更新日:2023/03/02
この記事のまとめ
IT業界でエンジニアとして活躍し続けるためには何かしらの資格を取得したほうがよいのではないかと考えている方もいるのではないでしょうか。ITエンジニアは資格が重視される職種ではありませんが、資格を取得することで自身のスキルレベルを客観的に証明できるようになります。
この記事では、エンジニア向けの資格を職種別に詳しく紹介します。自分が目指したい職種に合った資格を取得し、キャリアアップに役立てましょう。
目次
ITエンジニアとして働くうえで資格が必要とされることはなく、資格を取得するメリットがあるのか疑問に感じている方もいるでしょう。しかし、資格を取得することでスキルレベルの証明や知識の体系化といったメリットを得られます。キャリアアップや転職活動時の武器にもなるので、学習の一環として資格取得を目指すことをおすすめします。ここでは、ITエンジニアが資格を取得する3つのメリットを紹介します。
資格を取得するメリットのひとつとして、自身のスキルレベルを可視化できる点が挙げられます。それぞれの資格には合格するために必要なスキル・知識レベルが定められているので、資格を取得することで自分がどの程度のスキルを有しているのかを客観的に証明できます。
転職活動でスキルレベルをアピールする際、これまでの実務経験とともに取得した資格を提示すれば、より説得力が増すでしょう。
資格取得を目標に据えて学習を進めることで、特定分野のスキルや知識を体系的に整理したうえで自分のものにできる点もメリットのひとつです。エンジニアとしての実務を通じて習得したスキルや知識は、そのときの業務に必要なものを重点的に習得することになるため、断片化しやすい傾向にあります。資格取得を目指す中でそれまでに身につけてきた知識やスキルを整理することで、より深く理解できるようになるでしょう。
エンジニアとしてキャリアアップするための知識を習得したいと思っていても、新たな分野のスキルを学ぶときはどのように学習すればよいか迷うことがあります。そのようなときは、学習の指標として資格の取得を目指してもよいでしょう。
資格取得を目指すことで、どのようなスキルを学べばよいかを明確にできます。学習用の教材も存在するため、それらを活用すれば学習方法に迷うこともないでしょう。
IT業界でエンジニアとして活躍し続けたいのであれば、日頃から開発スキルを学んでスキルアップすることが大切です。そこでここでは、開発・運用・保守に欠かせないスキルを習得したい方におすすめの資格を6種類紹介します。資格取得の難易度や取得することで証明できるスキルレベルについても解説するため、どの資格を目指せばよいか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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ITエンジニアとして求められる基礎的な知識を有していることを証明する資格が基本情報技術者です。上位者の指導を受けつつシステムを企画・設計・開発・運用するのに必要なスキルを習得していることを証明できるため、これからエンジニアを目指す方やエンジニアとしてのキャリアをスタートさせたばかりの方にも向いています。
CBT方式で随時試験を実施しているため、受験しやすいのもメリットです。まずは基本情報技術者を取得し、より上位資格を目指すのもよいでしょう。
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応用情報技術者は基本情報技術者の上位資格で、より高度なスキルを有していることを証明できます。高度IT人材の登竜門ともいわれており、基本情報技術者からステップアップを目指すのがおすすめです。
基本情報技術者で問われた業務内容を、自分の力で遂行するのに必要なスキルを有しているかが問われます。基本情報技術者が上位者の指導を受けつつ遂行するのに必要なスキルだったことを考えると、より高度なスキルが求められているといえるでしょう。
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システム開発プロジェクトにおいて、要件定義や設計などの上流工程を主導するのに必要なスキルを証明できるのがシステムアーキテクトです。情報処理技術者試験の中でも難易度がきわめて高く、資格を取得するには計画を立てて学習する必要があります。
学習を通じて上流工程を担当するエンジニアとして求められるさまざまなスキルを習得できるので、挑戦する価値は十分にあるといえるでしょう。ただし試験は年1回しか行われておらず、受験機会が限られるのがデメリットです。
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ITサービスマネージャも情報処理技術者試験の中では非常に難易度が高い点が特徴です。IT技術を活用したサービスを設計・運用・管理するのに必要なスキルを問われるだけではなく、管理責任者として働くのに必要なスキルも求められます。
ITエンジニアとしてキャリアアップし、マネジメント職を目指したいと考えているのであれば、ITサービスマネージャの取得を目指してもよいでしょう。
