更新日:2024/08/07
この記事のまとめ
自己PRで「責任感」を強みとしてアピールしようと考えている人もいるのではないでしょうか。「責任感」は確かに長所として使われるキーワードです。しかしうまく伝えられなければ、強みとしてアピールできないだけでなく評価を下げてしまうことにもなりかねない点に注意が必要です。
そこでこの記事では、自己PRで責任感をアピールする方法を詳しく解説します。ポイントを踏まえたうえで自己PRを作成すれば、責任感の強さを効果的に伝えられるようになるでしょう。
目次
仕事をするにあたって、責任感の有無は大切です。責任感があれば自分の仕事を投げ出すことなく最後まで粘り強く取り組めるため、結果を残せるでしょう。
反対に責任感がない人は、自分の好みや気分で仕事をえり好みしたり、任された仕事を完遂できなかったりする可能性があります。企業の採用担当者は、どれほど能力が高くても、責任感を持って自分の仕事を遂行できない人材を採用したいとは考えないでしょう。
責任感がない人の場合には、早期離職の恐れもあります。採用担当者は、自社で長く活躍してくれる人材を採用したいと考えています。そのため、自分の仕事に責任を持って取り組んでくれるかどうかは、採用の判断基準のひとつといえるでしょう。
責任感の強さをアピールして「この人なら自分の仕事としっかり向き合って働いてくれそうだ」と感じてもらえれば、採用される可能性は高くなります。
「責任感がある」とは、具体的にどのようなことなのでしょうか。ビジネスシーンでは、主に次の2つのことを指します。
それぞれについて詳しく解説します。
「責任感がある」とは、任された仕事を途中で投げ出さず、最後までやり遂げることです。困難な状況でも粘り強く取り組めるため、仕事で成果を上げられる可能性も高まります。
また、責任感がある人は、失敗から目を背けずに受け止める力があります。問題点を洗い出して改善すると、長期的な成功につながることもあるでしょう。
責任感の強さは、有言実行であることも意味します。有言実行とは、「自分が口にした言葉に責任を持ち、確実に遂行する」という意味の言葉です。
企業の一員として働くうえでは、チームメイトや顧客との信頼関係の構築が必須です。責任感が強く有言実行を徹底する人は、ビジネスで関わる相手から信頼され、良好な人間関係を築けます。反対に、自分の発言と行動が違う人や言うことが二転三転する人は、信頼できないと評価されてしまいます。
自己PRでは、自分の長所や強みを積極的にアピールすることが大切です。内容はもちろん伝え方も重要で、採用担当者の記憶に残るよう工夫する必要があります。ここでは、自己PRを作成する際に押さえておきたい基本的な構成と書き方を解説します。
まずは「私の強みは責任感の強さです」といった結論を伝えましょう。結論から述べると、自己PRを通じて何を伝えたいのかを明確にでき、採用担当者により強い印象を与えられる点がメリットです。採用担当者も応募者の強みを短時間で把握でき、評価しやすくなります。
初めに結論を伝えた後は、責任感が強い根拠を示すエピソードを加えます。数字を使ったり、業務の内容に触れたりするなどなるべく具体的に記述しましょう。仕事を通じて経験した事実を中心に根拠を伝えると、責任感のある人材だと採用担当者にイメージしてもらいやすくなります。
最後に、自分の強みである責任感を活かして入社後にどのように活躍できるのかを伝えます。企業研究をしっかりと行い、新たな業務に責任感を持ってどのように取り組めるのか、採用担当者がイメージできるように伝えるのがポイントです。
自己PRの締め方によって、採用担当者に与える印象は大きく変わります。採用担当者に「会ってみたい」と思ってもらえるような文章を考えましょう。
職務経歴書の自己PRで責任感をアピールする場合は、仕事にどう活かせるのかを伝えることが大切です。続いては、職務経歴書の自己PRで、責任感の強さをアピールするまとめ方を紹介します。
責任感の強さをアピールするには、具体的なエピソードを添えて説得力を持たせることがポイントです。具体的にどのようなエピソードを書けばよいのかを職種別に紹介します。
