更新日:2023/03/02
この記事のまとめ
さまざまな産業でデータの活用が進んでいる中、データ分析の専門家であるデータサイエンティストの需要が高まっています。データサイエンティストの将来性の高さに着目し、転職を検討している方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、データサイエンティストへの転職を目指している方に向けて具体的な仕事内容や将来性、習得しておきたいスキルについて解説します。転職を成功させるためにもスキルアップに励みましょう。
目次
データサイエンティストは、あらゆるデータを分析して必要な情報を抽出し、ビジネスに活かす職種です。データサイエンティストが分析したデータを仕事に活用することで、新たな商品やサービスの開発、業務プロセスの効率化が可能となります。ITの進展に伴ってデータの重要性が高まっており、データサイエンティストの需要も増しています。
いまやビジネスにおいてデータの活用は欠かせません。データを分析するデータサイエンティストの活動領域も多岐にわたります。ここでは、データサイエンティストが活躍している4つの分野を紹介します。それぞれの分野でどのように活躍しているかを知ることで、データサイエンティストの仕事内容をさらに深く理解できるようになるでしょう。
企業の経営戦略・事業戦略を策定するには、市場のニーズや自社が抱えている課題の適切な把握が欠かせません。自社で収集したデータやWeb上のビッグデータをデータサイエンティストが分析することで、これらの情報を可視化できます。
さまざまなデータを分析することで市場の需要や既存ビジネスの至らない点が浮き彫りとなり、新たなビジネスを創出したり既存ビジネスの軌道を修正して価値を高めたりするのに役立ちます。
新商品の開発において、市場のニーズを知るためにはデータの分析が必須です。ビッグデータを分析することで、埋もれていたニーズを発見できることもあるでしょう。状況によっては、競合先がまだ手を出せていない市場ニーズに気づける可能性もあります。
新商品を開発する際に隠されたニーズを見つけられれば、自社製品のシェアや売り上げの拡大が期待できるでしょう。商品開発のプロセスにおいてデータ分析が必要とされているため、この分野でもデータサイエンティストが活躍します。
「マーケティングで思ったような成果が上がらない」「自社商品の売り上げが悪い」など、ビジネスではさまざまな課題が発生します。課題を解決するには、なぜそのような状態に陥っているのかを知ることが大切です。
データサイエンティストは、ビジネス上の課題解決を目的としてデータ分析に携わることもあります。データを分析することで、いままで気づかなかった課題を発見することもあるでしょう。企業全体の現状を把握して課題を可視化し、効果的な改善策を考えるうえでも欠かせない職といえます。
IT技術の進展に伴い、AIを活用したシステムが社会に浸透しています。AIの開発においても重要な役割を果たしているのがデータサイエンティストです。
AIを開発するには、膨大な学習用データを用意しなければなりません。ビッグデータなどの元データから目的に応じて必要なデータを選別し学習に使える形に整えるには、データ分析に関係する高度なスキルを有するデータサイエンティストの力が欠かせません。AIの拡大に伴ってデータサイエンティストの需要はますます高まるでしょう。
データサイエンティストが具体的にどのような仕事に携わるのかをイメージできない方も多いでしょう。そこでここからは、データサイエンティストの主な仕事内容を4つ紹介します。データサイエンティストへの転職を検討している方は、ミスマッチを防ぐためにも業務内容をひととおりチェックしてどのような職種なのかを理解しておきましょう。
事業課題の解決や新商品の開発などの目的に応じて必要なデータを収集します。ただし、一口にデータといっても、中には誤った情報がないとも限りません。そのため、できるだけ信頼性の高い情報源から正しい情報を収集する必要があります。
収集したデータには無関係なものや間違っているもの、形式がそろっていないものが含まれているケースがあります。そのようなデータが存在すると適切に分析できなかったり違う結果が出力されたりする可能性があるため、データの品質を確認して分析できる状態に整えなければなりません。この業務をデータクレンジングと呼びます。データサイエンティストが果たす重要な役割のひとつです。
