更新日:2025/06/27
この記事のまとめ
「アイデアを形にする」という言葉に魅力を感じたことはありませんか。現職での経験を活かしながら、より創造的な仕事にチャレンジしたいと考えている方もいるでしょう。
企画職は、市場調査から始まり、企画立案、実行まで幅広いプロセスに関わる重要な職種です。しかし、「企画職」と一口に言っても、経営企画、事業企画、商品企画など多岐にわたります。
本記事では、企画職の全体像から各種類の特徴、必要なスキル、そして未経験からのキャリアパスまで徹底解説します。
目次
企画職は、頭の中に浮かんだアイデアを具体的な形として実現させる仕事です。単なる思いつきではなく、市場のニーズや課題を分析し、それを解決する新しいサービスや商品、プロジェクトを企画・立案します。アイデアの段階から実際の実行計画まで一連のプロセスを設計し、関係部署と連携しながら形にしていくのが企画職の役割です。無形のアイデアを有形の価値として社会に届ける架け橋となる職種といえるでしょう。
企画職にはその役割に応じていくつかの種類があります。ここでは企画職の主要な分野として、経営企画、事業企画、商品企画、営業企画、広告・宣伝企画の5つを紹介します。それぞれの分野ならではの魅力や特性があるため、志向や強みに合った企画職を見つける参考にしてみてください。
経営企画は、企業の中長期的な経営計画を立案し、経営をサポートする役割を担っています。具体的には、企業が目指すビジョンを明確にし、それを達成するための戦略策定や施策実行を主導します。市場動向の把握や競合他社調査、自社データの分析を通じて、目標設定とその達成のための具体的な道筋を描くことが主な業務です。
また経営企画は経営者と各部門との橋渡し役となり、策定した計画を現場に落とし込み、進捗管理も行います。経営計画の立案だけでなく、経営管理業務や経営会議の運営、社内規定の策定なども担当する職種です。
事業企画職は、経営方針に基づいて具体的な事業目標を設定し、その達成をサポートする役割を担います。予算や目標値の設定、他部署との調整、具体的な計画への落とし込みが主な業務です。事業企画の仕事内容は大きく3つあります。
まずは、顧客課題や競合分析から成長戦略を考案する事業戦略の立案です。事業計画や目標設定では、環境分析から課題を抽出し具体的な目標を定めます。そして事業推進とモニタリングでは、KPIを設定しながら事業の進捗を確認し、必要に応じて調整を行います。
商品企画は、市場や消費者のニーズに合った商品を生み出すのが役割です。主な仕事には、トレンド分析、新商品の企画、既存商品の改良があります。まず市場調査を行い、消費者の声や競合商品を分析し、潜在ニーズを発掘します。そのデータをもとに商品コンセプトを立案し、機能やデザイン、価格設定などを具体化していきます。
企画書の作成後は社内プレゼンテーションを行い、承認を得て開発部門や製造部門と連携しながら商品化を進めるのが一般的です。販売戦略や広告戦略の立案も担当することが多く、企画から販売まで一貫して関わる仕事です。
営業企画は自社製品やサービスの売上やシェア向上を目的とした営業戦略を立案・策定する仕事です。主な業務はマーケット分析と自社製品分析です。市場環境や顧客ニーズを詳細に調査し、自社製品の強みや弱み、市場での位置づけを把握します。
分析結果をもとに、効果的な営業活動を検討し、販促ツールの準備やイベント実施などの販売戦略、商品提案資料の作成や販売目標設定といった社内向け企画立案を行います。
広告・宣伝企画は、企業の商品やサービスを効果的にターゲット層に届けるための役割を担います。主な仕事は広告施策の企画とプランニング、クリエイティブなアイデア出し、そして広告効果の分析と改善です。まず市場調査や競合分析を行い、最適な広告媒体を選定します。次に広告代理店やメディアとの交渉を進め、限られた予算内で効果を得るための条件調整を行います。
また、CMやポスター、Web広告などさまざまな広告物の企画や制作依頼、イベント企画・運営なども広告・宣伝企画の仕事のひとつです。
企画の仕事には、どのような人が向いているのでしょうか。ここでは、企画職に求められる主なスキルを6つ解説します。これらのスキルは採用担当者も注目するポイントのため、企画職を目指す方はぜひ確認してみてください。
企画職にはより多くの情報を収集し分析する力が不可欠です。世の中に存在する多様な商品やサービスの中で、消費者が真に求めるものを企画するためには、市場の動向やニーズを正確に把握する必要があります。新聞、雑誌、インターネットなど複数の媒体から情報を適切に取捨選択し、そこから得られたデータを基に競合他社の動向や消費者行動の傾向を分析します。
これは、分析した情報から仮説を立て、新しい企画の方向性を決定していくためです。情報収集は企画前だけでなく、商品やサービスの販売後も継続して行い、売上や市場の反応を分析することで次の企画に活かします。このように企画の質を高めるためには、常に情報にアンテナを張り、それを論理的に分析する力が求められます。
