更新日:2023/01/27
この記事のまとめ
IT・Web業界が目覚ましい発展を遂げる中で、新しい職種であるデータサイエンティストの需要が高まっています。将来性も期待できることから、「データサイエンティストを目指したい」と考えている人も多いでしょう。しかし未経験者でも転職が可能かどうか、不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、未経験からデータサイエンティストへ転職する条件や、キャリアプランを解説します。未経験から転職を成功させるコツを押さえたうえでデータサイエンティストを目指しましょう。
目次
データサイエンティストを募集している企業の中には未経験者を受け入れているところもありますが、まったくの無条件というわけではありません。「SQLのスキル」「プログラミングスキル」「BIツールの操作スキル」「理学系修士卒以上」「マーケティング経験」などのスキルや経験が求められることがほとんどです。
また、歓迎されるスキルや経験としても、「機械学習・ディープラーニングモデル作成スキル」「AWS(Amazon Web Services)、GCP(Google Cloud Platform)、Microsoft Azureなどのクラウドサービスを使った開発経験」「数学・統計学の知識」「IT業界で働いた経験」などが提示されており、スキルや知識がゼロの状態から転職するにはハードルが高いといわざるを得ません。
必要なスキルや経験を持ち合わせている人であれば、未経験であってもデータサイエンティストに転職する道は開かれているといえるでしょう。
選考の場では、これまでに培ってきたスキルや経験が大きくものをいいます。未経験者であっても、ポテンシャルがあると判断された場合にはデータサイエンティストとして採用される可能性はあるでしょう。ここでは、過去の職歴や保有しているスキルがどのようにプラスに働くのか、3つのケースに分けて解説します。
データサイエンティストとしての経験はないものの、IT業界で働いていた人の場合は未経験でも転職できる可能性があります。
データサイエンティストの業務にはプログラミングやITセキュリティ、環境構築といったスキルが欠かせません。未経験者を募集する企業の多くは、すでにプログラミングスキルやAIの知見がある人を教育することに積極的です。IT業界での実務経験はスキルを実証するものになるため、ポテンシャルがあると見なされるでしょう。
マーケティング職やデータアナリスト、研究職など分析系の職種経験がある場合も、未経験からデータサイエンティストへ転職できる可能性はあります。
データを分析して問題点を抽出したり、仮説を立てて解決法を探ったりすることは、データサイエンティストの業務にも必要です。「分析力をすでに備えている」人材であれば、あとは不足しているスキルを補うだけなので、ポテンシャル採用を狙えます。加えて、プログラミング言語などのスキル習得に向けて努力を積み重ねていれば、より高く評価されるでしょう。
「IT業界で働いたことも分析系の職種に就いたこともない」まったくの未経験者がデータサイエンティストに転職するのは、現実的にはかなり難しいといえるでしょう。しかし、可能性はゼロではありません。
IT業界に関する実務経験がなくても、データベース言語であるSQLのスキルやプログラミング言語であるPythonなどを習得していれば応募できる求人も少なからず存在します。未経験からデータサイエンティストを目指す場合は、まずは最低限必要とされるスキルを習得しましょう。
データサイエンティストは比較的新しい職種であり、実際にはどのような仕事なのかがよく分からない方も多いのではないでしょうか。ここでは、データサイエンティストの業務内容や働く職場、年収について解説します。転職後のミスマッチを防ぐためにも、事前に確認しておきましょう。
データサイエンティストとは、統計学やコンピュータサイエンスに基づいてデータ収集と分析を行い、企業が抱える課題の解決を目指す仕事です。課題の抽出、収集・分析、仮説構築からアルゴリズム・予測モデルの実装まで幅広い業務を手掛けます。
分析力や統計学の知識に加え、分析結果を問題解決につなげるビジネス力、分析結果を意味のある形で使えるように実装・運用するためのエンジニアリング能力が求められる仕事です。
Web系のビジネスを展開する企業では、データ分析や研究開発を専門に行う部署を設けるところが増えてきています。Webメディアやソーシャルゲーム、ECサイトなどを運営する企業がその代表例です。このような企業では、ユーザーがサイトにアクセスした際の行動ログや購買履歴を分析してビジネスの強化に取り組んでおり、多くのデータサイエンティストが活躍しています。
データ分析が業務の効率化やサービス向上に利用されているのは、Web系ビジネス業界だけではありません。金融や流通、人材などのマーケティング分野、製薬会社や医療、製造業、官公庁など幅広い業種においても、データ分析の重要性はますます高まっています。データサイエンティストが活躍する職場は今後いっそう増えてくるでしょう。
厚生労働省が行った令和3年賃金構造基本統計調査 によると、データサイエンティストの平均年収は531万9,000円です。データサイエンティストの求人には「年収500万円~1,000万円」といった高額提示もあり、高収入が期待できる職業といえるでしょう。
ただし未経験者の場合、教育期間中は戦力にならないため、当初の年収が低くなってしまうことは覚悟しておきましょう。
