更新日:2024/06/20
この記事のまとめ
女性の20代は人生の大きな転換期を迎える時期。この時期に転職を考える方は少なくないようです。今後、結婚、出産、子育てという道をとおる場合、ワークライフバランスが変わってきます。ライフプランを考慮しての転職、より高いポジションを目指すための転職など、20代女性の働き方の多様性は同世代の男性より幅広いかもしれません。
ゆえに、転職に際して悩む方も多いでしょう。そこでこの記事では、20代女性の転職事情と、そのベストタイミングをご紹介します。転職成功のポイントを心得えて、理想の環境への転職成功を目指しましょう。
目次
20代といえば、これからどのようなキャリアを築いていくべきか迷う年頃ではないでしょうか。「バリバリ働いてキャリアを積み上げていきたい」「もっと自分の可能性を追求したい」といった仕事への思いがある一方、結婚を意識し出す年齢ともいえます。
こういったデリケートな事柄を考慮しつつ、総合的に人生のワークライフバランスを考え、状況によっては転職も検討しなくては......。そのように悩んでいる、20代女性も多いのではないでしょうか。そこで、実際に転職した20代女性がどのような理由で転職に踏み切ったのか。その事情について掘り下げます。
株式会社マイナビが2022年3月に発表した転職動向調査(2021年実績) によると、20代女性が転職活動を始めたきっかけとして、以下の項目が上位を占めました。
このような理由を挙げた女性が多かったのですが、これはある意味「やむを得ない転職」だったとも受け取れます。一方で、以下のような前向きな理由で転職した方もいます。
「この職場ではこれ以上ステップアップできない」と感じたら、思いきって転職の道を選ぶのもよいのかもしれません。
また、厚生労働省が行った調査によると、「結婚による離職」が20代後半の25歳~29歳で最も高くなっています。同じ20代でも、20代前半(20歳~24歳)と20代後半(25歳~29歳)では結婚、出産・育児に関する離職の割合が異なっていると分かります。同じく厚生労働省が行った調査によると、若年層が働いている理由として最も多かった上位3つの回答は、
<20歳~24歳>
<25歳~29歳>
となっています。20代前半は「自立のため」に働いている回答に対し、20代後半は「主たる稼ぎ手として生活を維持するため」に働いている回答がありました。離職理由と併せて見ても、20代前半、後半では違いがあります。
参照:令和3年雇用動向調査結果の概要|厚生労働省
参照:平成30年若年者雇用実態調査の概況|厚生労働省
厚生労働省の調査によると、企業が若年層の採用選考にあたり重視している点は「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」の回答が多くなっています。ここでは、20代前半、後半女性が転職で求められるものについて解説していきます。
20代前半は社会人経験が浅いため、比較的転職しやすい世代であるといえます。主に基礎学力や人柄、仕事に対する価値観などで合否を決める企業が多いでしょう。社会人経験が浅いとはいえ、新卒者と違って社会に出ている実績をアピールできれば、専門的なスキルが不十分であっても前向きな印象を残せるケースも。
一般的に転職は若い方が有利になる場合が多いため、20代前半という年齢を活かし、幅広い求人に目を向けましょう。
同じ20代でも、20代後半となると企業の見方が変わります。20代前半よりもスキル面が重視され、即戦力が求められるのがこの世代。多くの場合、業務において必要となるテクニカルスキルが求められます。持っているスキルを羅列しただけでは、企業から高い評価は得られないでしょう。これから会社でどう活躍したいか熱意を伝える工夫が必要です。
ここでは、20代女性が転職で得られるメリットについて考えてみましょう。
女性の大きなライフイベントである出産と子育て。たとえば、「産休後の復帰のしやすさ」や「柔軟な勤務体制」「突然の休みが取れるかどうか」など、現在働いている会社がそうしたライフイベントにどれだけ協力的なのかは気になるところです。
もし、現在の職場が出産・子育てに協力的な環境が整っていなければ、結婚の具体的な予定がないうちに働きやすい会社に転職しておいたほうがよいかもしれません。
出産・子育てを控えてからの転職であれば、出産の準備と重なって、転職に集中できない場合もあります。企業側も入社早々に長期休暇を取るのではないかと思い、積極的な採用をしないケースもあるでしょう。予定がないうちに先を見越した転職ができるのは、20代の特権かもしれません。
現在の会社に就職してからの経過年数にもよりますが、ひとつの会社で3年以上働けば、少なくともその職種ではほかの会社も「即戦力」として認めてくれるでしょう。社会人マナーも含め、一から仕事を教えなくても済むのは会社にとって大きな魅力です。
