更新日:2024/08/06
この記事のまとめ
転職における自己PRは、自分の強みやスキルを伝える項目です。自己PRをうまく作成できると、企業側に自分を採用するメリットを感じてもらえ、選考が有利に進むでしょう。とはいえ、継続力をアピールする場合には、注意しておきたい点やポイントがあります。
この記事では、自己PRで継続力をアピールするためのポイントや注意点、例文を紹介します。継続力以外にもアピールできる強みを紹介しているため、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
数ある強みの中でも、「継続力」は自己PRとしてアピールすると効果的です。継続力は社会人として重要なスキルではあるものの、実際に物事を継続できる人はそう多くはいません。ここでは、自己PRで継続力をアピールするのが効果的である理由について解説します。
自分に向いている仕事であっても、楽しいことばかりではなく、つらさや大変さを感じるときもあるでしょう。「継続力がある」と伝えれば、つらくて大変な仕事も忍耐強く乗り越えられることをアピールできます。継続力を自己PRに盛り込む際は、どのようにしてトラブルや大変なことを乗り越えてきたのかも伝えられるとよいでしょう。
企業は自社で長く働いてくれる人材を採用したいと考えています。どれだけ優秀な人材であっても、短期離職されれば採用や教育にかかったコストが無駄になってしまうためです。継続力があることを示せば、長期的に働く意思をアピールでき、選考で有利になるでしょう。自己PRでは、入社後のビジョンや継続して取り組みたいことを伝えると効果的です。
向上心のある人材は、多くの企業にとって魅力的です。たとえ未経験であっても、向上心や成長意欲を伝えられれば、選考を有利に進められます。「過去の仕事でコツコツと継続して努力したこと」「資格取得へ向けた勉強の内容」などを自己PRに盛り込むと、向上心の高さを伝えられるでしょう。
自己PRで継続力をアピールする人は多くいるため、選考を突破するにはライバルと差別化を図ることが大切です。ここでは、自己PRで継続力を効果的にアピールするポイントを3つ紹介します。選考通過率を上げるためにも、事前に押さえておきましょう。
継続力をアピールする際は、「どのくらい継続したのか」「継続した結果どうなったのか」を数字で具体的に示すことがポイントです。ただ「〇〇を継続してきました」と伝えても、どのくらいの継続力があるのかは採用担当者には伝わりません。
たとえば、「5年間ほぼ毎日欠かさず英語の勉強を30分続けてきました。その結果、TOEICのスコアを600点から800点まで伸ばせました」といったように伝えると、より継続力をアピールしやすくなります。
毎日の生活の中で誰もができることや、続けるのが簡単な作業については、継続したからといって大きなアピールポイントにはなりません。継続が難しかったり、障害があったりしても乗り越えたというエピソードを伝えると、継続力があることを納得してもらいやすくなります。
継続力をアピールする人は多いため、別の言葉に言い換えて伝えるとライバルとの差別化につながります。「継続力」は、以下のように言い換えが可能です。
採用担当者に自分の強みを伝えただけでは、効果的な自己PRとはいえません。転職を成功させたいのであれば、評価される自己PRを目指しましょう。アピールポイントで好印象を与えるためには、伝え方が重要です。ここでは、3つのステップに分けて継続力のアピール方法を解説します。
自己PRでは、「私の強みは継続力です」といったように最初に結論(アピールポイント)を伝えることが大切です。すると、後述する内容が最初に述べたアピールポイントに関連するものだと分かるため、強みが伝わりやすくなります。また冒頭でインパクトのある強みを記載すると、採用担当者の印象に残りやすくなる効果も期待できます。
継続力があると述べただけでは、信ぴょう性の低い自己PRになってしまいます。採用担当者に自分の強みを伝える際には、エピソードを交えるのがポイントです。
「いつ継続力を発揮したのか」「どのような場面だったのか」「なぜ続けたのか」など、具体的に述べることで、継続力を強みとする根拠を伝えられます。また、継続力を発揮したことにより、どのような結果になったのかも忘れずに伝えましょう。
より効果的な自己PRにするためには、入社後に活躍する姿をイメージしてもらうことが大切です。現在身につけている継続力という強みが、企業でどう活用できるのかを伝えましょう。企業の採用担当者が知りたいのは、強みを活かして再び成果を上げられるかという再現性の部分です。採用すれば企業にメリットがあると思ってもらえれば、選考に通過する可能性は高まります。
