立ち仕事は、働きながら健康維持ができるため、就職や転職を検討している人も多いのではないでしょうか。
この記事では、立ち姿勢での業務が多い仕事や、立ち仕事のメリット・デメリット、疲れた時の対処法について解説します。
立ち仕事が向いている人と向いていない人の特徴もまとめたので、自分との適性を判断するためにチェックしてみましょう。
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1. 立ち仕事とはどんな仕事?
立ち仕事に明確な定義はありませんが、一般的には「立ち姿勢での業務が多い仕事」のことを指します。
具体例を挙げると、接客業や介護士、保育士、工場・土木作業員などが立ち仕事に分類されるでしょう。
立ち仕事は、デスクワークよりも体力や筋力が向上しやすく、高い集中力を保ったまま仕事を進められる点がメリットです。
その反面、足腰への負担が大きいことや、慣れるまでに時間がかかるといったデメリットもあるので、良し悪しを知ったうえで立ち仕事に挑戦した方が良いでしょう。
【関連記事】「【業界一覧】転職希望者必見! 各業界の特徴と現状・求められる主な職種を紹介」
2. 代表的な立ち仕事
ここでは、立ったまま業務を行う時間が長い仕事を5つご紹介します。
「デスクワークより立ったまま仕事をする方が自分に向いている」という方は、どのような職種があるのかチェックしてみましょう。
2.1. 接客業
接客業とは、顧客と接する仕事のことを指し、飲食やアパレル、販売、美容、ホテルなどさまざまな業界・業種にて働き口があります。
例えば、飲食店で働く場合は注文をとったり、料理を配膳したりします。アパレル店の店員は、顧客に対し、衣類の販売やコーディネートの提案をすることがおもな仕事です。
美容師やエステティシャンのように座ったまま作業を行うケースもありますが、基本的には立ち作業が多い仕事だと言えるでしょう。
いつ顧客に見られているか分からないので、常に背筋を伸ばして、立ち姿に気を配る必要があります。
労働時間 | 167時間 |
---|---|
賃金(年収) | 314.8万円 |
求人賃金(月額) | 20.7万円 |
【出典】厚生労働省 「職業情報提供サイト 接客担当(ホテル・旅館)」
2.2. 介護士
介護士は、介護を必要とする人へのサポートを行う仕事です。
仕事内容は、食事介助や、入浴介助、排泄介助などでいずれも中腰や立ったまま行うことが多く、体力が必要になります。
介護業界は、未経験からでも働ける環境が整っている傾向にあるため、スキルや経験に自信がない人にもおすすめです。
介護士は大変というイメージがありますが、利用者やご家族から感謝される機会が多く、やりがいを感じながら働ける点が大きな魅力だと言えるでしょう。
労働時間 | 163時間 |
---|---|
賃金(年収) | 362.9万円 |
求人賃金(月額) | 20.6万円 |
2.3. 看護師
看護師は、病気やけがで療養している患者の介護やサポートを行う仕事です。
勤務が不規則になりがちで大きなプレッシャーや責任も感じながら、ほとんどの業務を立ったまま行うため、ハードな仕事だと言えます。
病気や怪我で困っている人を近くで支え、命を助けたり、快復していく様子を間近で見られたりするので、多くのやりがいを得られるでしょう。
労働時間 | 158時間 |
---|---|
賃金(年収) | 508.1万円 |
求人賃金(月額) | 24.9万円 |
2.4. 保育士
保育士は、乳児から小学校入学前までの保育を行う職種です。
子どもの健康状態をよく観察しながら、年齢や発達にあわせた遊びや活動を通して成長の援助を行います。
体を大きく動かしたり、子どもを抱っこしたりするため、足腰への負担が大きくなります。
子どもの成長を感じられたり、保護者から感謝されたり、行事の達成感を得られたりといったやりがいのある仕事だと言えるでしょう。
労働時間 | 167時間 |
---|---|
賃金(年収) | 391.4万円 |
