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更新日:2025-08-07

転職エージェント経由では内定辞退できない?伝え方からリスクまでまとめて解説

この記事のまとめ

  • 法律上認められている権利のため、転職エージェント経由であっても内定辞退はできる。
  • 内定獲得後に辞退したい場合、直接応募先企業に連絡するのは避け、できるだけ早めに転職エージェントの担当者に相談しよう。
  • リスクを伴う内定辞退を避けるためには、ミスマッチを防ぐことが重要。自己分析や企業研究を念入りに行い、希望条件を担当のキャリアアドバイザーにきちんと伝えておくのが効果的。

転職活動中に複数の内定をもらい、転職エージェント経由で獲得した内定を辞退したいと考えている方もいるでしょう。「転職エージェントに迷惑をかけるかもしれない」「断ると今後の転職活動に影響するのではないか」と不安に感じる方も少なくありません。

この記事では、転職エージェント経由での内定辞退が可能なのかを解説したうえで、辞退する際の注意点やしつこい引き止めへの対処法についても紹介します。内定辞退を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

転職エージェント経由での内定辞退はできない?

転職エージェント経由での内定辞退は、法律上認められている権利なのでしょうか。「何らかの制約があるのでは」と不安に感じている方もいるでしょう。まずは、内定辞退が実際にどのような法的根拠に基づいているのか、また内定承諾後の辞退は可能なのかといった基本的な事項を確認してみましょう。

内定辞退は認められている権利

転職エージェント経由で内定をもらっても、辞退することは法律上問題ありません。民法627条では労働契約の解約権が認められており、内定辞退は求職者の正当な権利です。転職エージェントを通じた内定であっても、最終的な判断は求職者自身に委ねられています。そのため、内定辞退そのものを過度に躊躇する必要はありません。

ただし、転職エージェントと内定先企業に迷惑をかけることには変わりありません。ビジネスマナーとしては褒められたことではないため、できる限り避けたほうがよいでしょう。

参照:民法|e-GOV 法令検索

内定承諾後の辞退も可能

内定承諾書を提出した後でも、内定辞退は法的に可能です。内定承諾は企業との労働契約が成立したことを意味しますが、民法の規定により、入社の14日以上前であれば理由を問わず解消できる権利があります。企業側も内定辞退を想定しており、拒否することはできません。

ただし、企業は採用計画の見直しや代替人材の確保が必要となり、転職エージェントは企業との信頼関係に影響を受ける可能性がある点を忘れないようにしましょう。

転職エージェント経由での内定|辞退を考える主な理由

転職活動中、内定辞退を考えるケースはさまざまです。ここでは内定をもらった後に辞退を考える主な理由を4つご紹介します。辞退を検討するポイントや、辞退理由の解決案についてもまとめました。自身の理由と照らし合わせ、いま一度、辞退以外の選択肢がないかを検討してみてください。

カウンターオファーがあった

「カウンターオファー」とは、退職を引き止めるために現職企業から持ち出される交渉です。主に昇給や希望部署への異動などが提案されるかもしれません。カウンターオファーが転職先よりも優遇されている場合には、内定獲得後であっても辞退を考える方は少なくないでしょう。

このとき検討のポイントになるのは、退職を決めた理由です。退職理由がカウンターオファーによって改善されるのであれば、辞退を検討してもよいでしょう。そうでない場合には、目先の利益に踊らされないことが大切です。

家族から反対された

家族からの反対で内定獲得後に辞退を迫られるケースがあります。多くの場合は、家族に相談をしないまま転職を進め、内定が出てから事後報告して問題になるケースです。

反対理由は、「収入や、家族との時間が減るのではないか」という心配が一般的でしょう。その場合には、キャリアパスや将来のビジョンを家族と共有することが大切です。きちんと家族のことを考えたうえでの決断であると示し、説得を試みましょう。

予期せぬ事態で就業が難しくなった

家族の急病をはじめ、予期せぬ事態が起こり、就業が難しくなるケースもあるでしょう。このようなときにはひとりで悩むことなく、親類や友人、知人の手も借りることを検討しましょう。しかし、こればかりは内定獲得後の辞退もやむを得ません。転職エージェントや内定先企業から理解を得るためにも、きちんと事情を説明することが大切です。

