更新日:2022/05/27
この記事のまとめ
未経験であっても、スキルアップや新しい分野への挑戦で、メーカーへの転職を考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、未経験者はどの業種が自分に合うのか、どんな職種の求人があるのか、競争率や転職の現状、平均年収など分からないことが多いでしょう。
そこでこの記事では、メーカー未経験の転職者が知っておきたい業種の仕組みや職種、転職のメリットなどを紹介します。自分が何に貢献できるのか、強みを生かした仕事ができるのかを考察できれば採用率もあがるため、ぜひ参考にしてください。
目次
メーカーとは「ものづくり」を行う「製造業」と呼ばれる企業のことです。大きく分けると3つの製品業種があり、製品の一部だけを作る企業もあれば、製品完成までの工程をすべて自社で行う企業もあります。まずは、業種の仕組みについて見てみましょう。
素材メーカーは、製品の基となる素材を生産・加工する企業のことです。化学素材・樹脂・ゴム・紙・鉄鋼・ガラスなど、素材そのものが当てはまります。化学メーカーや鉄鋼メーカー、繊維メーカー、製紙・パルプメーカーなど、企業によって知名度に幅はあるものの、製品を生産するためには欠かせません。
素材メーカーで生産されたものを、加工したり組み立てたりするのが自動車メーカーや食品メーカーなどです。メーカーによって異なる加工や組み立てで独自のブランドを生成し、有名な製品を多く販売しています。素材メーカーとの連携により製品の生産を行う企業です。
一部を生産する素材メーカーと部品加工・組立メーカーとは異なり、すべての工程を行っている企業もあります。素材の特質や成分を研究・生産し、加工して最大限に効果を引き出せる製品を作る、化粧品メーカーや医薬品メーカーなどが当てはまります。
メーカーは製品を販売する相手によって2つの企業タイプに分けられます。ひとつは法人に向けて販売を行う「BtoB企業」、もうひとつは消費者に向けて販売を行う「BtoC企業」です。
どちらの企業タイプも「ものづくり」に変わりありませんが、消費者が直接店頭で購入できるかどうかの違いがあります。
法人に向けて販売を行うBtoB企業には、機械メーカーや鉄鋼メーカー、石油・化学のメーカーや住設機器メーカーなどが当てはまります。製品の素材や部品を取り扱う、「ものづくり」を根底から支えている企業です。
一般消費者に向けての宣伝が少ないため地味な印象を持たれがちですが、中には自社生産・販売を行っている知名度の高い企業も存在します。
受注があれば長期的な取引が可能なため、収支の安定性が高い企業といえます。また、海外の法人と取引を行う企業もあり、世界中のものづくりを支える社会貢献度の高さも魅力です。
一般消費者に向けて販売を行うBtoC企業は、自動車メーカーや化粧品メーカー、食品メーカーなどです。素材や部品を組み立て、自社開発で製品を作り出している企業を指します。
製品にメーカー名をつけていることや、広告やCMで宣伝していることもあり、知名度の高い企業が多いことが特徴です。
需要によって売り上げは異なりますが、ブランディングに力を入れている企業が多く、安定性のある就業が見込めます。大企業が多いため人気があり、福利厚生や働く環境が整っている傾向があります。ただしその分、競争率は高めです。
ここでは、メーカーに転職すると得られるメリットについて紹介します。メリットだけで転職するわけではないでしょうが、自分が身を置く業界の特徴を知ることは大切です。未経験の方ならなおさら、事前に把握しておくことをおすすめします。
メーカーに転職することで得られるメリットのひとつは安定性です。万が一製品自体が売れなくても、素材メーカーはほかのメーカーに販売ができるため、上流工程であればあるほど経営の安定性が期待できます。また、工夫次第で自分たちで生産性をアップさせることも可能です。
メーカーは未経験者でも転職できる企業が多くありますが、働いていくうちにさまざまなスキルを習得できます。専門知識や資格の取得、マーケティング力や実務経験、最新技術に触れることも可能です。
どのようなメーカーに転職するかによりますが、身につけたいスキルによって企業を選ぶ方法もあります。
一般的に、メーカー企業は家族手当や住宅手当、特別休暇や休日の確保などの福利厚生が充実していることが重要です。
メーカー以外にも福利厚生に力を入れている企業はありますが、製造業は特に専門的な技術や体力が必要であったり、汚れたりする仕事もあります。そのため、従業員のケアに力を入れている企業が多い傾向です。
メーカーは大企業であればあるほど競争率が高い傾向にあります。特にBtoC企業は宣伝効果による知名度が高いため応募が多く、未経験者の転職は難しいことが現状です。また、メーカーは年功序列の環境にあることも多く、成果を上げてもすぐには出世につながりにくい面もあります。
中小企業であれば少し競争率は低くなり、成果を上げれば素早い出世もしやすいでしょう。メーカーによって就職の難易度や従業員への待遇が異なるため、自分の理想に近い企業を選ぶことが大切です。
メーカー未経験者の転職は競争率が高く難しい傾向にありますが、実際にはどのような状態にあるのでしょうか。転職の現状と20代、30代、40代以降での年代別による年収も含めて紹介します。業種により年収や就職率が異なるため、平均的な数値を見て比較しましょう。