30歳を過ぎてからの転職となると、20代女性に対してあきらかに優位に立った専門知識やスキルがなくては、転職競争で不利です。同程度のスキルであれば、やはり若い人のほうを採用したくなるのが人事の本音でしょう。経験年数が長いと仕事への「慣れ」は深まるにせよ、前の職場のやり方が新しい会社でそっくり活かせるわけではありません。
キャリア志向の強い方の場合、「いまの職場ではこれ以上レベルの高い専門性やスキルは身につけられない」と思ったら、まだ「若さゆえの可能性」がプラス評価してもらいやすい20代のうちに転職しておいたほうが後々有利かもしれません。
20代での転職は、スキルや実績よりも将来性や人柄が重視される傾向にあります。そのため、未経験での転職や異業種への転職のハードルも比較的低いといえるでしょう。20代半ばまでであれば、挑戦したい新しい仕事に転職できるチャンスはまだまだ大きいでしょう。
20代はいまの段階でスキルが不十分であっても、「物事を吸収する力が高いからすぐに成長してくれるのではないか」という可能性の部分を見込んで採用してくれる企業も少なくありません。そのため、30代以降よりも転職先の選択肢が多い20代のうちに転職しておくのがおすすめです。
転職するタイミングは人それぞれですが、20代女性が転職するベストタイミングは20代半ばを過ぎた25歳~27歳頃です。この時期であれば、仕事のスキルやビジネスマナーがある程度身についているだろうと企業も考えます。まだ20代半ばのため、これからの成長も期待でき、この先も長く働いてもらえると前向きに考えてもらえます。
しかし、20代半ばに結婚や出産を控えている場合には、転職するベストタイミングとはいえません。結婚、出産を控えている女性の採用の場合、不安を感じる企業や担当者は少なくないのが実情です。結婚してからも仕事を続ける女性もいますが、そのまま家庭に入る方もいるため、「せっかく採用したのに結婚や出産を理由に短期間で退職されては困る」と企業は考えてしまうのです。
したがって、すべての20代女性にとって転職のベストタイミングが20代半ばであると断定はできません。自身の置かれている状況やライフプランをもとにしっかりと判断しましょう。
転職を成功させたい場合、しっかりと目標を持つ必要があります。併せて、目標への意識も高めておかなければなりません。同じ20代でも、年齢によって意識したいポイントは変わってきます。ここでは、20代前半と後半の意識の違いをご紹介します。
「自分が何をしたいか」と「企業にどのように貢献できるのか」を分けて考える必要があります。社会人としての生活に慣れ、置かれた環境に不満を感じてきやすい20代前半。この時期は第二新卒とも呼ばれ、キャリアの選択肢は多いものの、明確なビジョンを描くのが難しい時期でもあります。
待遇のよさだけを重視すると、転職本来の目的を見失ってしまう恐れがあります。まずは、やりたいことに目を向け、どうしたら目標をかなえられるかを考えてみましょう。
ある程度の社会人経験を積み、マネジメント力にも期待される20代後半。転職となると、職種や業種における専門的なスキルを要求される世代でもあります。企業側は、即戦力とポテンシャルの高さ、その両方に期待するでしょう。
企業ニーズが高いメリットはありますが、需要が高まるこの時期だからこそ、しっかりとキャリアプランを構築する必要があります。「ほかの業界で学びたい」「働き方をガラリと変えたい」などと望む場合、キャリアを棚卸ししたうえで、夢をかなえるためのキャリアチェンジも検討してみましょう。
行き当たりばったりの転職活動で、転職を成功させるのは難しいでしょう。転職で自分が望む働き方を実現したいのであれば、事前に業界研究や企業研究をしたうえで、自分なりの基準を持って企業を選定する必要があります。
また、採用率を高めるためには、社会人としてのマナーの習得も大切です。ここでは、転職成功のための事前準備を紹介します。
一言で「仕事」といっても実にたくさんの業界があり、その業界で必要とされる職種は多岐にわたります。自分が知らない世界をのぞいたら、適職が見つかる場合もあるでしょう。
気になる仕事をピックアップした後は、そこに自分らしさを発揮できる企業があるかを確認するのも忘れずに。入念に企業研究をして、転職本来の目的を達成できるか確かめましょう。
結婚や出産などのライフイベントとキャリア形成、どちらも転職先の選定に大きく関与します。近いうちに結婚や出産の予定がない方も、ライフプランを想定したうえで転職活動を進めるとよいでしょう。
「結婚したら残業はしたくない」「子どもが生まれたら時短勤務を選びたい」など、今後のライフプランを考慮してある程度の基準を定めておくと、長期的に活躍できる職場と出会えます。
第二新卒以上の転職者となれば、企業側は応募者に対して、ある程度のビジネスマナーを習得している人材だと期待します。ビジネスマナーが身についていると、企業側は育成コストを削減できるため、そういった面から第二新卒を優遇する企業もあります。
