更新日:2022/12/06
この記事のまとめ
ゲーム業界への転職を検討しており、その中でもゲームプログラマーを目指そうと考えている方もいるのではないでしょうか。しかしゲームプログラマーといっても、具体的にどのような仕事に携わるのかイメージしにくいと感じることもあるでしょう。
そこでこの記事では、ゲームプログラマーの仕事内容と転職するのに必要なスキルを紹介します。ゲームプログラマーに転職しようと考えている方は、前もってチェックしておくとよいでしょう。あらかじめどのような職種か詳しく知ることで、自分にマッチした職業か判断できます。
目次
ゲームプログラマーと聞くと、1からゲームを作り上げる職をイメージする方も多いのではないでしょうか。しかし、具体的な仕事はそれだけではありません。ここでは、ゲームプログラマーの主な役割を3つ紹介します。
どのような役割を担うのかを事前に知っておけば、転職後の後悔を防げるでしょう。ゲームプログラマーへのキャリアチェンジを検討している方は、ひととおりチェックすることをおすすめします。
ひとつのゲーム開発プロジェクトには、プランナーやデザイナー、サウンドクリエイター、ディレクターなど多数の人が携わります。ゲームを完成させるには、各クリエイターが制作したものを組み合わせ、意図したとおりに動くようにしなければなりません。
ここで必要になるのがプログラミングです。このプログラミングに携わるのがゲームプログラマーで、ゲームを動かすために欠かせません。ゲームの根幹部分に関わる重要な職種です。
ゲーム開発を進めていると、大小さまざまなバグが発生します。バグを完全になくすのは難しいものの、致命的なバグがあるとゲームのプレイ時に大きな支障をきたすでしょう。バグの有無をチェックし、発見したバグを修正するデバッグ作業もゲームプログラマーの重要な仕事です。
何らかのバグを発見したら、発生条件を探し出してプログラムに必要な修正を加えます。すぐにバグが発生する条件を特定できないこともあるため、根気強さが求められるでしょう。
ゲームはリリースしたらそれで終わりというものではありません。アップデートを通じて新たなコンテンツや機能を提供することもあります。アップデートファイルを作成するときにも、プログラマーの力が欠かせません。
そのほか、リリース後に発覚した不具合を修正することもあります。特にオンラインゲームの開発に携わる場合は、同じタイトルに長期間関わることになるでしょう。
ゲーム開発プロジェクトにおいて、プランニング段階からリリース後のアップデートまで網羅的に携わるのがゲームプログラマーです。プログラムを組むことだけが仕事ではないため、職種に対する理解を深めるためにも携わる可能性がある仕事内容をひととおり確認しておきましょう。
ここからは、ゲームプログラマーが携わる主な仕事を6種類紹介します。転職を成功させるためにも、自分がイメージしている職種にマッチしているかを考えて判断するのがおすすめです。
どのようなゲームを作成するのかを考え、要件定義するのがプランニングです。プランニングはプランナーが中心となって行いますが、この段階からプログラマーも開発に参加します。場合によっては、技術面の問題やハードウェアの性能限界により、考えていた内容を実現できないこともあるでしょう。
初期段階からプログラマーが参加することで、プランニング内容に問題がないかをチェックして開発可否を判断できます。その後の開発をスムーズに進めるためにも欠かせない段階です。
要件定義とは、どのようなものを制作するのかを決める段階です。ゲーム開発においては、プランニングで決まった内容をどのように製品に落とし込むかを考えます。開発の準備段階に相当するものといえるでしょう。
要件定義の段階で、動作環境や開発で使用するゲームエンジン、プログラミング言語などを定めます。UIやゲームの根幹となるシステムを設計するのもこの段階です。
要件定義で決まった内容に基づいて開発環境を整備するのも、ゲームプログラマーの仕事です。使用するゲームエンジンや統合開発環境など、ゲーム開発に必要な環境を用意します。どのような環境を用意するかは、携わるプロジェクトによって異なります。ここまでが本開発に入る前の準備段階です。
開発の準備が整ったら、本開発に入ります。本開発におけるゲームプログラマーの役割は、仕様書に書かれている内容をプログラミングによってゲームに実装することです。仕様書にはゲームの仕様をはじめ、開発に必要な内容が細かく記載されています。
ゲームの進行や細かいUIのデザイン、キャラクターの動きなども仕様書に記載されているため、それらすべてが正しく動作するようにプログラムを組まなければなりません。ゲームが仕様書に書かれているとおりに動作し、致命的なバグが発生しないようにするにはプログラマーの手腕にかかっています。
ゲームが完成したら、実際にテストプレイをして仕様書どおりに動作するかをチェックし、不具合がないかを確認します。万が一テストプレイや動作チェックで致命的な不具合が見つかったときは、ローンチ前に修正しなければなりません。
この修正作業を行うのもプログラマーの役割です。修正が完了して問題なく動作することを確認したら、ゲームを製品としてローンチします。
ゲームのローンチ後は、必要に応じてアップデートファイルを開発します。スタンドアローンのゲームでも、追加コンテンツを提供したり細かい不具合を修正したりするためにアップデートファイルを提供するのが一般的です。
オンラインゲームであれば長期的にアップデートを提供するため、長期間にわたって携わることになるでしょう。アップデートファイルの開発にもプログラミングが必要なため、ゲームプログラマーが活躍します。