求人賃金(月額) | 21.7万円 |
2.5. 工場・土木作業員
工場や土木作業員は、建設現場や道路整備といった工場現場で働く仕事です。工事内容は、さまざまで作業によっては資格や免許が必要な場合もあります。
いずれも野外で作業をする業務が多く、場合によっては重たい荷物を運ぶ必要があるので筋力や体力がいる仕事です。
人々の生活の基盤を支える工事に携わることも多いので、スキルアップしながら社会の役に立てることを実感できる点が魅力だと言えるでしょう。
労働時間 | 173時間 |
---|---|
賃金(年収) | 417.1万円 |
求人賃金(月額) | 25.7万円 |
【出典】厚生労働省 「職業情報提供サイト 建設・土木作業員」
3. 立ち仕事のメリット
立ち仕事は、1日中座ったままの仕事より、体力が付きやすく、姿勢への悪影響が少ないことがメリットだと言えます。
また立ったまま仕事をすることで、適度な緊張感を保てるため、作業効率が上がるメリットもあります。
ここでは、3つのメリットについて詳しく解説します。
3.1. 体力がつく・健康的になれる
1日中座った状態で仕事を行う場合、体を動かす機会はほとんどありません。
通勤やランチタイムなどに敢えてエレベーターを使わないようにしたり、ひと駅歩いて帰ったりと工夫しなければ運動不足になります。
それに対し、立ち仕事の場合は、仕事をしながら体も適度に動かすことができます。
健康な体を保って長生きするためには、足腰の強化も大切な要素のため、仕事中に自然と運動できるのは良いことと言えます。
さらに、学術的には運動強度のことを「メッツ」という単位で表しており、安静時を1とした時と比較し、何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示しています。
座っている状態 | 1.5メッツ以下 |
---|---|
立って会話している状態 | 1.8メッツ |
普通のスピードで歩行している状態 | 3メッツ |
立って会話をしている時と普通のスピードで歩行している時は、どちらも安静時多くのカロリーを消費することになるので、仕事をしているだけで体力向上効果が期待できるでしょう。
【出典】厚生労働省 「メッツ/METs」
【出典】厚生労働省 「座位行動」
3.2. 集中が続きやすい・作業効率が上がる
立った状態では、緊張感を保ちやすいため、集中力が高まり、作業の効率化につながります。
デスクワークの場合は、パソコンを見るために頭部が肩より前に突き出た姿勢「ストレートネック」や猫背になりやすく、体に負担がかかります。
あるデータでは、このような姿勢では、背筋を伸ばした姿勢と比べ、精神的疲労を感じやすくなると記述されています。
もちろん、猫背の状態であれば、立ち姿勢でも集中力の向上効果は期待されませんが、背筋を伸ばした姿勢だと集中力や持続力が高まるとされています。
3.3. 姿勢がよくなる
立ち仕事は、デスクワークよりも良い姿勢を保ちやすい傾向にあります。
また、立ち仕事の多くは周囲に姿を見られやすい環境ですので、ほどよい緊張感があり、自然と背筋も伸びるでしょう。
特に人と接する仕事の場合は、周りに見られているという状況であるため、より真っすぐ立つことを傾向があります。
【関連記事】「勤務先への信頼感、収入や業績より"健康への配慮"との関連性が高い事が判明」
4. 立ち仕事のデメリット
立ち仕事は、メリットだけでなく、デメリットもいくつかあります。
ここでは、2つの欠点について解説するので、これから立ち仕事に就きたいと考えている方は、チェックしておきましょう。
4.1. 足や腰に負担がかかる
1日中立ちっぱなしだったり、高いヒールを履く必要があったりする場合、足腰に大きな負担がかかります。
よく「立ち仕事は足に筋肉がつく」「立ち仕事で足が太くなった」という方がいますが、実際は足の血行が悪くなり、むくんでいることが原因と考えられます。
特に、女性は高いヒールを履いたままだと、かかとが常に持ち上げられた状態になるので筋肉が緊張し、血行が抑制されてしまう可能性もあるのです。
