更新日:2024/03/19
同じ職種でも、業界が違えば仕事の内容は変わってくるもの。「転職する職種は決めているけれど、どの業界にしようか悩んでいる」という人は、意外と多いのではないでしょうか。ここでは、営業職を例に挙げ、混同されがちなメーカーと商社の仕事内容の違いを紹介していきます。
目次
メーカーと商社は、どちらも製品を販売することから、業務内容が混同されがちです。しかし、両者はまったく別のもの。
見分け方は「自社で物を作っているかどうか」であり、原材料を加工して製品の生産・販売を行うのがメーカー、貿易や国内企業から製品を調達し販売するのが商社となります。
メーカーの中には、自社で独自のルートを開拓して、原材料の調達や製品の販売を行っている企業もあります。しかし、海外から原材料を調達したり、商品を小売店一つひとつに納入したりするには、多大な労力とコストがかかります。
商社の仕事は、それら製造以外の部分を肩代わりしてメーカーを支えること。国内外に張りめぐらせたネットワークを活用して、原材料の調達や営業のサポートを行うなど、ビジネスコーディネーターとしての役割を担っています。
最近では、自社で製品を生産・販売する一方で、顧客の要望に合わせて素材や製品の調達も手掛ける、商社機能を備えたメーカーも登場しています。元々の結び付きの強さに加え、このような事情も、メーカーと商社が混同されがちな理由となっています。
営業は、メーカーと商社、どちらにもある職種ですが、その仕事内容は大きく異なっています。ここでは、メーカーと商社それぞれの営業職の仕事内容をご紹介します。
メーカー営業の仕事は、自社の製品を顧客に販売することです。
メーカーの種類によって、その営業先は様々であり、たとえば自動車メーカーの営業であれば、ディーラーやサブディーラーに対する営業支援や、企業・官公庁への営業がメインとなります。また、鉄やガラスなど素材メーカーの営業であれば、それらを原材料として別の物を生産するメーカーが主な営業先となります。
製品によっては、一般消費者に直接商品を売り込む場合もありますが、メーカー営業は法人営業が大半であり、既存顧客のアフターケアの比率が高いのが特徴です。
素材メーカーや部品メーカーの営業の場合は、企画の段階から関わり、顧客企業のために素材や製品を開発することもあります。扱う商品は自社製品に限られますが、製品に対する深い理解が求められる仕事です。
メーカー営業に対し、商社営業は「◯◯の素材が欲しい」「製品を販売したい」といった要望を聞き、メーカーの製品調達や販売をサポートするのが主な仕事です。
いわば「メーカーの御用聞き」であり、顧客の要望に合った素材を扱っているメーカーを探したり、顧客の商品を他のメーカーや小売店に販売したり、商品の新たな買い手を探したりするなど、その仕事内容は多岐にわたります。
扱う商品の種類が膨大なので、一つひとつの商品への深い理解はさほど求められませんが、その分、幅広い知識と提案力が求められるのが特徴です。
メーカー営業と商社営業では、仕事内容の他に、次のような点でも違いがあります。
年収は、同じ業界でも、企業規模や地域によって異なります。そのため、一概にはいえませんが、商社営業のほうがメーカー営業より年収が高い傾向があります。
その理由として、商社はメーカーと違い工場や在庫を持たないため、その分のコストがかからず、利益を人件費に分配しやすいことや、海外赴任手当がつくことなどが挙げられます。また、総合商社と専門商社でも年収に差があり、一般的には総合商社のほうが、年収は高くなる傾向があります。
商社営業は、メーカー営業に比べて取り扱う商品数も顧客の数も多いため、激務になりがちです。また、海外出張も多く、人事異動で海外勤務を言い渡される場合もあります。海外出張のあるメーカー営業も増えてきていますが、忙しさという点では、やはり商社営業のほうが忙しいといえるでしょう。
メーカー営業のやりがいは、やはりものづくりに関われることです。開発段階から顧客と協議を重ね、新しい素材や製品の開発に携われるのは、メーカー営業ならではの醍醐味といえるでしょう。
一方、商社営業は扱う商品が多く、多彩なアプローチが可能です。その他にも、金額の大きな仕事に携わることができる、世界を舞台に仕事ができるなどの魅力があります。
同じ職種でも、どの業界で働くかによって、仕事内容ややりがいが異なります。専門的な知識や技術が求められるメーカーと、幅広い知識やフットワークの軽さが求められる商社という違いを踏まえた上で、自分に合うほうを選んでみてください。
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