「仕事を辞めたい......」
誰でも一度はそう思った経験があるのではないでしょうか。
退職したいという思いを抱えながら過ごす毎日は、とても辛いものだと思います。そんな時、誰かに辛い気持ちを打ち明けて相談できれば、現状を打開するきっかけをつかめるかもしれません。
今回は、退職を考えているときにに誰に相談すべきか、どのような点に気をつけるべきかを解説していきます。
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【関連記事】「【仕事辞めたい】会社がつらいと思ったらやるべき事と辞める判断ポイント」
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1.退職を決めるまでは悩みや不安が多い
会社を辞めたいと思う理由は千差万別です。2021年にマイナビが転職者1,500人を対象に実施した調査によると、転職理由として最も多かったのは「給与が低かった」でした。その次に、職場の人間関係、倒産やハラスメント、仕事内容への不満、会社の将来性と続きます。それぞれがさまざまな事情を抱えて転職を決意したことがうかがえます。
上位にランクインしている理由は総じてネガティブな内容であることから、多くの人々は、退職・転職を決意するまでの日々の中で悩みや不安、ストレスを抱えていたことが推測できます。
(【出典】マイナビニュースリリース「転職動向調査2021年版」)
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2.退職を決意する前に、まずは相談を
しかし、いくら会社を辞めたいと思っても、後先考えず今この瞬間の感情のままに辞めてしまうのはおすすめできません。「会社を辞めたい」と精神的に追いつめられている状態では、自分一人では正常な思考や判断が行えない可能性があるため、まずは信頼できる身近な人に相談してみましょう。
辛い状況にいる真っ只中では、一刻も早くこの職場から離れたいという気持ちしか湧いてこないかもしれません。しかし、将来の自分が後悔しない選択をするためには、一度感情にとらわれた自分を引き戻し、もっと幅広い視点で向き合うべきです。まずは第三者の視点による意見を聞いてみるようにしましょう。
【関連記事】「仕事の辞め時っていつ?辞める前に確認すること、見極めるポイントを紹介」
【関連記事】「【辞められたら困る人】の特徴とは?辞めてしまう理由や対処法」
3.仕事を辞めたいと思ったら誰に相談する?
では、仕事を辞めたいと思った時には誰に相談するべきなのでしょうか。以下を参考に、実際に相談できそうな相手がいるか考えてみましょう。
3.1.上司や先輩に相談
上司や先輩は一緒に過ごす時間が長く、仕事ぶりを一番知っている相手です。口にはしなくても、仕事におけるあなたの良い面も悪い面もよく理解しているでしょう。あなたが仕事を辞めたいと感じる原因となっているトラブルや問題に対しても、きっと解決につながる具体的なアドバイスやアクションをしてくれるはずです。
部下が事前に相談しないで退職を願い出た時に「いきなり辞めるのではなく、相談して欲しかった」と感じる上司も多いので、信頼して相談できる関係性であれば、一度話しておくことでわだかまりなく過ごせます。
3.1.1.相談する際の注意点
上司への相談はとりとめもない内容ではなく、労働環境や周囲との人間関係など、具体的かつ仕事に直結する内容が望ましいでしょう。また、いきなり相談をもちかけるのは迷惑になる可能性があるため、アポイントを確保するのがマナーです。
「今後についてご相談したいことがあります。〇〇さんのご都合のよろしいときに、30分ほどお時間をいただけますでしょうか。」といったような切り出し方で、相談があり時間をもらいたいという旨を伝えましょう。
3.2.同期に相談
相談内容が上司に関するもの、上司に知られたくないものである場合には、同期へ相談するのも一つの手段です。仕事を離れた時に見せるあなた本来の人柄まで知ってくれているような同期であれば、素直な思いの丈を打ち明けられるかもしれません。同期も、あなたが仕事を辞めたいと思っている背景や状況、性格を踏まえ、あなたの気持ちに寄り添ったアドバイスをくれるでしょう。
また、たとえ解決につながらなくても、悩みを素直に吐き出し身近な人に自分の気持ちを知ってもらえたと思うだけで、辛い思いが軽減される可能性があります。
3.2.1.相談する際の注意点
同期だからといって手あたり次第に「仕事を辞めたい」と相談するのはあまりおすすめできません。人の噂とは思わぬところから広まるものです。仕事を辞めたい事実を知られたくなかったのに、いつの間にか上司の耳にまで届いてしまうということも考えられます。最も信頼できる同期に限定して相談するのが望ましいでしょう。
3.3.家族や友達に相談
社内の人には知られたくない、社内の人と関係性が良好ではないという場合は、家族やプライベートでの友達に相談してみましょう。仕事上のあなたを知らない人だからこそ、先入観や固定観念にとらわれず、あなた自身のことだけを思いやったアドバイスをくれるはずです。
また、社内事情を知らない第三者に話すことで、今まで思いもしなかった新しい思考やアイディアが湧いてくるかもしれません。
3.3.1.相談する際の注意点
家族や友達は社内事情や人間関係を目の当たりにしていないため、アドバイスが妥当性に欠け、直接的な解決に結びつかない結果に終わることも考えられます。それでは自分の気持ちは晴れないかもしれませんが、相手の立場的にも致し方ないことなので、決して相手に不満をぶつけることのないようにしましょう。具体的なアドバイスを求めるよりも、仕事を辞めたいという自分の感情を整理することを目的とするほうが、お互いにストレスなく話せるはずです。
4.会社や家族以外で相談できるところは?
