更新日:2024/12/19
この記事のまとめ
転職活動で外資系企業などの求人に応募すると、書類選考の段階で英語の職務経歴書の提出を求められることがあります。いざ書こうと思ってもどのように書けばよいのか、日本語の職務経歴書と違うポイントは何かなどが分からず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、英語の職務経歴書を作成するときに意識したい書き方や自分を魅力的にアピールするコツを紹介します。日本語の応募書類とは異なるポイントもあるため、併せてチェックしておきましょう。基本的なルールや作成のコツを知ることで、スムーズに書き進められるようになります。
目次
英語で書いた職務経歴書は「レジュメ(resume)」とも呼ばれ、応募した企業から書類選考の際に提出するように求められることのある書類のひとつです。レジュメは、日本語における履歴書と職務経歴書を兼用するもので、決まったフォーマットはないため、自分がアピールしたいことに応じて適したレイアウトや構成で作成します。
ここでは、採用担当者が英語の職務経歴書を求める代表的な2つの理由を紹介します。事前に目的を正しく理解しておくことは、相手が知りたい情報を過不足なく盛り込んだ職務経歴書を作成するために欠かせません。
採用担当者が英語を第1言語としていてあまり日本語を理解できない場合、応募者の経歴やスキルを細かくチェックして採用可否を判断するために英語の職務経歴書が必要です。企業によっては、英語圏に存在するオフィスで採用可否を判断することもあります。
そのため、英語の職務経歴書は選考において欠かせない書類のひとつといえるでしょう。自分の経歴やスキルを魅力的にアピールできるものに仕上げることが大切です。
採用担当者が日本語を理解できる場合でも、英語の職務経歴書を提出するように求めるケースがあります。この場合は、職務経歴書を通じて応募者の英語スキルを測定したいという意図からです。
採用テストのひとつであることを意識し、自分の経歴やスキルをきちんとアピールすることに加えて、基本的な文法やスペルの間違いをはじめとしたちょっとしたミスにも気をつけましょう。作成に関する基本的なルールは、どちらの目的で提出を求められていても同様です。
実際に英語で職務経歴書を作成する場合、必要な情報を過不足なく盛り込むことが大切です。日本語の職務経歴書と似たような内容もあれば、異なる内容もあるため注意しましょう。ここでは、基本的な記載事項を例文とともに紹介します。
職務経歴書の冒頭には、氏名・住所・電話番号・メールアドレスを記載します。氏名はフォントサイズを16pt程度に設定すると見やすくなります。本文のフォントは11pt~12ptが適当です。 Personal Informationは最上部に記載し、センタリングします。
Taro Mynavi
1-1-1 Higashi, Shibuya-City, Tokyo, Japan 150-0011
Phone Number: +81-3-1234-5678
Email Address: abcdefgh@zyxvw.net
(日本語例)
マイナビ 太郎
150-0011 東京都渋谷区東1-1-1
TEL:03-1234-5678
Mail Address: abcdefgh@zyxvw.net
なぜ応募した職種を志しているのかを、Objectiveという項目を設けて記載します。志望動機を一文にまとめ、簡潔かつ明確に示すのが効果的です。併せて、どのようなスキル・経験を活かせるのかにも言及できるとよいでしょう。
【例文】
Seeking a challenge in the legal department where my experience as a lawyer can be utilized.
(日本語)
弁護士としての経験を活かすことができる法務部門を希望します。
転職後に活かせる経験や保有しているスキルといった自身のアピールポイントを要約します。経験・スキルに言及するときは、可能な限り数値化し、相手が読んですぐにイメージできる形で記載しましょう。
【例文】
5 years of consulting experience in a consultancy.
Launched 5 new websites by analyzing market needs.
