「ゲームに関わる仕事がしたい」「大好きなゲームで収入を得たい」という方は多いでしょう。しかし、ゲーム関係の仕事と一口に言っても、ゲーム制作には多くの工程があるため、その職種もさまざまです。実際にゲームに関わる仕事に就くのであれば、まずはどの職種を目指すのかを明確にする必要があります。
そこで、本記事ではゲーム作成の工程を解説し、そこに関わる仕事を詳しく紹介します。ゲームに関わる仕事を探している方は、ぜひ参考にご覧ください。
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1 ゲームに関わる仕事にはどんなものがある?
子どもから大人まで多くの人が楽しめるゲームは、今後もますます市場規模を拡大していくと言われています。そんなゲームに関わる仕事には、実にさまざまな種類があります。企画から始まり、シナリオ作成、実装、テストまで、一つのゲームが完成するには多くの工程を経なければならず、工程ごとにたくさんの人が関わっています。
そのため、「ゲームに関わる仕事がしたい」という方は、まず自分がどの工程に携わりたいのか、どういった作業がしたいのかを明確にしておく必要があります。
2 ゲームができるまでの流れ
ゲームに関わる仕事を知るために、まずはゲームができるまでの流れを確認しておきましょう。自分がどの工程に興味があるのかを把握しておくことが大切です。
2.1 企画・プレゼンテーションを行う
どういったゲームを作るのかという全体の構想を考えます。ゲームを作る上でもっとも重要な工程であり、方向性を誤ると、せっかく苦労して作ったのに全く売れなかったということにもなりかねません。「今現在どういったニーズがあるのか」「採算がとれるだけの需要が見込めるのか」といったことも踏まえて、念入りに企画を練る必要があります。
大まかな構想ができあがったら、役員やクライアントなど製作の決定権を持つ人へプレゼンテーションを行います。企画の趣旨、見どころ、採算性などをまとめて説明し、製作のゴーサインが出たら、いよいよ実際のゲーム作りが始まります。
2.2 シナリオ・仕様書を作成する
シナリオや仕様書を作成していきます。言わば、ゲームの設計図のようなものであり、これを元に実際の開発が行われるため、大切な工程の一つです。具体的には、ゲームのストーリーやキャラクター、世界観を始め、基本的な動作や会話、インターフェースのデザインなど細かい要件を策定します。
なお、開発が大幅に遅れることのないように、全体的なスケージュールも考慮しながら組み立てていく必要があります。
2.3 プログラミング・実装を行う
完成した仕様書を元にプログラミングを行います。ここまでは主にイメージの中だけで動いていたゲームが、プログラミングを経て実際に動き出していきます。製作するゲームによって異なるものの、ゲーム作りにはJava、C++、C言語、Swift、PHP、Pythonなどのプログラミング言語がよく使用されます。
また、キャラクターや背景のデザイン、BGMや効果音の作成も大切です。中には、声優による音声の収録が必要なゲームもあります。こうした工程を経て、ゲームに命が吹き込まれていきます。
2.4 デバッグを行う
ゲームが完成したら、必ずデバッグという作業が行われます。デバッグとは、プログラムのバグを見つけて修正するプロセスのことです。一見、何の不具合もなく見えるゲームでも、実際にプレイしてみると動きがスムーズでなかったり、表示がおかしかったりすることがあります。
そういったバグをなくすため、何度も何度もテストプレイを繰り返して、細かいバグを修正していきます。ユーザーが快適にゲームを楽しめるよう、こういった地道な作業が行われているのです。
3 ゲームに関わる仕事一覧
ここからは、ゲームに関わる主な仕事について詳しく紹介していきます。どういった工程に携わる職業なのかをぜひチェックしてみてください。
3.1 ゲームプランナー
主に企画段階からゲームの概念を練り、具体的なゲームデザインやストーリーの策定を行います。ゲームのコンセプトをまとめて、プレゼンテーションを行ったり、開発チームに指示を与えたりする役割も担うため、クリエイティブな視点とプロジェクト管理能力が求められます。
3.2 ゲームディレクター
ゲームの全体的なビジョンと方向性を決定し、開発チームをリードする役割を担います。言わば、ゲーム作りにおける「現場監督」のようなポジションであり、プロジェクトのスケジュールを管理することもあります。優れたリーダーシップスキルとコミュニケーション能力が求められる仕事です。
3.3 ゲームプロデューサー
ゲーム開発におけるほぼ全ての側面に関わり、プロジェクトの成功に向けて多くの責任を負う「総括責任者」といったポジションです。スタッフの選定から予算の管理に加えて、マーケティング戦略や販売計画の策定なども担います。ゲームディレクター同様、リーダーシップスキルとコミュニケーション能力が必要です。
3.4 ゲームプログラマー
Java、C++、C言語、Swift、PHP、Pythonといったプログラミング言語を使用して、ゲームの機能や挙動を実装する仕事です。仕様書に従って実際にゲームを構築する、ゲーム開発の要となるポジションです。仕様書の内容を正確に汲み取り、ミスなくコーディングする技術が求められます。
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3.5 サーバーエンジニア
