更新日:2024/01/24
この記事のまとめ
Webディレクターは、Webサイトの制作・運用における責任者です。Web業界の中でも人気の職種ですが、平均年収がどのくらいか気になる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、Webディレクターの平均年収や必要な能力、年収アップのポイントを紹介します。Webディレクターへの転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Webディレクターとは、Web制作・運営においてプロジェクトを指揮・監督する責任者です。Webエンジニア・Webデザイナー・Webライターなどをまとめ、プロジェクトが円滑に進むように管理します。業務内容は事業会社と制作会社で異なりますが、企画立案やスケジュールの進行管理、コンテンツの品質管理、クライアントと現場スタッフの橋渡しが主な仕事です。
Webディレクターには現場を指揮・管理するディレクション能力に加え、Webサイトの上位表示を目指す施策である「SEO」の知識、Webサイトの課題分析を行うWebマーケティングの知識が求められます。
Webディレクターへの転職を目指すにあたり、年収がどのくらいか気になる方もいるでしょう。ここでは、Webディレクターの平均年収を紹介します。年収を上げるために何をしたほうがよいのかについても解説しているため、参考にしてみてください。
マイナビエージェントの調査によると、Webディレクター(プロデューサー・プランナーも含む)の平均年収は442万円です。また、20代の平均年収は358万円、30代は442万円で、昇給率も高いといえるでしょう。
以下は、Webディレクターとほかのクリエイティブ職の平均年収を比較した表です。
|
クリエイティブ職全体の平均年収は349万円であり、ほかのクリエイティブ職と比較してもWebディレクターの年収は高水準であることが分かります。年収400万円以上を目指すのであれば、Webディレクターを目指すのが近道ともいえるでしょう。
WebディレクターはWeb業界の中でも人気があり、競争率の高い職種です。インターネットやSNSの普及により今後も競争率が高まることが予想されるため、Webディレクターとして働くのに役立つスキルはもちろん、他者にはない独自のスキルを身につける必要があります。ライバルとの差別化やスキルアップができれば、年収アップにもつながるでしょう。
Webディレクターとして活躍するには、一定の能力が必要です。高い能力を持っている方のほうが結果を残せる可能性が高く、重宝されやすいといえるでしょう。ここでは、Webディレクターに必要な能力をレベル別に紹介します。
まずは、クライアントからの依頼を最低限満たせるWebディレクターを目指すとよいでしょう。そのためには、下記のような能力が必要です。
また、企画書や要件定義書などの資料を作成する機会もあるため、Microsoft Officeソフトの基本的な操作も必須です。
Webディレクターとしての評価を高めるには、クライアントの要望に応じたWebサイトを構築する必要があります。特に以下の能力を備えているWebディレクターは重宝される可能性が高くなります。
さまざまなWebサイトに関わって実務経験を積めば、上記の能力を身につけられるでしょう。
クライアントの要望に完璧に応えるだけでなく、さらにビジネスモデルを提案できるようになるとwebディレクターとしてのレベルが上がります。企業がWebサイトを制作する目的は、利益を出すことです。そのため提案したプロジェクトが利益につながれば、Webディレクターとしての評価が高まり、さらに新しい依頼を受けられる可能性が高くなります。
「クライアントがどのような課題を抱えているのか」「問題点は何か」を丁寧にヒアリングして、身につけた幅広い知識を基にプロジェクトを提案してみましょう。
Webディレクターとして年収アップを目指すには、さまざまな知識やスキルを身につけ、多くの企業から重宝される存在になる必要があります。ここでは、Webディレクターとしてのレベルを上げるために取得したい8つの知識やスキルを紹介します。
Webディレクターは、クライアントのサービス利用者数の増加や商品の売上増加などに寄与するようなWebサイトを制作する必要があります。そのためには、マーケティングやアクセス解析のスキルが不可欠です。
