転職という行為が一般化したことで、自分の可能性を広げられるさまざまな選択ができるようになりました。しかしそれに伴い増えているのが、自分に合った転職先を探せずに何度も転職を繰り返してしまう転職失敗者です。

いったいどうすれば転職の失敗を防げるのかが分からず、頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、「失敗しない転職先の探し方」を紹介します。転職先の選び方に自信のない方は、ぜひご一読ください。

なぜ、転職の失敗を繰り返す人が多いのか

転職の失敗を繰り返す理由のひとつとして、応募先企業を探す際に時間をかけていないケースが挙げられます。転職先を探したいと考えているものの、どうしたらよいのかが分からない方は、まず自身が以下の条件を満たしているかをチェックしてみましょう。

• 転職理由を具体的に説明できるか
• 自分の得意分野や興味のある分野を把握しているか
• 今後のキャリアパスを考えているか
• 転職先の企業や業界のリサーチを徹底しているか

転職を成功に導くには、事前準備が欠かせません。上記の条件をひとつひとつクリアしていくことで、転職先選びの失敗を防げるようになるでしょう。

失敗しない転職先の探し方！5つのポイント

それでは、実際に転職活動を始める前にしておくべきこととは、一体どんなものなのでしょうか。以下で、詳しくご紹介していきます。

ここでは、失敗しない転職先の探し方を5つのポイントに分けて解説します。転職先を探す前段階の工程が転職の成否を大きく左右するといっても過言ではありません。事前準備を徹底し、理想の転職を実現させましょう。

転職理由を掘り下げて考える

まずは転職を考え始めた理由を掘り下げてみましょう。「人間関係がよくない」「残業が多い」「もっとよいキャリアを積みたい」などは、あくまでも転職のきっかけにすぎません。

たとえば、「同僚との関係性が悪い」といったケースを例に考えてみましょう。成績を競い合う職場であり、その結果として生まれる会社の雰囲気が合わないのであれば、競争性のない職種を探すのが適していると考えられます。

このように根本的な転職理由を見つけることは、転職活動の軸を定めるひとつの方針となります。逆に根本的な要因を気にせず、何となく転職先を探していてはまた同じ失敗を繰り返す恐れがあるでしょう。

自分がいまできることを考える

自分に適した転職先を見つけるためにも、いまの自分にできることを詳細に把握しましょう。自分ができることを知らないまままったく畑違いの企業に転職すれば、仕事になじむまでに相当の苦労を必要とします。

たとえ転職先の業種や職種が違っても、どこかで共通するスキルを見つけられる可能性はあります。自分のスキルや経験をしっかり把握しておけば、次の会社で自分を活かす方法も自然と見えてくるでしょう。

身につけたいスキルは何かを考える

今後のキャリアパスを踏まえ、転職先で身につけたいスキルは何なのかを明確にしておきましょう。「営業が嫌だから事務職を目指す」といったあいまいな転職理由では、満足のいく転職を成功させるのは難しいためです。たとえば本当はマネジメントスキルを磨きたかったのに、プレイヤーとしての活躍を求める会社に転職してしまっては思いどおりの働き方はできないでしょう。

いまが嫌だから転職をするのではなく、「この先したいことやかなえたいことのために転職をする」という、しっかりと先を見据えた転職活動を心掛けましょう。

譲れないものは何かを考える

「これぐらいであれば我慢できる」「これだけは何があっても譲れない」など自分の境界線を知ることは、転職で失敗しないための近道になるでしょう。理想がすべてかなう企業は、そうはありません。あまり多くの希望条件を掲げては、どこの企業も決め手に欠けて見え、決断に迷いが出てしまうでしょう。

現時点で多くの希望条件があるのであれば、優先順位をつけるのがおすすめです。優先順位の上位を満たしている企業を選ぶようにすれば、自分にとって働きやすい転職先が見つかりやすくなるでしょう。

企業研究や業界研究をする

転職先候補や興味のある分野が見つかったら、企業や業界に関してリサーチを徹底しましょう。自分の思うような仕事であるのか、自分に合っているのかを見定めて転職後のミスマッチを避けるためです。

企業研究は企業のWebサイトで理念や方針を確認するほか、会社説明会に出向くのもひとつの方法です。業界研究には、『会社四季報』や『業界地図』といった書籍が役立ちます。転職エージェントを利用して、キャリアアドバイザーに情報を聞くのもおすすめです。

転職先の企業でチェックしたいポイントとは

転職先の適切な探し方は、求める要素によって大きく異なります。そこでここでは、転職先に対して安定性を求めるのか、適性評価や報酬を求めるのかなど状況に応じたチェックポイントを解説します。自分のニーズに合った転職先の探し方を押さえましょう。

安定した労働環境を求める場合

安定した労働環境を求めるのであれば、残業時間や休日数を見るだけでなく、離職率のデータも参考にしましょう。年齢や男女別の人員構成も確認しておくと、性別に関係なく長く働きやすい職場であるかも推察できます。

可能であれば、働いている人の声や職場の雰囲気もチェックできるとよいでしょう。

身につけたいスキルがある場合

身につけたいスキルがあるのであれば、仕事の内容に加えて業務の進め方や自分が所属を希望する組織の考え方までチェックすることをおすすめします。たとえば実力に応じた昇進制度を取り入れている転職先であれば、早い段階でマネジメントスキルを学べる可能性があるでしょう。

正当な評価や見合う報酬を求める場合

自分が納得できる評価を求める場合は、求人情報に掲載されている給与額や賞与の有無、昇給の頻度などをしっかり確認することが大切です。また企業のWebサイトや会社説明会、企業情報が載っている書籍などからは、事業規模や資本構成、会社の将来性などを確認し、自分のスキルでどのように活躍していけるのかを見極めるようにしましょう。