20代の転職者には、専門技術の吸収力や体力などの能力が期待されます。メーカー未経験であっても、働いていくうえでの技術の習得や肉体労働に耐えられる体力があれば、採用が見込めるでしょう。
年収は300万円後半から500万円前半までと幅が広く、需要や貢献度が高い医薬品や医療機器、半導体などのメーカーが比較的高くなっています。
30代の転職では、製造工程や作業の流れ、図面を読み取る能力や資格取得の有無が期待されます。リーダーとして部署をまとめる、全体を把握する力が必要となるため、未経験での転職は少し難易度が上がります。
年収は成績や役職により変動しますが、500万円前半から650万円前後までと、20代よりも高い傾向です。基本給与よりも手当や賞与で増えることが多いため、転職前に必要な資格の取得や専門知識を勉強しておくとよいでしょう。
40代以降での転職は、20代・30代よりもさらに難易度が上がります。新たに専門知識を吸収する能力や体力は期待薄なため、すでに得ている知識と経験が重要です。製品を製造する第一線ではなく、管理職や営業職としての採用であれば転職率は上がるでしょう。
年収も年齢が上がるにつれて高くなる傾向です。経験値や役職による手当・賞与もありますが、年功序列の環境による基本給与の高さも理由として挙げられます。
年齢によって未経験者の転職の難易度は異なりますが、未経験者であっても求人を募集している企業は多く存在します。
経験や専門的な知識がなくとも転職できる企業は多くあるため、自分に合う求人を見つけましょう。ここでは、未経験者の就職率が高い職種を紹介します。
生産管理は、生産した製品の品質管理や需要に応じた生産量の把握と管理、スケジュールの策定が主な仕事内容です。
資材調達は国内外の素材メーカーとの交渉や買いつけが主な仕事で、商社との連携が必要となる場合が多くあります。そのため、社会性が身につくほか、製造工程の把握やマーケティング力を養えるでしょう。
商品企画は、メーカーの花形仕事とされています。新製品の提案・開発や既存製品の改良を行う部署で、未経験者であってもアイデア力や市場のニーズを分析する能力さえあれば活躍できるでしょう。
消費者が求めるものと仕事が直結しているためやりがいを感じやすく、未経験者の採用は可能なものの競争率は高めなのが現状です。
研究・技術開発は、製品の基礎となる素材の研究や製造技術の開発が主な仕事です。生産管理や商品企画と連携し、新しい製品の生産や既存品の改良を行います。素材メーカーでは素材自体の開発も行うため、独自の製品を持つための重要な職種です。
BtoC企業では特に研究に力を注いでいることが多く、未経験者でも素材について熱心に研究ができる人であれば採用されやすい傾向にあります。
効率良く生産を回す、問題点を解決するためのシステムの導入や改修、運用することが社内システム開発の主な仕事です。より良い製品をいかに迅速で丁寧に生産できるか、ほかの職種との連携がうまくとれるかは、社内のシステムに依存します。
社内のパソコンやソフトウェアの設定や修理を担当することも多く、専門知識を勉強すれば未経験者でも採用される確率が上がるしょう。
製品の宣伝や、宣伝によるブランド力の拡大、売り上げの向上・維持を担う広報も、未経験者の求人があります。情報収集や資料管理などのコツコツとした作業のほか、販売における注目点の抽出なども担うため、臨機応変な対応ができる人に向いています。
デザインやマーケティングに対する知識・資格があると有利に働くでしょう。未経験であれば、そのあたりのスキルを学んでみてはいかがでしょうか。
営業は、顧客である企業や新規企業への製品の売り込みが主な仕事内容です。自社製品の良さをしっかりと把握し、購入してもらえるような話術を身につける必要があります。
したがって、対人スキルの高さや説明の分かりやすさ、丁寧な対応ができる人が評価されます。社会人としての適正を生かせる職種なので、メーカー業界未経験でも採用されやすい職種といえます。
「有名企業で働きたい」「新しいスキルを身につけたい」「ものづくりを経験したい」などの理由から、メーカーへ転職を考えている方は多いのではないでしょうか。その一方で「専門的な技術や経験が求められるのではないか」と弱気になってしまう気持ちもあるでしょう。
経験・未経験にかかわらず、転職すれば新たに仕事を覚える必要があります。そのため、いかに早く業務内容を把握できるかどうか、意欲があるかどうか、社会人としての常識や対人スキルがあるかなどがポイントです。
未経験であることに引け目を感じず、仕事に対する意欲や前職の仕事を生かせるような提案、チャレンジする精神を示すことで採用されやすくなるでしょう。
メーカーには素材を扱ったり、加工・組立を行ったりする企業、素材から研究して一から製品を仕上げて直接お客さまに届ける企業など、さまざまな企業があります。企業の中でも多くの職種があるため、自分がどの職種で働きたいのかをしっかりと考えておきましょう。
未経験者がメーカーに転職する際に大切なことは、メーカーの仕組みをきちんと理解していることはもちろん、志望動機を明確にすること、前職の経験を生かせるアピールができるかです。マイナビメーカーエージェントでは、個別面談で一人ひとりに合う求人の紹介、面接対策のお手伝いをしています。
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