前職または現職が営業職であった場合、目標達成までの取り組み方やクレーム対応の仕方のほか、仕事やお客さまとの向き合い方などの中から責任感をアピールできるエピソードを探すのがおすすめです。
お客さまとの約束を守って誠意ある対応をしたことや、困難な仕事でも最後まで取り組んで成功に導いたエピソードがあれば盛り込むとよいでしょう。
前職または現職が事務職や経理職であった場合、仕事のミスを減らすための工夫や、社内外で起きたトラブルの対処方法、困難な仕事を最後までやり遂げたエピソードなどがないか考えてみましょう。そのほか、仕事の質を向上させるために行った勉強内容や、知識を増やすために資格取得に励んだことなどもアピールできる要素です。
前職または現職が工場や倉庫の作業員であった場合、ルーティンワークに飽きずに勤務を継続した旨や、ミスをして会社に損害を与えないように努めたことなどをアピールしましょう。
採用担当者が自己PRをとおして知りたいことは、「応募者を採用したら自社にどのようなメリットがあるか」です。「責任感が強い」とだけアピールするのではなく、どのように仕事に活かしてきたのか、今後はどう活かしていくつもりなのかを伝えることを意識しましょう。
仕事を行ううえでは、責任感の強さがデメリットになってしまうこともあります。そのことも意識したうえで自己PRを作成すれば、採用担当者が不安を抱くリスクを軽減できるでしょう。
責任感が強すぎると起こり得る問題には、下記のようなことが挙げられます。
責任感が強いのは悪いことではありませんが、仕事が回らなくなったり、プレッシャーや過重労働でパンクしたりするようでは元も子もありません。また、人にはそれぞれキャパシティがあるため、自分の考え方や働き方を他人に押しつけるのは問題があるでしょう。
「常に完璧を目指している」「困難があってもチームメイトに迷惑をかけず自分ひとりで解決に導いてきた」といった自己PRは、採用担当者に「頑固」「融通が利かない」「コミュニケーション能力が低い」といったネガティブなイメージを持たれてしまう可能性があります。
責任感の強さをアピールするときは、デメリットになることも踏まえ、表現の仕方に気をつけましょう。
自己PRが必要となるのは、履歴書・職務経歴書・面接の主に3つです。それぞれ目的やふさわしい長さ、文字数などは異なりますが、内容は統一することが大切です。自己PRを準備する前に内容を精査し、矛盾がないようにしましょう。
ここでは、履歴書・職務経歴書・面接用に自己PRを準備する際に気をつけたいポイントを例文とともに解説します。
履歴書の場合、自己PRを記載するスペースが限られているため、多くの情報量を詰め込むことはできません。自分の持っている強みやセールスポイントなどの要点を簡潔にまとめて記載するようにしましょう。
【履歴書で責任感をアピールするときの例文】
私の長所は責任感があることです。お客様からのクレームが入った案件を引き継いだ際には、信頼を回復するために過去のやりとりを確認し、問題点と解決策を整理したうえで誠心誠意謝罪しました。
その結果、お客様の信頼を取り戻し、成果を上げることができました。今後も、責任感を持ってお客様と向き合い、ご要望を叶えていきたいと考えております。
職務経歴書の場合、履歴書よりも記載できるスペースが大きいため、より具体的な内容を伝えられます。そのため、「自分自身の持っている強みをどう活かせるのか」など、履歴書では伝えきれなかった内容をより詳しく書きましょう。
面接では、職務経歴書の内容を面接官にはっきりと聞こえる声で伝えることが重要です。自信を持って話せば、責任感の強さというアピールポイントに説得力が加わります。長さは1分くらいが理想です。鏡の前で表情をチェックしながら、タイムを計って練習しておきましょう。
なお、面接の場合には、自己PRの後にその内容について質問されることもあります。突っ込んだ質問にも答えられるよう、準備しておきましょう。
【職務経歴書・面接で責任感をアピールするときの例文】