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ITIL4認定資格とは、ITサービスマネジメントに必要なスキルを証明する資格です。ベースとなる資格として「ITIL4ファンデーション」が用意されており、受験資格もないためここから挑戦するとよいでしょう。その後はITILスペシャリストやITILストラテジストなど、上位資格の取得を目指すのもおすすめです。
取得する資格によっては試験の合格に加えて指定の研修を受ける必要があり、手間がかかるのがデメリットといえます。こちらもマネジメント層やシステム管理者、経営層向けの資格です。
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数あるITエンジニアの中で、組み込みエンジニアを目指しているのであればエンベデッドシステムスペシャリストの取得を目指すのがおすすめです。IoTを含めた広範な知識が求められる資格で、組み込みエンジニアに求められるスキルを学ぶときに役立ちます。こちらも高度IT人材を対象にした難易度が高い試験であるため、スキルアップを目指す方におすすめです。
ITエンジニアとして活躍するには、プログラミングスキルが欠かせません。そのため、プログラミング学習の一環として資格取得に取り組んでもよいでしょう。ここでは、プログラミング系の資格の中から特に有用性が高いものを4つ紹介します。自分が習得したいプログラミング言語に関連する資格が存在する場合は、ぜひ取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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Javaの習得に励んでいる方やJavaプログラミングのスキルを高めたい方は、Oracle Certified Java Programmerの取得を目指してもよいでしょう。Javaは汎用性が高くOSを問わず動くため、Webアプリケーションをはじめとしたマルチデバイス対応が必要なアプリケーションの開発に用いられています。
大規模なシステムや組み込みシステムの開発にも用いられており、需要が高い言語といえるでしょう。
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C言語プログラミング能力認定試験は3級~1級に分けられており、等級ごとに定められた水準のC言語プログラミングスキルを有していることを証明できます。
C言語は処理速度が速いという特徴があり、さまざまなシステムやゲームの開発に用いられています。C言語プログラミングに関する高度なスキルを習得したいのであれば、1級取得を目指して学習を進めるとよいでしょう。
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RubyはWeb開発をはじめとして幅広い用途で用いられており、汎用性が高い言語のひとつです。Webエンジニアを目指している方は、Rubyの習得を目指してもよいでしょう。
Rubyを学習するのであれば、Ruby技術者認定試験の合格を目指すのもひとつの方法です。SilverとGoldに区分されており、等級に応じた難易度の構文やライブラリの使用方法、オブジェクト指向プログラミングに関係するスキルが問われます。
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Pythonは歴史が古く、AIや機械学習の分野などさまざまな場面で活用されているプログラミング言語です。AIや機械学習の分野は今後さらに発展すると考えられているので、Pythonを習得しておくと自身の市場価値を高められるでしょう。
Python 3エンジニア認定試験は「基礎試験」「データ分析試験」「実践試験」の3つに分かれています。試験はCBT方式で随時実施されていて受験機会も多いため、基礎試験から順番に挑戦してもよいでしょう。
より有用なITエンジニアを目指すのであれば、ネットワーク関係のスキルも不可欠です。ネットワークスキルを証明するのに役立つ資格もいくつか存在するため、ここで詳しく見ていきましょう。将来的にネットワークエンジニアとして活躍したいと考えている方も、積極的に資格の取得を目指すのがおすすめです。
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ネットワークエンジニアを対象にした国家資格がネットワークスペシャリストです。ネットワーク管理者・開発者として、大規模で堅牢なネットワークシステムの企画から要件定義、開発、運用、保守までを主導的に行えるスキルを有していることを証明できます。
ネットワークスペシャリストも難易度が高い試験であり、合格するには長期的な学習が求められるでしょう。
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シスコ認定試験とは、ネットワーク機器を製造しているCisco Systemsが運営している民間資格です。レベルや分野に応じた複数の資格が存在するため、自分が目指す分野と関係性が深いものを取得しましょう。中でもネットワークエンジニアの登竜門ともいえる資格がCCNAです。
なお、試験の中には英語でのみ実施されているものもあります。そのような試験を受けるときは、技術情報を理解できるレベルの英語スキルが求められるでしょう。