(日本語)
コンサルティング業界で5年間の経験があります。
市場ニーズの分析を行い、新しいWebサイトを5つ立ち上げました。
これまでの職務とポジション、職務内容と実績を詳細に記載します。取り組んだプロジェクトや社内外で表彰されたことがあればその内容も記載しましょう。職歴は新しいものから順番に箇条書きで並べます。
【例文】
ABCDEFG Corp. (2022-Present)
・Project Manager - Development Department (2023-Present)
・Programmer - Development Department (2022-2023)
(日本語)
ABCDEFG株式会社(2022年-現在)
・プロジェクトマネージャー - 開発部門(2023年-現在)
・プログラマー - 開発部門(2022年-2023年)
英語の職務経歴書では、大学以降の学歴を記載します。取得した学位と分野・学校名・卒業時期を1行で記すと分かりやすくまとめられるでしょう。学位や自分が卒業した学部・学科の英語表記をあらかじめ調べておき、正しく記載することが大切です。
【例文】
PhD in Engineering, Tokyo University, Tokyo (2024)
(日本語)
2024年 東京大学(東京) 博士(工学)取得
多くの資格を取得していたり多方面のスキルを有していたりする場合は、応募先の職種で活用できるものをピックアップして記載します。資格・スキルを区分し、それぞれ箇条書きで記しましょう。
【例文】
Qualifications
・TOEIC Listening & Reading Test 810 (2024)
・AWS Certified Solutions Architect - Professional
Skills
・Languages: Python, R, PHP, Java
・Cloud Services: Microsoft Azure, AWS, Google Cloud
(日本語)
資格
・TOEIC リスニング&リーディング テスト 810(2024年)
・AWS 認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル
スキル
・プログラミング言語: Python、R、PHP、Java
・クラウドサービス: Microsoft Azure、AWS、Google Cloud
選考でアピールしたい経験や論文などの発表歴・受賞歴などがある場合は、Additional Informationという項目を設けて記載します。
その中にAwardsやHonorsなどの項目を設け、いつ、どのようなことをしたのかを1行にまとめて記載しましょう。特記事項もスキルや経験と同様に、仕事に直結するものや評価されやすいものを選ぶことが大切です。
【例文】
Awards: Outstanding Tech Company Award, ASOCIO, 2024
(日本語)
賞:2024年 ASOCIO優秀テックカンパニー賞 受賞
英語の職務経歴書はレイアウトや記載する順番に関して、比較的自由度が高いものの、意識したいルールもいくつかあります。基本ルールを逸脱していると、「常識のない応募者である」と評価されるリスクがあるため注意しましょう。
ここでは、英語の職務経歴書を作成するときに意識したい3つのルールを解説します。日本語の職務経歴書と異なる部分もあり、常に意識することが大切です。
職務経歴書を英語で書く場合、A4用紙1枚~2枚にまとめるのが基本です。企業によっては、人事ではなく現場の人間が採用を担当するケースがあります。その場合は選考に充てられる時間が短いため、端的に自分を表現できた職務経歴書が好まれがちです。
そのため、基本的にはA4用紙1枚に収まる分量にすることを意識しましょう。職歴が多かったりさまざまな経験・スキルがあったりするときは1枚に収まらないため、2枚になっても問題ありません。ただし、3枚を超えた場合は長すぎて読みやすい分量とはいえないため、削れる部分がないか確認することをおすすめします。
職歴は、新しいものから順番に記載し、一番上に現職のことを記します。同じ企業の別部署で働いた経験があるときは、在籍していた部署と部署ごとの仕事内容を箇条書きで記しましょう。
なお、在職中の仕事に言及する場合は現在形または現在進行形を使用し、過去の仕事に言及するときは過去形を使用します。時制のミスが発生しやすいため、作成後は忘れずにチェックしましょう。
選考においては、これまでの職歴に空白期間がないかも確認されます。空白期間がある場合は、なぜ空白期間があるのかを職務経歴書内に記載しましょう。
【例文】
Caregiver 2022-2023
(日本語)
2022〜2023年 介護のため離職
資格を取得するために学校に通っていたケースや留学していたときは、空白期間ではありません。そのことを学歴欄に記載しましょう。