前職の営業の仕事では、お客様のご要望に十二分に応えるべく、責任を持って仕事に従事してきました。前任者の不手際で受注が取り消しとなりそうになった案件を引き継いだ際には、お客様の当初のご要望と前任者の対応をすべて確認したうえで、至らなかった点と今からできる対応方法をまとめて、改めて謝罪に伺いました。
その結果、どこに齟齬があったのかを明らかにできただけでなく、誠心誠意謝罪をして新たな提案をしたことで、以前よりも強い信頼関係を構築できました。その後、これまでお付き合いのなかった部署にもご紹介いただき、前年の2倍の数の案件を受注できました。
貴社(面接では「御社」)においても、任せていただいた仕事に責任を持ち、お客様にご満足いただける提案をしていきたいと考えております。
ここからは、職業別に責任感の強さをアピールできる自己PRの例文を紹介します。自己PRで重要なのは具体性であるため、ここで紹介するエピソードをそのまま転職活動で使うことはできません。エピソードの見つけ方やアピールの仕方、上手な締め方などの参考にしてみてください。
【例文】
私の強みは、困難があっても諦めることなく仕事に取り組める責任感の強さです。
営業業務においては、社会や政情の変化によって、突然状況が悪くなることがあります。前職でも、急速に進む物価高騰により、注文数が急激に落ち込む事態に陥りました。お客様の状況も理解できるため、注文数維持を無理にお願いすることもためらわれる状況でした。
何とか売り上げを回復させたいという思いから、営業にSNSを活用したり、飛び込み営業をしたりとできる方法は何でも試してみました。その結果、新規のお客様を増やすことができ、以前の売り上げにまで戻せました。
貴社(面接では「御社」)においても、困難な状況にも知恵と工夫で立ち向かい、諦めない姿勢で業務に取り組みたいと考えています。
【例文】
私の長所は責任感の強さです。任された仕事はしっかりとこなし、「この人に任せれば心配いらない」と思っていただけるよう日々努めています。
経理事務を始めたばかりの頃は、上司に言われるままに業務をこなしていました。しかし、業務の全体像が見えないまま言われることだけをやっていたのでは、いつも誰かに指示を仰がなければなりません。
そこでスキルアップのために簿記2級の資格取得を目指しました。少し時間はかかりましたが、無事に取得できた後は帳簿の管理や原価計算など取り扱う業務の幅も増え、さまざまな仕事を任せていただけるようになりました。
これからも業務に必要な知識やスキルを積極的に取り入れ、業務の目的や方向性を理解したうえで取り組むことで、「この人に任せれば心配いらない」と思っていただけるように働いていく所存です。
【例文】
私の長所は責任感が強いところです。
特にこれまで働いてきたITセキュリティー分野においては、ささいなミスや油断が大きな障害や損害をもたらします。そこでチーム内におけるコミュニケーションの活性化や指示の明確化、ダブルチェックなどで業務にミスが起こらないようにすることが重要だと考え、実践してきました。
チームメンバーのスキルや経験にばらつきがある中で業務レベルを安定させるため、理解しやすいマニュアル作りやチェック体制の構築など、さまざまな取り組みをしてきました。そのおかげで、大きなミスや障害を発生させることなく、クライアントから信頼していただける仕事ができたと自負しております。
今後はマネジメント分野でも同様に、チーム全体、企業全体の業務に貢献できるよう、責任感を持って仕事に取り組む所存です。
【例文】
私の強みは、業務だけでなく患者様にしっかりと向き合う責任感の強さです。
看護の仕事はチームで行うため、「誰かがやってくれるだろう」という意識では、重大なミスを引き起こしかねません。私はこれまで、患者様に対する責任を意識しながら業務に取り組んでまいりました。疑問に思う点はすぐに確認したり、他の看護師への引き継ぎの際に分かりやすいメモを残したりなど、患者様に不都合が生じないスムーズな連携を心掛けてきました。
その結果、患者様にとって安心できる医療を提供できただけでなく、看護師同士のコミュニケーションもうまくいくようになりました。
