更新日:2022/05/27
製造業は、肉体労働や単純作業が多い上に給料が安い職種と思われ、就職先や転職先として、あまり人気のない業界のひとつと数えられています。ですが、そのようなイメージだけが先行してしまい、製造業の仕事内容や待遇などの実態について、詳しく知らないという方は多いのではないでしょうか。
実際にその現場で長く働いている方も数多くいますから、決してきついだけの職場ではないはずです。ここでは、製造業の実態を詳しく紹介し、そこで働くメリット・デメリットについて解説していきます。
目次
製造業とは、その名のとおり物を作ることを生業とした仕事のことです。一口に製造業といっても、食料品や化粧品といった日常的な物から、車や家具といった物まで多種多様です。
製造過程で発生する仕事も多岐にわたりますが、多くの方が製造業と聞いて想像するのは、工場の製造ラインの仕事かもしれません。
製造業の仕事は、古くは「3K」とも呼ばれ、きつい職場の代名詞でした。3Kとは「きつい」「汚い」「くさい」の頭文字をとったもので、業務内容に肉体を酷使する作業があるだけでなく、油や化学薬品なども使用するために汚れやすかったり、においも独特なくささがあったりしたため、このように呼ばれるようになりました。
さらに、製造ラインというのは、動かしていてこそ会社の利益になっていくものです。ですから、基本的には24時間稼働こそが理想とされ、勤務時間もそれに合わせて長くなりがちになっていたのが現実です。
また、ポジションや作る物によって差はありますが、ライン作業はどちらかというと同じ作業をひたすら繰り返すルーチンワークであることが多く、機械的な作業しかしないことも、人気のない要因となっていたようです。
製造業が3Kといわれていたような環境だったのは、すでに過去の話です。技術の進歩に伴い、現在の製造現場の環境は、かなり向上してきているのは間違いありません。
ひとつは技術の進歩。オートメーション化が進むことにより、単純な作業や危険を伴う作業などの多くは、機械が担当してくれるようになりました。これにより、人がもっと高度なセクションを担当する現場も増えてきています。結果的に、汚い、くさいといわれていた工程を担当する割合も少なくなります。
また、職場の環境面に対する配慮にも注目が集まっていますので、近年では一見するだけでは工場とは思えないようなきれいな現場も数多く存在します。
さらには、働き方改革が叫ばれるようになり、残業や休日出勤といったような、「無理矢理働かせる」ことに対する規制がきびしくなってきました。これは、製造業も例外ではなく、昔の利益重視から、社員の働きやすさ重視の体制にシフトしている企業も少なくありません。
ですから、細かくシフトが組まれ、ともすれば一般企業よりも少ない残業時間で、しっかりとした給料が用意されているところもあるでしょう。
製造業がきついというのは過去のイメージであり、現在の製造現場の環境はかなり改善されていることはお伝えしました。ここからは製造業ならではのメリットについてもご紹介していきましょう。
製造業における仕事の多くは技術職です。製造業での専門的な職種経験を積めば、自分自身のスキルを高めることができます。また、ひとつの現場の製造工程を知ることができれば、作る物や場所が変わっても、ある程度はその知識を活用することができるかもしれません。
製造業に身を置く企業のほとんどは、3Kのイメージを払拭するために、待遇や福利厚生の充実に力を入れています。給与やボーナスなどの金銭面での優遇はもちろん、寮や社宅といった住まいのサポート、有休や各種手当などの拡充も、多くの現場で行われています。
そのため、一般的なオフィスワークのほうが、きびしい職場環境という場合もあります。
昔の製造業はきつい現場が多く、そこで働くには十分な体力と覚悟が必要でした。しかし、技術の進歩と人々の働き方に関する意識が変化していく中で、製造現場は必ずしもきつい職場ではなくなってきています。
むしろ安定した環境でスキルを磨ける、良い職場のイメージが徐々に広まってきているようです。最初から「きついからやらない」と決め付けてしまうのではなく、就職・転職先のひとつの候補として、改めて製造業の募集要項を見てみることもおすすめします。
メーカー
機械設計の転職先とは?転職で失敗するパターンと成功の5つのポイント
メーカー
機械設計の年収水準は?年収アップに必要なスキルや転職のコツも
メーカー
【例文つき】機械系エンジニア(機械設計)の志望動機の書き方やポイントを紹介