更新日:2022/05/27
この記事のまとめ
メーカーには自社製品を売り込む営業担当がいます。製品をより多くのユーザーに知ってもらい、利益を生み出すためには営業は必要不可欠です。自社製品を扱っている取引先との架け橋となる営業は、会社存続に大きく関係しています。
一般的に営業職は高収入というイメージを持たれていますが、メーカー営業の場合はどうでしょうか。この記事では、メーカー業界ごとの年収、年代や性別ごとの比較、年収が高い業界の特徴を紹介します。
目次
メーカーは、医療機器、自動車、電子機器、食品など、ものづくりを行う会社を指します。その自社製品を売り込むのがメーカー営業です。
メーカー営業がどのような営業スタイルを取り、どのくらいの収入を得ているのか、まずはメーカー営業の特徴を見ていきましょう。
メーカーの営業先には法人もあれば個人もあります。企業間取引を「B to B」、一般消費者との取引を「B to C」といいます。商品によっては両方の取引方法を取るメーカーもありますが、多くのメーカーがB to Bです。
代表的な業界を例に出すと、B to Bは電子機器・医療機器メーカー、B to Cは自動車・化粧品メーカーなどです。
営業職全体の平均年収と平均生涯賃金を見てみましょう。生涯賃金は20歳から定年となる60歳まで、再雇用はないものとしています。
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あくまでも平均であり、より高額な年収を得る人もいます。また、インセンティブの有無など企業によっても年収が変わるため、イメージとして参考にしてください。
性別および年代別の平均収入を見てみましょう。
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女性よりも男性の平均年収が高く、性別を問わず20代よりも30代の方が高収入ということも分かります。
男性の年収が高い理由に、営業職に従事する男性の割合が高いことが関係しています。また、営業は経験と実績が比例する特徴があるため、20代よりも30代の年収が高くなります。
営業職の多くは「基本給+歩合」の給与体系です。成果が報酬にダイレクトに反映されるため、営業職は稼ぎやすい職種だといえます。 営業職自体の基本給は企業ごとに大きな違いはありませんが、取り扱う商品によって歩合単価が異なります。商品単価が大きいほど歩合も高くなります。 実績が収入として返ってくる営業は、収入面だけでなくやる気や自信にもつながるでしょう。
メーカー営業は、取扱商品の違い、専門知識の違いなどから業界によって年収に大きな差があります。転職先を探すにあたり、年収はやりがい同様大きなポイントです。希望する業界がある場合は、事前におおよその年収を把握しておきましょう。
ここでは、特徴や世代ごとの年収傾向を、6つのメーカーに分けてご紹介します。営業職以外の年収も含んでいますが、傾向はつかめます。
医薬品メーカーの平均年収が高めです。あらゆる傷病に必要不可欠である医薬品は、高い需要を保つ業界です。
薬にまつわる知識はもちろん医療全般の知識も必要となるため、営業職の中でも専門性が高い業界です。そのぶん歩合も高額で、実績を上げるほど高収入を得られます。
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PCやスマートフォン、洗濯機など、身の回りにある精密機器を動かすのに必要不可欠な半導体は、暮らしを支える重要な役割を担っています。毎年のように高い性能の半導体が開発され、それらを売り込み流通させるのが半導体の営業です。
多くはルート営業で、既存顧客への売り込みをします。歩合も高額なことが多く、成果を出せれば高収入を狙えるでしょう。
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家電から産業用機器まで、幅広い製品の製造をするのが電子・電気機器業界です。日本製の電子・電気機器は海外でも評価が高く、日本を代表する企業が多く存在します。
技術者を相手にすることも多いため、対等に話せる知識が必要です。キャリアを積んだ30代から高収入が見込めるでしょう。
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医療機器メーカーは、高齢化社会の進行や医療機器のIT化による医療機器の買い足し・買い替え需要が見込める業界です。また、人の命に関わることから景気に左右されず、安定しています。
技術者と接する機会も多いため、医薬品メーカー同様、専門知識が必要です。経験を重ねた30代から成果が出せ、年収アップにつながるでしょう。
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自動車・自動車部品・輸送用機器メーカーは、自動車や電車の部品・製品を製造しています。若者の自動車離れが懸念されている一方で、環境に優しいEV車の開発など、今後の需要も十分に見込めます。
