実際どうなの?未経験の業種・職種への転職

実際どうなの?未経験の業種・職種への転職

みなさんは、応募要件に「未経験者応募可」「未経験者積極採用」などの表記がないと、未経験業種・職種に応募してはいけないと思っていませんか?実際には、こうした未経験をうたう表記がなくても採用に至るケースはよくあるのです。
今回は、「未経験応募の秘訣」をテーマにアドバイスいたします。未経験業種・職種への応募で、新しい仕事へチャレンジし、新しい自分を見つけてみませんか?

未経験業種・職種採用で期待されていること

1.社会人としての基本的なスキル
採用する側が未経験者に最低限求めるのは、ビジネスマンとしての基本的なスキルを身につけているかどうかという点です。未経験といえども社会人経験はあるので、身だしなみ、あいさつ、名刺交換、電話対応、メールでの情報交換など、通常は新入社員を受け入れた場合に教育すべき最低限のマナーは備わっていると期待しています。
この点に関する教育投資をしなくても済む点は、新卒採用と違う大きなメリットです。

2.これまでの経験で獲得したスキル
どんな業種・職種であれ、仕事を遂行していくうえで役に立つ共通の業務スキル・能力はあります。それは、計数管理、パソコンスキル、接客対応スキル、マネジメント力、折衝力、問題解決力、発想力など多岐にわたります。
こうしたスキル・能力は、「仕事を遂行する」という視点でみれば業界が違っても十分生かせますし、評価できます。さらに、学生気分で会話をするのではなく、相手に合わせたコミュニケーションができるかどうかも判断ポイントです。年代、価値観、立場など自分の所属と近い集団ではなく、異集団に所属する人と支障をきたさないで会話できることも、社会人経験としての重要なスキルなのです。転職先は、「学生のノリではないフォーマルな会話」ができることに期待しています。

3.新しい発想、新鮮な視点
もう一つ未経験者に期待するものとして、外部からその業界、企業を見た場合の新鮮な視点です。業界独特の習慣や言葉などは、どの業界にも存在します。これらは、業務遂行に必要なものもありますが、非効率である場合や取引先・お客さまに不便を強いているにもかかわらず、長い間業界内にいると気がつかないことも多いのです。
こうしたムダや不便を新しい視点から指摘してもらうことで、業務改善し、業績の向上につなげていきたいというニーズがあります。

未経験で成功を勝ち取るためのポイント

1.社会人即戦力として期待をもたせる
未経験であっても、社会人経験者として最低限のビジネススキル、マナーは、即戦力として期待されています。ということは、こうした点については、応募の段階からチェックが入っていると心得てください。
応募書類の送付や電話の受け答えでは最低限のマナーを守った上で、気配りのあるやり取りができれば第一段階は合格です。もちろん、その後の面接での身だしなみ、立ち居振る舞い、受け答えに関しても、学生にはないスマートな対応ができれば合格です。もう一度、新入社員時代に学んだ社会人の基本マナーを再点検しておきましょう。

2.共通して使える業務スキル・能力をアピールする
応募書類に添付する職務経歴書作成時に、これまでの仕事を振り返る作業があります。このとき、応募を検討している未経験業界・職種に必要なスキルは何かをあらかじめ研究し、これまでの経験で応用可能なスキルがあればピックアップしておきましょう。
さらに、業界・職種に関わらず、仕事をするために必要なスキル・能力の棚卸しまでしておけば、今後どのような業界に応募するときにも、すぐに役に立てることができます。
例えば、次のようなスキルです。

  • ・営業事務として交通費などの精算業務を担当してきた(経費処理、パソコンスキル)。
  • ・課内のスケジュール管理を一手に引き受けていた(スケジュール調整力)。
  • ・資料づくりも含めて会議のセッティングが得意(折衝、段取り力)。
  • ・少人数ではあったがグループをまとめてきた(マネジメント力)。
  • ・身の回りの不便さを解決するために、小さな業務改善に取り組み喜ばれた(問題解決力)。
  • ・職場の雰囲気づくりのために率先してあいさつしてきた(協調性、巻き込み力)