厚生労働省が公表する「職場における腰痛予防対策指針及び解説」によると、負担となるような高いヒールの靴を履かないように促されています。
靴の種類に限らず、長時間立ったまま仕事をすると、足腰への負担が大きくなるので、セルフケアを行うなどの工夫が必要です。
【出典】厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針及び解説 」
4.2. 慣れるまでに疲れが溜まる場合もある
立ち仕事を始めて間もない時は、慣れるまでに時間がかかってしまうでしょう。慣れない動きで筋肉に疲労が溜まり、むくみや冷え性につながる可能性もあります。
立ちっぱなしでの業務に加え、新しい環境にも順応していく必要があるので、精神面の疲れも同時に癒せるように十分に休息する時間を作りましょう。
【関連記事】「【仕事が疲れる】疲れの種類と対処法、単なる疲労ではない可能性にも要注意」
5. 立ち仕事に向いている人・向いていない人
立ち仕事は、どのような人に適しているのでしょうか。向いている人と向いていない人の特徴をまとめたので、それぞれ確認してみましょう。
5.1. 向いている人の特徴
立ち仕事が向いている人の特徴として下記の3つが挙げられます。
● 体を動かすことが好き
● 汗をかくことが好き
● 長時間座り続けることが苦手
すでに立ちっぱなしでの作業に慣れている人は、「体力的にきつい」「足腰に疲れが溜まる」ことに耐えられるかもしれません。
5.2. 向いていない人の特徴
立ち仕事が向いていない人の特徴として、下記の4つが挙げられます。
● 体力に自信がない
● 疲れやすい
● 足腰に痛みが出やすい
● 体を動かすことが苦手
立ち仕事は、体力勝負の部分がありますので長時間立ったまま業務を進められる人に向いています。
元々、足腰に痛みが生じやすい人にとって立ち仕事は負担が大きいので、心身ともに健康的な人におすすめです。
また、1日中座り続けることが苦手で、体を動かしてリフレッシュできる人にはぴったりな仕事だと言えるでしょう。
【関連記事】「【仕事が向いていないので辞めたい】向いていないと感じる理由や対処法について」
6. 立ち仕事で疲れない方法とは
長時間の立ち仕事は、どうしても足腰に負担が掛かってしまいます。
そこで、ここからは立ち仕事での疲れを軽減する方法を紹介します。
6.1. 正しい立ち方を意識する
立ち仕事が辛いという方は、まず正しい立ち方ができているかを確認しましょう。
猫背や反り腰にならず、地面に対して垂直にまっすぐ立つのが正しい立ち方の基本です。頭と骨盤が常に足の真上にくることを意識して、耳から肩、肩から腰までのラインを一直線にします。
足指に力を入れて踏ん張り、お尻も軽く締めるようにするといいでしょう。このとき、胸を張るのではなく、肩の力は抜いて肩甲骨を少し寄せることを意識すると、まっすぐきれいな姿勢をキープできます。
6.2. 着圧タイツを履く
「足の疲れがひどい」「足が浮腫んでパンパンになる」という方は、着圧タイツを履いて血行を促しましょう。
着圧タイツは、ウエストから太もも、ふくらはぎ、足首にかけて段階的な着圧設定が施されており、血行を促す効果が期待されます。
血液やリンパ液、老廃物の循環が促され、浮腫みや疲れが溜まりにくくなることがメリットです。
着圧レッグウェアの快適性を調査した結果、通常のタイツよりも着圧レッグウェアの方が快適性に優れていることが明らかになっています。
【出典】国立研究開発法人科学技術振興機構「着圧レッグウェアの生理心理的効果に関する研究」
6.3. 靴下や靴を変えてみる
履きなれない靴や靴下を履いていると、足腰への負担が大きく、精神的なストレスも感じやすくなります。
日頃から履きなれている靴や靴下で仕事を行えるか、確認してみると良いでしょう。
例えば、クッション性のある靴を選ぶと、足が地面に着地するときの衝撃が抑えられ、足腰の負担を軽減できる可能性があります。