探しているのに転職先が見つからない原因は？

転職先探しがなかなか順調に進まない原因として、主に以下のものが挙げられます。

• 自己分析を徹底していない
• よい条件を求めすぎている
• 失敗に対する不安が強い

自己分析が不足していると、自分ならではの転職目的が具体化できません。「何となくこのような企業がよい」とあいまいなイメージで探していては、これだという転職先はなかなか見つからないでしょう。

イメージが固まらないまま探していると、「高年収」や「福利厚生が整っている」など、一般的にいわれる好条件をさまざま浮かべてしまう傾向にあります。結果、「福利厚生は整っているが年収が低い」「労働条件はよいが福利厚生が充実していない」など全条件を満たす企業が見つからず、転職先探しが難航しかねません。

また、失敗を恐れて慎重になるあまり条件が増えすぎたり、企業のあらばかりを探してしまったりしていないかも思い返してみましょう。

転職先を探す具体的な方法は5つ

ここでは、転職先の探し方を5つ紹介します。ひとつの方法ばかりに固執すると、転職先の選択肢が狭まってしまいかねません。また、人によって合う・合わないもあるでしょう。5つの転職先の探し方にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、自分に合った方法を選択することが大切です。

1.企業に直接応募する

企業の公式Webサイトから直接求人に応募する方法は選択肢のひとつです。メリットとデメリットは以下のとおりです。

メリット ・転職意欲をダイレクトに伝えられることから好印象を持たれやすい ・企業にとっては採用コストの削減につながる デメリット ・企業の求める人物像によほどマッチしない限りは採用を勝ち取るのが難しい ・求人情報が古いこともある

ホームページなどを通じて直接応募をする求職者に対し、企業は好印象を持ちやすい傾向にあるといいます。しかしハローワークや転職エージェントと異なり口添えしてくれるサポート担当者はいないため、採用を勝ち取るのは難しいでしょう。

採用情報の更新が滞っており、「現在とは諸条件が異なっていた」「募集していなかった」などが応募後に分かって二度手間になるケースもあります。

2.ハローワークへ行く

国が運営するハローワークでは、さまざまな求人情報を閲覧できます。転職先を探す際にハローワークを利用するメリットとデメリットは下表のとおりです。

メリット ・中小企業や地元企業の求人が多い ・無料で職業訓練やセミナーを受けられる デメリット ・求人票と実情に差異があることも多いといわれる ・求人を探すのは原則自分

ハローワークは、企業側が無料で求人を掲載できる点が特徴です。そのため、あまり多くの採用コストをかけられない中小企業や地元企業の求人が多い傾向にあります。求人サイトや転職エージェントではなかなか見かけない求人も中にはあるでしょう。

しかし利益を追求したサービスではないため、求人票の精査やサービスの品質は安定していないといわれます。

3.新聞や求人情報誌を見て応募する

購読者の地域性がある程度絞られる新聞や求人情報誌を使った転職先探しには、以下のような特徴があります。

メリット ・主婦層やシニア層向けの求人が掲載されやすい ・地元企業の求人が掲載されやすい ・急募の求人が掲載されやすい デメリット ・Web媒体と比較すると情報量が限られる ・ほかエリアの求人はあまり掲載されない

新聞や求人情報誌は、読者層をターゲットとした企業がよく利用します。そのため、主婦層やシニア層または地元企業の求人を探している方ほど求めている情報を効率よく得やすいでしょう。

反面、掲載ページが限られていることから、Web媒体ほど多くの求人情報は掲載されていません。

4.転職サイトを利用する

転職サイトは、思い立ったときにすぐ求人情報を検索できるのが大きな魅力です。

メリット ・多様な業界や職種、地域の情報が掲載されている ・自己判断で転職活動を進められる デメリット ・転職活動の工程をすべて自分でやらなくてはいけない ・非公開求人は掲載されない

利用するサイトにもよりますが、転職サイトには多種多様な求人情報が集まります。選択肢を広げたい場合には有用でしょう。

ただし応募から面接の日程調整、条件交渉などすべてを自分でしなくてはいけないのはメリットにもデメリットにもなり得ます。多忙な方や転職に不慣れな方は、スムーズに転職活動が進まずに戸惑うこともあるでしょう。

5.転職エージェントを利用する

転職エージェントに登録すると、担当のキャリアアドバイザーが転職活動をさまざまな面でサポートしてくれます。特に転職初心者におすすめの方法です。

メリット ・非公開求人を含む多様な情報を保有している ・転職先探しから日程調整、条件交渉まで代行してもらえる ・自己分析サポートや応募書類の添削、模擬面接などのサービスを無料で利用できる デメリット ・キャリアアドバイザーとこまめなやりとりが必要 ・キャリアアドバイザーとの相性が重要

転職エージェントが保有している非公開求人は、好条件であるケースが多い傾向にあります。「競合に知られたくない新規企画や重要ポストの募集」であったり、「公開求人では選考に時間がかかりすぎる応募が殺到しやすい大手企業や有名企業の募集」であったりするためです。年収アップやキャリアアップを目指して転職先を探している方には、特に大きなメリットになるでしょう。

しかしキャリアアドバイザーとこまめにやりとりする必要があるので、マイペースに転職活動を進めたい方にとってはあまり向いていないといえます。

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まとめ

転職を失敗に終わらせないためには、転職先の探し方を見直す必要があります。求人情報をチェックする前の自己分析には、特に時間をかけるとよいでしょう。

しかし自己分析まで徹底した転職活動は、時間がかかります。スピーディーに転職を成功させたいのであれば、マイナビエージェントにご相談ください。転職のプロであるキャリアアドバイザーが自己分析から転職活動をサポートし、あなたに最適な転職先をご紹介します。