企業にネガティブなイメージが生まれた

内定獲得後、企業に関するよくないうわさを聞いてネガティブなイメージを持ち、辞退を悩むことがあります。このときに大切なのは、うわさの信ぴょう性です。「そこで働いていた知人がブラック企業だと言っていた」などまた聞きのケースでは、情報をうのみにするのは避けたほうがよいかもしれません。

改めて企業についてリサーチしてみるほか、転職エージェントに相談するのもおすすめです。転職エージェントは企業の人材担当者と交流があるため、実際の労働状況や社風まで把握しています。求人内容に差異がないか、内定先企業に改めて確認してくれる場合もあるでしょう。

【例文あり】転職エージェントに内定辞退を伝える方法

内定獲得後に辞退するには、メール、電話、対面のいずれかで転職エージェントに意思を伝える必要があります。ここでは自分に合った方法で辞退を伝えられるように、連絡方法別のメリット・デメリットをまとめました。メールと電話については、おすすめの文例もご紹介します。

メールで伝える

メールで内定辞退を伝える場合、意思を簡潔に伝えやすいほか、手軽といったメリットがあります。ただし、メールだけで辞退が完了するとは限りません。転職エージェントから確認の電話が入るケースも多いでしょう。

今後も転職活動を続ける予定なのであれば、先にメールで連絡を入れ、「後日改めて電話、もしくは対面で話をしたい」といった旨を記載しましょう。礼儀を尽くすことで、担当者に悪い印象を与えないようにするためです。

【例文】

【件名】内定辞退について(自身の名前)
(転職エージェント名)株式会社 (担当者名)様

いつもお世話になっております。(自身の名前)です。

先日、(内定先企業名)より内定をいただきましたが、誠に勝手ながら辞退させていただきたくご連絡いたしました。

理由としましては、(理由)といった事情です。
(担当者名)様にも多くのお時間を割いていただいた末にこのような形になり、大変申し訳ございません。

本来であれば直接お詫び申し上げなくてはいけないところ、メールでのご連絡となりましたこと、何卒ご容赦いただければと存じます。

今後も転職活動は続ける予定でおります。つきましては、改めて謝罪と今後のため、一度お電話もしくは対面でお話できればと思っております。ご都合のよい日時を教えていただければ、幸いです。

大変申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

(自身の名前)

電話で伝える

内定獲得後の辞退はなるべく早く伝える必要があるため、電話は適した方法といえます。転職エージェントの営業時間内であれば電話での連絡がおすすめです。

【例文】

お世話になっております。(自身の名前)と申します。(担当者名)様はいらっしゃるでしょうか。

先日いただいた(内定先企業名)の内定ですが、辞退させていただきたくご連絡いたしました。理由としましては、(理由)といった事情です。

本来であれば直接お詫び申し上げなくてはいけないところ、電話でのご連絡になり大変申し訳ございません。(担当者名)様にも多くのお時間を割いていただいた末に、このような形になったことも申し訳なく思っております。

今後も転職活動は続ける予定でおりますので、大変申し訳ございませんが、またお力になっていただけると助かります。どうぞよろしくお願いいたします。

対面で伝える

礼儀を尽くすという意味では対面で伝えるのがよいでしょう。しかし、無理に対面で謝罪する必要はありません。謝罪のほか、どうしても対面で相談したいことがある場合のみ、店舗に赴くとよいでしょう。なお対面で伝える場合には、日程調整が必要です。内定辞退は少しでも早いほうがよいため、日程調整のメールや電話を入れる時点で内定辞退の旨は伝えておきましょう。

内定辞退を伝えるポイント

内定獲得後であっても職業選択の自由は保障されるため、辞退は可能です。しかし、いくつかのマナーやポイントを押さえたうえでの辞退でなくては、無用のトラブルを引き起こす恐れがあります。ここでポイントを押さえ、円満に内定辞退を進めましょう。

企業ではなく転職エージェントに伝える

内定が決まった後に辞退をする際には、転職エージェントに連絡を入れましょう。内定先企業に直接連絡しては自身と企業間、企業と転職エージェント間で行き違いが起き、トラブルに発展する恐れがあります。転職エージェントからトラブルメーカーだと問題視されると、今後の転職活動に響きかねません。企業への連絡は、転職エージェントに任せましょう。

