更新日:2023/07/31
この記事のまとめ
安定した収入や求人の多さなどから、IT業界に関心を抱くようになった人は少なくないでしょう。しかしキャリアチェンジを目指して情報収集をする中で、IT用語につまずいてしまったという人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、基本のIT用語とIT関連用語の意味を解説します。未経験からIT業界への転職を成功させるためにも、IT用語とIT関連用語の正しい意味を理解しましょう。
目次
ITはあらゆる社会活動に関わる技術分野であるため、「知っていて当たり前」で話が進むことも少なくありません。しかしIT関連の用語について目にしたことはあっても、正しい意味までは分からない人も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、IT業界への転職にあたって知っておきたいIT用語を10解説します。IT用語の正しい意味を把握しておけば、転職の際に役立つでしょう。
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現在さまざまな情報は、インターネットを中心とするネットワークによって発信されたり活用されたりしています。そのネットワークを円滑に運用するには、パソコンやスマートフォンなどの情報機器に関連する技術、ネットワークに関連する技術、通信インフラに関連する技術、セキュリティーや情報処理に関連する技術などが欠かせません。それらの技術すべてを意味する言葉が「IT」です。
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「IT」と「ICT」はほとんど同じ意味で使われています。通信技術そのものを表す場合に「IT」、技術の活用について語る場合には「ICT」と区別しているケースもあります。
国際的には「ICT」が一般的であることから、日本政府も「IT」から「ICT」へ名称の移行を進めているところです。
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IT業界には、ソフトウエア関連業界、ハードウエア関連業界、情報処理サービス関連業界、インターネット・Web関連業界、通信インフラ関連業界が含まれます。現在はさまざまな商品やサービス、業務にITが活用されるようになっているため、IT業界は今後の発展がますます期待されています。
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IT製品には、ハードウエア(パソコンやスマートフォンなどの情報機器)やソフトウエア(コンピュータープログラム)、またはこれらを組み合わせたシステムがあります。世の中のニーズに合ったIT製品やサービスを販売し、ITの普及に大きく貢献しているのがITベンダーです。
IT資格の中には、ITベンダーが自社製品に関連して実施している「ベンダー資格」も存在します。
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IT企業とは、ソフトウエアやハードウエア、情報処理サービスなどを提供している企業を指します。
世界的に有名なIT企業といえば「Google(グーグル、Alphabet傘下)」「Apple(アップル)「Facebook(フェイスブック、現・Meta)」「Amazon(アマゾン)」の4社で、それぞれの頭文字を取って「GAFA」と呼ばれます。この4社に「Microsoft(マイクロソフト)」を加えた「GAFAM」という言葉もあります。
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消費電力の少ない製品やリサイクルできる製品の開発、仮想化によるIT機器そのものの削減といった、地球環境に配慮したITの取り組みを「グリーンIT」と呼びます。具体的にはペーパーレス化の推進、テレビ会議の活用による人の移動の抑制、ITを活用した物流システムの省エネ化などが挙げられます。
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ITを業務に利用する企業には、顧客の情報管理やセキュリティーなどの面で企業や社会に不利益をもたらしかねない事態を回避するためにITの導入・運営を適切に管理・監督する責任があります。これがITガバナンスです。
情報漏えいやシステムダウンなどが起きてしまうと、企業は信用を失い、社会生活に大きな影響をおよぼしてしまいかねません。ITガバナンスはすべての企業にとって重要な課題です。
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ITリテラシーには、パソコンやスマートフォンの操作方法、インターネットを使って情報を取得する方法、プログラムを組むスキルなどの技術的能力だけでなく、ITの危険性への理解やモラルに配慮した活用なども含まれます。
気軽に使えるSNSが企業や社会に甚大な影響をおよぼすケースも少なくないことから、ITリテラシーを採用時に重視する企業も増えてきました。
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IT企業ではさまざまな技術者が働いており、職種によって求められる技術や能力が異なります。ITスキルには、プログラミングスキルやネットワークに関する知識といったハード面と、コミュニケーションスキルやマネジメント力などソフト面の両方が含まれます。
