更新日:2022/07/06
この記事のまとめ
食品メーカーの営業としてキャリアを積むと、食品の安全性や品質管理に関わる専門知識だけでなく、飲食店や小売店を相手とした営業スキルを獲得できます。しかし、年収やワークライフバランスを考慮して、転職を考える方もいるのではないでしょうか。
この記事では、食品メーカー営業におすすめの転職先や転職を成功させるコツを紹介します。「転職先に悩んでいる」「スキルを生かして転職したい」といった方の疑問も解決するでしょう。
目次
マイナビの調査では、食品業界を含む営業職は5割を超える方が同業種の企業へ転職し、約7割の方が前職と同じ営業職に転職しています。土木・建築職やコンサルタント・専門職へ転職した方は半数近くが異職種からの転職であるため、営業職は特に同職種への転職が多いといえるでしょう。
また、営業職は8割を超える方が希望の職種への転職です。多くの方が「また営業として働きたい」と望んだうえで転職していると考えられます。
参考:株式会社マイナビ|転職動向調査2020年版(2019年)
業種・職種によって待遇や労働環境は異なるため、転職を考える理由も人によってさまざまです。ここでは、食品メーカーの営業経験者が転職に至る動機をいくつか紹介します。転職で自身が改善したいと考えている点を明確にしつつ、参考にしてみてください。
食品メーカーの営業は、仕事量が多く長時間労働も長い職種です。クライアントの飲食店や小売店は土日にも営業しているため、多くの企業で休日出勤をしなければなりません。趣味を楽しみたい方や家族との時間を大切にしたい方にとって大きな負担です。
「休暇を十分に確保したい」「残業を減らしたい」といったワークライフバランスの改善が転職のひとつの動機となっています。
年収アップやキャリアアップを目的として食品メーカーの営業から転職する方もいます。営業職として一定の経験と実績があるにもかかわらず、給料や役職が上がらない方に多い動機です。
同じ業種・職種でも、年功序列型の企業もあれば成果主義型の企業もあります。転職して待遇が改善するケースも多いため、いまの企業では成長できないと感じたタイミングで、多くの方が転職を決意します。
人間関係やノルマのストレスから転職を考える方もいます。食品メーカーは離職率が低く、比較的ベテラン社員が多い業界です。年配の上司とうまくコミュニケーションできなければ、職場や飲み会でストレスを感じるでしょう。
また、営業職はノルマが課せられる仕事です。厳しいノルマを達成するために残業時間が増え、達成できなければ上司から指導を受けます。このような現状のストレスから脱却するために、多くの方が自分に合う環境に転職しようと考えます。
企業は有用な人材を求めているため、転職の難易度は人によって異なります。転職活動を有利に進めるには、食品メーカー営業ならではのアピールポイントを理解することが重要です。ここでは、企業に評価される食品メーカー営業の強みを紹介します。
食品メーカーの営業は、飲食店や小売店といった顧客に対して自社商品を提案します。店舗ごとに要望は異なるため、顧客からの疑問や質問に的確かつ迅速に対応しなければなりません。契約を結び自社の利益に貢献するには、事前に自社商品の特徴と顧客のニーズを理解したうえで、有効なアピール方法と最適な商品の選択が必要です。
実績のある食品メーカー営業は、ヒアリング能力やプレゼン能力が身についています。営業職全般に必要とされるため、扱う商品が変わっても十分生かせるスキルです。ほかの業種へ転職する場合でも大きな強みとなります。
同じ食品業界に転職する場合、食品の専門知識が強みとなります。近年は医薬品メーカーや化学メーカー、衣料品メーカーといったほかの業種から転職するケースも増えつつありますが、専門知識の獲得は入社して最初に苦戦するポイントです。
同業種からの転職であれば、他業種から転職する方に比べて一歩進んだ位置からスタートできるため、転職に有利に働きます。
食品メーカーの営業は、さまざまな飲食店や小売店、自社商品への理解が必要になることから、食品に対する豊富な知識が身についています。即戦力と見なされれば、転職後に早めのキャリアアップも実現可能です。
2015年に施行された食品表示法により、食の安全面・衛生面に関する意識が高まりました。営業職に必要な資格はないものの、このような傾向から食品業界の営業に関しては「管理栄養士」「食品衛生責任者」「食品衛生管理者」といった資格を取得する方が増えています。
これらの資格は食の品質管理に関わる知識の証明になるため、食品業界に転職する際に有利です。
また、海外勤務や海外の取引先との交渉経験がある方は、TOEICのスコアも評価されるでしょう。国内だけでは需要に限界を感じた多くの食品メーカーが、海外へ事業展開を始めているためです。語学力を必要とする希少なポジションへの就任も期待できます。