なお、「第50回日本理学療法学術大会」の調査によると、5本指ソックスは、足関節機能やバランス能力を向上させる点で即時効果が示されたと明記されています。
【出典】国立研究開発法人科学技術振興機構「第50回日本理学療法学術大会 5本指ソックスの継続的着用におけるバランス能力の検討」
【出典】国立研究開発法人科学技術振興機構「第50回日本理学療法学術大会 5本指ソックス着用がジャンプ着地時の筋活動に及ぼす影響」
【関連記事】「【仕事辞めたい疲れた...】疲れた時の対処法や客観的に分析する方法とは」
7. 立ち仕事で疲れた時の対処法
「長時間の立ち仕事で、毎日足のむくみが限界」という方も多いでしょう。
立ち仕事で疲れを感じた時には、その日のうちに癒すことが大切です。
ここでは、立ち仕事での疲れを癒す方法を紹介するので、ぜひ試してみてください。
7.1. マッサージやストレッチをする
立ち仕事は、足腰に大きな負担がかかるため、マッサージやストレッチを行い、筋肉をほぐしましょう。
リラックスした状態で自分が「気持ちがいい」と感じる程度に行います。例えば、ふくらはぎをもみほぐしたり、足首をクルクルと回したりすると血行を促すことが可能です。
疲れが溜まってから行うのではなく、毎日お風呂上りや就寝前に、5分ほどストレッチやマッサージをすると体への負担を軽減できるでしょう。
7.2. 体を温める・半身浴をする
体を温める・半身浴をすることで、疲労回復やストレス予防効果が期待されます。
とくに医学的にも証明されている「HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法」がおすすめです。
免疫力向上や低体温の改善、運動能力アップ、ダイエット効果も期待されるため、万全な状態で仕事に取り組むことができるでしょう。
HSP入浴法のやり方とポイントを下記にまとめたので、正しく理解したうえで実践してみてください。
●入浴前後に水分補給をおこなう
●41℃のお湯で15分入浴する
●体温が38度になるのを目安に行う(平熱+1.5度)
●入浴後は10分〜15分身体を保温する
なお、高齢者や体力に自信がない方は半身浴でもかまいません。無理をせずに「心地よい」「疲れがとれそう」だと思える程度に行いましょう。
7.3. 足を高くして寝る
むくみが酷いときは、足を心臓よりも高くして寝るのがおすすめです。足を高くすることで、長時間の立ち仕事で足に溜まった余分な水分や血液をスムーズに流し、むくみが軽減する効果が期待できると言われています。
ただし、足首だけを上げたり高くし過ぎたりすると、ひざや腰を傷めてしまう恐れがあります。
また、無理な姿勢は眠りが浅くなる一因です。
そのため、フットピローやバスタオルを使用して、ふくらはぎから優しく持ち上げた上で、心地よいと感じる適度な高さを見つけましょう。
8. 立ち仕事に疲れたら転職を検討してみよう
「立ち仕事が辛い」「足腰への負担が大きすぎる」「体力が持たない」という方は、転職を視野に入れるのも一つの手段です。
「立ち仕事が苦手=デスクワークに転職」というような安易な考えでは、失敗する可能性が高まるので、まずは自己分析から慎重に進めることが大切です。
具体的には、立ち仕事のどのような部分に苦手意識を持ったのか、転職先に求めるものは何かなど、一つずつ分析することが大切です。
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10.まとめ
デスクワークよりも立ち仕事の方が好き、自分には合っているという方も多いのではないでしょうか。
立ち仕事は、1日の大半を立ち姿勢で過ごすので、体力・筋力の向上や、良い姿勢を保てるといった健康面で良いメリットがあります。しかし、1日中たったまま業務を進めるため、疲労や負担を感じやすいことが欠点です。
まずは自分の適性を見極めて、立ち仕事が向いているのか確認してみることをおすすめします。
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