安定した仕事とは?特徴や職業11選、資格なしでも転職できるかを解説

仕事の悩み・転職

昨今、社会情勢や経済の変化が激しく、少子化など日本特有の課題も重なり、「安定した仕事に就きたい」と考える人が増えています。安定した仕事とは、「給与の変動が少ない」「離職率が低い」「AIに代替されにくい」といった特徴を持つ仕事を指しますが、具体的にはどのような業界や職業があるのでしょうか。

この記事では、安定した仕事の特徴や具体的な職業を紹介し、それぞれの転職に有利なポイントについても解説します。将来を見据えた仕事選びの参考にしてください。

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1. 安定した仕事の特徴とは?

安定した仕事かどうかを判断するためには、「給与の変動が少ない」「業界が成長しているか」といった点を見比べる必要があります。

以前は「大企業に就職すれば一生安泰」と考えられていましたが、近年の急激な経済環境の変化により、大企業でも人員削減が相次ぐなど必ずしも生涯安定とは言い切れなくなっています

そこで、この項目では安定した仕事の判断基準となるポイントを紹介します。就職・転職先を探す際には、以下のポイントを意識してみましょう。

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1.1. 給与の変動が少ない

月ごとの仕事量や業績が安定していると、給与も一定の金額で貰える可能性が高いです。給与の変動が少なければ、継続的な需要のある安定した仕事と考えることができます。

反対に、繁忙期とそれ以外との時期で給与に大きく差がある職業や歩合制の職業は、毎月の給与が変動しやすいため安定しているとは言いにくいです。

社会情勢や景気など、自分ではどうすることもできない要因で、給与が大きく減少する危険性もあります。

毎月一定の収入があると、ワークライフバランスも実現しやすいため、安定した仕事を求めている方は、転職を考えている企業の給与体系などを意識してみましょう。

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1.2. 今後も業界が成長する見込み

IT業界など、年々市場が拡大している業界は将来性がある企業が多いと言えます。今後も会社としての成長が期待できるため、給与の向上・安定なども見込めます。

また、生成AIの進化が加速している今、最新技術を用いたビジネスの拡大が見込まれる業界や、AIに代替されづらい職種に注目するのも良いでしょう。

【関連記事】「将来性のある仕事15選!これから需要が増える仕事の特徴や転職のポイントを紹介」

1.3. AIに代替されにくい

近年、AI(人工知能)やITの進化により、単純作業やルーチンワークの多くは機械やシステムで自動化されるようになってきました。そうした中で、「安定した仕事」と言えるかどうかを判断する1つの指標が、「AIに代替されにくいかどうか」です。

例えば、データ入力、経費の精算処理、商品在庫のチェックといった業務は、AIやRPA(業務自動化ツール)によって自動化されやすい分野です。帳簿の記録やレジ対応なども、すでに多くの現場でシステム化が進んでいます。

一方で、医療や福祉など人による判断やコミュニケーションが欠かせない業界や、クリエイティブな領域では、細かい作業の一部はAIに置き換えられても、完全な代替は難しい業界と言えるでしょう。

1.4. 知識やスキルの向上が目指せる

他社でも通用する知識やスキルの向上が見込める職業かどうかも、安定した環境で働き続けるうえでは重要です。

社内でのみ通用するスキルだと、転職先が限られてしまう可能性があります。万が一、会社が倒産してしまったとしても、働く中で得た経験やスキルは他の職場でも活かせる武器になります。

他社でも通用する知識やスキルの向上が見込める職種の一部を、以下に例として挙げます。

  • システムエンジニア(SE)・プログラマー
  • データサイエンティスト
  • 開発・設計
  • 営業・マーケティング

自身の適性にあわせて、リスクに備えられる仕事を選びましょう。

1.5. 離職率が低い

将来性があり、安定していそうに見える仕事でも、離職率が高いと安定して働ける職場とは言いづらいでしょう。離職率が高い職場は、長時間労働やハラスメントなど、労働環境に何かしら問題がある可能性があります。

厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」によると、労働者全体の離職率は15.4%で、パートタイム労働者を除く一般労働者の離職率は12.1%でした。

また、厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」によると、事業所規模が5人未満の会社の3年以内離職率は60%前後ですが、1,000人以上では27〜28%程度と、事業所の規模が大きいほど、3年以内の離職率が低い傾向があります。

企業によっては採用サイトで離職率を公開しているほか、採用面接などで質問することも可能です。企業規模が大きい場合、企業全体の離職率と、配属予定の部署や課などの離職率に差がある場合があるため、確認できると良いでしょう。

【出典】厚生労働省「令和5年雇用動向調査」
【出典】厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します」

1.6. 経営が安定している

中小企業庁によると、2024年における倒産件数は10,006件であり、そのうち中小企業の倒産数は10,004件でした。上場企業の倒産はわずか2件にとどまっています。

社会情勢が不安定な状況でも、大企業は倒産のリスクが比較的低く、安定した環境で働ける可能性があると言えるでしょう。

しかし、大企業が必ず倒産しないというわけではありません。生成AIなどの進化により、経済環境は大きく変化していますので、大企業であっても「今後も業界が成長する見込みか」といった点を考えることが大切です。

【出典】中小企業庁「倒産の状況」

1.7. 多様で柔軟な働き方ができる

「テレワーク」「時短勤務」「副業可能」といった、多様で柔軟な働き方も安定して働けるかどうかの判断基準の一つになります。

働き手側もライフステージが進むにつれて、育児や介護などの変化に直面し、これまで通りには働けなくなることがあります。そのような場合に、時短勤務やテレワークで対応できる会社であると、長く継続して働くことができる可能性が高まります。

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2. 安定していると言われる職業11選

ここでは、一般的に安定していると言われる主な職業11選を紹介します。景気や時代の変化によって状況が変わることもあるため、一つの目安として、今後の仕事選びの参考にしてみてください。

2.1. 公務員

総務省の「地方公務員の給与改定等に関する取扱いについての総務副大臣通知」によると、公務員の給与も民間企業の賃上げに合わせて増額される仕組みになっています。

自治体によって差はありますが、公務員の給与は、地域の民間企業の水準をもとに決められています。特に初任給については、民間企業の動向や人材不足の状況を踏まえ、令和6年4月1日にさかのぼって、若手職員の給与を引き上げることが決まりました。

なお、公務員へ転職するためには公務員試験に合格する必要があり、自治体によって年齢制限が設けられていることがあります。社会人から目指す場合は、相応の努力が必要です。試験勉強の時間を確保するためにも、前もって計画を立ててから行動しましょう。

【出典】総務省「地方公務員の給与改定等に関する取扱いについての総務副大臣通知」

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2.2. 食品関連

生活に欠かせない食品関連企業は、不況の場合でも売上が落ちにくいと言われています。特に、大手メーカーは体力があり、一時的に売上が落ちても倒産やリストラのリスクが低い傾向にあります。

食品業界へ転職する際のポイントは、消費者の口に直接入るものを扱うことから、責任感のアピールが有効になります。

仕事を通じて社会へ貢献したいことを、熱意をもって語ると、責任感が強い印象を与えられます。

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2.3. 損害保険会社

損害保険を扱う会社などは、給与水準も高く安定している企業が多い傾向にあります。日本の市場は飽和しつつありますが、大手企業では海外展開を活発化させ、マーケットの拡大を進めています。引き続き人気が高い業界ですが、未経験からの転職も可能です。

業務では、トラブルに遭った顧客の気持ちに寄り添えるようなコミュニケーション能力の高さが求められるほか、海外展開を進めるために英語力が高い人材も重宝されます。保険の資格を取得しておくのも、強いアピールになります。

【関連記事】「損害保険業界とは?転職を成功させるコツや求められる人材、業務内容」

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2.4. 政府系金融機関

政府関係金融機関は、政府が中小企業の支援などの目的を達成するために設立した金融機関であり、公務員に近い役割を担っています。具体的には、日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などを指します。

