察でき、また広い視野を持って柔軟に考えられる人のほうがデータサイエンティストに向いているでしょう。
大量のデータを分析して課題の解決につながる施策を提案するには、数学に関する知識が欠かせません。そのため、数字を使った作業が好きな人はデータサイエンティストに向いています。
たとえば、データサイエンティストの仕事に必要な数学の知識には以下のようなものがあります。
これらの知識を学ぶことに抵抗がある人、数字を扱うのが苦手な人にはデータサイエンティストの仕事はあまり向いていないといえるでしょう。
データサイエンティストに転職すると、さまざまなメリットを享受できる可能性があります。データサイエンティストに向いている人の特徴に自身が当てはまる場合は、前向きに転職活動を進めるとよいでしょう。ここでは、データサイエンティストに転職するメリットを3つ紹介します。
厚生労働省が公表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、データサイエンティストの平均年収は557万5,000円です。全産業の平均年収496万5,700円よりも高いことから、データサイエンティストへの転職によって年収アップをかなえるのも夢ではありません。
また、経験が年収につながる点もデータサイエンティストの特徴です。実際年齢別の年収を見ると、20代後半では431万4,100円であるのに対し、30代後半では565万1,300円へと増加しています。年収のピークが50代後半の694万4,900円であることを考えると、将来性に期待できる職種といえるでしょう。
参照:データサイエンティスト|職業情報提供サイト
参照:令和4年賃金構造基本統計調査の概況|厚生労働省
データサイエンティストは、企業の経営に大きく関わる重要な職種です。仕事を通じて企業の経営に貢献できる点は、データサイエンティストへ転職するメリットのひとつです。
企業の意思決定に多大な影響を与えることから責任の重い仕事ではありますが、経営層や幹部と直接やりとりをする機会が多いなどやりがいも感じやすいでしょう。
民間企業・官公庁を問わずビッグデータの活用が進む中、データサイエンティストの需要は増加傾向にあります。一定のキャリアがあり、データ分析に関する高度なスキルを有しているデータサイエンティストは転職市場において重宝されるため、転職によって望むキャリアプランを実現しやすくなるでしょう。
また、フリーランスとして独立する道も選択できます。フリーランスであれば働く場所や時間を比較的自由に調整できるため、自分らしい働き方を模索する方にもデータサイエンティストはおすすめです。
データサイエンティストは、以下のように多種多様な業界から必要とされています。業界によって携わる業務内容には違いがあるので、事前に押さえておくとよいでしょう。
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データサイエンティストを目指す際には、これまでに培ってきた知識や経験を活かせる業界を選ぶと転職を成功させやすくなるでしょう。
人材不足に陥っているIT業界にあって、希少価値の高いデータサイエンティストもまた多くの企業から求められている職種のひとつです。そのため、未経験であっても自社での育成を前提として積極的に採用している企業は少なくありません。ただし、20代の若いうちであればポテンシャル採用が期待できますが、30代以降の場合には一定のスキルレベルや実績を求められるケースが一般的です。
ここでは、データサイエンティストへの転職を有利にする3つのスキルを紹介します。データサイエンティストへの転職を実現したいのであれば、日頃からスキルの向上に努めましょう。
データサイエンス力は統計学や情報処理、AIなど情報科学系の知識を活用できる能力であり、データサイエンティストの仕事には欠かせません。課題解決のための道筋を模索するうえで、データサイエンス力を柔軟に扱える必要があります。
IT系職種の経験がある人のほか、マーケティング系や製造業の研究者などを前職とする人、統計学や数学、情報工学などを大学院で専攻していた人などは比較的習得しやすいでしょう。
データエンジニア力とは収集した膨大なデータを加工し、実装・運用するための環境を構築するスキルです。いわばデータ活用の基盤づくりに必要とされる能力であり、その中にはプログラミングスキルも含まれます。
データサイエンティストを目指すにあたっては、プログラミング言語であるPythonやデータベース言語であるSQLなどを扱えるようになっておくとよいでしょう。
データサイエンティストに必要とされるビジネス力とは「課題背景を理解および整理し、解決する力」のことで、以下のスキルが該当します。
データサイエンティストとして活躍するには、課題を論理的に分析して解決策を導き出すためのテクニカルスキルやコンセプチュアルスキルはもちろん、クライアントや担当者から正しく情報を引き出すためのヒューマンスキルも必要です。日頃から意識して習得を心掛けましょう。
データサイエンティストになるために資格は必要ありません。しかし高度なスキル・知識が求められる専門性の高い職種であるため、自分のスキルレベルを証明するためにも資格の取得を目指すとよいでしょう。
データサイエンティストへの転職に有利に働く資格には、以下のようなものがあります。
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中でも、「データサイエンティスト検定」は資格の勉強をとおしてデータサイエンティストに必要な基礎レベルのスキルを身につけられるのでおすすめです。合格率は約42%(2022年11月実施)とやや難易度が高めであるため、しっかりと勉強をしたうえで挑戦しましょう。
未経験からデータサイエンティストへの転職を成功させるには、一定のスキルや経験を積むことが欠かせません。データサイエンティストに求められる知識やスキルを理解したうえで、自分に不足している能力の習得に努めましょう。ここでは、データサイエンティストへ転職する方法を3つ解説します。
データサイエンティストになるためのスキルが不足していると感じる人は、データサイエンスに関するスクールやオンライン講座の受講などをおすすめします。また、社会人向けに統計学や情報工学などの知識を学べるコースを提供している大学の活用も選択肢のひとつです。
ただし、講座内容や料金は多種多様です。初心者向けに1から10まで教えてもらえるような講座もあれば、データ分析のみ、プログラミングのみなど分野別でしか学べないものもあるので、必要に応じて選びましょう。
ポテンシャル採用が難しくなってくる30代以降では、先に関連性のある職種で経験を積んでからデータサイエンティストを目指すのがおすすめです。データサイエンティストに求められる3つのスキル(データサイエンス力、データエンジニア力、ビジネス力)を鍛えられる以下のような職種を選ぶとよいでしょう。
課題解決力を磨けるITコンサルタントやWebマーケターもおすすめですが、その場合には並行してプログラミング知識を習得したり、資格の取得を目指したりしましょう。
データサイエンティストへの転職先を具体的に探す際には、IT専門の転職エージェントに相談するのがおすすめです。データサイエンティストはIT業界の中でも専門性の高い職種であるため、業界事情に精通していない一般的なキャリアアドバイザーの場合には希望条件に合った転職先を紹介してもらえず、ミスマッチを起こしかねません。
その点、IT専門の転職エージェントにはIT業界出身のキャリアアドバイザーが多く在籍しています。転職先の条件が具体的に決まっている人はもちろん、「本当にこのキャリアプランでよいのか悩んでいる」といった人も、スキルや経験に応じた求人を紹介してもらえるでしょう。また、転職成功に向けた有益なアドバイスを得られやすいメリットもあります。
データサイエンティストに向いている人には、「地道な作業が苦にならない」「他者と積極的にコミュニケーションが取れる」「論理的な思考が得意」「数字を使った作業が好き」といった特徴があります。データサイエンティストは高度な知識が求められる職種であるため、転職するのは容易ではありません。しかしその分、高年収を得やすくやりがいも感じやすいため、挑戦のしがいはあるでしょう。
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