自身の強みが企業で活きることを伝えるためにも、企業研究をしておく必要があるでしょう。経営方針なども把握していると、企業に合った効果的なアピールができます。
一言で継続力といっても、「粘り強さ」や「目標達成へ向けての取り組み」「課題を解決するまで諦めない力」など、アピールポイントは人によってさまざまです。ここからは、アピールポイント別に継続力の例文を紹介します。自己PRで継続力を伝えたい方は、例文を参考にして構成を考えてみてください。
【例文】
私は何事も簡単に諦めてしまわずに、粘り強く取り組むことを信条としています。前職では毎年1度、大々的なイベントの企画を行っていました。その中で、これまで一度もイベント出店をしたことのない老舗を呼び込もうという計画が出たのですが、残念ながら了承をもらえませんでした。
しかし、私はこの店の誘致がイベントの大きな成功につながると考え、イベント開催後も定期的に店舗へと足を運び、信頼関係を構築するとともに、イベント出店に対する抵抗感の原因を探りました。
結果、初めてのイベントへの参加に不安を感じていることが分かったため、私が全面的にサポートする点や参加するメリット、当日までの段取りなどを粘り強く説明し、翌年のイベントへ参加してもらえることになりました。
この初出店が話題になり、イベントの動員数は前年よりも3,000人増加、店舗側もよりいっそう人気を博すという、双方にとって利益の大きい結果となりました。貴社でも、持ち前の粘り強さを発揮して、より多くの契約獲得に邁進したいと考えております。
【例文】
私の強みは、目標達成に向けてコツコツと継続できることです。前職では、不動産やビルの管理スタッフを担当していました。資格がなくても働ける環境でしたので、入社時は資格を保有していませんでしたが、「危険物取扱者」の資格があると設備の点検や整備に役立つと知り、資格取得を目指しました。
仕事と両立しながら独学で資格取得を目指していたので、思うように勉強が進まず、1年間で2度、試験に落ちてしまいました。しかし、ここでやめたら努力が無駄になると思い、さらに半年間勉強を続けました。
その結果、3回目の試験には合格でき、諦めずに続けることの大切さを学びました。貴社は粘り強さをモットーにされていると伺いましたので、この経験が活かせると考えております。
【例文】
私の強みは、課題解決のために長期的に取り組めることです。前職では、飲食店のホールリーダーを担当していましたが、スタッフへのクレームが月に15件ほど起きていました。改善するよう全スタッフに周知しましたが、クレームの数が減ることはありませんでした。そこで、クレームの根本的な原因を探るために、3ヵ月間毎日クレームの内容を記録・分析しました。
その結果、キッチンとの連携に問題があることが分かりました。そこで、新たなオーダー表を取り入れるほか、オーダー提出方法を変更したことで、翌月にはクレームを3件にまで減らせました。
その後もクレーム管理を徹底した結果、地域の飲食店満足度ランキングで1位を獲得できました。お客様が満足できる環境作りを徹底している貴社でも、この経験が活きると考えております。
転職では、過去の仕事の経験から継続力をアピールすることが大事です。しかし、社会人経験が少ない第二新卒や未経験の業界・職種への転職の場合など、前職の経験をアピールできない人もいるでしょう。ここでは、アルバイトやスポーツなど、仕事以外で継続力をアピールしたい人に向けて自己PRの例文を紹介します。
【例文】
私の強みは、厳しい環境でも諦めない忍耐力です。学生時代、高級焼肉店でアルバイトをしていました。担当はキッチンです。高級なお店であったために調理や盛りつけは細部まで指導され、少しでも「味が濃い」「火が入りすぎている」といった場合は作り直しを命じられました。厨房のオーナーシェフは厳格な人で、アルバイトで入った人の多くが辞めていきました。
私も心が折れそうになることが何度もありましたが、「最後までやり抜く」と決め、大学卒業まで続けました。アルバイトを退職する際は、オーナーシェフから「よく頑張ったね。よかったらうちで働かないか」と言っていただけました。
貴社に入社できましたら、アルバイトで培った忍耐力と継続力を十分に発揮していきたいと考えております。
【例文】
私の強みは継続力です。私は5歳から20歳になるまでピアノを続けてきました。親に勧められて入ったピアノ教室ですが、最初はあまりピアノが好きではありませんでした。それはピアノの先生が厳しかったことや、ピアノの魅力が何なのかよく分かっていなかったためです。
ピアノのレッスンに行きたくないことから、泣いたり風邪をひいたふりをしたりすることもありました。それでも毎年開催されるピアノの発表会に向け、練習を継続しました。すると、最初は好きではなかったピアノも、徐々に上達して弾ける曲が増えていくうちに楽しくなりました。15年続けたピアノから、継続することの「大変さ」「つらさ」を知ると同時に「楽しさ」「大切さ」も学びました。
