仕事の悩みには、人間関係や業務量への負担、キャリアへの不安、心身の疲労などさまざまな原因があるため、状況に応じて適切な相談先を選ぶことが大切です。
本記事では、「仕事を辞めたい」と感じたときの主な相談先を目的別に紹介するとともに、相談後に考えたい選択肢についても解説します。今後の働き方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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1.仕事の悩みは一人で抱え込まないことが大切
「仕事を辞めたい」と感じたとき、すぐに答えを出そうとしてしまう方もいるかもしれません。しかし、仕事の悩みにはさまざまな要因が考えられます。
そのため、まずは辞めたいと感じた背景を整理し、必要に応じて信頼できる人や専門機関に相談してみることが大切です。考えを言葉にすることで、自分では気付かなかった選択肢が見えてくることもあるでしょう。
1.1. まずは「仕事を辞めたい」と感じた背景を整理してみよう
なぜ、仕事を辞めたいと感じたのかを整理してみましょう。
例えば、「仕事内容が合わない」「人間関係に悩んでいる」「将来のキャリアに不安がある」「心身の疲れが溜まっている」など、理由は人によって異なります。また、一つではなく複数の要因が重なっているケースも少なくありません。
自分が何に悩んでいるのかを洗い出すことで、問題の全体像を把握しやすくなり、今の職場で改善できるのか、それとも環境を変えることを検討したほうが良いのかを考えるきっかけにもなるでしょう。
1.2. 相談先は状況によって使い分けよう
悩みの背景を整理したら、必要に応じて第三者に気持ちを打ち明けてみましょう。一人で考えていると視野が狭くなってしまうこともありますが、誰かに話すことで新たな気付きや選択肢が見つかるかもしれません。
その際は、「誰に相談するか」ではなく「何について相談したいのか」を意識して相談先を選ぶことが大切です。
例えば、業務内容の改善について相談したい場合は上司や人事担当者、職場のトラブルがある場合は公的な相談窓口など、抱えている悩みに応じて相談先を選ぶことで、より適切なアドバイスや支援を受けやすくなります。
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2.仕事を辞めたいと感じたときの一般的な相談先
まずは、「仕事を辞めたい」という気持ちを整理したいときの一般的な相談先を紹介します。置かれている状況や相談の目的に応じて、適切な相談先を選びましょう。
2.1.気持ちを聞いてもらいたい・共感を求めたい
仕事への不安が大きくなっているときは、無理に解決策を見つけようとするのではなく、まずは自分の気持ちを家族や友人、信頼できる同僚など安心して話せる相手に打ち明けてみることが大切です。
この際、必ずしも具体的なアドバイスを求める必要はありません。今の気持ちを言葉にして伝えることで頭の中が整理されて、自分が何に悩んでいるのかが見えやすくなることもあります。また、話を聞いてもらうだけで気持ちが少し軽くなる方もいるかもしれません。
今の気持ちを言葉にして心に余裕を持つためにも、安心して話せる相手を選んでみましょう。
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2.2.環境の改善や働き方の調整を試みたい
仕事内容に大きな不満がないものの、業務量の多さや人間関係などに負担を感じているという方も少なくありません。
その場合は、まず直属の上司に相談し、現在抱えている課題について共有することで、業務の優先順位や担当範囲の見直しを行ってもらえる可能性があります。
一方、上司本人との関係に悩んでいる場合や、職場の仲間に悩みを知られたくないときは、人事担当者や社内の相談窓口などに直接相談することを検討しましょう。状況によっては、利用できる社内制度を案内してもらえたり、異動・配置転換を検討してもらえたりするかもしれません。
なお、具体的な対応を促すには「どのようなことに負担を感じているのか」「どのような改善を希望しているのか」といった点をしっかり整理して伝えることが大切です。
2.3.今後のキャリアや転職の可能性を探りたい
「今後のキャリアについて考えたい」「転職も含めてどのような選択肢があるのか知りたい」と感じている場合は、ハローワークや転職エージェントなど、社外のキャリア支援サービスを活用する方法もあります。
ハローワークでは職業相談や求人紹介、転職エージェントではキャリア相談や求人提案、応募書類・面接対策などの支援を受けられます。
また、これまでの経験やスキルがどのような職種で生かせるのかについて、客観的な視点から意見をもらえることもあります。
なお、相談する時点で転職を決めている必要はありません。「今の仕事を続けるべきか迷っている」「他にどのような働き方があるのか知りたい」といった段階でも利用できますので、今後のキャリアをより広い視点で考えるために利用してみるのも良いでしょう。
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ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
退職の悩みは、感情面だけでなく、手続や生活設計にも影響するため、早めに「適切な相手」へ相談することが大切です。社内に相談する場合は、情報が広がるリスクも踏まえて相手を選び、事実(いつ・誰が・何を・どうした)を整理して伝えると建設的な話し合いにつながります。
