更新日:2022/05/27
この記事のまとめ
IT営業は厳しいノルマやトラブル対応といった過酷な印象があります。厚生労働省による令和2年度のIT業界の離職率は、入職率と同じ8.5%です。将来のビジョンが見えず転職を考え、実行しているという実態が分かります。
IT営業で培ったスキルはどのような仕事に生かせるのでしょうか。この記事では、IT営業の転職先におすすめの業種・職種を紹介します。「IT営業よりメリットの大きい職種に転職したい」「IT営業の経験から評価されるスキルを知りたい」といった疑問も解決するでしょう。
目次
営業職は全体として離職率が高い職種ですが、IT営業に関しては、一定期間経験を積んだタイミングで転職する傾向があります。その背景には、IT営業という仕事に起因する4つの理由があります。ここでは、4つの理由それぞれの詳細をみていきましょう。
IT営業は扱う分野が非常に幅広い業界です。さまざまな知識が身につく一方で、専門的な分野に特化して上を目指すことが難しく、ほかの業種に比べると明確な上位ポジションがありません。
分野が広い分、仕事内容が細分化されており、役職にも独自の名称がつけられています。そのため、IT企業でキャリアアップしても、一般的に評価されるようなスタンダードな経歴を示せません。このように将来のビジョンが不明瞭であることが転職につながる原因のひとつです。
営業職はノルマが設定されている場合があります。IT業界は専門的な分野で顧客へのプレゼンも難しく、販売ノルマの達成は簡単ではありません。
ノルマの厳しさは企業によって異なり、現代社会ではパワハラが横行するようなケースは減少しています。とはいえ、ノルマがあれば外回りの時間が増えるうえに、達成できないことに悩む方もいるでしょう。このようなノルマによるストレスから転職を考えるケースも少なくありません。
自身が販売した商品に関してトラブルが起きることもあるでしょう。IT営業が取り扱うのはソフトウェアやハードウェアといった技術的な商品が多いため、トラブルが起きた際は技術者に同席する形で現場に赴く機会が多々あります。
このとき、営業は顧客の要求や技術者の言い分、両方に対応しなければなりません。トラブルが長引くと、長時間労働につながる場合もあります。このようなトラブル対応によるストレスも転職が増える要因のひとつです。
IT営業は顧客先への訪問や会議といったさまざまな業務を担っています。特に、顧客との打ち合わせは相手次第でスケジュールが決まるため、自分のペースで仕事を進めることが困難です。場合によっては、当日に出張を求められることもあるでしょう。
このように、連日変わるスケジュールがストレスに感じる場合、転職したいと考える方も増えてしまいます。
IT営業は過酷な業務を経験する中でさまざまなスキルを得られます。IT営業で培った経験やスキルが転職先でどう評価されるか理解することで、履歴書や面接で有効なアピールができるでしょう。ここでは、転職先から評価されるIT営業のスキルを紹介します。
IT営業はさまざまな商品・サービスを提案する際に、複雑なシステムのような技術的な説明をします。そのため、販売実績のある営業は専門知識を分かりやすく相手に伝える能力を備えています。
このような能力は、人と関わる仕事で重宝されるスキルです。さらに、積極的に商品とサービスについて学び、理解できる人材であるという証明にもなります。
IT営業は顧客の情報を的確にリサーチして理解し、最適な商品やサービスの提案・改良へとつなげます。そのため、実績のある人材は相手の話を聞く力や聞き出す力を備えています。
このようなスキルは、他業種でもチーム内や他部門とのやり取りで生きるため、非常に役立ちます。顧客を相手にする業種や職種であれば、より重宝されるでしょう。
IT営業において、会話の言語能力や理解力は重要です。また、人を相手にする仕事である以上、良好な人間関係を築く力も身につきます。商品の品質だけでなく、顧客に人間性を評価されたことが成果を上げる要因となる場合もあるでしょう。
これらのスキルは、顧客だけでなく社内のチームや他部門の社員との関係性にプラスに働きます。周囲の人たちと長く良好に付き合える方は、転職先でも評価されるでしょう。
IT営業で得たスキルを生かすには、どのような仕事を選べばよいのでしょうか。営業スキルだけでなく、専門性の高いIT知識があれば選択肢は豊富です。ここでは、IT営業の転職先としておすすめの業種・職種を紹介します。