社会インフラとなっている点が公務員に近く、倒産や解雇のリスクは少なめです。給与水準を見ても、メガバンクと同額程度の賃金です。

銀行は今後、AIの発達により人員削減がなされる可能性も高いという予想もありますが、政府関係金融機関は安定が見込まれるかもしれません。

政府系金融期間に就職・転職する際には、「金融を通じて社会や個人に貢献できる」と、仕事を理解した上で、活かせる強みをアピールすると良いでしょう。

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2.5. システムエンジニア(SE)

IT・Web業界で活躍するシステムエンジニア(SE)も、業界全体が今後ますます伸びていくことが予想される上に、技術者が足りていないため、安定している職種と言えます。

スキルを高めれば、より良い条件の会社に転職することが可能な点も、安定した仕事に就きたい方に人気の要因です。ただし、システムエンジニアにはITスキル以外にも、マネジメント力や協調性が必要になる点に注意が必要です。

人手不足が続いている職種であるため、プログラミング未経験の人にもチャンスがあります。ただし、転職前や後にかかわらず、自力で基礎を学び、最新情報をキャッチアップする学習意欲の高さが求められます。

わかりやすい!
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2.6. プログラマー

プログラマーもシステムエンジニア同様、成長率の高いIT業界の職種です。今後も伸びていく業界のため、安定性は高いと言えます。

プログラマーは、対応するシステムや使用する言語によって職種名が異なっており、以下に一部の例を挙げます。

  • アプリケーションプログラマー
  • Webプログラマー
  • 制御・組み込みプログラマー
  • Javaプログラマー
  • PHPプログラマー

言語により専門が細分化されており、仕事のやり方が異なるため、転職を行う際には業務で扱う言語をあらかじめ知っておかなければいけません。

また、プログラマーに関連する資格には、「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」「プログラミング言語の資格(Oracle認定・Java資格・PHP技術者認定試験)」などがあります。取得しておくと、技術力の高さと仕事への熱意のアピールにもなります。

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2.7. インフラ関連企業

建設・ガスといった生活に必要な設備を扱うインフラ関連企業は、一時の流行や時代の変化の影響を受けにくい仕事です。

また、設備の保守など、長期的に一定の需要がある業界も多いため、収入や働き方が安定している傾向が強いです。福利厚生や待遇面が充実している企業も多く、業界全体が安定している点も魅力的です。

しかし、インフラ関連業界の就職難易度は高めです。数十人の採用枠に対して、数千人の希望者がいる状態も珍しくありません。

転職する際には、前職が同職種だった場合は、前職で行っていた研究や開発、設計などの専門的な仕事の経験・海外勤務の経験を強くアピールし、志望する仕事に応じて「ガス主任技術者」などの資格を取得しておくと良いでしょう。

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2.8. 介護福祉関連

介護福祉関連の仕事は、高齢化社会により今後ますます需要が増すと予想され、AIにも代替されづらいため、安定した職業として注目されています。この分野は資格取得によって安定性が増し、経験を積むことで待遇の良い職場に転職するチャンスも広がります。

仕事ではコミュニケーション能力や人間性が求められ、スキルアップをすることでキャリアパスも豊富になります。未経験者でも資格取得を目指すことで安定した将来を築けるでしょう。

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2.9. 医療機器関連

医療機器を製造する医療機器メーカーも、景気や流行の影響を受けにくく需要の高い職業と言えます。また、医療機器業界は、成長性が高く、市場は年々大きくなっています。

昨今海外での需要も高まっており、経済産業省も医療機器の成長戦略フォローアップを打ち出すなど、日本発の医療機器の輸出に力を入れています

転職の際には、責任感や社会貢献といった理由だけでなく、応募した企業の強みを入れると良いでしょう。医療機器メーカーは一社ごとに扱う機器や分野が異なるため、その企業ならではの特徴を理解し、働きたい理由を明確にすることで、アピールがより効果的になります。