ゲームプログラマーとして活躍するには、いくつかのスキルを習得しなければなりません。これからゲームプログラマーに転職したいと考えている方は、ここで紹介する4つのスキルを学びましょう。
転職前に習得しておきたいスキルは技術的なものだけではありません。自分の市場価値を高めるためにも、さまざまな面でスキルアップに励むのがおすすめです。
ゲームプログラマーとして活躍するには、プログラミングスキルが欠かせません。ゲーム開発で使用する言語の一例には以下のようなものがあります。すでに習得している言語と構文が近いものから学ぶのがおすすめです。
プロジェクトによっては、ここで紹介したもの以外の言語を使用するケースもあります。ゲームプログラマーとして長期的に活躍するには、扱える言語を増やすとよいでしょう。
ゲーム開発においては、開発に必要な機能をあらかじめセットにして提供している「ゲームエンジン」を活用するケースが多々あります。開発工数を削減しつつ、クオリティが高いゲームを制作するために有用なツールです。主なゲームエンジンには、以下のようなものがあります。
ゲームエンジンによって、特徴や得意とするゲームジャンルが異なります。開発したいゲームに合わせて適切なゲームエンジンを選択することが大切です。また、ゲームエンジンによってメインで使用するプログラミング言語も異なります。
ゲーム開発は多くのスタッフが協力しつつ進めるため、コミュニケーションを円滑にするヒューマンスキルが欠かせません。
ヒューマンスキルとは良好な人間関係を構築するために必要なスキルの総称で、コミュニケーションスキルやヒアリングスキルなどが含まれます。専門的なスキルとは異なり、どのような職でも求められるポータブルスキルのひとつです。
ロジカルシンキングは論理的思考力とも呼ばれ、物事を順序立てて考えるスキルを指します。ゲームプログラムを設計するときは、完成にいたるまでの道筋を考えて順番に設計しなければなりません。そのようなときに求められるのがロジカルシンキングです。普段からさまざまなことについて考えるようにし、スキルアップに励むとよいでしょう。
ゲームプログラマーとして働くうえで、忍耐力は欠かせません。開発中に大きなバグをはじめとしたトラブルが発生すると、検証や修正に根気強さが求められるケースがあります。細かく検証して必要な修正を加えるには時間がかかり、忍耐力や集中力が必要です。プログラマーには欠かせない資質であるため、普段から培うように努力するとよいでしょう。
ゲームプログラマーの仕事内容や求められるスキルについて知ると、本当に自分に向いている職業なのか不安に感じる方もいるのではないでしょうか。ゲームプログラマーに向いている人の特徴をまとめると、以下のとおりです。
特にゲームが好きで制作に携わりたいと強く思っている方に向いています。ゲーム業界への転職を検討しているのであれば、選択肢のひとつとしてゲームプログラマーを目指してはいかがでしょうか。
ゲームプログラマーを目指したいと考えているものの、どういった点に気をつけて転職活動を進めればよいのかが分からない方も少なくないはずです。ここからは、転職活動で押さえておきたいコツを2つ紹介します。自分が望む転職を実現するためにも、ひととおりチェックしておくとよいでしょう。
ゲームプログラマーは専門的なスキルが求められるため、転職時には自分のスキルレベルをアピールするためのポートフォリオの作成がおすすめです。何らかのゲーム開発経験があるのであれば、それを応募先企業に提示すると効果的です。
未経験からゲームプログラマーを目指そうと考えている方は、これまでのプログラミング経験をまとめましょう。ポートフォリオとして何らかのゲームを作成して提示したり、趣味で開発したゲームを紹介したりする方法もあります。
ゲームプログラミングに使用する言語はさまざまなため、新たなプログラミング言語を学ぶのもおすすめです。扱えるプログラミング言語が多ければ、転職するときの選択肢が広がります。学習の一環として、プログラミングスキルを証明するための資格を取得するのも有効です。
スキルアップに励めば自分の市場価値が高まり、転職をより有利に進められるようになります。構文が似た別のプログラミング言語を学んだり、新たなゲームエンジンの使い方を覚えたりするのがおすすめです。
ゲームプログラマーへの転職を検討する際に気になるのは、やはり年収ではないでしょうか。厚生労働省が発表している2021年の賃金構造基本統計調査によると、年収水準は以下のとおりです。
プログラマー: 523万円
いずれもゲームプログラマーだけに限ったデータではありませんが、おおよそ500万円台であると考えておけばよいでしょう。求人情報で提示されている年収が適正か判断するには、上記の水準を意識するのがおすすめです。
出典:プログラマー 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
出典:ゲームクリエーター 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
ゲームプログラマーは、ゲームを完成形としてリリースするために欠かせない職種です。プランニングからローンチ後のアップデートまで、ゲーム開発におけるさまざまな工程に携わります。ゲームが好きで自分で開発したいと思っている方にとっては、魅力的な転職先といえるでしょう。
これからゲームプログラマーを目指したい方は、スキルアップに励みつつ自分が求める条件にマッチした企業を探すのがおすすめです。マイナビITエージェントではゲーム業界の求人も取り扱っており、転職を成功に導くサポートをいたします。
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