データサイエンティストを目指すのであれば、どのような知識やスキルが求められるのかを知っておくことが大切です。ここでは、データサイエンティストに不可欠な知識やスキルについて解説します。おすすめの資格も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
データサイエンティストはデータを分析・活用する技術者であるため、データ分析や統計学の知識は欠かせません。統計学に関する資格には統計検定があります。4級から少しずつレベルアップし、1級を目指すとよいでしょう。
データベースの設計や管理に関する資格には、データベーススペシャリスト試験があります。難易度が高いため、きちんと知識を身につけたうえで臨むことをおすすめします。
データサイエンティストには、高度なプログラミング言語の知識やスキルが求められます。SQLやHadoopといった機械学習、ディープラーニングに関する知識は業務に役立ちます。
エンジニアリングスキルを証明するために、「G検定・E資格」「Python3エンジニア認定データ分析試験」といった資格を取得するのもおすすめです。「G検定・E資格」を取得するためにはAI(人工知能)に関連する知識、「Python3 エンジニア認定データ分析試験」ではPythonに関する知識が必要です。
データサイエンティストを目指すうえで、統計学やプログラミング知識の習得は必須です。書籍や動画サイト、通信講座、スクールを活用して勉強しましょう。ただし、それぞれメリット・デメリットがあるため、自分に合った勉強方法を選ぶことが大切です。ここでは、データサイエンティストを目指すための勉強方法について解説します。
独学であれば、書籍や動画サイトがおすすめです。自分のペースで学習でき、費用もほとんどかかりません。電子書籍であれば手軽に本を購入して読めるため、書店へ行く手間が省けます。検索サイトで調べれば、おすすめの書籍が数多く出てきます。無料で分かりやすく解説している動画サイトもあるため、見てみるとよいでしょう。
スクールへの通学や独学が難しい方は、通信講座の利用がおすすめです。通信講座であれば、自宅で好きなときに学習できます。書籍や動画サイトによる独学と比較すると費用はかかりますが、スクールに通うよりは安く済みます。料金や内容は受講する講座によって異なるため、自身の学びたい内容が含まれているかを調べ、慎重に選びましょう。
プログラミング経験がない場合はプログラミングスクールに通う方法がおすすめです。知識のある講師から直接指導してもらえるため、効率よく学習できます。独学よりも速く必要なスキルが身につくでしょう。
ただし、多額の費用が必要な点や定期的に通わなければならないデメリットがあります。まずは書籍や動画サイトで学んでみて、難しいと感じたらプログラミングスクールに通うのもひとつの方法です。
まったくの未経験からデータサイエンティストになるのは難しいため、まずは関連職種に転職して経験を積むことをおすすめします。エンジニアになってプログラミング言語やITの知識を習得したり、分析系の職種で統計学を学んだりするとよいでしょう。ここでは、未経験からデータサイエンティストへ転職するためのキャリアプランについて解説します。
データベースを扱うデータサイエンティストは、プログラミング言語を使用します。ITの基礎知識を身につけるためには、エンジニアとして実務経験を積む方法がおすすめです。
エンジニアとして働く中でPythonやSQLといった言語を覚え、開発経験を積むとよいでしょう。データベースの操作やデータの抽出、データ処理についても働きながら学べば、転職の際、強みになります。
データアナリストや研究職のような分析系の職種からデータサイエンティストに転職するキャリアプランもあります。データアナリストに不可欠なデータサイエンス力やエンジニア力は、データサイエンティストにも共通して求められるスキルです。
研究職では数学や統計学といった知識が身につき、データサイエンティストの仕事に活かせます。ただし、大学や大学院で専門分野を学んでいないと研究職に就くのは難しいでしょう。
職種経験がなくても、志望動機できちんとアピールできれば転職できる確率は上がります。志望動機では、目的意識の高さや企業理解度の深さを伝えましょう。ここでは、志望動機を書く際のポイントについて解説し、例文を紹介します。
未経験者が志望動機に説得力を加えるポイントは、目的意識の高さと企業理解度の深さを伝えることです。なぜデータサイエンティストになりたいのか、将来の目標も踏まえて明確にアピールしましょう。また、数ある企業の中からなぜ志望先企業を選んだのかを伝えることも大切です。志望先企業独自の特徴や強みを踏まえた志望動機を作成することで、企業理解度の深さと熱意を伝えられます。
【例文】
私は物事の調査や分析に興味があり、現在はWebマーケティングの仕事に従事しています。仕事を通じて「データサイエンティスト」という職業があることを知り、現代の情報化社会において非常に価値のある職業だと感じました。
求人を探している中で、貴社の「情報革命で人々の暮らしを支える」という企業理念に感銘を受け、貴社を志望いたしました。入社後はWebマーケティングで培った分析力を活かし、貴社の発展に貢献できればと考えております。
データサイエンティストは、専門的な分析力と高いITスキルが必要とされる職業です。すでにIT業界でスキルを磨いてきた人や分析系の職種で経験を積んできた人であれば、未経験からでも転職できる可能性は大いにあります。まったくの未経験の場合は、まずエンジニアか分析系の職種へ転職し、それからデータサイエンティストを目指すとよいでしょう。
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