人事やマーケティングのようなバックオフィスは、営業を後方から支援する役割を担っている職種です。特に、マーケティング部は顧客を絞り込み営業活動をサポートします。
したがって、バックオフィスでも専門的な知識は不可欠です。同じ業種であれば、業界や顧客に関する知識がすでに備わっているため、転職でも有利でしょう。
IT営業にはさまざまな関連職種が存在します。営業職にこだわらないのであれば、関連職業もおすすめです。企業により異なりますが、営業から派生しているため知識をそのまま生かせます。具体的な職種は以下のとおりです。
インサイドセールスは電話営業、パートナー営業は販売代理店を相手に営業します。いずれもノルマはあっても飛び込み営業ではないため、顧客対応におけるストレスは減らせるでしょう。
ITコンサルタントとは、顧客となる企業のIT分野における課題を解決する仕事です。最適なシステムを提案し、顧客からの信頼を得る必要があるため、専門的な知識や最新情報を素早くキャッチする能力が求められます。
専門性が高く経験値によってはハードルが高い職種であるため、エンジニア職を経験して必要な知識や資格が習得してから挑戦するのもひとつの方法です。
年収を上げることが転職理由であれば、外資系のIT企業がおすすめです。日本のインフラ、データベース、サーバー、ネットワークといった技術の多くがアメリカの企業により生産・販売されています。外資系のIT企業は大きな売上を達成しており、それが年収にも反映されています。
高い役職を目指す場合は英語スキルが必須ですが、転職自体は知識とノウハウが身についていれば問題はありません。
営業で得たIT関連の知識があれば、幅広い知識を必要とするITエンジニアも目指せます。ただし、ITエンジニアはプログラミング言語やネットワーク、サーバーに関する専門的な知識や技術力が必要です。
「実はエンジニアのような技術職がやりたかった」という方で、これから熱心に勉強していく意欲があれば転職を検討してもよいでしょう。
同じIT業界でも、ソリューション提供の営業からハードウェア販売やエンジニアのような技術職への転職といったように、さまざまな職種に挑戦が可能です。短いスパンで技術が進化するIT業界に携わっていれば、特定の領域に魅力を感じることもあるでしょう。
営業職はさまざまな領域の方と関わり専門知識を習得しているため、同じ業種内であれば知識を生かせます。このような経緯から、多くの方が同じ業種内で転職する傾向があります。
IT営業から転職する業種や職種の選択肢は数多くあります。ただし、年収や仕事内容に対して抱いていた不満が必ずしも解決するとは限りません。ここでは、IT営業から転職する際はどのような点に注意すべきか解説します。
自身のスキルを評価され、ヘッドハンティングされた場合は高収入が期待できます。ただし、一般的な転職においては、企業によって年収の基準はさまざまです。
企業選びに失敗すると、収入が上がるどころか下がるリスクもあります。特に、未経験の分野の場合、いまより年収が下がることを覚悟したほうがよいでしょう。給与や福利厚生といった内容を事前に確認したうえで、自身の転職先としてふさわしいか判断する必要があります。
顧客や他部門の方とのコミュニケーションを負担に感じ、営業職からの転職を決断する方もいるでしょう。ただし、仕事においては、ほとんどの企業や部門でコミュニケーションスキルが求められます。
たとえば、PCに向かって黙々と仕事をするイメージがあるエンジニア職でも、チーム内のやり取りは必須です。また、セールスエンジニアのように営業スタッフに同行して顧客に技術的なサポートをする職種もあります。コミュニケーションが負担に感じる方は、どの程度人と関わるのか事前にリサーチしておきましょう。
IT営業のノルマやトラブル対応に大きな負担に感じて転職を考える方もいるでしょう。IT営業を経験した方はIT業界に関する専門的な知識だけでなく、相手に正しく伝える能力や理解力、良好な人間関係を築ける能力を持っています。これらのスキルを生かせる職業は多数あるため、視野を広く持って転職活動に挑みましょう。
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