しかし、景気に左右される一面もあるため、年収に影響を与える可能性があることを理解しておきましょう。30代の男女共に平均年収が500万円を超えており、高収入だといえます。
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ソフトウェアや電子制御で動く精密機器において、日本は世界的に見ても高い支持を得ています。PCやスマートフォンは、今の生活から切っても切り離せない存在となりました。今後も需要が見込める業界です。
ほかの業界ほど大幅な伸びはないものの、一般的なサラリーマンよりも高い平均年収を得られます。
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年収比から分かるように、同じメーカー営業であっても業界ごとの年収は異なります。この差は企業の大小にもよりますが、別の理由も関係しています。
メーカー営業に転職するのであれば、高収入を目指したいという方もいるでしょう。ここでは、高い収入を得られる業界の特徴を2つご紹介します。
高収入を得られるメーカーは、商品単価が高いこと、さらに人の生活に密接に関わっている業界であるという特徴があります。医療品・自動車・住宅などが代表例です。
身近な商品である一方、専門知識が必要な業界でもあります。B to Bの場合はその道のプロを相手にするため、対等に話せ、理解できる力が必要です。B to Cの場合は一般消費者を相手にするため、分かりやすい説明と消費者に寄り添う対応を求められます。
契約までに時間を要することもありますが、経験を積むほど知識も増え、それが年収に反映されるでしょう。
一度の受注量が多いB to Bは企業利益も多く、それが年収に影響します。したがって、高収入を狙うのであればB to B営業の企業を選びましょう。
法人の場合大きな予算を設けているため、商品単価は低いとしても大量受注ができれば大きな収益となります。また、契約が継続すればさらに利益を生み出せます。
企業同士の長い付き合いに貢献できるB to B営業は、収入面を含め営業職の醍醐味を味わいやすでしょう。
歩合制が取り入れられている営業職は、ほかの業種に比べ実力重視です。結果を出すほど収入が上がり、やりがいを感じられるでしょう。
しかし、歩合制はあるとしても年功序列の風習が残っている企業があることも事実です。営業職としての実力をより評価されたいという方は、外資系メーカーも視野に入れてみましょう。
全体として、日本企業は営業と事務職を兼務するなど、マルチに活躍する人材を求める傾向にありますが、外資系企業はその分野のスペシャリストを求めます。
また、協調性を重視する日本企業と違い、外資系企業は個人主義です。自分の仕事に専念できる一方、仕事への責任は重くなります。トラブルへの対処も必要になるため、営業職も高い専門スキルを必要とします。
個人主義とはいえ、各部門と能動的な連携は必要です。職種ごとのプロとして、効率的に仕事を進めるスキルも求められます。
一般的に、外資系企業は成果主義です。成果を出せば歩合に反映され、収入が増えていきます。これだけを見ると日本企業と変わらないように感じますが、歩合を出すまでの過程に違いがあります。
多くの日本企業は教育制度を設けており、未経験者でも挑戦できる環境が整っています。しかし、外資系企業の多くは即戦力となるスペシャリストを求めており、自己成長は個々に任されています。
自主的に学ぶことでプロ意識が高まります。結果を求められるためプレッシャーもありますが、収入につながれば大きなやりがいを感じられるでしょう。
外資系企業も、業界によって得られる収入が異なります。業界別の年収の目安は次の通りです。
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メーカー業界だけを見ても、日本企業と大きな差を生んでいます。自分の実力を試したい、より専門知識を増やしたいという方は、外資系への転職も検討してはいかがでしょうか。
これまで紹介した業界以外にも、高収入を狙える業界があります。
これらに共通しているのは「B to Bビジネス」「高単価商品」「人の生活に関わる商品」である点です。いずれの業界も厳しさはありますが、大量発注の契約を結べれば歩合に反映され、評価につながるでしょう。
営業職は自社製品に自信と誇りが必要です。転職先を探す際には、興味のある業界、好きな製品など、取り組みやすさにも注目してみましょう。
メーカー営業の年収は、取扱商品や業界によって大きく異なります。年収が高い業界ほど専門知識が必要になりますが、そのぶんやりがいも大きくなるでしょう。
メーカー業界全体として、20代よりも経験を積んだ30代から収入が上がる傾向にあります。営業未経験でメーカー営業への転職を望む場合は、早い段階での決断がおすすめです。営業経験がある方は、これまでの経験を生かし高収入を目指しましょう。
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