これからも患者様の命に対する責任を意識しながら、業務に真摯に取り組んでいきたいと考えています。
【例文】
私の長所は責任感が強いところです。子どもの命を預かる保育士として、安全管理には特に注意してきました。
子どもたちの安全を守るためには、言葉で伝えるだけでは不十分です。実際に園児が犠牲になる事故も度々ニュースになっています。
そこで、園内での屋外活動、散歩、芋掘りなどの園外活動では事前にしっかりと下見をし、危険なポイントやトラブルが発生する可能性について保育士同士で話し合うことを提案しました。園長にも同意していただき、話し合いで使う資料作りなども自発的に行いました。ハンディキャップのある園児への対処法を学ぶ勉強会へも積極的に参加しています。
これからも安全で楽しい保育を提供できるよう、責任感を持って仕事に取り組んでいきたいと考えています。
責任感の強い人材は希少性が高く、転職活動においては評価につながりやすい強みといえます。しかし、自己PRのやり方を間違ってしまうと、かえって評価を下げてしまう可能性もあるため注意が必要です。ここからは、自己PRで責任感を伝える際に注意しておきたいポイントを解説します。
主体的に動ける責任感が強い人材は、一般的にはプラスの評価を受けやすいといえます。しかし、場合によっては「頑固な人」と見られてしまうこともあるため、注意が必要です。
「責任感が強い人」と「プライドが高く頑固な人」は表裏一体です。面接官の捉え方しだいではマイナスになってしまうこともあるため、ポジティブ要素として捉えてもらえるように伝え方を工夫しましょう。
自己PRでは自分の強みを積極的にアピールすることが大切ですが、うそや過剰な表現はNGです。数字を増やすなどの小さなうそを自己PRに織り交ぜていると、突っ込んだ質問をされたときにばれてしまったり、話のつじつまが合わなくなったりしてしまいます。
自己PRにうそが含まれているのではないかと疑念を抱かせてしまうと、あなたに関するすべての情報の信頼性が失われてしまうでしょう。
責任感の強さをアピールするつもりで、「連絡をきちんとする」や「時間を守る」といったエピソードを使う人もいます。しかしこれは責任感の問題ではなく、仕事を円滑に進めるためにビジネスパーソンが身につけておきたい心構えです。
ビジネスパーソンとしての基本を強みとしてアピールすると評価につながらないだけでなく、常識や人間性を疑われてしまいかねません。責任感の強さが仕事の成果や評価につながったエピソードを探しましょう。
自己PRにはふさわしい長さがあります。短かすぎても長すぎても、アピールしたいことを明確に伝えられません。重要な項目を網羅しつつ端的にまとめるのも、ビジネスに必要とされる能力のひとつです。
履歴書であれば200文字程度、職務経歴書であれば300文字〜400文字程度、面接であれば1分で話せる分量を目安に自己PRを作成しましょう。
採用担当者は、自己PRからあなたの人物像やビジネスにおける可能性、人間力、ビジネスマナーなどを見極めようとします。「どう作成すればよいのか」「そもそも責任感をアピールポイントにできるのか」など、自己PRの作成で悩むこともあるでしょう。
転職活動をスムーズに進めたいのであれば、マイナビエージェントをぜひご利用ください。自己PRの添削はもちろん、あなたの強みが何なのか、何を武器に転職活動を進めればよいのかなど採用担当者目線でアドバイスするなど、結果につながる転職サポートを提供します。
自己PRで「責任感の強さ」をうまく伝えられれば、高評価を得られます。責任感の意味するところを深掘りし、具体性のあるエピソードとともにどのように企業に貢献できるのかを説明できれば、転職成功へと導けるでしょう。
自分の強みを必要としている企業に巡り合いたい、自分の強みを転職成功につなげたいという人は、ぜひマイナビエージェントをご利用ください。あなたの強みや望む働き方に合った企業を紹介し、転職成功までしっかりとサポートします。
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