できるだけ早めに伝える

内定辞退を決めたら、できるだけ早いタイミングで転職エージェントに伝えることが重要です。企業は採用活動に多くの時間とコストをかけており、内定辞退があれば採用活動をやり直す必要が生じます。特に中小企業では、新入社員の受け入れ体制を整えるために組織体制の変更を進めているケースもあるでしょう。

このような企業側の事情を考慮すると、内定辞退を決断したらすぐに転職エージェントへ連絡することが、企業に対する配慮といえます。誠意をもって早めに連絡することで、転職エージェントとの信頼関係も維持できるでしょう。

担当者に理由を伝えてよく話し合う

内定辞退の理由を明確に伝えた後は、担当者とよく話し合いましょう。辞退理由を明確に伝え、感謝の気持ちを示しながら丁寧に対話することで、相互理解が深まります。内定辞退の理由によっては、担当者が内定先企業に確認や交渉をしてくれることもあるでしょう。

また、よく話し合うことで理想の転職先像が担当者へと鮮明に伝わります。そうすればより理想に沿った求人を紹介してもらいやすく、転職活動を効率よく進められます。

感謝と謝罪の気持ちを伝える

内定辞退を伝える際には、これまで時間を割いてもらったことに対する感謝と謝罪の気持ちを担当者に伝えるのがポイントです。特にこれからも転職活動を続ける場合には、担当者からの心証を悪くしないように配慮しましょう。

礼儀を欠けば、「安易に内定を辞退する人物」と捉えられ、求人を積極的に紹介してもらえなくなる恐れがあります。

転職エージェント経由での内定|辞退するリスク

内定獲得後の辞退には、いくつかのリスクを伴います。何も考えずに辞退をしては、不利益を被るかもしれません。リスクを把握したうえで改めて辞退を検討し、辞退を決めた場合の動き方も考えていきましょう。

信頼関係を失う可能性がある

内定が決まった後の辞退は、転職エージェントや企業に損失を与える行為です。不用意な行動をしては、信頼を失いかねません。同じ転職エージェントを再利用する場合には、「新たに紹介しても、また内定後に辞退をされるかもしれない」と紹介を避けられることも考えられるでしょう。

心理的な負担がかかる

企業がすでに入社準備を進めている可能性があるため、内定の辞退を申し出ても「いまさら辞退は困る」と何度も説得されるかもしれません。それにより後ろめたさや罪悪感が強まるなど、心理的な負担もかかるでしょう。

ビジネスマナーに反したことについて礼儀を払う必要はありますが、辞退のやりとりを長引かせるのもいけません。辞退を決めたらいくら説得されても撤回しない強い意志を持ち、行動する必要があるでしょう。

損害賠償で訴えられるケースもある

数少ないケースですが、内定先企業から損害賠償で訴えられることがあります。たとえば、内定承諾後の入社準備に多額の資金を投資していて、企業の損害が甚大であるケースなどです。また、内定者があまりに礼儀に反する態度や行動をした場合にも、リスクは高まります。不遜にならず、丁寧なやりとりを心掛けましょう。

内定辞退できない|転職エージェントに引き止められたら?

転職エージェントが内定辞退を引き止めるケースは少なくありませんが、その背景にはさまざまな理由があります。引き止められた場合の対処法も知っておくことで、円満に内定辞退を行うことが可能です。ここでは、なぜ転職エージェントが内定辞退を引き止めるのか、その理由を詳しく解説するとともに、引き止められた際の具体的な対応策を紹介します。

転職エージェントが内定辞退を引き止める理由

転職エージェントが内定辞退を引き止める理由には、主に以下の3つの背景があります。

  • 内定辞退が決まると報酬が得られなくなる
  • 企業との信頼関係を失う可能性がある
  • 企業側からの直接的な依頼

多くの転職エージェントは成功報酬型のビジネスモデルを採用しているため、内定辞退が決まると報酬が得られなくなってしまいます。そのため、自社の営業成績を守るために引き止めを行うケースがあります。また、企業との信頼関係を維持したいという考えから引き止めることもあるでしょう。

さらに、企業側からの直接的な依頼による場合もあります。面接での評価が高かったり、人手不足で急ぎで採用したい企業からの要請であったりといったケースでは、転職エージェントが求職者を説得するよう指示されることもあります。