以前は、ソフト内にデータを蓄積するパッケージ販売のゲームが一般的でした。しかし、近年はオンライン化が進み、サーバーでのプレイデータ管理が主流となっています。そういったサーバーの設計、構築、運用、および保守を担当するのがサーバーエンジニアの仕事です。
3.6 ゲームCGデザイナー
ゲームのビジュアルコンテンツを制作するポジションです。コンピュータグラフィックスを駆使して、キャラクターや背景はもちろん、爆発、水流、光線などあらゆる効果を、よりリアルで立体的に仕上げていきます。想像力に加えて、CGツールを使いこなすスキルも必要です。
3.7 UIデザイナー
UIとはユーザーと製品を繋ぐ接点のことであり、ゲームにおいては「ボタンの位置」「アイコンのデザイン」「文字の並び」などが挙げられます。こういったUIが使いづらいと、いくらストーリーが面白くても、ゲームへの没入感が低下してしまいます。ゲームを進めやすくするために、画面のレイアウトや配色を調整するのがUIデザイナーの主な仕事です。
3.8 テクニカルアーティスト
エンジニアとデザイナーの橋渡しをするのがテクニカルアーティストです。ゲーム作りには多くの工程があり、またたくさんの人が携わっています。そのため、エンジニアとデザイナーが使用するツールの種類が異なることもあります。
このような場合に、テクニカルアーティストが間に入り、データやファイルの受け渡しをすることで、作業がスムーズに進むようになります。またテクニカルアーティストは、開発作業中のハードウェアの負荷を軽減させる業務を担当することもあります。
3.9 ゲームサウンドクリエイター
ゲーム内で使用される音楽や効果音などの音響要素を制作する仕事です。具体的には、ゲームの世界観やストーリーに合わせたBGMの作曲、キャラクターやアクションに対応した効果音の制作などを行います。また、開発の他メンバーと協力しながら、より没入感を高めるための調整を実施することもあります。
3.10 デバッガー
ゲームのバグや問題を発見して、それらを修正するのが主な仕事です。実際に完成したゲームをプレイしてバグがないかを確認し、もしも不具合があれば修正を行います。実際にゲームがプレイできるので、ゲーム好きの方には人気がある職種です。
ゲームをするだけの仕事と思われがちですが、実際は何度も同じ操作を繰り返さなければならなかったり、どんな小さな違和感にも気付く敏感さが求められたりと、かなりの根気と集中力を必要とする大変な仕事と言えます。
4 ゲームに関わる仕事の魅力
ゲームに関わる仕事には、どういった魅力があるのでしょうか。ゲーム関連の仕事に就いた際に得られるメリットについて解説します。
4.1 好きなことを仕事にできる喜び
何と言っても、自分が好きなことを仕事にできるのは一番の喜びでしょう。子どもの頃から大好きで、夢中になってプレイしていたゲームを、自分の手で作り上げる喜びは何にも代えがたいものがあります。
また、ゲーム市場は今後も拡大が予想されており、さらなる成長が期待されます。そのため、ゲーム業界でスキルを磨けば、安定的な生活が送れる可能性が高いことも大きなメリットです。
4.2 ユーザーが喜んでくれたときの達成感
苦労して作り上げたものを世界中のユーザーに楽しんでもらえれば、仕事に対して大きな達成感を味わえるでしょう。ゲームはユーザーからの反応もわかりやすく、肯定的なフィードバックをもらえればモチベーションを高められます。自分のアイデアや作業によって、世界中の人を夢中にさせられるのがゲーム作りの魅力です。
5 ゲームに関わる仕事に必要なスキル
では、ゲームに関わる仕事をする上で、どういったスキルが必要になるのでしょうか。ゲーム関連の仕事に就きたい方は、以下のようなスキルを磨くのがおすすめです。
5.1 企画力・想像力
ゲーム開発において、企画力や想像力はたいへん重要です。特に、ゲームの全体的な構想を考えるゲームプランナーやゲームプロデューサーは、市場動向や競合作品の分析をしながら、どういったゲームが売れるのかを考えなければなりません。
また、競合に負けないゲームを生み出すには、独創的な発想力や洞察力が必要なため、現状に満足せず、常に新しいことにアンテナを張っておく必要があります。
5.2 コミュニケーションスキル
特に、プログラミングやグラフィックデザインといった工程では、人とかかわらず一人きりで作業をするイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、実際は開発チームのメンバーと密にコミュニケーションを取り合う場面も多く、相手の意思を汲み取ったり自分の意見を述べたりするコミュニケーションスキルは非常に大切です。
5.3 プログラミングスキル
ゲーム作りにおいて、プログラミングは要となる工程です。実際の作業を行うゲームプログラマーはもちろん、仕様書の作成や開発の指示を行うゲームディレクター・ゲームプロデューサーにもプログラミングの知識は欠かせません。
5.4 専用ソフトやツールを使いこなすスキル
ゲーム開発では多くのソフトやツールが使用されています。例えば、Unity・UnrealEngine・Maya・3dsMaxなどが挙げられます。これらのソフトやツールは、仕事をしていくうちに使いこなせるようになることもありますが、やはり始めからある程度の知識があった方が就職は有利になるでしょう。
5.5 忍耐力・論理的思考力
