更新日:2023/03/02
この記事のまとめ
「社内SEは楽」という話を聞き、ワークライフバランスの改善などを目的として転職したいと考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、本当に社内SEの業務内容が楽なのかどうか不安に感じている方もいるでしょう。
そこでこの記事では、社内SEが楽だといわれている理由を仕事内容と併せて紹介します。社内SEへの転職でミスマッチを防ぐためにも、転職活動を始める前に確認しておくことをおすすめします。
目次
IT関連職種の中でも、社内SEの仕事は楽だといわれることがあります。しかし一口に社内SEといっても、仕事内容は企業によって異なる点に注意が必要です。ここでは、企業によって社内SEの業務負荷が大きく異なる理由を詳しく見ていきましょう。
社内SEは自社で使用するITシステムに関係する職であるため、具体的な仕事内容は企業によって大きく異なります。社内SEが携わることが多い具体的な仕事内容は以下のとおりです。
一口に社内SEといっても、具体的な仕事内容は上記のように多種多様です。転職する際には求人情報を細かくチェックしたり、質問したりして実際に携わる業務内容を確認しておくことが重要です。
社内SEとしての業務量も、企業によって大きな差がある点に注意が必要です。社内システムの開発・運用・保守・アップデートをメインとする場合とサーバー設計・監視・トラブル対応をメインとする場合、ヘルプデスクをメインとする場合とで業務量が大きく変わるのは想像しやすいでしょう。
社内SEは残業が少ないといわれることが多いものの、企業によってはその限りではありません。トラブル対応が多く、残業を余儀なくされるケースもあるでしょう。ミスマッチを防ぐためには、転職前の企業研究が欠かせません。
社内SEに転職した場合に携わる可能性が高い仕事内容をさらに詳しく見ていきましょう。具体的な仕事内容は企業によって大きく異なるものの、主にここで紹介する4種類のいずれかに分類できます。特に別分野のITエンジニアから社内SEへの転職を目指している方は、転職後のミスマッチに悩まないためにも事前に確認しておきましょう。
社内で何らかの業務用ICTシステムを開発して運用する場合、その開発に携わるのが社内SEです。企画・設計・開発・運用・保守のすべてに携わるケースが多く、上流工程から下流工程まで幅広く担当することになるでしょう。
システム開発に関する全般的なスキルに加えて、企画や要件定義に携わるためのマネジメントスキルや経営に関する知識が求められるケースもあります。
自社で使用するシステムが完成したら、そのまま保守・運用に携わるのが基本です。社内SEは新たなシステムやソフトウェアを開発するケースが少ないため、運用・保守の業務量が多くなる可能性が高いでしょう。
この段階では、定期的なシステムメンテナンスや追加機能の実装、不具合の修正などがメインです。システムを安定して稼働させるためには欠かせないものであり、重要度が高い仕事といえます。
システムに不具合が発生したときの対応や、使い方に関する問い合わせに対応するヘルプデスク業務に携わるケースもあります。ヘルプデスクは専用の人員を配置していることが多いものの、企業によっては社内SEが兼任しているケースがある点に注意しましょう。
社内SEがヘルプデスクを兼任している場合、問い合わせ対応やサポートがメインになりがちです。SEと聞いて想像する業務内容とはかけ離れていて、ミスマッチを感じやすい部分といえるでしょう。
ハードウェアやネットワークをはじめとして、社内システムを動かすのに欠かせないインフラの運用も社内SEが携わる重要な仕事です。担当する可能性があるハードウェアの一例には以下のようなものがあります。
企業によって使用しているハードウェアは異なりますが、「自社で使っているハードウェアをすべて担当することが多い」と覚えておくとよいでしょう。
IT業界で活躍する多種多様な職種の中で、社内SEが楽だといわれる理由を詳しく解説します。なぜ楽だといわれるのかを正しく理解していないと、想定とは異なる職場環境で働くことになった際にミスマッチに悩んでしまいかねません。企業によって状況が大きく異なる点を念頭に置きつつ、これから紹介するポイントに魅力を感じるのであれば転職を検討してもよいでしょう。
社内SEが携わるシステムは自社で使用するものがほとんどであり、納期や作業内容に融通が利きやすいのが魅力です。問題が発生したときや予定どおりに開発が進まないときなどでも、比較的納期を調整して無理なく開発を進めやすいでしょう。
ただし、大規模なシステムを開発するときや、法令対応などで期日までに確実に終わらさなければならない場合はこの限りではありません。社内システムに重大な障害が発生して緊急対応するときなども、長時間労働に陥るケースがあります。受託開発と比較して長時間労働に陥りにくいものの、決してゼロではないと覚えておきましょう。
基本的な人間関係が社内に限られる点も社内SEの特徴です。システム開発チームのメンバーも、運用開始後にそのシステムを使用するのも同僚です。そのため、取引先とのやりとりが発生するSIer企業のSEなどと比較すると人間関係で悩む可能性は低いでしょう。
