更新日:2023/03/02
この記事のまとめ
さまざまな分野でビッグデータの活用が進んでおり、それに伴ってデータサイエンティストの需要が高まっています。将来性の見込めるデータサイエンティストに転職しようと考えている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、データサイエンティストの将来性や主な仕事内容を紹介します。転職後のミスマッチを防ぐためにも、事前にデータサイエンティストの需要や役割を正しく把握し、自分に合った職種かどうかを確認しておくとよいでしょう。
目次
高度なスキルを有するデータサイエンティストの需要は高く、今後もその傾向が続くと考えられます。IT技術の活用が進んでおり、膨大なデータをビジネスや公共事業などに活用する流れが進んでいるためです。データの活用を進めるには、高度な分析スキルを有するデータサイエンティストの活躍が欠かせません。長期的に活躍したいと考えているのであれば、高度なデータ分析スキルを習得して転職を検討するとよいでしょう。
一方、データサイエンティストはAIの発展に伴って仕事がなくなるといわれることもあります。将来どうなるか断言することは誰にもできませんが、データの重要性が高まることを考えるとその可能性は低いと考えられるでしょう。AIの開発でも、データサイエンティストが活躍しています。
転職に際して気になるのは、やはり将来性の有無ではないでしょうか。ここでは、データサイエンティストの将来性が高いといわれている理由を3つ紹介します。これからデータサイエンティストを目指したいと考えている方は、事前に確認しておくとよいでしょう。
一般的なデータベースには収められず、人間が全体像を把握できないほどの膨大なデータをビッグデータと呼びます。自社で収集したものやWeb上に公開されているものなど、ビッグデータにはさまざまなものがあります。民間・官公庁を問わずビッグデータを活用する動きがあり、そのためにはデータサイエンティストの力が欠かせません。
今後もビッグデータを活用する流れが広まると予想されているため、高度なスキルを有するデータサイエンティストの需要は増すと考えられるでしょう。
AIや機械学習も発展が著しい分野です。さまざまな分野でAIの活用が進んでいて、AIそのものやAIを組み込んだシステムの開発が活発になっています。AIの開発では、学習用のデータを用意したり分析させたいデータをそろえたりするなど、さまざまな場面でデータサイエンティストの力が必要です。データサイエンティストとして自身の価値を高めたいのであれば、AI分野のスキルを習得するとよいでしょう。
ITエンジニアをはじめとして、IT業界で活躍する人員の絶対数が不足しているのも見逃せない要素です。データサイエンティストも同様で、増大する需要を満たすだけのスキルを有した人員を確保できない状態が続くと考えられるでしょう。
そのため、日頃からスキルアップに励めばさまざまな分野で活躍できる可能性が高いといえます。長期的にIT業界で活躍したい方にとっても、データサイエンティストは有力な選択肢のひとつです。
データサイエンティストへの転職を検討している方は、本当に自分に合った職種なのか判断するためにも具体的な仕事内容をチェックしておくことが大切です。ここでは、データサイエンティストが携わる主な4つの仕事を解説します。
それぞれの業務でどのような役割を果たすのかを把握し、データサイエンティストという職種に対する理解を深めましょう。
経営課題の解決や新たなビジネスの創出など、特定の目的を果たすために必要なデータを収集するのが主な仕事のひとつです。目的に応じてどのようなデータが必要かを考え、膨大なデータから抽出することがこの段階における主な役割といえます。
元になるデータは自社で収集したデータ(顧客情報・売り上げ情報など)やインターネット上のビッグデータなどさまざまです。どのような情報が求められているのかを考え、必要なデータを取捨選択するスキルが求められるでしょう。
元になるデータがそろったら、分析モデルの構築に取りかかります。データ分析では回帰分析や決定木分析、クラスター分析などのさまざまな手法を使用します。目的を達成するにはどのような分析手法が適切かを考え、システムに落とし込むのがこの段階における主な仕事といえるでしょう。