企画職の仕事において発想力は重要なスキルのひとつです。企画は数多くのアイデアを出し、その中から有望なものを選別し、磨き上げるプロセスです。優れた企画者は既存の思い込みを捨て、柔軟な思考で新しいアイデアを生み出せる人材といえます。発想力を高めるには、タブー視されている方法をあえて検討したり、異業種のアイデアを取り入れたりする方法も効果的です。
また、特定のキーワードから連想ゲームのように思考を広げることで、予想外の発見につながることもあるでしょう。企画の仕事では、常に新しいアイデアを生み出す柔軟な思考が求められます。
企画職で高いパフォーマンスを発揮するには、プレゼンテーション能力も欠かせません。プレゼンテーションでは単に情報を伝えるだけでなく、相手の共感や理解を引き出せるかが成否を分けるといっても過言ではありません。
どれほど優れた企画内容も、周囲に適切に伝わらなければ実現するのは難しいでしょう。企画を成功させるためには、上層部や関連部署からの承認を得る必要があり、企画の価値に説得力を持たせて提示する力が求められます。
企画職の仕事では、社内外のさまざまな人との連携が必要です。企画アイデアを形にする過程では、営業、開発、マーケティングなど多様な部署と調整する機会が頻繁にあるため、円滑なコミュニケーション能力が求められます。
たとえば、新商品の企画ではクライアントの要望を正確に理解し、それを社内の関係部署に的確に伝える必要があります。ただ情報を伝えるだけでなく、相手の立場に立って本音を引き出す関係構築も重要です。また、プロジェクトの進行中は多くの意見や要望が交錯するため、それらを調整しながら企画の本質を損なわないバランス感覚も必要です。
単に話がうまいだけでなく、傾聴力や相手の意図を汲み取る洞察力を備えていることが、企画職における優れたコミュニケーション能力といえるでしょう。
企画職には、論理的思考力も欠かせません。市場調査や分析から得たデータを基に、根拠のある企画を立案するためには、筋道立てて考える能力が求められます。特に商品企画のプレゼンテーションでは、収集した情報や分析結果を道理に沿って説明し、説得力ある提案をする必要があります。論理的思考力が身につくと、企画の妥当性を明確に示せるようになり、上司や関係部署からの承認を得やすくなるでしょう。
この能力はディベートやプレゼンテーションの経験を重ねることで自然と磨かれていきます。日頃から「なぜそう考えるのか」という根拠を意識して物事を考える習慣をつけることで、企画の仕事において重要な論理的思考力を養えるでしょう。
企画職の仕事では、データ収集や分析、プレゼンテーション資料の作成など、パソコンを使う業務が多いため、基本的なパソコンスキルも必要です。PowerPointは企画内容を視覚的に伝えるために不可欠であり、説得力のある資料作成能力が求められます。また、Excelは市場調査データの分析や企画の根拠となる数値情報を整理するのに役立つでしょう。
さらに、デザインソフトなどの知識があれば、企画の幅が広がります。これらのスキルは、企画の立案から実行、評価まで一連のプロセスを効率的に進めるための基盤となるでしょう。
ここからは、企画職の魅力ややりがいについて詳しく見ていきましょう。自分のアイデアが形になる喜びや経営層との関わりから得られる成長機会など、企画職ならではの魅力について詳しく解説していきますので、企画職への転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
企画職の大きな魅力は、自分のアイデアを実際の形にできる点です。特に商品企画では、自身が考案した企画が採用され、世に出ていく様子を見られることが大きな達成感につながります。自分のアイデアから生まれた商品やサービスが社会に影響を与えたときの喜びは、ほかの仕事ではなかなか体験できない特別なものです。共に創り上げたプロジェクトメンバーと成功を分かち合える瞬間も企画職ならではの価値といえるでしょう。
多くの場合、企画職は経営層と直接関わる機会があります。企画の実現には経営側の承認が必要となるため、プレゼンテーションの場で上層部と対面することも少なくありません。緊張する場面ですが、こうした経験は貴重な成長の機会といえます。経営者の視点や考え方に直接触れることで、ビジネスの本質や会社の方向性について理解が深まるからです。
自分の企画を経営層に認められると、喜びや達成感も味わえるでしょう。経営層からのフィードバックを受けることで、自身の企画力やプレゼンテーション能力も磨かれていきます。
自分の施策が会社の業績に直接反映される点も、企画職として働く大きな魅力のひとつです。企画職の仕事は会社の売上や利益に大きく貢献する可能性を秘めています。自社の商品やサービスがヒットすると、企業全体の業績向上に貢献でき、大きな達成感を味わえるでしょう。
企画職の施策はマーケティング部門や営業部門の活動の基盤となることが多く、幅広い影響力を持ちます。会社の未来を作る重要な役割を担える企画職は、責任は重い分だけ大きなやりがいを感じられる仕事です。