【出典】経済産業省「MEDIC」

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2.10. 製薬会社

製薬会社も医療関係と同様に、景気や流行の影響を受けにくい職業です。内資・外資問わず、比較的高い給与水準や充実した福利厚生を備えています

しかし、製薬会社はその高収入ゆえに人気が高く、募集人数も限られているため、エントリー倍率が高い傾向にあります。

その中で、自分をアピールするためには、薬剤師やMR認定試験の取得が重要です。また、大学や企業での研究経験や語学力をアピールすることも、選考を有利に進めるポイントとなります。

【関連記事】「製薬会社とは?業務内容や転職するために必要なスキルについて解説」

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2.11. 自動車メーカー

2020年以降、自動車メーカーは国内外問わず、業績悪化による人員削減や給与のカットを余儀なくされた企業はいくつかありました。背景には、円高や自動運転・電動化の研究開発費の捻出などがありました。現在は改善の兆しが見られるメーカーもあります。

また、不安定な世界情勢や経済状況により、半導体不足で自動車の生産数に限りが出たことや、サイバー攻撃による工場の稼働停止など、情勢によって影響される部分もあります。

しかし、自動車メーカーは、生活に欠かせない自動車を生産・販売していることもあり、電気自動車(EV)など環境車への転換という世界的な潮流にうまく適応できれば、現段階では倒産のリスクは低いでしょう。

住宅支援などの福利厚生やノー残業デーなどの取り組みがある企業もあり、将来にわたって働きやすいという魅力もあります。

【関連記事】「【例文あり】自動車業界の志望動機はどう書く?書き方のポイントや注意点を解説します」

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3. 今後の動向が注目される仕事

安定していると言われてきた業界でも、変化が激しい現代では、業績が落ち込む企業もあります。

一方、これまで「安定しにくい」とされてきた仕事の中にも、AI技術の進展や社会の変化、政府や自治体の政策によって、安定性が高まる可能性があります。

この項目では、今後の動向が注目される仕事を紹介し、現状で抱える課題や、改善された点をそれぞれ詳しく解説します。

3.1. 弁護士・税理士・会計士

弁護士・税理士・会計士はいずれも資格を要する士業であり、給料が高いイメージがあります。実際に給与水準は比較的安定していますが、業務の一部はAIに代替される可能性があります。

特に、税理士や会計士の定型的な業務である税務書類の作成や財務データの処理などは、すでにクラウドサービスによって効率化が進んでおり、今後もAIの活用により業務内容が変化していくと考えられます。

3.2. 保育士

厚生労働省の調査によると、保育士の平均賃金は、平成25年の310万円だった頃から大きく上がっており、令和6年ではおよそ407万円になっています。

国税庁による令和5年分の調査では、民間平均給与がおよそ460万円であることから、保育士の給与は全体の平均よりやや低い水準ではあるものの、過去と比較すると大幅に改善されており、今後も処遇改善に向けた取り組みが期待されます。

転職の際には、保育内容と関連付けた経験などのアピールが大切です。「夢だったから」といった理由だけでは印象に残りにくいため、希望する園について調べた情報を絡めて自分の想いや経験を語ると、熱意がより伝わります。

一方、現在日本は少子高齢化が進み、子供の数が減少しています。私立の保育園などは、経営が立ち行かなくなり、リストラや倒産が起こるリスクが高い傾向にあるのが現状です。

【出典】厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
【出典】国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-(令和6年9月)」

3.3. 介護士

介護士は需要が高いものの、賃金の低さから安定しにくい仕事とされてきましたが、分配戦略によって2024年より給与が4.6%程度引き上げられています厚生労働省の調査によると、介護職員の平均年収は400万円を超えており、前年度よりも17万円ほど上昇しています。

また、少子高齢化が進む日本では、今後もますます需要が高まるため、リストラや倒産の心配も少ないでしょう。給与が上がってきたことで、介護職は安定した仕事になりつつあります。