IT技術を幅広く活用するうえで欠かせないのが情報セキュリティです。設計・開発・運用・保守のどの分野に携わるとしても、セキュリティ関連のスキルが求められます。ここでは、セキュリティ分野を目指す方におすすめできる2つの資格についてチェックしていきましょう。情報漏えいを防ぐのに欠かさないセキュリティを学び、エンジニアとしての価値を高めると転職先の幅が広がります。
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ITシステムに存在するさまざまなリスクを分析・評価して適切に対処するために必要なスキルを問うのが、システム監査技術者です。適切なセキュリティ対策を講じるには、どのようなリスクがあるのかを可視化してひとつずつ対処する必要があるでしょう。システム監査技術者を取得することでリスク分析に必要なスキルを証明でき、セキュリティ分野で活躍するのに役立ちます。
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ITシステムの開発・運用において、情報セキュリティ面から必要な支援を与えるのが情報処理安全確保支援士です。ITシステムを使用するうえでセキュリティは軽視できないため、高いレベルのスキルを習得すればさまざまな分野で幅広く活躍できるでしょう。情報処理安全確保支援士も非常に難易度が高い資格で、取得するには試験対策を徹底する必要があります。
システム開発において、GoogleやAmazon、Microsoftなどが提供しているクラウドサービスを活用する機会も増えています。いままでオンプレミスで動いていたシステムをクラウド化することもあり、今後もクラウドの活用が進むでしょう。クラウド技術に対応するためにも、クラウドベンダーが認定している資格の取得を目指しながら学習することをおすすめします。
ここからは、特におすすめのクラウドベンダー資格を2つ見ていきましょう。
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Google Cloudを使用してシステムを設計したり、さまざまなサービスを運用したりするのに必要なスキルを問うのがGoogle Cloud認定資格です。Google Cloudはさまざまな用途で使用されており、スキルアップに励めばクラウドを利用した開発プロジェクトでも活躍できるようになるでしょう。
資格は「基礎的な認定資格」「アソシエイト認定資格」「プロフェッショナル認定資格」の3つに区分されています。下位から上位に向けて資格を取得しつつ、Google Cloudに関するスキルや知識を深めるのがおすすめです。
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AWSはAmazonが提供しているクラウドサービスであり、Google Cloudと同様にシェアが高いのが特徴です。業務用システムやゲームなどで幅広く活用されているAWSを使いこなせるようになれば、携われるプロジェクトが増えてキャリアアップにつながります。
AWS認定資格には「FOUNDATIONAL」「ASSOCIATE」「PROFESSIONAL」「SPECIALTY」の4種類が存在します。自身のスキルレベルや学習の方向性を考え、どの資格を取得するか考えるとよいでしょう。
ITエンジニアとしてさらにキャリアアップするのに役立つ資格には、ほかにもさまざまなものがあります。特に役立つ資格としては以下のものが挙げられるため、キャリアアップしたい方は積極的に取得を目指してもよいでしょう。
上記のように、マネジメント系の資格を取得することでより自身の市場価値を高められます。プロジェクトマネージャーやITコンサルタントなどのマネジメント職を目指すことでキャリアアップや年収アップを実現しやすくなるでしょう。上流工程に携わりたいと考えているエンジニアにもおすすめの資格です。
ITエンジニア向けの資格には国家資格・民間資格を問わずさまざまなものがあるため、自分が目指している分野と関連性が深いものを取得することが大切です。一例として、Webエンジニアを目指すのであれば、Web開発で用いられるプログラミング言語のスキルを問うものやネットワークに関係するものを取得するとよいでしょう。
一方で組み込みエンジニア向けの資格を取得しても分野がまったく異なり、習得したスキル・知識は高く評価されません。効率的に学習を進めるためにも、学習活動のマイルストーンとして適切な資格を定めることが大切です。
ITエンジニアになるために必要な資格はありませんが、資格を取得することで自身の保有しているスキルレベルを客観的に証明できるほか、スキルや知識の体系化に役立ちます。資格取得を目指すのであれば、自分が学びたい分野と関係性が深いものを選び、効率的に学習を進めるとよいでしょう。
転職活動を進めるときには、これまでの経験や習得したスキルを高く評価してくれる企業を選ぶことも大切です。自分ひとりで転職活動を進めるのが難しいと感じている方は、ぜひマイナビITエージェントをご活用ください。マイナビITエージェントではIT業界に特化した転職サービスを提供しており、あなたのスキルや経験、資格を活かせる転職先をご提案します。
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