職務経歴書の書き方には複数のパターンがあり、自分がフォーカスしたい内容に応じて適したものを選ぶ必要があります。ここでは、英語の職務経歴書で用いられる3種類の書き方について詳しく見ていきましょう。
それぞれ何を重点的に伝えるものかを理解し、応募している職種やアピールしたい内容に応じたものを選ぶことをおすすめします。
職歴の豊富さをアピールしたい方には、時系列で記載するChronological Resume(クロノロジカル・レジュメ)がおすすめです。最新のものから順番に職歴を時系列に並べて記載することで、どのような経歴をたどってきたのかを明確に伝えられます。職務経歴書の作成において、広く使われているパターンです。
同業種転職で過去の職歴・経験が武器になる場合に適した方法といえます。一方、第二新卒転職を含めてこれまでの経験が少ない場合は記載できる職歴が少ないため、別のパターンを検討したほうがよいでしょう。
自分が有しているスキルや資格などの専門性にフォーカスしたいのであれば、Functional Resume(ファンクショナル・レジュメ)がおすすめです。応募先の職種で発揮できるスキルを詳しく記載し、アピールします。
クロノロジカル・レジュメとは違って、職歴はそこまで詳しく記載しません。働いていた企業名や職種名、期間のみを簡潔にまとめてスキルの後に記すのが基本です。自分ができる業務をアピールできる書き方で、十分なレベルのスキルや専門性が求められるエンジニアなどの職を目指す方に向いています。
スキルと職歴の両方をアピールしたい場合は、Combination Resume(コンビネーション・レジュメ)が向いています。職歴をアピールするクロノロジカル・レジュメとスキルをアピールするファンクショナル・レジュメの特徴を併せ持ったパターンで、スキルをアピールしたした後に職歴も詳しく記載する書き方が特徴です。
ファンクショナル・レジュメでは職歴の概要程度しか記さないものの、コンビネーション・レジュメでは細かいところまでを記載します。そのため、豊富な経験と専門的なスキルの双方を有している方におすすめです。同職種転職・異職種転職のいずれでも活用できます。
効果的な英語の職務経歴書を作成するには、意識しておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、とくに重要な7つのポイントをチェックしていきましょう。以下で紹介するすべてのポイントを確認してから、応募先に提出することをおすすめします。
記載事項はシンプルかつ分かりやすい形にすることが大切です。そのため、箇条書きを用いることを意識しましょう。箇条書きを使用しないと、文章が長くなって読みにくくなるためです。
箇条書きの文章も、可能な限り短く簡潔に記します。読みにくい職務経歴書は採用担当者に目をとおしてもらえないリスクが高いことを覚えておきましょう。
アピールしたいこと、重要なことは上部に記載しましょう。これは忙しい採用担当者に素早く印象づけるために有効なテクニックです。
結論を先に述べ、その次に理由やエピソードを記すように記載すると、読む側も応募者をイメージしやすくなり、書類そのものの印象がよくなります。書類を作成しはじめる段階で「自分のアピールポイントはどこか」「どのように応募職種で活躍できるのか」などストーリーを立てて考えておくようにしましょう。
これまで取得した資格のみを記載することが望ましいものの、募集職種に密接な関係がある資格の取得にチャレンジ中である場合は、チャレンジ精神や忍耐強さをアピールするために勉強中の資格を記載することも可能です。
ただし、「勉強中である」「試験の結果待ちである」など、誤解を招かないように現在の状況を明確に記載しましょう。
英語で記載するときに名詞を多用すると文章が長くなるだけでなく、採用担当者から文章を使った表現力がないとみなされることもあります。
簡潔で活動的な印象をもってもらえるように動詞から文をスタートしましょう。また、同じ単語を繰り返し使わないようにすることで、語彙力や表現力をアピールできます。この職務経歴書で英語力が測定されていることも念頭に置いておきましょう。
あらかじめ応募先の業界や企業が望む人物像がどのようなものなのかをよく調べましょう。そのためにも業界研究や企業研究が欠かせません。
求めている人物像と自分の共通点が何かを考え、Summaryでアピールするのがおすすめです。日本の企業よりも強いリーダーシップや高いコミュニケーション能力、具体的な目標設定とそれをやり遂げる力を求められています。
業績に言及するときは、内容を数値化して具体的かつ理解しやすい内容に仕上げましょう。Achievement(業績)やPromotion(昇進)についても記載すると効果的です。
【例文】
Achieved launch 3 new web applications and got 1 million dollars in gross sales.