社内で収集したデータやビッグデータなど、どのようなデータを用いるとしてもデータクレンジングは欠かせません。収集したデータには不正確なものが混ざっていたり、欠測があったりしてそのままでは使えないケースもあります。自動的に収集すると無関係なものや重複しているものが混ざることもあるでしょう。欠陥があるデータを除去し、システムで分析できるようにデータの状態を整えるのも業務内容のひとつです。
データ分析が完了して結果が出たら、結果から分かったことをまとめてレポーティングします。当初掲げた課題の解決や新たなビジネスの創出などの目的を達成するのに役立つ情報を抽出し、具体的な施策を提案するところまでが主な仕事です。この段階では、結果から必要な情報を探し出す力や、施策を立案する力などが求められるでしょう。
データ分析はさまざまな業界で必要とされているため、データサイエンティストも多分野で活躍すると考えられます。今後データサイエンティストが求められる分野の例は以下のとおりです。
民間企業だけではなく官公庁でもデータの活用が進んでおり、都市計画の策定などに活用されています。まだデータの活用が進んでいない分野でも、今後データ分析の重要性に注目される可能性もあるでしょう。社会全体としてデータの重要性が高まっており、データサイエンティストの活躍の場は今後ますます広がると考えられます。
データサイエンティストとして活躍するためには、高度なスキルを習得しなければなりません。ここでは、データサイエンティストに求められる知識やスキルを4つ紹介します。スキルは一朝一夕で習得できるものではありません。日頃からスキルアップを目指して学習に励みましょう。
データ分析に使用するシステムやAIの制作に携わるケースではプログラミングスキルが求められます。そのため、データ分析や機械学習の分野でよく用いられているプログラミング言語の習得に励むとよいでしょう。データサイエンティストとして働いているとデータを収集して分析することがメインの仕事になるため、分析システムを構築できるだけのプログラミングスキルは必須です。
すでに構築されているデータベースから必要なデータを抽出したり、集めたデータをまとめて新たなデータベースを作成したりすることもあります。そのため、SQL関連のスキルやデータモデルに関する知識など、データベースを取り扱うときに求められる総合的なスキル・知識が不可欠です。構造や基本的な設計、セキュリティを含め、データベースについて総合的に学ぶことをおすすめします。
データ分析に携わるには、数学・統計学の知識が必要です。データサイエンティストとして働くうえで求められる主な数学・統計学のスキルには以下のようなものがあります。
上記に掲載したもの以外にもさまざまな知識が求められるため、ひとつずつ学ぶのがおすすめです。携わるプロジェクトによって使用する手法が変わるケースもあります。
データサイエンティストは「ビジネスの課題を発見して解決策を考える」「新たなビジネスにつながる情報を発見する」などの目的を掲げてデータ分析に携わるケースが多い点が特徴です。
そのため、課題の背後に隠れている原因を追究したり、データ分析によって発見した情報に基づいて適切に提案したりする際にコンサルティングスキルが求められます。具体的なコンサルティングスキルの一例は以下のとおりです。
これらのスキルも短時間で習得するのは難しく、継続的なトレーニングが必要になるでしょう。転職前から日々の業務を通じて学ぶことをおすすめします。
データサイエンティストへの転職を実現させるポイントを知りたい方もいるでしょう。そこでここでは、データサイエンティストへ転職するためのコツを3つ紹介します。データサイエンティストへの転職を成功させて活躍し続けるためにも、転職前から意識することをおすすめします。
データサイエンティストに求められるスキルのうち、プログラミングスキルやデータベース関連スキル、分析ソフトを扱うスキルは別分野のITエンジニアとして働いているときにも学習できます。特にプログラミングスキルはエンジニアの必須スキルであるため、普段からスキルアップに励むとよいでしょう。