3.心身の不調やトラブルがあるときの専門的な相談先
仕事の悩みの中には、前章で紹介したような一般的なキャリア相談では解決が難しいケースもあります。
特に、心身の不調が続いている場合やハラスメント、退職トラブルなどが発生している場合は、早めに専門機関へ相談することが大切です。ここでは、専門的なサポートが必要な場合の主な相談先を紹介します。
イラスト:斉田直世 漫画の続きはこちら>
3.1.心身に強い不調を感じている
仕事の悩みが大きくなり、眠れない日が続く、食欲がわかない、気分の落ち込みが続く、涙が出やすくなるといった心身の不調が現れている場合は、早めに産業医や医療機関、社内外の相談窓口などに相談しましょう。
すぐに医療機関を受診することにためらいがある場合は、厚生労働省が運営するポータルサイト「こころの耳」を活用してみるのも一つの方法です。電話やSNS、メールなどで相談できるため、まずは現在の状況を話してみることから始めてもよいでしょう。
3.2.ハラスメントや労働基準違反がある
パワハラやセクハラ、または残業代が正しく支払われない、年次有給休暇を取得しづらいといった法令違反の可能性がある問題について、上司や社内の相談窓口に相談しても解決が難しい場合は、社外の公的な労働相談窓口を活用しましょう。
代表的な相談先として、各都道府県の労働局などに設置されている「総合労働相談コーナー」があります。ここでは、法令違反の疑いがある問題や職場のいじめ・嫌がらせなど、幅広い労働問題について無料で相談できます。
また、厚生労働省の委託事業である「労働条件相談『ほっとライン』」では、賃金や労働時間、休暇などに関する問題について電話で相談できます。相談内容に応じて、利用できる制度や今後の対応について案内を受けられる場合もありますので、サポートを受けながら今後について考えてみましょう。
3.3.法的トラブルに発展する可能性がある
問題が大きくなり、会社と法的トラブルに発展する可能性がある場合は、法律の専門家に相談することも検討しましょう。
代表的な相談先としては、国が設立した法的トラブルの総合案内所である「法テラス(日本司法支援センター)」があり、状況に応じて適切な相談先の案内を受けられるほか、一定の条件を満たす場合には無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用できます。
会社と個人の話し合いでは平行線になりやすい問題や、公的な相談窓口でも解決が難しいケースでは、こういった機関も活用しながら、今後の対応を検討しましょう。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
社外窓口では、労働局や労働基準監督署に併設されている総合労働相談コーナーなどで状況整理や制度案内を受けられるほか、未払賃金や退職妨害など法的争点がある場合は弁護士等への相談が有効です。相談前に経緯のメモや記録を残しておくと、解決までの道筋が立てやすくなります。
4.相談を終えた後はどうする?
相談をした後は、アドバイスや得られた情報を踏まえながら、今後の方向性を考えていきましょう。まずは相談内容や心身の状態を踏まえ、現職で改善できることがあるか、安全に働き続けられるかを確認することが大切です。そのうえで、必要に応じて退職や転職も選択肢として検討しましょう。
4.1.相談内容を踏まえて現職にとどまる可能性を考える
相談を通じて自分の状況を見つめ直せたら、まずは「今の仕事を辞めずに済む道があるかどうか」を冷静に見極めてみましょう。
例えば、相談したことで業務量の見直しやタスクの再配分といった環境の調整が行われ、それによって心身の負担が軽くなる見込みがあるなら、今の職場でキャリアを継続するという選択肢が見えてきます。
また、悩みを共有したことで心が軽くなり、「今の職場でもう少し続けられそうだ」と気持ちに変化が訪れることもあるでしょう。
相談を終えた後は得られた気付きをもとに、現職に留まる場合と環境を変える場合、両方の可能性を落ち着いて考えてみることが大切です。
4.2.状況の改善が難しい場合は退職・転職を検討する
適切な部署や窓口に相談し、社内でできる範囲の調整を試みても状況が改善しない場合は、退職・転職について考えることも一つの選択肢です。
特に、心身への負担が大きい場合や、ハラスメント・法令違反の可能性がある状況が続いている場合は、無理に現職にとどまらず、休職や配置転換、退職・転職、専門機関への相談なども含めて検討することが大切です。
ただし、焦って結論を出す必要はありません。まずは自身の経験やスキル、仕事に求める条件などを整理しながら、転職市場の情報収集やキャリア相談を進めてみるのがおすすめです。相談を通じて得た気付きを踏まえ、自分にとって納得できる選択を検討していきましょう。
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5.まとめ
「仕事を辞めたい」と感じたときは、一人で悩まずに家族や友人、上司、職場の相談窓口に加え、心身の不調や労働トラブルがある場合は医療機関・産業医・公的相談窓口なども活用しながら、自分に合った選択肢を整理していくことが大切です。
現職にとどまる場合も、退職・転職を選ぶ場合も、置かれている状況や価値観によって適した選択は異なります。まずは自分が何に悩み、どのような働き方を望んでいるのかを整理し、無理のないペースで今後の方向性を考えてみましょう。