必要なデータがそろったら、実際に分析して目的に応じた情報を抽出します。データ分析に必要な手法を考えたり、具体的な分析システムを構築したりするのもデータサイエンティストの仕事です。
データ分析を実施する目的に応じて適切な分析手法を選ぶことも大切であり、数学や統計学の知識も求められます。分析が完了したら結果を出力し、そこから得られる情報を読み解くのも重要な仕事です。
データを分析して得られた情報をまとめ、レポーティングするところまでがデータサイエンティストの仕事です。分析結果を図表やグラフなどを活用して見やすくまとめ、そこから何が導き出せるかを考察します。場合によっては、レポーティングの次段階である戦略立案や商品開発への関与を求められる可能性もあるでしょう。
データは分析して結果を出力するだけでは意味がないため、レポーティングして活用するところまで責任を持って取り組むことが大切です。
データサイエンティストへの転職を検討していて将来性が気になる方もいるのではないでしょうか。将来的にデータサイエンティストはなくなるといわれることもありますが、さまざまな状況を考えると将来性が高い職種のひとつといえます。ここでは、データサイエンティストの将来性が高いといえる理由を4つ紹介します。
IT業界以外でもAIの活用が進んでおり、AIの開発に欠かせないデータサイエンティストの需要が高まっています。学習用のデータを準備したり、AIを利用する目的に応じた解析手法を実装したりするには、高度なスキルを有しているデータサイエンティストの力が必要です。
AIが発展し続けていることを考えると、今後もデータサイエンティストの需要が高まると考えられるでしょう。長期的にデータサイエンティストとして活躍するためにも、スキルアップに励むことをおすすめします。
IoT(Internet of Things)の進展もデータサイエンティストの需要を高めている要素のひとつです。あらゆるものがインターネットにつながっていて、さまざまなデータを集められるようになっています。カメラの映像を分析して人流データを取得する技術や、センサーをネットワークに接続して情報を取得し、それによって機器を制御する技術も用いられています。
IoTによって膨大なデータが集まれば、それをビジネスに活用する動きも加速するでしょう。集まったデータを分析することで新たなビジネスの手掛かりが得られ、イノベーションにつなげられる可能性もあります。
昨今はビッグデータの重要性に注目が集まっており、民間企業や官公庁でビッグデータを活用する動きが加速しています。ビッグデータを分析すれば、市場の隠れたニーズをはじめとしたイノベーションにつながる情報を発見できることもあるでしょう。
官公庁では、ビッグデータから得た情報に基づいて都市計画を策定したり、行政サービスを改善したりするケースがあります。このような活動を推し進めるには、データ分析のスキルを有しているデータサイエンティストが欠かせません。
社会のさまざまな分野でAIの活用が進んでいますが、それを担うAI人材は不足することが予測されています。経済産業省の発表によると、AI人材に限らずITエンジニア全般が不足すると予測されており、今後はさらに人材不足が深刻化するでしょう。
そのため、データサイエンティストとして高度な分析スキルや開発スキルを有している人材の価値はより高まります。日頃からスキルアップに励めば自身の市場価値を高められ、長期的にデータサイエンティストとして活躍できるでしょう。
データサイエンティストを目指すにあたっては、さまざまなスキルを習得する必要があります。ここでは、データサイエンティストとして活躍するために必要な知識やスキルを4つ紹介します。継続的に学習し、さらなるスキルアップを目指しましょう。
データ分析は統計学の手法を用いて実施します。そのため、統計学を学び、どの解析手法が目的に適しているか判断するスキルを培いましょう。データ分析で使用する統計手法の一例は以下のとおりです。
関係性を調べるのか、差を調べるのか、それとも予測するのかによって適した統計手法は異なります。目的に応じた手法を選択するためにも、統計手法ごとの特徴や得意分野を学んでおくとよいでしょう。