エンジニアとしての開発経験や実務を通じて習得したスキルは、データサイエンティストへの転職において強力な武器になります。エンジニア経験を積み、より高度なスキルを習得しましょう。
2023年時点で、データ分析や機械学習の分野におけるプログラミングではPythonやRが多く用いられています。Pythonは比較的古いプログラミング言語でWeb開発や組み込みシステム開発でも用いられており、ある程度習得している方も多いでしょう。そのため、触れた経験がある方も多く比較的習得しやすいのがメリットです。
Rは統計解析に特化したプログラミング言語で、この2つをセットで使用するのがデータサイエンティストの基本といえます。Rに触れたことがない方も、データサイエンティストを目指すのであれば積極的に学習するのがおすすめです。
具体的に転職先を選ぶ段階になったら、自分が保有しているスキルやこれまでの経験をきちんと評価してくれる企業を選びましょう。転職によるキャリアアップや年収アップを目指している場合、この点は特に重要です。
データ分析に携わった経験がある方や高いレベルでPythonやRを使いこなせる方、データサイエンティスト経験者などの高度なスキルを有する方は高く評価されやすいでしょう。求人情報を探すときは企業がどのような人材を求めているのかをきちんと確認し、自分のスキルを発揮できそうなところかを考えることをおすすめします。
データサイエンティストはキャリアの終着点ではなく、さらなるキャリアアップが可能です。より高い報酬を求める場合ややりがいがある仕事に携わりたい場合、最新技術を活用したい場合はさらなるキャリアアップを目指すとよいでしょう。ここでは、データサイエンティストの経験を活かせる転職先を3つ紹介します。
自分が興味・関心を持っている分野でキャリアアップを実現できそうであれば、積極的に検討してみてはいかがでしょうか。
AIそのものの開発やAIを搭載したICTシステムを開発する職がAIエンジニアです。AI開発では学習データの準備やデータマイニングなどの分野で、データサイエンティストのスキルが役立ちます。
AIはIT業界だけではなく製造業の予兆検知や金融機関の不正取引検知、ゲーム開発などのさまざまな分野で用いられているのが特徴です。そのため、AIエンジニアの将来性も高く、キャリアアップ目的の転職に向いています。開発ではPythonやRを活用するケースが多く、データサイエンティスト在職中に習得したスキルを活用できるのもメリットです。
データ分析によって得た情報に基づいて解決策を提示したり、何らかの行動を促したりするのもデータサイエンティストの役割です。その経験を活かし、ITコンサルタントに転職するのもひとつの道といえるでしょう。
ITコンサルタントはクライアントからの依頼を受け、抱えているIT分野の課題に対して適切な解決策を提示するのが主な仕事です。データサイエンティスト在職中に、レポーティングや課題解決策の考案に携わった経験を活かせるでしょう。
企業が抱えるマーケティング面の課題をIT技術によって解決に導く職がグロースハッカーです。クライアント企業がマーケティング面でどのような課題を抱えているのかを発見し、解決方法を考案します。
解決策が見つかったら具体的な施策に落とし込み、新たな商品開発やサービス設計に活かすのが主な仕事です。どのようにしたら生産性が高い商品・サービスを開発できるか、企業が成長するかを考える仕事といえるでしょう。データ分析や解決策の立案に向き合った経験は、グロースハッカーとして働くうえで大きな力になります。
データサイエンティストはビッグデータの解析やAI開発で活躍しており、将来性が高い職種といえます。今後はAIの活用が進むと考えられており、データ分析のプロフェッショナルとしての需要はますます高まるでしょう。データサイエンティストを目指したい方は、必要なスキルを学んだうえで自分が望むキャリアパスを実現できる企業を選ぶことが大切です。
マイナビITエージェントでは、データサイエンティストを含め、IT業界に特化した転職サービスを提供しています。自分ひとりで転職活動を進めるのが難しいと感じている方や、信頼できるキャリアアドバイザーに相談したい方はぜひマイナビITエージェントをご活用ください。
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