上司や同期、家族に相談できる相手が見当たれば良いですが、「身近な人だからこそ言いにくい」という人や、何らかの事情があり知られたくないという人もいるかもしれません。そのような場合は、以下のようなサービスや公共機関を活用し相談するという方法もあります。
4.1.総合労働相談コーナー
総合労働相談コーナーとは、厚生労働省が設置する労働者・事業者に向けた相談窓口です。労働に関するあらゆる悩み、トラブルに対応し、問題解決に向けた具体的な助言や指導を行っています。そのため、明確に何らかの問題や課題を抱えている状況である場合、相談による成果が得られる可能性が高いです。
しかし、「トラブルはないけれど漠然と今の仕事を辞めたいと思っている」という場合は相談先として向いていないかもしれません。
全国各地の労働基準監督署や労働局内にて相談員と対面で相談できるほか、電話相談も可能です。仕事を辞めたい原因がはっきりしており、現状を打開するための具体的なアドバイスがほしい、背中を押してほしいという人には適した相談先でしょう。
【関連記事】「パワハラで困っている人は都道府県労働局に相談を!「個別労働紛争解決制度」が使えます!」
4.2.ハローワーク
ハローワークは、職業紹介を行う公的機関であり、主に求職者の就職、転職にかかわる支援を行っています。そのため、基本的には今の職場や仕事に関する悩みの相談を受けてくれる場ではありません。もちろん、そのような相談をしても追い返されるような事態にはならないはずですが、問題の根本的な解決に至ることは難しいでしょう。
一方、今の仕事を辞めたいという気持ちがある程度固まり、転職を具体的に考え始めている状態であれば、ハローワークでの相談がその後に生きてくるはずです。現状どのような求人が出ているのか、自分の経験やスキルでどのような企業へ採用される見込みがあるのかという点もわかるので、今の仕事を辞めた後の未来図が描きやすくなります。より現実的に今後のことをイメージできるようになるため、仕事を辞めるか否かの考えが変わってくるかもしれません。
4.3.転職エージェント
転職エージェントは、求職者の転職活動を一貫してサポートするプロ集団です。担当者は取引先企業の人事担当者と密なコミュニケーションを取っているため、求人サイトなどには掲載されないリアリティのある情報を入手できます。そして、各業界、職種に精通したキャリアアドバイザーが、あなたが今の仕事を辞めたいと思う原因に配慮し、さらに経歴や特性を踏まえたうえで、転職先として最適な企業を提案してくれます。自分の将来の可能性を知り、新しい道を模索したいという方には最適な相談先です。
自社以外に多くの魅力的な企業があることを知ることで、仕事を辞めたいという気持ちとの向き合い方に変化が起こるかもしれません。
5.相談する前に準備しておきたいこと
相談によって解決の糸口を見出すために、気をつけたいポイントもあります。退職を相談する前に準備しておきたいことを確認しておきましょう。
5.1.悩みや不安を可視化する
仕事を辞めたいと思った時は、感情に振り回されず、一度冷静に自分と向き合う時間を作ることが重要です。
まずは、そもそもなぜ仕事を辞めたいと思っているのか、その原因と考えられるきっかけを書き出しましょう。
不満、不安に思うこと、辛いこと、人に言われた言葉など、あまり頭で考えすぎず、思いつくままに列挙します。
そして、書き出したものを嫌だと思う順番に並び替え、その後「自分で解決可能なもの」「自分では解決不可能なもの」に振り分けましょう。
この作業を行うことで、自分の感情を客観的に捉えやすくなります。
仕事を辞めたいと思わせる原因は自分の行動次第で改善できるチャンスがあるものなのか、自分一人では為す術がないものなのかをしっかりと認識することで、次に自分が何をすべきか見えてくるはずです。
仕事を辞めたいと思った時にやるべきことの詳細や、仕事を辞めても良い理由・辞めるべきでない理由については、以下の記事を参考にしてみてください。
【関連記事】「【仕事辞めたい】会社がつらいと思ったらやるべき事と辞める判断ポイント」
5.2.相談相手を見極めておく
上司や同僚など、社内で相談をする場合には、信頼できる人を見極めておく必要があります。
相談相手によっては、相談した内容が他の人に漏れてしまうケースがあります。
その場合は、まだ辞めるか迷っている段階であっても、人事にまで伝わってしまうことで自分の意図しない方針で話を進められてしまうこともあります。