未経験からIT業界への転職を目指す場合には、必要とされるスキルを見極め、転職前にある程度のレベルまで習得しておくことが必要です。
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IT企業において、IT関連商品やサービスの開発・運用に携わる技術者を総称してITエンジニアと呼びます。代表的なITエンジニアはSE(システムエンジニア)です。ほかにもWebエンジニアやインフラエンジニアなど、IT業界のさまざまな分野で活躍しています。
IT関連職種への転職を目指すのであれば、IT用語に加えてさらに踏み込んだ言葉の理解が必要です。ここでは、IT関連用語としてよく使われる言葉を7つ紹介します。
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを目指している場合は、転職に必要なスキルや自分の望む働き方を見極めていく必要があります。IT企業の求人情報の理解も欠かせません。そのためには、IT関連用語の意味を把握し、正確な情報を収集していくことが求められます。
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OSはコンピューターを効率的に使えるようにハードウエアを操作するソフトウエアのことで、基本ソフトと呼ばれることもあります。同じOSを使えば、ハードウエアが変わっても同じアプリケーションソフトウエアを使えます。よく耳にする「Microsoft Windows(マイクロソフトウィンドウズ)」や「mac OS(マックオーエス)」、「Android(アンドロイド)」もOSです。
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アプリと呼ばれることも多く、表計算ソフトや画像編集ソフトなど、特定の作業を目的として作られているのが特徴です。すでにインストールされているOS上で動作するもので、ソフトウエアではあるものの、OSとは明確に区別されます。電子メールやゲーム、スマートフォンの電話機能などもアプリケーションに当たります。
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コンピューターにある動作をさせたい場合には、一連の処理手順を決められた文法にしたがって記述する指示書(ソースコード)が必要です。この指示書にはプログラミング言語、またはプログラム言語が使われます。
プログラミング言語の種類は数多く、ジャンルや扱う製品によって使用される言語も異なります。新たなプログラミング言語も次々と登場しているため、ITエンジニアとして活躍するには新しい言語の学習が欠かせません。
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コンピューターやロボットに学習用のデータを与え、コンピューター自身がデータの中から規則性や傾向を見つけて将来予測や意思決定をするようにするのが機械学習です。
商品陳列や発注に活かせる来客分析、廃棄削減や計画的な業務につながる野菜の生産量予測など、機械学習はビジネスのさまざまな面で使われています。
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普段何気なく使うパソコンやスマートフォンは通信ネットワークにつながっているため、そこで作られる位置情報、写真やビデオなどのデジタルデータ、オンラインショッピングの購入履歴などはすべてサーバーへと転送されます。これらの膨大な量のデータがビッグデータです。
ビッグデータはマーケティングや企業経営などさまざまなシーンで活用されています。その一方で、多くの個人情報を含んでいることから、プライバシーをどうやって守っていくかといった課題も少なくありません。
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知覚、言語理解、判断、推論、学習、問題解決など、人間にしかできないと考えられていた分野をコンピューターに実行させるのがAI技術です。
翻訳機能やお掃除ロボット、自動車の自動運転、検索エンジンの最適化などにもAI技術が使われています。チャットボットと呼ばれる自動会話プログラムの中には、AIを使い、より高度な会話ができるようになっているものも少なくありません。
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SIerはSI(System Integrator)にer(~する人)を加えた和製英語です。SIerはクライアント企業が必要とする情報システムを企画・構築し、運営・管理までを一手に請け負います。
現在は多くの一般企業や官公庁が業務に情報システムを導入しているため、SIerのクライアントは医療業界や金融業界、食品業界、建設業界など、ありとあらゆる業界に広がっています。
ITの重要性はますます高まっており、多くのITエンジニアが必要とされています。専門性が求められる分野ではあるものの、未経験からでも比較的チャレンジしやすい職種もあり、実際にキャリアチェンジを果たして活躍する人も少なくありません。ここでは、未経験からチャレンジしやすいIT職種を6つ紹介します。