ただし、開発業務の一部を外注している場合は外注先とのやりとりが発生します。状況によっては人間関係に苦しむ可能性もあり、過度に期待するのは禁物です。社内の人間であるからこそ、無理な要求をしてくるケースも考えられます。
設計・開発したシステムを社内で使用するため、実際にどのような形で役立っているのかを自分の目で確認できる点は社内SEの魅力のひとつです。同僚から感謝されることにやりがいを感じるケースもあるでしょう。
フィードバックを受けて改善を施し、システムがよりよいものになっていく様子を体感することも可能です。納品後の様子が見えにくい受託開発とは異なり、ユーザーの様子を間近で確認できるのはモチベーションを高める際に役立ちます。
楽だといわれることが多い社内SEですが、一方で一定の仕事の厳しさがあるのも事実です。「社内SEへの転職はやめたほうがよい」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。ここでは、社内SEの仕事の中で厳しいと感じやすい要素を3つ紹介します。
社内SEとして働く際に求められるスキルレベルは、転職先の企業や携わるプロジェクトの内容によってさまざまです。AIやIoTといった先端技術を用いたシステムを開発している企業であれば、社内SEにも高度なスキルが求められます。
一方、ヘルプデスクや既存システムの運用・保守がメインで新規開発やアップデートに消極的な企業の場合は、開発スキルを発揮するのは難しいといえます。自分が保有している開発スキルを発揮したいと考えている方がそのような企業に転職すると、ミスマッチによってやりがいを感じられなくなってしまうでしょう。
社内SEに転職するときには、具体的な仕事内容と求められるスキルを確認して自分に適した転職先を選ぶことが大切です。
比較的業務負荷が小さく、楽だといわれることが多い社内SEですが、業務内容によっては激務になるケースもあるため注意しましょう。社内システムを支えているインフラに携わるときや、大規模なシステム障害に対応するときなどが該当します。状況によっては激務に陥るリスクがあることを理解したうえで転職しないと、仕事の厳しさに悩まされかねません。
企業によっては、社内SEに自社のITに関係する業務の全領域を任せているケースがあります。そのような企業に転職した場合は、広範な業務に携わることになるでしょう。システム開発や運用に携わるときもあれば、PCのトラブル対応といったヘルプデスクや雑務がメインとなり、想定していた業務とは違う仕事に従事するケースも考えられます。
PCの基本的な使い方を説明するなど、明らかに担当領域ではない仕事が占める割合が増えるとモチベーションが低下しがちです。業務範囲が広い企業に就職すると、本当にやりたい仕事ができなくなる可能性が高い点を覚えておきましょう。
ほかの職種と同じように、社内SEにも向き不向きがあります。自分が社内SEに向いているのか判断しにくいと感じている方は、以下の条件に該当しているかを確認しましょう。
上記の条件に該当するのであれば、社内SEに向いているといえます。自分が重視する条件を満たせる転職先を探し、満足度の高い転職を実現しましょう。
別タイプのITエンジニアから社内SEへの転職を検討していると、さまざまな疑問が思い浮かぶのではないでしょうか。ここからは、社内SEに転職するときによくある質問と答えを紹介します。社内SEへの転職を検討しているものの、何らかの疑問や不安を抱いているのであれば事前に解消しておくことをおすすめします。
社内SEで必要とされるスキルは、基本的にほかのITエンジニアと変わりません。具体的なスキルの一例は以下のとおりです。
上記に加えてハードウェアやソフトウェア、ネットワークの知識を学んでおくとよりよいでしょう。ITエンジニア職として求められるスキルを習得し、常に学習に励んでスキルアップすることをおすすめします。
企業によって仕事内容に大きな違いがあるため一概にはいえませんが、先端技術に触れる機会や最新のトレンド技術を活用する機会は減りがちです。最新技術に触れる機会が減ればスキルアップしにくくなり、さらなるキャリアアップを目指している方には厳しい環境になるケースが考えられます。
スキルアップしたい方や開発業務に注力したい方は、SIer企業をはじめとした開発経験を積みやすいところを目指したほうがよいでしょう。
転職後にミスマッチで悩む可能性を減らすためにも、転職前に業務内容や求められる技術を細かくチェックすることが大切です。企業ごとに業務内容が大きく異なる性質があり、きちんと確認しないと想定していたケースとはまったく異なる仕事を任される可能性があります。
転職するときは求人情報を隅々までチェックし、分からないことがあれば企業側に質問するなどして具体的な業務内容を把握することが重要です。徹底的に調査して自分が求める条件に適合した企業を選ぶことで、モチベーションを維持しながら快適に働けるでしょう。
社内SEはSIer企業などで活躍するSEと比べて楽だといわれることがありますが、一概にそうであるとは言い切れません。自分が望んでいる転職先を見つけるためにも、社内SEの仕事内容を正しく理解したうえで求人情報をチェックし、注意深く選ぶことが大切です。
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