(日本語)
3つの新しいWebアプリケーションを立ち上げ、売上総額100万ドルを達成しました。
本文に具体的な数値を盛り込むことで、より説得力がある内容に仕上がります。選考担当者もどのような成果なのかイメージしやすいでしょう。
外資系企業に応募するとはいえ、そこで働いている人が全員英語のネイティブであるとは限りません。書類選考や面接を効率よく行うために、日本語と英語両方の書類提出が求められることもあります。
そのため、職務経歴書はあらかじめ両方用意しておくとよいでしょう。ただし、日本語の職務経歴書をそのまま英語のものにすると、冗長で読みにくくなりがちです。英語の職務経歴書はあくまでも簡潔に、伝えたいことからアピールして書きましょう。
自分の経験やスキル・実績を魅力的にアピールするには、英語の職務経歴書でよく使われる表現を覚えておくことは大切です。職務経歴書によく登場するワードの例には、以下のようなものがあります。
自分が伝えたい内容に応じて適切なワードを使用することで、採用担当者はどのような人なのかイメージしやすくなります。
「Managed development budget of 1 million dollars」「Achieved the sales goal~」のように、適したワードを使用しつつできるだけ簡潔に書き、読みやすく仕上げることを意識しましょう。
職種別にどのような英語の職務経歴書を作成するとよいか見ていきましょう。応募する職種によって効果的なアピールポイントが異なるため、基本的な構成にも違いが出ます。
以下で紹介するテンプレートを参考にしつつ、自分の経験やスキルをアピールできるものに仕上げましょう。どのような職種に応募するとしても、「採用担当者が何を優先的に知りたいか」を考えて作成することが大切です。
【例文】
PERSONAL INFORMATION
OBJECTIVE
(本文)
SUMMARY
(本文)
WORK EXPERIENCE
・A Inc. (xxxx~Present)
(部署名)
(仕事内容)
(成果)
(部署名)
(仕事内容)
(成果)
・B Corp. (xxxx~xxxx)
(部署名)
(仕事内容)
(成果)
EDUCATION
(最終学歴)
SKILLS
(スキルの内容)
QUALIFICATIONS
(保有資格)
ADDITIONAL INFORMATION
(その他の特記事項)
営業職はこれまでの経験や成果を時系列でアピールする書き方が魅力的に伝わるため、上記のクロノジカル・レジュメを使用するとよいでしょう。在籍していた企業・部署の様子や業績、キャリアアップの履歴が分かりやすくなります。
【例文】
PERSONAL INFORMATION
OBJECTIVE
(本文)
SUMMARY
(本文)
SKILLS
(スキルの内容)
QUALIFICATIONS
(保有資格)
WORK EXPERIENCE
・A Inc. (xxxx~Present)
(部署名)
(仕事内容)
(成果)
・B Corp. (xxxx~xxxx)
(部署名)
(仕事内容)
(成果)
EDUCATION
(最終学歴)
ADDITIONAL INFORMATION
(その他の特記事項)
分野によるものの、事務職では会計や税務、貿易などの専門スキルが求められることがあります。そのため、上記のようにスキルや保有資格をアピールしやすいファンクショナル・レジュメを採用するとよいでしょう。
【例文】
PERSONAL INFORMATION
OBJECTIVE
(本文)
SUMMARY
(本文)
SKILLS
(スキルの内容)
QUALIFICATIONS
(保有資格)
WORK EXPERIENCE
・A Inc. (xxxx~Present)
(部署名)
(仕事内容)
(成果)
・B Corp. (xxxx~xxxx)
(部署名)
(仕事内容)
(成果)
EDUCATION
(最終学歴)
ADDITIONAL INFORMATION
システムエンジニアも高度なテクニカルスキルが求められるため、スキルや経験をアピールしやすいファンクショナル・レジュメが向いています。なお、経験者がキャリアアップするための転職であれば、業績やスキルを優先的にアピールするのもひとつの方法です。
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転職活動を進めていく中で、英語の職務経歴書を提出するように求められるケースがあります。企業によって英語の職務経歴書を求める理由は異なりますが、どのようなケースでも自分のスキルや経験を魅力的にアピールできるものを作成して提出することが大切です。
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