更新日:2024/08/19
目次
プログラミングを学んできた理系出身者と、初めてプログラミングにふれる文系出身者が同時期に入社したとすると、スタート時の技術力は当然、理系出身者のほうが高くなります。
だからといって、文系出身者がSEとして劣っているわけではありません。
両者を比べていくと、文系出身者であるほうが有利な点もあるのです。
ここでは、文系出身であるメリットをご紹介します。
文系出身者が理系出身者に比べると、技術力で後れをとるのは事実です。
しかし、そのことが逆にメリットになることもあります。
理系出身者であれば、勉強してきたことで気負いが生じてしまい、上司などに質問しづらいことがあるようです。
それに対し、文系出身者は「わからなくて当然」のため、質問しやすいということがあるのです。
また、理系出身者が座学で学んできた内容は、必ずしも現場で必要な知識とは限りません。
文系出身者のほうが現場で必要な技術を、実務で効率良く学ぶことができるということも往々にしてあるようです。
SEの仕事でも計画書、報告書、会議の議事録など、文章を書く場面は当然ありますが、そんな場面では文系出身者のほうが比較的スムーズに書類を作成できる傾向があるようです。
特にユーザーマニュアルなどは、システムに詳しくない初見の人でもわかりやすくする必要があります。
そういった点においても文系出身者のほうが、理系出身者よりも比較的長けているといえるようです。
理系出身のSEの中には、コミュニケーションに不安を抱えている人も多いようです。
SEの仕事は、クライアントとの交渉など営業的な仕事もあるため、コミュニケーション能力も必要です。
その点、クライアントとの交渉や営業の場面では、文系出身者が重宝されることもあります。
また、文系出身者のほうが技術に詳しくない人の視点に立つことができるため、取引先やユーザーへの説明は理系出身者に比べて、わかりやすくできることが多いようです。
文系出身者が、SEとしてキャリアアップしていくためには、さまざまなスキルを身に付ける必要があります。
ここでは、文系出身者のSEがさらに飛躍するために必要なスキルをご紹介します。
プログラミング言語の種類はひとつではありません。
クライアントが使用しているシステムによって、プログラミング言語は異なるため、さまざまなクライアントやシステムに対応できるようになるには、複数の言語を習得する必要があります。
さらに、複数のデータベースや複数のOSへの対応もできるようになれば、さまざまな場面で重宝されるようになり、仕事の幅も広がっていきます。
文系出身者の武器のひとつともいわれるコミュニケーション能力。
そのコミュニケーション能力を営業に活かすことで、理系出身のSEに差をつけることができます。
プロジェクトは、まずクライアントが抱える課題を理解することから始まります。
そして、どんな解決策があるかを考え、クライアントに提案する。
受注が決まったらチームでシステムの開発に取り掛かり、完成したものをリリースする。
ここまでがひとつのプロジェクトです。
この中で行うSEの重要な仕事は、提案するシステムをクライアントに説明し、交渉することです。
クライアントに好印象を持ってもらうためには、高いコミュニケーション能力やわかりやすく説明するスキルが必要です。
文系出身者がコミュニケーション能力を活かして営業の実績を積んでいけば、さらに大きな交渉の場面にも呼ばれ、SEとしてのステップアップにつながっていきます。
実際に、上流工程を任されるSEになればなるほど、仕事内容はクライアントへの提案など、営業としての仕事が多くなるでしょう。
クライアントとの交渉の場でコンサルティングのスキルを伸ばすことができれば、さらなるステップアップができます。
そのためには、積極的に展示会に足を運んだり、異業種交流会などに参加して人脈を作ったりと、日頃からさまざまな業界にアンテナを伸ばし、その動向に精通する必要があります。
さらに、他社が過去に行ったシステムプランニングの実例などを調べ、自分のプランニング能力の引き出しを増やすことも大切です。
そういった努力を積み重ねることで、クライアントが成長するためにはどうしたらいいのかが見えてきて、よりクライアントに寄り添った提案ができるようになります。
近年ではグローバル化のため、企業によっては海外での営業や英語でのプレゼン、外国語の資料にふれる機会も増えています。
語学力の鍛錬を続けることも、SEとしての強みになります。
ここまで、文系出身であることのメリットをご紹介してきましたが、「文系出身ではまったく問題ないんだな」と安心するのはまだ早いです。
文系出身者が注意すべきこともありますので、ここでご紹介します。
文系出身のSEがまずぶつかる壁は、専門用語をたくさん使った会話についていけなかったり、数式が理解できなかったりということが多いようです。
わからない用語を調べているあいだに、理系の同期は一歩進んだ仕事を任されていて、焦ってしまうこともあるでしょう。
文系出身者は独学を怠らずに、わからないことは調べたりして、理系出身者に根気良くついていかなければなりません。
一般的に文系出身者は、理系に比べて論理的思考が苦手な人が多いようです。
しかし、システムの開発には論理的思考が重要となります。
クライアントやプロジェクトチームにシステムを提案する際には、論理的に説明することが重要になるため、論理的思考が苦手な人は日頃から訓練することが必要でしょう。
実際に、文系からSEになる場合の転職状況についてご紹介します。
前述の理系、文系別のデータにあるように、SEへの転職採用の動向を見ると、企業は応募者の経験や技術力を評価するため、応募者が文系出身であるか理系出身であるかは関係なくなってきています。
採用条件としてコミュニケーション能力を重要視する企業が増えているため、営業の経験などコミュニケーション能力の高さをアピールすることができれば、文系出身者でも企業から高く評価されることができます。
文系出身者が未経験からSEになろうとする場合には、ある程度の年齢制限があるようです。
どんな業界であっても同じことがいえますが、異業種からの転職者には教育の期間が必要なため、採用する側もそれを考慮したものになります。
そのため、一般的には30代以降やさらに年齢が高くなるほど、SEへの転職は難しくなるようです。
未経験の人がSEになる方法としては、プログラマーから始めるという手段もあります。
プログラマーを必要としている企業は多いため、ITエンジニアへの挑戦はSEよりもプログラマーからのほうが入りやすいのが事実です。
まずはプログラマーで経験を積んで、SEを目指すという方法も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
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