更新日:2022/07/05
営業の仕事で「新規開拓」と聞くと、テレアポや飛び込み営業など、体育会的でガムシャラな働き方を連想する方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、それも立派な営業職ですが、新規開拓の営業職を募集している会社のすべてが、そうした働き方を求めているわけではありません。ガムシャラな営業が功を奏す業界や商品、サービスもありますが、そうした手法では効率が悪い業界も多いのです。特に法人営業の場合は、大半がそれにあたります。
ここでは法人営業の新規開拓の仕事内容や、転職を検討する際のポイントなどについてご紹介します。
目次
営業の仕事でいう「新規開拓」は、ご存じのとおり、新しい顧客を獲得し、事業を拡大していくことです。
しかし、法人営業の場合は、相手が企業になることから、継続的な取引きが見込める「常連顧客を新規に開拓する」という意味合いが強くなります。
法人向けの新規開拓といっても、会社の状況や扱う商品、サービスによって、会社が法人営業に求めることは変わります。ここでは、会社が法人営業に期待し、求めていることを6つに分類してみました。
創業間もないベンチャー企業は、事業の柱となる安定顧客が少ないため、事業の拡大に伴って「新規開拓で新たな安定顧客を獲得してほしい」という強いニーズを持っています。
企業が新部門を設立した場合や、特定の部門の急成長を狙って事業拡大する場合も、ベンチャーと同様、新規開拓営業活動が重要な業務となります。
メーカーが新しい分野の商品開発に成功した場合や、商社、販売会社が従来扱っていなかった商材を扱い始めた場合は、既存顧客だけでは販売先も限られますので、新規開拓を求めることがあります。
B to Bビジネスを展開する企業が、営業活動の一環として
資材メーカーや商社、販売会社など、B to Bビジネスをメインの事業にしている会社が、通常業務の既存顧客の管理に加え、営業活動の一環ということで、新規取引先開拓を求めてくることがあります。
保険業などに多く見られますが、一般営業職育成の一環として、自社商品の販売方法を身に付けてもらうために、新規開拓をさせる場合があります。
「1回売ったら終わり」というタイプの商材を法人向けに扱っている販売会社などは、新規顧客が必要となります。もちろん、アフターフォローや買い替え需要の促進など、継続的な営業活動は法人営業に付き物ですが、今後の買い替えスパンが長い商材や買い増しの可能性が低い商材などは、次々に顧客を開拓していかなくては販売先が枯渇してしまいます。
これは、比較的個人営業に近いスタイルの営業といえるでしょう。
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新規開拓をする法人営業にも、ほかでは得られないおもしろさや、やりがい、魅力があります。
営業職の中には、「今期はいくら売った。来期もっと売ってインセンティブをどんどん稼ごう」というタイプの仕事も数多く見られますが、法人営業の新規開拓には、顧客との信頼関係が深まっていくにつれて、次第に大きなビジネスに成長させていくというおもしろさがあります。
個人営業の多くの顧客は「購入を通じて満足を得る」ことを求めているのに対し、法人営業の多くの顧客は「取引きを通じて自社の利益を大きくする」ことを求めています。このため、顧客に利益を与える商材を販売することが法人営業の大きな役割となります。
顧客との関係を良好に保つためには、取引きを通じて、いかに顧客に自社商材を活用して利益を上げてもらうかを考えなくてはなりません。
ともに潤い、ともに成長していく。そういう顧客を増やしてビジネスを拡大していくことが、法人営業の新規開拓のやりがいにつながっていきます。
営業職には豊富な人脈が欠かせません。
上記のような顧客をたくさん抱えることで、みずからも成長し、ビジネスは大きく育っていきます。
もしも、業界知識が深まり、懇意な顧客が増えたとしたら、その業界を対象とした他の商材を扱ったり、あるいは他社に転職して別の角度から営業活動を進めていったりすることができるでしょう。
営業職の転職を希望している方が、新規開拓する法人営業の求人案件を検討する際、注意しておいたほうがいいポイントをご紹介します。
求人案件情報を比較・検討するとき、つい業務内容や待遇などに目を奪われてしまいがちですが、募集背景にもじっくり目を通しましょう。募集背景についての説明がない情報でも、その企業の業種や仕事内容をじっくり読んでいくうちに、どのような意図で新規開拓要員を募集しているのか、入社後に求められる働き方がどのようなものかが浮き彫りになっていきます。
「この会社は売り切り型の商材が多いので、次々に注文を取ってこなくてはいけないのか」「新分野への進出に伴う求人か。やりがいがありそうだな」といった推察がしやすくなり、自分との相性が良い企業、自分の適性が高いと思われる企業を選択することができるでしょう。
例えば、その会社がインバウンドを呼び込むための情報戦略をとっており、WebサイトやCM、広告記事などを読んで問い合わせてきた見込み顧客に対して、営業活動をするということであれば、新規開拓であってもゼロから見込み顧客を探すより、遥かに効率がいいでしょう。
これに対し、いまだに根性論で「テレアポをしまくれ。営業は足で稼げ」といった戦略のない特攻を繰り返しているような会社の新規開拓は、よほど商品力の高い商材を扱っていない限り、難しいのではないでしょうか。
これは法人営業、個人営業を問わず、新規開拓をしていく上で重要なポイントです。見込み顧客に対して、「当社と契約することで利益をもたらすことができる」と自信を持っておすすめできる商材を扱っているかどうか。これは営業職という仕事に誇りを持ち、高いモチベーションを維持していく上で欠かせないものです。
また、新規開拓の仕事を選ぶ上で、「同業他社の類似の製品、サービスに対して強い差別力を持っているか?」「この商材の販路について、どのような業種、業態の会社がふさわしいか見当がつくか?」「自分はその業界に対する知見や強みを持っているか?」といった点も重要なポイントになるでしょう。
そもそも営業職にとって、新規開拓はメインの業務に含まれることが多いでしょう。募集職種に「新規開拓」と書かれていなくても、新規開拓を求められることもありえます。
また、一般的な営業職は、ノルマを課せられるケースが多いでしょう。しかし、法人営業の新規開拓の場合、「今期の売上はいくらか」よりも「見込み顧客や新規取引先をどれだけ開拓したか」あるいは「件数よりも新規取引先が大口顧客または安定顧客になる有望性を重視する」といった評価が企業の事情によってまちまちで、一概に「新規開拓だからたいへん」といった判断はあてはまらないといっていいでしょう。
求人情報だけでは、そういった企業の事情まではわからないものです。そういったときは転職エージェントをご利用ください。業界に詳しいキャリアアドバイザーが、転職先選びをサポートいたします。
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