企画職は社内外のさまざまな人と関わりながら仕事を進める魅力があります。社内では営業、開発、マーケティングなど多様な部署と連携し、社外では取引先企業やメディア関係者とも交流する機会が豊富です。特に広報部門では、プレスリリースの作成やイベント企画を通じてマスコミと接する場面も多く、業界の最新情報や裏側に触れられるメリットがあります。
多くの人と意見を交わしながら企画を形にしていく過程で、自分が事業を動かしているという実感と達成感を得られます。また、さまざまな立場の人とコミュニケーションを取ることで、多角的な視点や新たな発想が生まれ、企画の質が高まることも企画職の大きな魅力といえるでしょう。
企画職は魅力的な仕事である一方、厳しい側面も持っています。自信を持って練り上げた企画が通らないことは珍しくなく、他部署からの支持が得られなかったり上層部に否定されることもあります。企画が通らない状況が続くと自信を失い、仕事がきついと感じることも少なくありません。
また、企画が採用されても期待どおりの結果が出ないこともあるでしょう。「商品が売れない」「市場の反応が悪い」といった状況に直面すると、焦りやプレッシャーを感じやすくなります。企画職は実際に商品化され市場に出た後に結果が判明するため、辛抱強く待つ忍耐力も必要です。
未経験から企画職を目指す場合、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。ここからは具体的な4つのポイントを紹介します。これまでの経験やスキルを活かしつつ、企画職への転職を成功させるための重要なポイントを押さえていきましょう。
まずは企画職に求められるプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力などの基本的なスキルを磨くことから始めてみるとよいでしょう。また、資格取得も有効な手段といえます。
たとえば、日本商品開発士会が認定する「商品プランナー資格」では、情報分析に基づいた商品企画の流れを学べるため、実践的な知識を得られます。「販路コーディネーター資格」ではマーケティングの理論と実践的スキルが身につき、「ビジネスキャリア検定」では営業・マーケティング分野における専門知識を習得できるでしょう。企画職に特化した資格ではなくても、統計や情報分析の知識が得られる資格も役立ちます。
企画職への転職を目指すなら、「未経験可」「未経験歓迎」と明記された求人を積極的に探しましょう。企画職は社会人経験や業界知識が重視される傾向がありますが、ポテンシャル採用や異業種からの転職を積極的に進める企業も少なくありません。
未経験可の求人を見つけたら、募集要項に記載されている「求める人材像」を確認し、自身の経験や能力と照らし合わせてアピールポイントを整理することが大切です。また、どのようなキャリアを描いているか、その業界でどう貢献したいかなど、明確な目標を持つことも採用担当者に好印象を与えるポイントです。
企画職未経験からの転職では、これまでの経験を活かせる業界選びが重要です。営業やマーケティングの経験があれば、顧客ニーズの理解力や分析力が企画職でも大きな強みとなります。たとえば、営業職での顧客折衝経験は、市場を理解し適切な企画を立案する能力に直結します。また、データ分析やプロジェクト管理の経験も、企画の精度向上に役立つでしょう。
転職時の志望動機では、前職で培ったスキルをどのように企画業務に活かせるか具体的に説明すると説得力が増します。自分の経験と親和性の高い業界を選ぶことで、未経験からでも挑戦の可能性が広がります。
転職エージェントの活用もおすすめです。転職エージェントを利用すると、企画職に特化した非公開求人の紹介を受けられるだけでなく、書類選考や面接対策まで一貫したサポートを無料で受けられます。企業の内部情報や求められる人物像など、求人情報だけでは分からない情報も入手できるため、ミスマッチも防ぎやすくなるでしょう。
さらに面接日程の調整や条件交渉など、自分からは切り出しづらい交渉事も代行してもらえるため、効率的に企画職への転職活動を進められます。
企画職への転職を成功させるなら、マイナビエージェントの利用がおすすめです。業界に精通したキャリアアドバイザーが一人ひとりに寄り添い、企画職に必要なスキルや適性を踏まえた転職活動をサポートします。非公開求人を含む豊富な企画職の求人情報から、あなたの希望や強みに合った企業を紹介可能です。
また、応募書類作成のアドバイスや面接対策、さらには条件交渉まで一貫してバックアップするため、未経験から企画職を目指す方も安心して転職活動を進められます。
企画職にはさまざまな種類があり、それぞれ特色ある業務を担っています。プレッシャーを感じる場面もありますが、一方で自分のアイデアを形にできる喜びや会社の業績に直接貢献できるなど、多くの魅力ややりがいを感じられる仕事といえます。
未経験から企画職を目指す場合は、これまでの経験を活かせる業界や自身に合う企業選びが重要です。「自分に合う求人が見つからない」「自分自身の強みが分からない」という方は、マイナビエージェントにご相談ください。適切なアドバイスと寄り添うサポートで転職活動をバックアップします。
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