30代や40代と比較すれば、20代は社会人経験の少なさゆえに、マナーの習熟度が低いかもしれません。ですが、基本のビジネスマナーは押さえておきましょう。身だしなみや言葉遣い、コミュニケーションのマナーは、特に注目されやすい部分です。
データに基づいた転職理由や転職のメリット、転職のベストタイミングをチェックするだけでは、転職成功を実現するのは難しいでしょう。ここからは、いざ転職したいと思い立ったときに、転職を成功させるための6つのポイントをご紹介します。
「職場の環境が悪く、いますぐにでも転職したい」と思う方もいるでしょう。しかし、一時的な感情で退職をすると失敗するかもしれません。まずはなぜ辞めたいのか、なぜ転職したいと思ったのか、その理由を明確化するのがポイントです。そして、今後の自分はどうしたいのか、この先の人生をしっかり考えましょう。
人気の高い一般事務職などを目指す人は、厳しい競争に負けないためのセールスポイントが欲しいところです。「TOEICスコア800点」という英語スキルや「他部門にわたって組織をまとめるマネジメントをした経験」など、履歴書や職務経歴書などに「一言で書ける」分かりやすく特別なスキルをいまのうちに身につけておきましょう。
現在の職種や転職したい職種にもよりますが、有利な転職を実現し、末永く安定して働きたい方は手に職をつけるのが有効です。
厚生労働省の「一般職業紹介状況」の資料でも、看護師や介護サービスなど専門性の高い職業はニーズが高い傾向があります。何かの専門分野に関心の高い方であれば、夜間の専門学校に通う、通信教育を受けるなどして専門性の高い資格を取得するのもよいかもしれません。
「3年後あるいは5年後、あなたはどんな風に働いていたいですか」採用面接では、よくこういった質問が投げ掛けられます。採用担当者はあなたの仕事観、人生観、価値観、理想とするワークライフバランスを知りたいのです。
こうした質問に的確に回答し会社から魅力的な人材だという評価を受けるためには、あなたが自分のライフプランをしっかり持ち、将来のビジョンを語れるようにしておくのがポイントです。
人生を変えるといっても過言ではない転職。それを成功させるためには、多くの時間と準備が必要です。何をすればよいのか分からないまま、時間が過ぎてしまうよりは、転職のプロである転職エージェントに相談して一緒に進めていくのもよいかもしれません。
20代は未経験での転職、異業種への転職が比較的容易です。しかしながら、転職する際には入りたい企業が求めている人材やスキルを調査し、それがいまの自分のスキルや経験とどのように結びつくかを知るのがポイントです。
情報収集を怠ったために「思っていた仕事と違う......」と感じてしまい、早期に退職してしまっては、同じことの繰り返しです。企業とミスマッチを起こさないよう、しっかりと情報収集をするよう心掛けましょう。
転職活動を始めるタイミングに悩む方もいるかと思いますが、できれば現職を続けたままで転職活動を開始するのが良策です。退職後に転職活動を始めて、すぐに新しい職場が見つかるとは限りません。ブランクが長くなれば、焦りや不安から転職先を妥協してしまうケースもあるでしょう。
退職後の無収入の状況下で転職活動を進めると、経済的な負担も大きくなります。現職の業務と転職活動との並行には労力を要しますが、転職活動をサポートしてくれるさまざまなサービスも存在します。少しでも負担を減らして転職活動を進められるよう、自分に合ったサービスを検討してみるのもひとつの手です。
これから転職を考えている20代におすすめしたいのが、転職エージェントの活用です。転職活動というとすべてひとりでやらなければならないと思いがちですが、転職エージェントでは専任のキャリアアドバイザーが一人ひとりに寄り添い、転職活動を手厚くサポートしてくれます。
マイナビエージェントでは、転職サイトに掲載されていない非公開の求人も数多く保有しています。キャリアの棚卸しから書類添削や面接対策、入社日の調整や入社後のアフターフォローまで、一貫したサポートを受けられるので安心して転職活動に臨めます。相談のみの利用も可能です。転職に関して不安や疑問がある方は、積極的にマイナビエージェントにご相談ください。
転職を考える理由はそれぞれであり、転職に適したタイミングも、置かれた状況やライフイベントとの兼ね合いによって異なります。辛い環境を強いられている場合、無理にその職場にいる必要はありませんし、単に嫌なことがあったらからといって転職を即決するのもおすすめできません。さまざまな事情を考慮して、よりよい未来が想像できるタイミングで一歩を踏み出しましょう。
将来どのような環境で活躍したいか、それを決めるのは「いまの自分」です。自分の未来を切り開くために、新しい一歩を踏み出しましょう。
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