また、プログラミングの知識も習得しておくとよいでしょう。具体的には、HTML5の基本的な仕様やCSS、JavaScriptの基礎知識、WordPressのCMSなどです。コードを細かく書けるまでではなくても、知識を持っておくことでエラーやサーバー移管時などに対応しやすくなります。
Webディレクターには、マーケティングやアクセス解析のスキルが求められます。一般的に、Webサイトの運用目的はサービスの認知拡大や販売促進です。自社製品が売れない原因を探るには、PVや訪問者数といった数値指標を読むスキルが欠かせません。
マーケティングに関する深い知識があり、ユーザーの特徴やSEOの効果を的確に分析できれば、希少性の高い人材となれるでしょう。
Webディレクターは、クライアントからの要望をヒアリングしてメンバーへ指示を出す橋渡し役になります。そのため、チームを先導するためのリーダーシップが必要です。積極的に活動できる環境を整え、プロジェクトを進めるために必要な指示を的確に出せるようになるとよいでしょう。すべての関係者が、同じ目標に向かって業務を進められるように支えるのがリーダーとしての役目です。
Webディレクターには、さまざまな場面で高いコミュニケーション能力が求められます。たとえば、クライアントとの打ち合わせの際には、相手の要望をくみ取る力が必要です。各メンバーとプロジェクトをうまく進めていくために、意見を出しやすい雰囲気づくりも重要でしょう。
さらに背景や状況に応じた会話力、書面やメールであれば簡潔で相手に伝わりやすくまとめる力があると、Webディレクターとしてのレベルがさらに上がります。
Webディレクターには、課題を抽出し、解決する能力が求められます。Web制作・運営における課題には「アクセス数が伸びない」「Webサイトのデザインがニーズにマッチしていない」といったものがあり、このような課題や問題点を細かく分析して解決へと導かなくてはなりません。さらに、解決にいたるまでのコストや時間を割り出し、数値面で評価できるようにします。
Webサイト制作時には、品質を保持するために法律の知識が必要となるケースがあります。たとえば、著作権などの知的財産権を守るためには、引用方法についての理解が必須です。ほかにも医療ジャンルであれば薬機法、サービスや商品を紹介する際には景品表示法の知識が求められます。そのため法律の知識を多く持ち合わせているWebディレクターは、重宝されやすいといえるでしょう。
Webディレクターは、プロジェクトを円滑に進め成功させるための責任を多く担います。そのため、時間やコストを正確に管理するマネジメントスキルが求められるでしょう。状況に合わせて、人員を適切に選定する力も必要です。またトラブルや遅延が発生した際に、適切かつ迅速に対応できる能力があると、レベルの高いWebディレクターとして評価される可能性が高くなります。
UIとは「ユーザーインターフェース」の略で、Webサイトのデザインやフォントなど、ユーザーが見て分かる情報です。UXとは「ユーザーエクスペリエンス」の略で、ユーザーがサービスをとおして得られる体験・経験を意味します。サービスを利用して「使いやすい」「クオリティーが高い」など、ユーザーが感じたことがUXです。
UI/UXへの理解があれば、デザインとサイト設計の専門性が高まり、業務の幅も広がるでしょう。企業によっては、UXデザイナーがWebディレクターの上位職に該当するケースもあります。
Webディレクターとして年収アップを狙う場合、知識やスキルを磨き、専門性を高めることが大切です。資格を取得すれば、専門的な知識が身につき、自らのスキルを客観的に証明できます。ここで紹介するのは、Webディレクターの年収アップに役立つ4つの資格です。ぜひ参考にしてみてください。
Webリテラシー試験は、社団法人全日本能率連盟登録資格 Web検定が実施するWeb資格検定です。プロデューサー・ディレクター・デザイナーといったWeb制作に関わる主要3職種を目指すのであれば、身につけたほうがよい重要知識が問われます。合格することで、Webの基礎知識のほか、Webサイトの企画・設計やWebマーケティングの知識を習得できます。