未経験から介護士に転職する場合は、「介護職員初任者研修」や「介護福祉士実務者閨秀」の資格を取るのがおすすめです。実務経験がなくとも取得が可能で、転職先の選択肢を増やすことができます。

なお、介護に携わる場合は、「認知症介護基礎研修」の受講が義務付けられている点に注意が必要です。

【出典】厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」

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3.4. 事務職

AIに代替されやすい仕事が主な職務であるとされる事務職は、今後も需要が減る可能性の高い仕事の一つです。

また、営業職や製造職など業務が直接売上に結び付く直接部門とは異なり、事務職は業務が売上に結びつきにくい間接部門であるため、経費削減の人員整理の際、リストラの対象となりやすい傾向があります。

今後も事務職として安定した仕事を続けたい場合には、英語やAIを使いこなすスキルを身につけるなど、AIに取って代わられない技術を磨くと良いでしょう。

4. "安定"しているとされる仕事に転職するには

倒産やリストラのリスクを避け、ワークライフバランスを実現するためには、一般的には安定した仕事に就くことが望ましいとされています。

しかし、変化の激しい現代社会では、「安定した仕事」とされる職種であっても、その実態を慎重に見極めることが必要です。

給与水準や福利厚生の良さを理由に、安定した仕事への転職を希望する人も少なくありませんが、採用されるには、企業に自分を強くアピールする必要があります。

そこでここからは、安定した仕事を見つけるための重要なポイントや、採用に向けて効果的にアピールするには何を伝えるべきかを解説します。

4.1. 自分のやりたいことを明確化する

将来にわたって長く仕事を続けていくためにも、自分のやりたいことを明確化しておくことは大事です。また、自己分析を行い、「この企業でやりたいことは何か」を見つけることで、採用側にモチベーションや情熱を伝えられます。

本気で志望していることを知ってもらうためにも、やりたいことの明確化をしてください。明確化のためには、以下のような方法があります。

  • 自分が楽しいと感じることを書き出してみる
  • 抱える悩みやコンプレックスを一覧にしてみる
  • やりたくないことを見つめ直す
  • 子供の頃の夢を思い出す

企業の事業内容を知り、興味を持てる分野を見つけることで、自分のやりたいことが見えてくることもあります。

4.2. 企業研究を徹底する

成長性の高い業界にあっても、その企業が安定し続けるとは限りません。安定した仕事を見極めるには、求人票や企業のホームページ、IR情報などから詳細な情報を集めておくことが大切です。

また、「自分がやりたいこと」が明確でも、事業に関係ない事柄ではアピールになりません。採用側へ真剣な思いを伝えるためにも、事業への理解を深める企業研究は必要です。

企業研究を行う際には、3C分析を用いるのがおすすめです。3C分析とは、以下の3つの観点から分析する手法です。

  • 志望する企業・自社(Company)
  • 顧客・市場(Customer)
  • 競合他社(Competitor)

3つの観点から考えていくことで、なぜその業界・企業でなければならないのかを具体的に説明できるようになります。

4.3. 自分のスキルや知識の棚卸し

自身の強みや得手不得手を客観的に理解することで、自分に合う仕事も見えてくるほか、これまで選択肢になかった転職先が見つかることもあります。

また、企業が求める人物像に、自分がどの程度当てはまるか知ることで、動機と経験のどちらをアピールすべきかが明確になります。

棚卸しの方法としては、まず学生時代から現在までを振り返り、経験した業務や出来事を書き出すことから始めましょう。

そこからスキルや経験を整理し、自分の強みや得意なことを見つけていきます。スキルや知識がないと思っている方でも、取り組む姿勢や学んだことまで掘り下げることで、今まで気づかなかった強みに気付けます。

履歴書や職務経歴書に書く内容も精査できるので、転職前には必ずやっておきましょう。

【関連記事】「転職の軸とは?軸となる3つの条件や考えるポイントについて解説します」

4.4. 必要な資格を取得しておく

専門性の高い仕事に就くには、資格が必須要件となっていることも多いため、業界や企業に必要な資格は、事前に調べておきましょう。また、資格が必要ない仕事でも、関連する資格を取得しておくことで仕事に対する熱意をアピールできます。