食品メーカーの営業からの転職先としておすすめの職種を紹介します。自身の好みも重要ですが、営業と親和性の高い職種のほうが培ったスキルを生かせるでしょう。転職成功率も上がるため、以下の職種を転職先の選択肢としてご検討ください。
同じ営業職に転職するケースです。中途採用は即戦力を重視するため、前職で培った営業スキルをアピールできます。
前職の営業で不満やストレスを感じていたとしても、業種や企業を変えれば改善するかもしれません。スムーズに転職活動を進めて新しい仕事に順応したい方や仕事内容を変えたくない方におすすめです。
販売職もおすすめの転職先のひとつです。家電量販店や携帯ショップが当てはまります。自社商品を顧客に提案するという点で営業職と共通しているため、前職のスキルを生かせます。
大きな違いとして、食品メーカー営業は飲食店や小売店が顧客ですが、販売職は一般の消費者(エンドユーザー)が主な顧客です。求人も多く、転職先によっては年収アップも期待できます。
マーケティングは市場調査を行い、ニーズに合った商品やサービス、売上を伸ばすためのプロセスを計画する仕事です。営業職は消費者も含めた顧客のニーズを理解する必要があるため、マーケティング職でも経験が生かせます。「企画開発に一から関わる」「世の中に新たな商品・サービスを提供する」といったやりがいを求める方におすすめです。
マネジメント職はチームを管理・指揮する仕事です。人材育成や業務の効率化により、確実に課題を達成する能力が求められます。チーム全体の成績に影響する責任の重い仕事であるため、営業経験が豊富で成績を上げるためのノウハウに長けている方におすすめの転職先です。
人材の獲得・管理をする人事部もおすすめの転職先のひとつです。営業から多くの方が転職を希望しています。
新規採用や人事異動を適切に判断するには、個人のスキルや性格への理解が重要です。社内のさまざまな部門とやり取りするため、コミュニケーションスキルも求められます。多くの人間と関わってきた営業職であれば、十分な活躍を期待できます。
最後におすすめする転職先は、社内でWordやExcelを使ったPC作業をメインとする事務職です。比較的、営業職よりも残業が少ない傾向にあります。
提案資料の作成に必要なPCスキルはもちろん、他部門とのやり取りには営業で培ったコミュニケーションスキルが有用です。「会社を縁の下で支えるバックオフィス業務に就きたい」「プライベート時間を重視したい」という方に向いています。
他業種への転職例として、ITベンチャー企業と自動車ディーラーを紹介します。一見、食品メーカーとの関連性は低いと感じるかもしれませんが、場合によっては理想の職場環境や年収を実現できます。食品業界から離れても営業経験を生かしたい方におすすめです。
食品メーカーは安定さが魅力である反面、決められたフローがあり、刺激はさほどありません。一方、ITベンチャー企業は今後の発展が見込めるため、非常に能動的です。仕事の範囲も広く、自身の裁量で決められます。大手食品メーカー営業を経験した自身の実力がより明確に現れるため、大きなやりがいを感じられるでしょう。
自動車ディーラーは販売職に該当するため、営業で培った商品の提案能力を生かせる職種です。ユーザーと直接やり取りをしながら、要望に合った車を提案・販売します。車の知識は必要ですが、趣味で車をカスタムしている方や車が好きで最新車種の情報を日頃からチェックしている方は、充実した職場環境を実現できます。
食品メーカー営業の転職先の選択肢は豊富ですが、簡単に転職できるとは限りません。なかなか転職先が決まらなければ、精神的・肉体的に疲労がたまってしまいます。スムーズに転職活動を進めるためにも、転職を成功させる2つのコツを参考にしてみてください。
即戦力として採用率が高いことから、同業界の同職種への転職をおすすめします。食品メーカーでも企業によってビジネス領域や待遇が異なるため、自分の理想にマッチした企業選びが重要です。
たとえば、高収入やキャリアアップを望む場合、大手を中心とした総合食品メーカーから選ぶとよいでしょう。一般的に大手であるほど転職は困難ですが、スキルを持った経験者であれば中途入社も期待できます。
希望の職種でも自分に合っていなければ長く続かないため、事前の自己分析が重要です。自身の強みを確認し、希望職種で求められるスキルにマッチしていれば、具体的な戦略を考えましょう。
戦略のひとつが自己アピールを明確にすることです。志望動機や面接で必要な内容であるため、転職先での強みの生かし方を伝えられるようにしましょう。
食品メーカー営業は、飲食店や小売店を相手とした営業スキルと食品の専門知識を獲得できるため、さまざまな転職先が選べます。スキルを生かしたいのであれば、同業界・同職種への転職がおすすめです。新しい仕事の馴染みやすさや自身の強み・弱みを考慮しつつ、希望職種を決めましょう。
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