ビッグデータとは、全体像を把握するのが困難なほど膨大なデータを指します。その中にはWeb上に分散しているデータや自社で収集した顧客情報などさまざまなものが含まれるでしょう。
ビッグデータを目的に応じて活用するには、どこに必要な情報が収められているのかを考えて必要な情報を抽出し、適切な手法で分析しなければなりません。そのためには、ビッグデータの特性を学んで分析経験を積むことが大切です。
通常、データ分析は手動で行うものではなく、専用のシステムを構築して行います。目的に応じてデータ分析用のプログラムを作成したり、望んでいる結果が得られるように既存のプログラムを調整したりすることもあるでしょう。
これらの業務に携わるには、一定のプログラミングスキルが求められます。別分野のITエンジニアからデータサイエンティストへの転職を検討している方は、プログラミングスキルをさらに高めるように学習を進めるとよいでしょう。
データサイエンティスト向けの専門スキルではありませんが、ロジカルシンキング(論理的思考)も大切です。ロジカルシンキングとは、物事の関係を論理的に整理して理解するスキルを指します。
データサイエンティストとして働くと、課題の背後に隠れている原因を追究して解決策を考える仕事に携わります。そのためには、原因と解決策を論理的に結びつけるスキルが欠かせません。普段からロジカルシンキングを意識し、さまざまな論理展開の手法を学ぶことをおすすめします。
データサイエンティストの具体的な仕事内容や必要とされるスキルが理解できたとしても、自分が本当に向いているのか判断しにくいと感じている方もいるのではないでしょうか。
データサイエンティストに向いている方の特徴は以下のとおりです。
複数の条件に当てはまるのであれば、データサイエンティストへの転職を検討するのも選択肢のひとつです。転職で自分が望んでいるキャリアパスが実現できそうかを考えながら判断しましょう。
キャリアアップのためにデータサイエンティストを目指しているのであれば、実務で求められるさまざまなスキルを習得することが大切です。ここからは、データサイエンティストを目指す方が習得しておきたい3つの知識・スキルを紹介します。スキルアップはエンジニア職として働くうえで欠かせないため、積極的に学び続けましょう。
データサイエンティストは別分野のエンジニアとして習得できるスキルに加えて、統計学や機械学習に関する知識が求められる分野です。回帰分析やクラスタリングをはじめとした分析手法に関する知識や、AI開発に関する知識などを学ぶとよいでしょう。
併せて、データを正しく読み解くのに必要なスキルの習得をおすすめします。データ分析に携わっていると勘違いしやすい結果が出力されることがあり、それらを正しく見分けて間違った結論を導き出さないようにするスキルも大切です。
IT業界の最前線で活躍するエンジニアであることを考えると、高度なプログラミングスキルの習得は欠かせません。2023年時点において、データ分析や機械学習の分野ではPythonとRが幅広く用いられています。そのため、PythonとRを使いこなせるように学習を進めるとよいでしょう。
プログラミングスキルと併せて、データベース関連のスキルを習得しておくのもおすすめです。データを扱ううえでデータベーススキルは欠かせないため、習得しておけば自身の市場価値をさらに高められます。
民間企業においてデータ分析に取り組む主目的は、「データをビジネスに活用して収益を上げること」です。そのため、エンジニアリングスキルや統計学の知識に加えてビジネススキルが欠かせません。
実務では、データ分析によって得た結果に基づいて具体的な施策を考えることもあるでしょう。データサイエンティストの役割をきちんと果たすには、得られた結果をビジネスでどのように活用するか考えるスキルが求められます。マーケティングスキルや自社のビジネスモデルに対する理解など、ビジネス面のスキル・知識を深めましょう。
データサイエンティストはビッグデータの分析に携わり、民間企業や官公庁などの幅広い分野で活躍している職種です。AIや機械学習の分野でも欠かせない仕事であり、今後も需要が増大すると考えられています。キャリアアップ目的でデータサイエンティストへの転職を目指すのであれば、必要なスキルを習得しつつそのスキルを発揮できる企業を選ぶのがおすすめです。
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