そのため、退職に関する相談をするなら、状況に合わせて相談相手を見極めるのが重要です。
また、会社内で信頼できると感じる人が居ない場合は、会社以外の友人や家族、行政の相談窓口に相談しましょう。
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6.退職する際は円満退職を心がけよう
他の人や窓口への相談を経てもなお「今の仕事を辞めたい」という気持ちが揺るがないのであれば、退職に向けて準備を進めていくことをおすすめします。
その際に心得ておくべきことは、たとえ職場環境や上司、同僚に原因がある問題で退職に至る場合でも、周囲を不快にさせたり、迷惑をかけたりするようなやり方で退職すべきではないということです。
「立つ鳥跡を濁さず」ということわざもあるように、やるべきことはしっかりとやりきり、会社側との間にわだかまりがない状況での円満退社を目指しましょう。
以下の記事を参考に、円満退社の作法をあらかじめ理解しておいてください。
【関連記事】「円満退職のコツとは?転職で気まずくならないための5つの作法」
7.会社が退職を認めてくれない場合の相談窓口
退職の意思を伝えているのに強引に引き止められたり、会社の規則などに則って退職届を出したのに受け取ってくれなかったりするケースも中にはあります。そういった場合の相談できる窓口を紹介します。
7.1.労働相談センター
労働相談センターは、全国の都道府県に設置されている労働問題の相談窓口です。名称はそれぞれ異なる場合があり、例えば東京都では「東京都労働相談情報センター」という名前で運営されています。
労働相談センターではさまざまな労働トラブルに関する相談を受け付けており、必要に応じて会社側との話し合いの仲介やADR(裁判外紛争解決手続き)なども行っています。
なお、行政が運営する窓口としては前述した「組合労働相談コーナー」に相談することもできます。
7.2.法律相談センター
全国の弁護士会の法律相談センターも退職トラブルに関する相談窓口として挙げられます。退職が認められない問題は、民法や労働基準法に関わってきますので、法的なアプローチをするのは有効な手段です。
実際に弁護士に動いてもらうには費用がかかりますが、弁護士はあなたの代理人としてさまざまな事項を会社側と交渉できます。未払賃金や退職金など、退職するにあたって多くの問題がある場合は特に、弁護士への相談が推奨されます。
7.3.法テラス
「日本司法支援センター」、通称「法テラス」は総合法律支援法に基づいて設立された法務省所管の法的トラブルに関する総合案内所です。
無料で相談をするには、収入が一定額以下であるなど利用条件がありますが、退職についての問題の解決が難しい場合にも、必要な情報やサービスを提供してくれます。
弁護士が必要になった場合には有料で依頼することもできますので、大きなトラブルに発展しそうなケースでも利用しやすい窓口でしょう。
8.退職代行を利用するのも一つの方法
仕事を辞めたいと申し出たものの上司が認めてくれない、上司からハラスメントを受けているなどの理由により、どうしても通常の退職プロセスを踏めないという人もいるかもしれません。
その場合は、退職手続きを代行してくれる「退職代行サービス」を活用するのも一つの方法です。
退職意思の申し出から事務手続きまですべて一任できるため、会社・上司への退職相談なしでもスムーズな退職が実現します。
多少の費用は必要ですが、辞めたくても辞められない状況の人にとっては最適な方法です。
【関連記事】「【仕事を辞めたくても言えない】辞められない理由を整理して対処法を考えよう」
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9.まとめ
仕事を辞めたいと思う自分を責める必要は決してありません。むしろ、その感情に気づけたことは、この先のあなたのキャリアや人生そのものをより良い方向に導くチャンスとなるかもしれません。ひとりで思い悩まず、結論を焦らず、身近な人を頼りましょう。
仕事を辞める、続ける、どちらを選択したとしても、あなた自身が納得できればその選択は正解です。まずは自分の素直な気持ちと向き合うことから始めましょう。
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