引き止められた際の対処法

転職エージェントから内定辞退を引き止められたときは、毅然とした対応が必要です。まず、再度電話などで転職エージェントの担当者に連絡し、内定辞退の意思が固いことをはっきりと伝えましょう。曖昧な表現は避け、明確に辞退理由を説明することが大切です。

引き止めが執拗な場合は、「連絡を控えてほしい」と伝えるのも効果的です。それでも状況が改善しない場合は、担当者の変更を依頼することも検討しましょう。転職エージェントの運営会社に連絡し、現状を説明して新しい担当者を希望すれば対応してもらえます。

内定辞退を迷っているなら「内定保留」も選択肢のひとつ

複数の企業に同時に応募している場合、第二志望の企業から先に内定をもらうことがあります。そのような状況で迷っているなら、内定辞退だけでなく「内定保留」という選択肢も検討してみましょう。内定保留とは、内定を承諾するかどうかの返答を一定期間延期してもらうことです。この連絡も転職エージェントを通じて行われます。

あらかじめ転職エージェントの担当者に各企業の志望順位を伝えておくことで、柔軟な対応が期待できるでしょう。ただし、保留期間は一般的に1週間程度と短めです。企業側は人材確保を急いでいることが多いため、あまりに長く保留すると内定取り消しになるリスクがあります。

リスクを伴う内定辞退を避けるためにできること

内定辞退のリスクを最小限に抑えるには、事前の対策が何より重要です。ここでは、転職エージェント経由での内定辞退を避けるために実践できる具体的な方法を紹介します。適切な準備と対応により、企業とエージェントとの信頼関係を損なうことなく、自分に最適な転職を実現できるでしょう。

事前準備を念入りに行う

念入りな事前準備は、内定辞退を未然に防ぐ効果的な方法です。自分の適性や希望を明確にせずに転職活動をはじめると、選考過程で企業とのミスマッチに気づき、内定辞退に至るケースが少なくありません。まず自己分析を通して「何にやりがいを感じるか」「どのような働き方を希望するか」「将来どうなりたいか」を具体化しましょう。

次に業界研究や企業研究を行い、自分の希望を実現できる分野を特定します。これらのプロセスにより、自分に合った企業選びができるでしょう。知識が不十分なまま応募すると、後から条件の不一致に気づくことになります。

キャリアアドバイザーと密に連絡を取り合う

内定辞退を避けるには、キャリアアドバイザーとの密なコミュニケーションも不可欠です。希望条件や譲れないポイントを明確に伝えていないと、希望と異なる求人を紹介されるリスクが高まります。初回面談だけでなく、定期的に連絡を取り、最新の希望や状況を共有しましょう

特に転職理由や将来のキャリアビジョンを具体的に話し合うことで、転職エージェントはより適切な求人を厳選できます。また、信頼関係が構築されていれば、面接や内定後の不安や疑問も気軽に相談できるでしょう。

企業側の情報も積極的に質問することが重要です。職場環境や社風、実際の業務内容など、自分が知りたい情報を明確にリクエストしましょう。これにより入社後のミスマッチを防ぎ、内定辞退の可能性を大きく減らせます。

条件交渉をしてもらう

内定辞退を検討する理由が条件面の不満である場合、転職エージェントに条件交渉を依頼する方法があります。転職エージェントは企業の人事担当者と直接的な関係性を構築しているため、求職者個人では難しい給与アップや待遇改善などの交渉を代行してくれることがあります。

希望条件を明確に伝え、どの点が譲れないのかを具体的に説明することで、転職エージェントはより適切な交渉ができます。条件交渉の結果しだいでは、内定辞退をせずに済む可能性が高まり、より納得できる形での転職が実現するでしょう。

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まとめ

転職エージェント経由であっても内定辞退は法的に認められた権利です。辞退を決めた場合は、まず転職エージェントに対して誠意をもって早めに連絡することが重要です。辞退理由を明確に伝え、感謝と謝罪の気持ちを示しましょう。内定辞退によるリスクを避けるためには、事前の企業研究を念入りに行い、キャリアアドバイザーと密に連絡を取り合うことが効果的です。

内定辞退の不安を感じている方こそ、専門家のサポートが重要です。マイナビエージェントでは、各業界に精通したキャリアアドバイザーが希望条件を丁寧にヒアリングしたうえで、理想的な転職の実現をサポートいたします。転職でお悩みの方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。

執筆・編集

マイナビエージェント編集部

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