仕事を辞めるタイミングや転職活動を始める時期には慎重になりましょう。タイミングを誤ると現職に迷惑をかけたり、スムーズに転職先が決まらなかったりするためです。しかし、いつ転職活動を始めればよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、転職を考えている女性に向けて仕事を辞めるタイミングはいつがベストなのか詳しく解説します。適切なタイミングを知って転職を成功させましょう。

女性に多い仕事を辞めるタイミングは？

厚生労働省の「令和３年雇用動向調査結果の概況」によると、「そのほかの個人的理由」と「定年・契約期間の満了」を除いて女性の転職理由で最も多いのは「労働時間、休日などの労働条件が悪かった」で10.1％です。

労働条件に納得して入社したとしても、長く働くうちに職場に求める条件が変わってくることもあるでしょう。また、結婚や出産といったライフイベントによって働き方が変わってくる場合もあります。

労働条件の次に転職理由として多いのは、「職場の人間関係が好ましくなかった」で9.6％です。職場の人間関係を自分の力で改善するのは難しいため、転職で解決したほうが早いと考える方は多くいます。

参照：令和３年雇用動向調査結果の概況｜厚生労働省

女性が「仕事を辞めたい」と考えるタイミング5選

退職を考えている場合は、次の転職に活かすためにも「なぜ仕事を辞めたいのか」を明確にすることが大事です。仕事を辞める理由が曖昧なまま転職してしまうと、同じような理由でまた「辞めたい」と考えてしまう場合があります。仕事を辞めたい理由を言葉にするのが難しい場合は、以下で紹介する主な転職理由を参考に考えてみてください。

いまの職場に将来性を感じない

自身の今後のキャリアを考えるうえで、現職で働き続ける価値があるかどうかは大事なポイントです。この先長く働き続けても昇進や昇給が見込めなかったり、スキルが身につかなかったりすれば、転職を考えてもよいでしょう。

特に年齢が若い場合は、将来性のない職場で働くと自身の貴重なキャリアを無駄にしてしまいかねません。自分の理想とするキャリアのゴールがある場合は、それを実現できる環境で働きましょう。

仕事にやりがいを感じない

仕事にやりがいを感じない場合、働くことがつらく感じてしまうことがあります。モチベーションが低下したまま働き続けると、自身の成長をも妨げてしまうでしょう

仕事にやりがいを感じない主な原因としては、「自分のスキルが活かせる部署に配属されなかった」「やりたい仕事ができなかった」などが挙げられます。現職でやりがいを見いだすのが難しい場合は、自分のやりたい仕事や興味のある分野を整理して転職するとよいでしょう。

プライベートとの両立が難しい

長時間残業や休日出勤によってプライベートとの両立が難しくなり、仕事を辞めたいと考える人が多くいます。労働時間が増えると体力的にも精神的にも負担がかかり、健康面で大きな支障をきたすケースも珍しくありません。病気になれば、社会復帰が難しくなる場合もあります。

仕事のパフォーマンスを上げるためにも、プライベートを充実させることは重要です。もしプライベートの時間を十分に確保できず、ストレスや負担を感じている場合は転職を考えてもよいでしょう。

仕事のストレスによる体調不良が見られる

社風になじめない、職場の人間関係がうまくいかないなど、仕事にはさまざまなストレスが伴う場合があります。ストレスをうまく発散できず無理して働き続けると、精神的な病気を患ってしまいかねません。

もし過度なストレスを抱えている場合は一度誰かに相談したり、専門家のカウンセリングを受けたりするとよいでしょう。また、転職して職場環境を一新するのも選択肢のひとつです。

ほかの職種に転職したい

興味のある業界や職種に挑戦するために転職を考える人もいます。特に第二新卒や年齢の若い人ほど、働いているうちに自分の将来の目標やビジョンが定まり、転職したいと考えることも多いでしょう。

異業種への転職は、年齢を重ねるほど難しくなります。転職を決意したら、慎重になりつつも早めに行動するのがおすすめです。「あのとき転職しておけばよかった」と悔いが残らない選択をしましょう。

【ライフサイクル別】女性が転職するベストなタイミング

年齢やライフステージの変化によって転職におすすめのタイミングは異なります。転職のタイミングを間違えてしまうと、長く働くことが難しくなったり理想のキャリアが築けなかったりするため注意しましょう。ここでは、ライフサイクル別におすすめの転職のタイミングを解説します。

20代で転職するなら

人手不足が深刻で新卒だけでは必要な人材を確保できないケースが増えています。そうした企業がターゲットにするのが「第二新卒」です。第二新卒とは、学校を卒業後1年～3年で転職を志す人たちのことで、大卒の場合、年齢にすると25歳前後です。

第二新卒の採用に企業が積極的なのは、必要な若年層の人材確保ができるとともに、新卒ほど教育の手間がかからないのが理由のひとつです。「社会に出た後にキャリアプランが変わった」「30歳を過ぎてもいまの会社で働き続ける自分を想像できない」といった場合には、早めにキャリアチェンジするとよいでしょう。

30代で転職するなら

30代からの転職は、未経験分野での転職と経験のある分野への転職とでベストなタイミングが変わってきます。もし未経験分野への転職を希望する場合には、早ければ早いほうがよいといえます。個人の能力差はありますが、一般的に若い人のほうが知識や技術の吸収が速く、より成長の余地があると判断されることが多いためです。

また経験分野への転職の場合、現場で即戦力として活躍することを望むのであれば30代前半がよいでしょう。管理職も視野に入れての転職であれば、前職で管理職としてのスキルを身につけた30代後半がベストなタイミングだと考えられます。