特に、志望者が多いインフラ業界や製薬業界などでは、資格は重要です。転職活動を進めながら勉強時間の確保を確保するのは難しく、難易度の高い資格は試験の実施回数も限られているため、早めに準備を始めることが重要です。

4.5. 行きたい業界に知人を作る

興味のある業界に知人を作ることで、志望する会社の内情を知るのに役立ちます。別企業であっても業界が同じであれば、昇給や人間関係・労働時間など、詳しい話を聞ける可能性は高いです。

また、現場の生の声を聞くことは、やりたいことを見つけることにも繋がります。現場で感じたやりがい・課題を自身のやりたいこと、やるべきことに取り入れることで、より一層強い本気度を伝えられるでしょう。

求人票やホームページからだけでは限界があるので、志望業界に知人を作るのは、他の希望者に対する大きなアドバンテージになります。

4.6. 転職エージェントや求人サイトを利用してみる

経済・社会情勢が移り変わりやすい現在の状況下では、自分1人で考えるのではなく、プロと共に将来を考えることが大切です。

転職市場を熟知した転職エージェントの企業担当者は、安定しやすい仕事について、より多くの情報を持っています。

さらに、人事担当者・現場の社員・トップと交流を持っていることが多く、自分で転職サイトや企業のホームページを調べただけではわかりづらい、リアルな社内の様子を教えてもらえます。

給与水準や福利厚生などの分かりやすい点だけでなく、教育体制や離職率・業界の成長性なども加味して、安定しやすい仕事を紹介してくれるでしょう。

また、自分で持ってはいても価値がないと思っていたスキルや知識に価値を見出し、頭になかった新たな選択肢の提示をしてくれる可能性もあります。

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5. 資格なしでの転職は難しい?持っていると有利な資格

前述の通り、専門性の高い仕事は応募要件に必要資格が明記されているケースが多いです。就きたい職種に必要な資格や、関連する資格を確認しておきましょう。

ここでは、安定した仕事に就く上で持っていると有利な資格を紹介します。

5.1. IT業界

IT業界未経験からの転職を考えている方は、ITの基礎知識などを問う「ITパスポート」や、プログラミング言語未経験者向けの「Java SE8 認定資格」、国家試験である「情報処理技術者」を持っているとアピールポイントになります。

また、経験者やより良い条件で転職したいと考えている方は、さらに専門的な「データベーススペシャリスト」「システムアーキテクト」を取得すると優遇されやすくなります。

5.2. 介護士

介護士は無資格でも採用されますが、資格保有者と比べると担当できる業務が限られ、掃除や食事の準備、見守りなどの介護補助が中心になります。

仕事の幅を広げるには、「介護職員初任者研修」や「介護福祉士実務者研修」を受講しておくと良いでしょう。また、「介護福祉士」「認定介護福祉士」「介護支援専門員(ケアマネジャー)」などの資格を目指すことで、さらなるキャリアアップにつながります。

なお、2024年度からは採用後1年以内に「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されており、修了しない場合は介護業務を継続できません。

【出典】厚生労働省「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.14)」

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6. その他の「〇〇な仕事」

その他の「〇〇な仕事」は以下の記事でもご紹介しています。自分に合った仕事を探すための参考に、ご覧いただければ幸いです。

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7. まとめ

AI技術の進展や物価高などにより、経済や社会情勢が不安定さを増している今、より一層、安定した仕事に就くことの重要性はこれまで以上に高まっています

本記事を通じて、安定しやすい仕事の特徴や職種についての理解が深まったのではないでしょうか。自分が勤めている企業や興味のある業界が安定しているかどうかを見極めるための参考にしてください。

また、将来性に不安を感じる場合は、転職という選択肢も視野に入れて行動していくことが大切です。

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