貴社に入社できましたら、継続力を活かして仕事を覚えていき、いち早く戦力となれるよう尽力いたします。
【例文】
私の強みは、粘り強く諦めない姿勢です。私は高校3年生のとき、サッカー部のキャプテンを務めていました。中学の頃はサッカーが下手で、レギュラーメンバーには選ばれませんでした。高校に入ったら「一生懸命努力してレギュラーメンバーとして大会に出場したい」と考えていました。
毎日朝練習と居残り練習をしたおかげでサッカーのレベルは上達し、その努力が認められて高校3年生でキャプテンになり、レギュラーメンバーとして試合に出場できるようになりました。また、無名の高校だったにもかかわらず、県大会でベスト4の成績を残せました。私は高校の部活動で、継続や努力の大切さを知りました。
貴社に入社できましたら、困難な問題や壁にも粘り強く立ち向かい、成長していきたいと考えております。
【例文】
私の強みは、目標達成に向けて努力することです。私は大学に入るまで英語が非常に苦手でした。しかし、「苦手を克服したい」と決意し、大学1年生で本格的に英語の勉強に取り組みました。通学時に英語のリスニング、アルバイトの休憩時間に単語帳を読む、就寝前に英文法を暗記するなど、自分なりに努力を続けてきました。
その結果、大学1年生の頃のTOEICのスコアは300点程度でしたが、大学2年生で400点、大学卒業時には700点に届きました。苦手だった英語も、継続して努力すれば克服できることを実感しました。
貴社に入社できましたら、常に高い目標を持ち、努力を継続していきたいと考えております。
継続力は、アピールポイントとして有効です。ただし伝え方を間違えると、強みが伝わらない自己PRになってしまいます。単に何かを継続しただけでは「強みではない」と捉えられてしまい、アピールにならないケースもあるでしょう。ここでは、継続力を強みとして伝える際のNG例を紹介します。
【例文】
私は、継続力を強みとしています。前職では営業職に従事していました。ハードな業務で厳しいノルマを課せられていましたが、お金を稼ぐために4年間頑張りました。粘り強さをモットーにしている貴社で、この継続力を活かして活躍したいと考えています。
〈解説〉
強みをアピールする際に、「どのような継続力なのか」が明記されていません。また、継続した根拠がお金であることも、イメージダウンにつながってしまいます。
【例文】
私は、継続力が強みです。大学では2年間テニスサークルに入っていました。また、中学生から水泳を7年間続けています。前職の事務職では、苦手な業務もありましたが、3年間続けられました。
〈解説〉
強みをアピールするときには、題材をひとつに絞り込むことが大切です。また、継続力が強みだといえる根拠が提示されていません。効果的に能力をアピールするためには、具体的なエピソードを明記しましょう。
【例文】
私は、粘り強く続けられる継続力が強みです。前職では、営業職に従事していました。入社当初は目標を達成できませんでしたが、諦めずに努力を続けた結果、目標を達成できました。この継続力を活かして貴社に貢献したいと考えています。
〈解説〉
強みが明確でないうえに、企業での活かし方が漠然としています。強みの活かし方をしっかり伝えられないと、志望度が低いと捉えられてしまうでしょう。
自己PRで継続力を伝えるのは効果的ですが、伝え方を誤るとかえって印象を悪くしてしまうことがあります。自己PRで継続力を伝える際は、以下で紹介する4つの注意点を押さえておきましょう。また、自己PRを作成した後は、家族や友人など、第三者にチェックをお願いするのがおすすめです。
自己PRでアピールしたいことが多かったとしても、長くなりすぎないように注意が必要です。長くて冗長的な自己PRはアピールしたいことが伝わりにくいうえに、「文章をまとめられない人」といったマイナスな印象を与えてしまう可能性もあります。
自己PRは、応募書類に記載する場合は300文字程度、あるいは記入欄の8割程度が目安です。面接で自己PRを伝える場合は、1分以内に収めるとよいでしょう。
継続力を重視するエピソードは、伝え方を間違えると「頑固」「協調性がない」といったマイナスの印象を与えてしまうことがあります。
エピソードを考えた後、客観的に見てどう捉えられる可能性があるのか、落ち着いて振り返る時間を取りましょう。判断しにくい場合は、第三者に意見を求めるのもおすすめです。このとき、気を使ってポジティブな回答しかしてくれない相手ではなく、遠慮せずに意見を言ってくれる相手を選ぶ必要があります。