PMPは、PMIが主催するプロジェクトマネジメントに関する国家資格です。プロジェクトを円滑に進めるために、Webディレクターはコストやスケジュール、リスクの管理が欠かせません。資格を取得することで、プロジェクト進行に欠かせないスキルが体系的に身につきます。コミュニティー活動によって、人的なネットワークが広がるのもメリットです。
ウェブデザイン技能検定は、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施する国家資格で、合格すれば「ウェブデザイン技能士」を名乗れます。試験で問われるのは、Webサイトの制作に必要なWebデザインやシステム構築の知識・スキルです。
WebディレクターはWebデザイナーと連携して仕事を進めることが多いため、どのようなデザインで作成してほしいかを伝えるためにも、Webデザインの知識と専門用語を身につけるとよいでしょう。
ウェブ解析士認定試験は、一般社団法人ウェブ解析士協会が実施する試験です。Webディレクターとして年収を上げるには、WebサイトのPVや訪問者数を分析するスキルが欠かせません。資格取得により、マーケティングに必要なWeb解析の知識・スキルが身につきます。ウェブ解析士認定講座も開催しているため、講座を受講してから受験してもよいでしょう。
Webディレクターは、クリエイティブ職の中でも比較的年収が高い職種です。昇進や転職によってさらに年収アップが期待できるため、自身が目指す方向性をしっかり決めるとよいでしょう。ここでは、Webディレクターの年収アップにつながるキャリアパスを4つ紹介します。
Webディレクターとして年収や待遇がよい企業へ転職するキャリアパスです。同業種同職種への転職は前職の経験が活かしやすく、即戦力として歓迎されます。自分の実績を高く評価してくれる企業を選ぶことで、理想の年収に近づけるでしょう。
ただし、新しい職場では人間関係を新たに構築するといった苦労もあるため、年収だけで決めるのはおすすめしません。求人情報に記載された情報だけでなく、企業の社風や魅力もきちんと調べておくとよいでしょう。
ほかのWebディレクターと差別化を図るため、専門分野の知識・スキルを磨くのもおすすめです。制作や開発のスキルを深めれば、コンテンツディレクターやテクニカルディレクターを目指せます。コンテンツディレクターとして対応できるコンテンツが増えれば、任せられる仕事も増えるでしょう。サイトの設計・開発の専門性を高めることで、テクニカルディレクターとしてシステム系の案件でも活躍できます。
Webディレクターの上位職であるWebプロデューサーを目指すキャリアパスもあります。Webプロデューサーは、Webサイトのコンセプトやイメージをクライアントとすり合わせ、プロジェクト全体を統括する仕事です。企画設計においては、トレンドやノウハウを調査しつつ、クライアントのニーズに合った提案をするスキルが求められます。Webディレクターとして着実にWeb制作の経験と実績を積めば目指せる職種です。
Webディレクターは、フリーランスとして各企業から仕事を受ける働き方も目指せます。フリーランスのメリットは、複数の案件を同時で受注できる点や、スキルに応じて高報酬を得られる点です。フルリモートで稼働時間を選べるなど、柔軟性の高い働き方が実現することも魅力だといえます。
ただし実績が少ないうちは、納得のいく報酬を受け取れなかったり、案件を獲得しづらかったりする可能性があります。小さい成果をコツコツと積み上げ、企業からの信頼や評価を得て大きな案件を獲得できるようになれば、年収アップを目指せるでしょう。
Webディレクターの平均年収は、クリエイティブ職の中では比較的高めです。知識やスキルを磨いて上位職を目指したり、好条件の企業に転職したりすることで、さらなる年収アップが期待できます。プログラミングやマーケティングに関する知識など、Webディレクターの仕事で役立つスキルを磨くことも大切です。
Webディレクターを目指している人は、ぜひマイナビITエージェントへご相談ください。業界に精通したキャリアアドバイザーが転職成功に向けてサポートします。
関連記事:マイナビITエージェント
IT業界
Webエンジニアに将来性はない?AI発展の3つの影響と生き残るための戦略
IT業界
ネットワークエンジニアの将来性は?需要が高まる理由と必須のスキル
IT業界
システムエンジニアを辞めたい4つの理由と辞める前に確認したいこと