これらの、一見当たり前と思える仕事も細かく分析して、どの業界でも使える「普遍的スキル」をピックアップし、アピールしましょう。

3.改善点を提案する
業界内で普段やり過ごしている慣習、ムダを、外部からの新鮮な目線で改善提案できるのも未経験応募の大きなポイントです。面接官にとっては、そんなことは当たり前で考えもしなかったことに「そうか、なるほど」と思わせる指摘ができれば、未経験の強みをかなりアピールできます。
ただし、単なる業界批判、本当に何もわかっていない素人の表面的な指摘は、かえって反感をもたれます。面接の前に自分の意見を周囲の人に話して反応を確かめ、その提案・意見の客観性を確認しておくことをおすすめします。

採用後の注意点

1.身だしなみ、雰囲気を合わせる
業界には業界の身だしなみがあります。これまで所属していた業界と採用された未経験業界とでは、身だしなみルールが違うことがあります。面接時から、会社の雰囲気をしっかりキャッチしておき、採用後に職場にそぐわない身だしなみにならないよう、なじむまでは気を遣いましょう。
慣れてきたら、周囲の人との調和を考えながら少しずつ個性を出し、存在をアピールしていくのもアリかもしれません。

2.自ら溶け込む努力を
定期採用のように、新入社員を迎える歓迎会があるといった過剰な期待は持たない方がいいでしょう。むしろ、キャリアのある中途採用者は、既存の社員からしたら新しいライバルです。表面上は和やかに受け入れていても、内心では自分の立場を脅かす存在かもといった対抗心をもっている可能性もあります。
相手が好意的でなくても、こちらは誰に対しても好意的に振る舞い、早く認知してもらう努力を怠らないことです。無視されてもめげないであいさつし続ける、コミュニケーションでは笑顔を意識する、誘われたら断らないなど、最初の半年は新しい環境に溶け込む通過儀礼と考え、仕事と人柄の認知の両方に結果を出すことを意識しましょう。
中途採用はライバル。まずは受け入れ側の鎧を解く努力を。

3.謙虚に、しかし発言はしっかり
仲間として受け入れられるまでは成果を焦らず、でしゃばりすぎないこともポイントです。業界によってはそんな悠長なことは言っていられない、個人プレーで早急な結果を求められるところもあるでしょう。しかしながら、チームで仕事をする場合には、チームに認められ、チームのやり方を踏襲した上で意見していくことが、結果として成果に結びつきやすいものです。
一方で、いつまでたっても意見の一つも言わない、言われたことだけを黙々とこなす、場合によっては知識不足でミスばかり。これでは新しい視点を期待して採用した側としてはがっかりです。仲間として受け入れられ業務理解も深まったら、会議などで新鮮な視点をもった提案を積極的にしていきましょう。「謙虚に、さりとて消極的でなく」の精神を忘れずに。

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まとめ

未経験の業界・職種への応募は、勇気がいるものです。これまでの蓄積がある人ほど、新しい仕事へのチャレンジには二の足を踏むこともあるでしょう。しかし、業界には需給があり、時代の流れにのった業界へのチャレンジは、これまでのスキルを否定するのではなく、応用発展させた上に新しいスキルを獲得できるチャンスととらえることもできます。
冷静に自分のスペックを判断し、今後の展望を見きわめて未経験の業界・職種への転職で人生の成功を手に入れましょう!


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ライタープロフィール

細田 咲江(ほそださきえ) 就職コンサルタント

就職コンサルタント、埼玉女子短期大学教授(専門はキャリアデザイン)。大学で教育学を学び、卒業後大手流通会社にて人事、採用、教育に携わり12年間勤務後、独立。新卒、転職、再就職コンサルタントとして就職活動で悩める多くの方々をサポート。就職コンサルタントのパイオニアとして12年間にわたるコンサルタントのノウハウ、実例を講演活動等で紹介。並行して大学にてキャリアに関わる教育に携わっている。豊富な実例と現実を踏まえた上での親身なコンサルタントには定評がある。

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