プログラマーはプログラミングを行うエンジニアです。スマートフォンのアプリやゲーム、業務用システムなど、どの開発分野でもプログラマーが必要とされています。システムエンジニアが作成した仕様書に基づき、プログラミング言語を使ってプログラミングを行うのが主な仕事です。
Web、アプリケーション、ゲーム、組み込み系、設備制御、通信などジャンルごとに必要とされるプログラミング言語は異なりますが、プログラミング言語さえ習得していればすぐに仕事ができるため、未経験から転職を成功させる方もいます。
SE(システムエンジニア)は、システム開発において企画、要件定義、設計といった上流工程と、総合テスト、運用保守といった下流工程を担当します。
プログラマーの上位職種に位置づけられますが、SEとプログラマーの区別が曖昧なケースも少なくありません。未経験者の場合はプログラマーから始め、システム全体について学びながらSEを目指すのが一般的です。
フロントエンドエンジニアとは、Webアプリケーションなどでユーザーが画面越しに触れる部分を担当するエンジニアのことです。Webデザイナーが作ったデザインをブラウザに表示させるため、コーディングを実施します。
フロントエンドの開発で使用するHTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語は比較的習得しやすいといわれており、未経験の方にもおすすめです。
サーバーエンジニアは、サーバーの構築や設計、保守・管理を担当するエンジニアです。実務はサーバーの選定や設計、OSのインストール、障害が起きたときの復旧作業などで、OSに関する知識やネットワーク全体についての知識、セキュリティーに関する知識が求められます。
働き方としては客先常駐が多い職種です。サーバーエンジニアは「未経験OK」の求人が比較的多いため、未経験からでも転職しやすい職種といえるでしょう。
テストエンジニアは、完成したソフトウエアやシステムが正常に動作するかどうかをテストする職種です。テスト工程の計画・設計・実施を担当します。テスト仕様書を作ったり、テストを自動化する場合のプログラムを作成したりするのもテストエンジニアの仕事です。
テスト業務のみを行うテスターというポジションもあります。未経験者の場合には、テスター業務を経験しながらテストエンジニアに必要な知識やスキルを習得していくこともできるでしょう。
ネットワークエンジニアは、コンピューターネットワークを構築し、保守・管理を行う技術者です。TCP/IP(通信プロトコル)やルーティング(経路制御の機能)などネットワークに関する知識、無線LAN、DNS、メール、Webサーバー、アプリケーションサーバーなどに関する知識が求められます。
求められる知識の範囲は広いものの、マニュアルに沿った作業も可能なため、最初から高度なスキルが要求されるわけではありません。未経験者でも一から学ぶことが可能です。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、効率的な転職準備が欠かせません。未経験の場合はポテンシャル採用という側面が大きく、若いうちにチャレンジするほうがそれだけ有利になるからです。スキルの習得や情報収集に時間をかけてしまっては、転職のチャンスを失うことにもなりかねません。
ここでは、未経験からの転職を成功させるために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
ITエンジニアにはさまざまな職種があり、それぞれに必要とされるスキルや知識が異なります。プログラミング言語ひとつとっても、Webシステムと業務システム、スマートフォン用アプリの開発では、それぞれに別のプログラミング言語が必要です。
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを果たしたいのであれば、職種だけでなく開発領域まで絞って必要なスキルを割り出し、できるだけスピーディーに習得するようにしましょう。
未経験からIT職種に転職する場合、実務経験をアピールできません。そこでおすすめなのが、資格の取得です。ほとんどのIT職種において必須の資格はありませんが、IT関連の資格を取得すれば保有しているスキルや学習意欲をアピールできます。
IT関連資格には国家資格とベンダー資格とがあります。国家資格は信用性が高いため、どの職種であっても評価されやすいでしょう。ベンダー資格は資格試験主催企業の製品に特化した資格です。転職先企業でその製品が使われている場合は、強いアピールが可能です。
企業は未経験者を採用するにあたり、即戦力というよりもポテンシャルに期待する傾向があります。未経験OKの求人に手当たり次第に応募するのではなく、自分の強みや人となりを求める企業に絞ってチャレンジすると転職活動を効率よく進められます。そこで上手に活用したいのが転職エージェントです。
転職エージェントは企業の内情や求める人物像などを理解したうえで転職先を紹介してくれるため、転職後のミスマッチに悩まずに済むメリットがあります。自分では気づけなかった強みを見つけてくれるほか、応募先企業に効果的にアピールする方法も教えてくれるため、選考をよりスムーズに進められるようになるでしょう。
ITとは、インターネットを中心とする通信ネットワーク関連技術のことです。ITは社会やビジネスのさまざまな分野に活用されているため、ITスキルを持った人材は常に必要とされています。未経験からITエンジニアを目指す人も少なくありません。
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