結婚をきっかけに転職するなら

結婚する場合には、結婚後にパートナーの仕事の関係で退職や転職せざるを得ない場合があります。そうした外的要因とは別に、残業が多くハードな仕事に就いていて、この先理想のワークライフバランスの実現が難しいと判断した場合には早めに転職するのもひとつの選択肢です。

出産をきっかけに転職するなら

入社後1年未満の育児休業が認められていない企業で働いている場合や、保育園の空きがなく就業中に子どもを預けられないケースでは、出産後に仕事が続けられないことがあります。また、子どもが小さいうちは急に仕事を休む必要があることも多いため、企業から採用を敬遠される可能性も否めません。出産後の転職は、子育てがある程度落ち着いてからするのがおすすめです。

【共通】女性が転職するベストなタイミング

「転職したい」という気持ちが強くても、すぐに行動するのはおすすめできません。転職にはベストな時期があります。現職を円満退社するだけでなく、転職先の選択肢を増やすためにも転職に最適なタイミングを見極めましょう。ここでは、転職におすすめのタイミングを紹介します。

求人が増える時期

一年の中で、特に中途採用が活発になる時期は3月と9月といわれています。この時期は年度の切り替えに伴う退職者の補充が必要であったり、新規プロジェクトの開始時期であったりするため、中途採用のニーズが高まる傾向にあります。

次いで求人が多いのは、夏のボーナス後に退職する従業員の補充を行う6月です。転職を考えている方は、この時期を狙うと選択肢が増えるでしょう。

企業の閑散期

現職に迷惑をかけずに円満退職、および転職できる時期は企業の閑散期です。閑散期は業務量も比較的少なく、仕事の引き継ぎがしやすくなります。一方で企業の繁忙期に転職してしまうと、「なぜこの時期に転職するのか」「人手不足なのに」と不満を持たれるケースも少なくありません。

円満退社を希望するのであれば、できる限り現職の都合を考慮して転職のタイミングを検討してみてください。

賞与が支給された後

賞与が支給された後も、転職に適したタイミングのひとつです。賞与を受け取ってから退職すれば、経済的な余裕につながります。焦らずに転職活動を進めたい方は、賞与の支給タイミングを把握し、逆算して転職のスケジュールを立てるとよいでしょう。ただし、賞与の支給前に退職を申し出ると賞与額が減額される可能性がある点には注意が必要です。

女性が仕事を辞めるタイミングと転職に対する疑問

転職は人生の大きな転機であり、さまざまな不安や疑問を持つ方も多いでしょう。少しでも前向きに転職活動を進めるためには、疑問点・不安点を事前に解消することが大切です。ここでは、女性が仕事を辞めるタイミングと転職に対する疑問を3つ紹介します。

女性の転職は年齢が低いほど有利？

男女問わず転職市場で有利なのは、「社会人を3年～5年経験した頃」というのが定説です。中途採用者に対しては、企業は即戦力としての活躍を求めます。社会人になってから3年～5年目は、社会人として必要とされるマナーや仕事のスキルが身についている時期といえます。また、在籍する会社のやり方や企業風土に染まりきっていないため、新しい職場環境に比較的なじみやすいとも考えられています。

社会人になるタイミングは学歴により人それぞれであり、判断基準は年齢ではなく、あくまでも社会人経験の年数です。若ければ若いほどよいわけではありません。

30歳を超えたら転職が難しくなる？

年齢や性別にかかわらず人材を募集している会社は多く、30歳を過ぎても転職を成功させている女性は数多くいます。それでも20代と比較すると、一般的に30代は転職が難しいとされています。その理由は以下のとおりです。

• 未経験の業種や職種へ転職する場合、20代と比較されると伸びしろがないと判断されてしまう
• 30代後半になると、転職の際に管理職としての資質を求められるため、経験やスキルがないと敬遠されてしまう
• 30代の場合、結婚や出産・育児を機に退職するのではと不安に感じる企業が多い

30歳を超えて転職活動をする場合には、それまでに実績やスキルを積み、企業の懸念点を解消する明確なキャリアプランを示す必要が出てきます。一方で、しっかりとキャリアプランを構築していれば30歳を超えても問題なく転職できるでしょう。

結婚や出産と転職のタイミングの関係は？

結婚や出産といったライフステージが変わるタイミングで転職するのがベストかどうかは、状況によって異なるため一概にはいえません。結婚や出産によって働き方を変えたい場合や、求める労働条件が変わった場合は転職を検討するのもよいでしょう。

たとえば、結婚によって住まいが変わり通勤時間が長くなった場合は転職を検討するのも手です。ほかにも、「リモートワーク制度がある」「柔軟に休める」など育児と両立しやすい仕事に転職するのもよいでしょう。いずれにせよ、結婚や出産を控えている場合は今後の働き方について家族とよく相談することが大切です。

仕事を辞めるタイミングで悩んだらマイナビエージェントに相談を！

新たなキャリアへの一歩を踏み出すには、大きな決断が必要です。少しでも転職に関する不安や悩みがあれば、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。

転職のノウハウに精通したキャリアアドバイザーがあなたの転職に関する疑問や置かれている状況を丁寧にヒアリングし、分析したうえで適切な転職のタイミングについて説明します。履歴書の添削や面接対策など転職成功に向けた支援もいたしますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

現職で大きなストレスを抱えている場合や体調不良になっている場合は、転職を検討するとよいでしょう。さまざまな「働きやすさ」がある中で、いまの自分にとって働きやすい会社はどのようなところなのかを考え、それに合った転職先を選ぶことが大切です。

マイナビエージェントにご相談いただければ、あなたの経験やスキル、希望に合った働きやすい転職先を紹介いたします。相談だけの利用も可能なため、少しでも悩みがある方は一度ご相談ください。