「毎日学校に通った」「仕事を休まなかった」など、継続して当たり前のことを記載しても継続力のアピールにはなりません。むしろ、「常識のない人なのでは」とマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。継続力をアピールする際は、「一般的に継続が困難なことを、自分なりに努力して続けてきたエピソード」を伝えるのが効果的です。
面接では、履歴書や職務経歴書の内容を基に質問されます。つまり、応募書類に記載した自己PRについて深掘りされる可能性があるため、うそをついたりエピソードを誇張したりするのはNGです。採用担当者は多くの応募者を見てきていることから、うそは簡単に見抜かれてしまいます。一方で、面接で深掘りされることを想定し、事前に予想される質問の回答を用意しておくのも有効です。
「継続力をアピールしたいけど、よいエピソードが見つからない」といった場合は、別の強みを訴求したほうがよいでしょう。自己PRでは、継続力以外にもアピールポイントとして有効な強みは多くあります。継続力をアピールするのが難しい場合は、以下で紹介する5つの強みを基に自己PRを作成してみてください。
ビジネスにおける協調性とは、周囲の人と適切にコミュニケーションを取り、協力して物事を進められる能力のことです。会社はひとつのチームであり、事業の成長・発展には社員同士の協力が欠かせません。協調性が高い人は、「入社後にすぐにチームに溶け込むことができ、成長も早い」と期待されるでしょう。
協調性をアピールするには、「チームで連携して物事を進めたエピソード」「コミュニケーションを取る際に心がけていること」などを自己PRに盛り込むとよいでしょう。
ビジネスで求められる行動力とは、自分から考えて積極的に動く力のことです。人から指示されないと仕事ができない人は、会社から高い評価を得られません。一方で、会社が求めていることを先読みして自ら積極的に行動できる人は、組織をけん引するリーダーとして期待されるでしょう。
行動力をアピールする際は、「何を考えて行動しているのか」「行動する際に注意していることは何か」などを伝えるのが効果的です。「やみくもに行動する人」と思われないよう、注意しましょう。
ビジネスにおける柔軟性とは、ルールや自分の考えに固執せず、その場の状況や変化に応じて臨機応変に対応できる能力のことです。柔軟性が高いと、トラブルが起きたときでも迅速に対応でき、被害を最小限に抑えられます。また、常に最善の行動ができるため、効率的に仕事を進められる点も強みです。
柔軟性をアピールするには、「予期せぬトラブルにどのように対処してきたか」「失敗をどのように乗り越えてきたか」などを伝えるとよいでしょう。
向上心とは、現状に満足せず、自分自身の成長に向かって努力する心のことです。向上心のある人は成長も早く、未経験の仕事であっても早期に活躍できるでしょう。また、モチベーションの高い社員はチームの士気の向上に寄与することから、向上心のある人材は多くの企業から重宝されます。
向上心をアピールするには、「どのような目標を掲げ、どう行動し、どのような結果を得たのか」を明記するのがポイントです。「ただ向上心があるだけ」と思われないようにしましょう。
積極性とは、自ら進んで物事に取り組む姿勢のことです。「チャレンジ精神がある」「主体性がある」などとも言い換えられます。多くの企業はチームをけん引できる優秀な人材を求めており、積極性やリーダーシップのある人は転職市場において需要があります。
積極性をアピールするには、「自らどのような目標を掲げて行動しているのか」「何を意識して仕事に取り組んでいるのか」などが分かるよう、エピソードを交えて伝えるとよいでしょう。
「自己PRをどのように作成したらよいのか分からない」「転職活動をサポートしてほしい」といった方は、転職エージェントの利用がおすすめです。マイナビエージェントには転職成功のノウハウを熟知したキャリアアドバイザーが在籍しており、訴求力の高い自己PRの作成を支援できます。
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自己PRで継続力をアピールする際は、「続けたことによる成果」を具体的に記載しましょう。また、ライバルと差別化を図るために、継続力を別の表現に言い換えるのもおすすめです。
自己PRに自信がない方は、転職エージェントを活用しましょう。マイナビエージェントでは、キャリアアドバイザーがプロの視点で書類を添削します。模擬面接による面接対策も実施していますので、転職に関する悩みや不安を抱えている方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。
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