華やかに見えるゲーム開発の世界ですが、プログラミングやデバッグなどの仕事のように、実際はとても地道な作業をコツコツ行わなければならないことが多くあります。
また、何か問題が起きたときでも感情に左右されることなく、素早く原因を特定して解決に結び付けなければなりません。そのため、ゲームに関わる仕事には、忍耐力や論理的思考力が必要です。
6 ゲームの仕事に就くためにやるべきこと
「ゲームの仕事に就きたい」と思ったら、どんなことから始めればいいのでしょうか。ここでは、ゲームの仕事で活躍するためにやるべきことを3つ紹介します。
6.1 最新のゲーム事情を把握する
ゲーム関連の仕事に就きたいと考えるなら、ゲーム業界の最新事情は常に把握しておく必要があります。ゲームの世界はものすごいスピードで進化を遂げており、年々新しい技術が導入されています。そのため、常に知識をアップデートし続けなければなりません。
「最新のゲームをプレイする」「ゲームに関するニュースや本に目を通す」「eスポーツを観戦して情報を得る」など、最新の情報をキャッチする努力が大切です。
6.2 就きたい仕事に必要なスキルを習得する
自分が就きたい仕事に必要なスキルを習得することも重要です。ゲームプログラマーを目指すなら、Java、C++、C言語といったプログラミングスキルが必須です。また、グラフィックや音楽に関わりたいのであれば、アニメーション作成や音楽制作の知識を身につけておくと、就職ではより有利になるでしょう。
6.3 未経験でもできる仕事をして経験を積む
ゲーム関連の仕事の求人では、「実務経験〇年以上」「〇〇の業務に携わったことのある方」などの条件が提示されていることがあります。そのため、もしも「プログラミングの知識はあるけど実務経験はない」「高卒で専門の学校には行っていないけど、グラフィックのスキルはある」といったケースで応募を躊躇しているのであれば、まずは未経験者歓迎の仕事をして、経験を積むのも一つの方法です。
始めはゲームに携わる仕事を任せてもらえなくても、現場でプログラマーやグラフィックデザイナーとして実績を積めば、いずれゲームに関わる重要な仕事を担えるかもしれません。
7 ゲームに関わる仕事で役立つ資格
ここでは、ゲームに関わる仕事に就きたいと思っている方におすすめの資格を4つ紹介します。資格取得者というアドバンテージを得られるうえ、合格に向けた学習を進める中で知識とスキルも高められるでしょう。
7.1 基本情報処理技術者試験
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施している、システムエンジニアやプログラマー向けの国家資格です。ゲームプログラミングを行いたい方にとっては役立つ資格と言えます。ITに関する基本的知識や技能を持つことを証明できる認知度の高い資格のため、もしも他の仕事へ転職を考えたときも有用です。
【出典】IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「基本情報技術者試験」
7.2 Unity認定資格
ゲーム開発でも広く活用されているプラットフォーム、「Unity」の技術やスキルを証明できるベンダー資格です。レベルや分野ごとに複数の認定資格が用意されています。ゲーム関連の仕事に活かすなら、プログラマーやゲーム開発者の資格がおすすめです。
7.3 C言語・Java™プログラミング能力認定試験
C言語とJavaの知識を証明できるベンダー資格です。C言語やJavaはゲーム開発でもよく使用されるプログラミング言語のため、習得しておいて損はありません。それぞれ、難易度に応じて1級から3級までの資格が用意されています。学習を進める中で、プログラミングの知識がより深まるでしょう。
【出典】サーティファイ「C言語・Java™プログラミング能力認定試験」
7.4 Illustrator®クリエイター能力認定試験
グラフィックツールとしては世界基準として活用されている、Illustratorの技能を証明できる資格です。スタンダードとエキスパートという2種類の資格があるため、レベルに応じて受験できます。グラフィックコンテンツを作り上げる基礎が学べるので、将来ゲームグラフィックに携わりたい方は取得を目指してみましょう。
【出典】サーティファイ「Illustrator®クリエイター能力認定試験」
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8 その他の「〇〇な仕事」
その他の「〇〇な仕事」は以下の記事でもご紹介しています。
自分に合った仕事を探すための参考に、ご覧いただければ幸いです。
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9 まとめ
毎日ゲームに関わりながら働けるというのは、ゲーム好きな方にとって夢のようなことかもしれません。大好きなゲームを一から作り上げ、それを世界中の人に楽しくプレイしてもらえるのは、この上ない喜びです。
しかし、ゲーム開発というのは集中力と忍耐力が必要な仕事であり、華やかな面だけではないのも事実です。また、一口に「ゲームの仕事」といってもさまざまな職種があるので、まずは自分がどの工程に携わりたいのかを明確にしておかなければなりません。好きなことや得意なことを活かせるような、自分にぴったり合う仕事を見つけましょう。
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