更新日:2022/08/25
「リース」という言葉を聞いたときに思い浮かべるサービス内容は、一体どのようなものでしょうか。「物を借りるサービス」と思う方がいるかもしれませんが、それはレンタルも同じです。
ここでは、リースとレンタルの違いや、リース業界の仕事内容の他、サービスの特徴を詳しく解説します。
目次
リースとは、顧客に対して器具や設備などの物件を長期的に貸し出すサービスのことです。リース会社は、取引先に自社が購入した製品を貸し出し、リース料を受け取ることで利益を上げています。
リースと似たサービスにレンタルがありますが、レンタルとリースとでは貸し出し期間が異なります。リースの貸し出し期間が半年から10年程度であるのに対し、一般的にレンタルの貸し出し期間は1日から1ヵ月程度です。
また、物件の貸し出し期間中にトラブルが起こった場合、レンタルは貸し出した側が責任をもって対処・修繕することが多く、リースの場合は借りた側が対処する契約が主流です。
他にも、レンタルは中途解約可能ですが、リースは原則として中途解約ができないという違いがあります。
レンタルとリースのどちらを選んだらいいかは、利用者の状況によって変わります。
たとえば、出張先などで一時的に車を使いたい場合はレンタカーが便利でしょう。一方、長期の旅行中に、車を使い続けたいという場合は、カーリースのほうがレンタカーよりも費用を抑えることができます。
リースには、「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」の2種類があります。それぞれの特徴と違いを理解しておきましょう。
ファイナンス・リースとは、原則として中途解約できないリース契約のことで、物件の購入代金の他、固定資産税、保険料など全ての費用をリース料金として支払う「フルペイアウト」が条件となっています。
なお、企業がファイナンス・リースによって物件を借りた場合、物件の購入と同様の経費計上を行う必要があります。
オペレーティング・リースとは、原則として利用者が必要とする期間だけ物件を使用するリース契約のことです。オペレーティング・リースは、リース会社が、リース期間満了時の価値である残価を算出し、物件の購入価格から残価を差し引いた金額をリース料として設定するのが特徴です。オペレーティング・リースでは、利用者がリース期間を自由に設定することができます。
なお、オペレーティング・リースは、物件を借りているだけの取引であるため、資産として計上する必要がありません。リース料を賃貸借処理するだけでいいという点がファイナンス・リースとの違いです。
リースは、リース会社と顧客、サプライヤー(物件の販売会社)の3者で契約することになりますが、実際にはどのような流れで行われるのでしょうか。
リースのサービスの大まかな流れは下記のとおりです。
リース契約を締結する際には、該当の取引が可能かどうか、リース会社が取引先の審査を行うのが一般的です。
長期間のリース料金を支払えないリスクが高いと判断された場合、リース契約の締結はできません。
リース業界で仕事をしたことがない方には、リースのサービスにどのような特徴があるのかわかりにくいかもしれません。
続いては、リースのサービスの主な特徴をご紹介します。
リースでは、リース会社が顧客とリース契約を結んだら、顧客が選定した物品をサプライヤーから購入し、顧客に貸し出すのが特徴です。
一般的に、リース契約では物件を納入した後の保守や点検、修繕などは顧客側の責任で対処します。ただし、実際にリースを利用するにあたって、顧客はリース契約とは別にサプライヤーなどと保守契約を結ぶことで、リース期間中のトラブルに備えるケースが多くなっています。
リースは、毎月一定のリース料金をリース会社に支払う均等月払いとなります。また、原則として中途解約ができず、中途解約をする場合は違約金を支払わなければなりません。
続いては、リース業界ではどのような方が活躍できるのか、リース業界に向いている人の特徴についてご紹介します。
リース業界には、コピー機のリースなど、法人向けのサービスを行うリース会社も多くありますので、個人向けの飛び込み営業は避けたいという方や、法人向けに大きな金額の仕事をしたいという方におすすめです。
既存顧客を大切に、長く良好な付き合いを継続していくのが得意という方や、顧客のニーズを深く理解した上で提案をできる方は、リース業界でも活躍しやすいでしょう。
リースは、数年単位の長期契約が主流であり、リース期間が終わった後も、別の機器に入れ替えて再度契約を結ぶというケースも多いため、特に営業では、顧客と信頼関係を構築することが求められます。
リースは、基本的に中途解約ができず、契約期間は長期にわたります。そのため、「リースを利用するなら買ってしまったほうが良いのでは」と思う人もいるかもしれませんが、企業にとってはリースを利用するメリットはいくつかあります。
続いては、企業がリースを利用するメリットを、具体的にご紹介します。
設備購入時は最新の物であっても、長く使い続けると旧式の設備になってしまいます。購入した場合は、法定耐用年数を基に減価償却費として計上されるため、ある程度の年数が経たないと最新設備への交換がしにくいという点がデメリットです。
しかし、リースであれば、設備を切り替えたいタイミングにリース期間を設定し、常に最新の設備を使用することができるようになります。
一般的に、リースは頭金が不要で、月額料金のみで利用することができるため、高額な設備が必要になったときなど、十分な資金がなくても導入することが可能です。
また、一定の月額料金を決まった期間まで支払うというリース契約は、資金の見通しを立てやすいという点でメリットだといえるでしょう。
なお、ファイナンス・リース契約では設備を購入したとみなして、法定耐用年数に従って減価償却し、オペレーティング・リース契約では毎月のリース料を賃貸借処理として計上します。
リース業界は、金融業に該当します。お金や証券を取り扱うわけではありませんが、物件の長期的なリース契約を結ぶことで利益を得ます。法人向け営業を行いたいと考えている方や、金融関連の仕事を行いたいという方は、リース業界への転職も検討してみてはいかがでしょうか。
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