更新日:2022/09/06
この記事のまとめ
クリエイティブに携わる職として人気の高い「広告クリエイター」。テレビや雑誌、Webといったさまざまな媒体で活躍できる仕事です。一般的に華やかなイメージもあるため、転職先の候補に挙げている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、広告クリエイターの仕事内容や年収などを解説します。年収アップに役立つ資格やスキルアップのコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
広告クリエイターには、「デザイナー」や「オペレーター」「ライター」といった職種があります。職種によって活躍の場や仕事内容が異なるため、まずはそれぞれの違いを把握しましょう。
ここでは、「グラフィックデザイナー」「Webデザイナー」「DTPオペレーター」「ライター」の仕事内容を紹介します。
グラフィックデザイナーは、ポスターや雑誌の広告、商品パッケージなどの印刷物をデザインする職種です。クライアントの要望を聞き、企画やデザインの提案を行うことから作業が始まります。
契約が完了したらデザインの制作に入り、一般的には複数案を提出します。この過程でイラストレーターやライターとチームを組んで制作することもあります。適宜修正を行い、OKが出れば印刷工程へ回して完了ですが、場合によっては「色校正」と呼ばれる印刷前チェックも担当します。
Webデザイナーは、Webサイトのデザインを行う職種です。デザインサンプルに「Illustrator」や「Photoshop」などのソフトを使うのはグラフィックデザイナーと同じですが、Webページの構築には「HTML」「CSS」「Javascript」といった知識も求められます。
代表的な作業工程としては、ディレクターが作成したフレームを参考に色合いやイメージを確認し、クライアントの要望に合ったデザインサンプルを制作します。問題がなければ構築作業に入ります。
DTPオペレーターとは、グラフィックデザイナーが作成したデザインを印刷物として出力できるようデータ作成をする職種です。DTPデザイナーとの違いはデザインをするか否かですが、両方こなす人もいます。
具体的な仕事内容は、印刷用のフォーマット作成、フォントや文字詰めなどのレイアウト調整、文字校正といった細かい作業がメインです。そのため、印刷物独特のルールや特徴への知識を必要とします。
広告業界で活躍するライターは「コピーライター」です。コピーライターの「コピー」は広告のことを指します。消費者の購買意欲を上げるためのキャッチコピーやボディコピーを作成するのがコピーライターの仕事です。
クライアント、ディレクター、デザイナーらとコンセプトを決め、それに沿ったインパクトあるキャッチコピーを考えます。ボキャブラリーの多さや言葉選びのセンスはもちろん、多角的な視点が求められます。
広告クリエイターの平均年収は300万円から550万円と幅広く、スキルレベルが上がる30代から収入が増えていく傾向があります。職種や業績によっても事情が変わるため一概には言えませんが、インセンティブや特別報酬を受け取れることもあります。
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広告業界には、デザイナー、オペレーター、ライターなどのクリエイターを統括する「ディレクター」や「プロデューサー」という職種もあります。制作チームを取りまとめる役割があるため責任はありますが、その分高収入を得られる仕事でもあります。それぞれの仕事内容と平均年収を紹介します。
広告ディレクターは、広告を制作する現場の責任者です。クリエイター陣に指示を出し、直接的に取りまとめる役割を果たします。プロジェクトを期日どおりに進行させるのはもちろん、クオリティーの担保も任されます。
一方で、広告プロデューサーは広告制作の運営や管理などの全般を請け負う総指揮者です。クライアントとの折衝やコストの算出のほか、納期の決定、スケジュールの組立といった仕事を担います。
ディレクターの中には、「クリエイティブディレクター」や「アートディレクター」と呼ばれる、通常のディレクターより少し格上の人もいます。
クリエイティブディレクターは案件を受注し、プロモーションするまでの工程すべてに関わる仕事です。クリエイターとして高い知識とスキルがないと務まらないため、デザイナーやコピーライターなどの実務経験を積んでからようやく就けるのが一般的です。
アートディレクターは、デザイナーが制作するデザインやビジュアルの統括が仕事です。クリエイティブディレクターが兼任する場合もあります。
広告業界のディレクター・プロデューサーの平均年収は、400万円から600万円程度です。映像・Web・雑誌などの広告媒体、年代によっても異なりますが、クリエイターを統括する立場のため業界の中では高年収です。大手広告代理店に勤務している人は、独立して活躍している人であれば、年収1,000万円以上も狙えるでしょう。
広告クリエイターに必須の資格はありませんが、資格の有無が年収に影響する可能性はあります。転職時のアピール材料にもなるため、資格取得も視野に入れるとよいでしょう。ここでは、広告クリエイターの年収アップに役立つおすすめの資格を紹介します。
クリエイターの仕事で使うツールの知識評価となる資格が「Illustrator」や「Photoshop」のクリエイター能力認定試験です。「Illustrator」はDTPファイルやWebデザインパーツの作成などに使用するソフトで、「Photoshop」は画像の加工や編集、Webデザインカンプの作成などに使用します。
それぞれの試験を受けることで、クリエイターの基礎スキルの習得が証明できます。
DTPエキスパート認証試験は、「色」「DTP」「情報システム」「印刷技術」「コミュニケーション」の5カテゴリーから、印刷物における総合的な知識を有する証明になるものです。より良い印刷物を作るために、幅広い分野を習得した人材育成を目的としています。
メディアビジネスにおいての優位性を持つだけではなく、スーパーバイザーとしても活躍できる資格です。
広告において、色彩は非常に重要です。色そのものがデザインになるだけでなく、消費者へ心理的に訴えかけることができます。色彩論を習得すればデザインの幅が広がり、イメージ通り配色できるようになるでしょう。
色彩検定は1級から3級まであり、実務向けは2級からです。2018年よりUC(ユニバーサルデザイン)級が新設されました。
アドビ認定プロフェッショナルとは「Adobe」製品の操作スキルを証明するものです。2021年6月より「Adobe認定アソシエイト(ACA)」から名称が変わり「Illustrator」と「Photoshop」に加え「Premiere Pro」が加わりました。アドビ公認の国際公式資格のため、世界で通用する資格です。
転職時のアピール材料になるほか、制作現場での円滑な意思疎通を図るのにも大いに役立つでしょう。
広告クリエイターが年収アップを狙うには、より多くの知識を取り入れて経験を積む必要があります。中でもグラフィックデザイナーやWebデザイナーは、デザインスキルの向上がデザイナーとしての評価にもつながります。ここでは、日常的に実践できるスキルアップのコツを紹介します。
スキルアップを図るコツは、知識をできるだけ多く取り入れることです。デザインにはセンスも必要ですが、多くの知識を得ることで表現の幅が広がります。また、原則やセオリーをしっかりと学ぶことはもちろん、デザイン誌や美術館などから刺激を受けることも大切です。
知識がたまるとともに提案できる数も増えていくため、クライアントの要望に応えやすくなるでしょう。
オリジナルデザインの制作に行き詰ってしまったときや、どうしても上手にできないときは、人気のデザインや有名デザイナーの真似をしてみましょう。作品を見るだけではなく、真似ることで視点の違いや色使いの違いなどに気づけます。
デザイナー歴が浅い場合は感性を広げられ、ある程度経験を詰んだ場合は自分のこだわりや方向性を再確認できます。新たな発見と同時に、自分らしいデザインを切り開けるでしょう。
自分に制約を作り集中して作業することで、より良いデザインを作り出せます。効率よく作業を進め、空いた時間に勉強や情報収集をするなど時間を有効活用しましょう。
また、複数案件を抱えた場合、タスク管理は非常に重要です。それぞれの作業を滞りなく進めるためにも、時間の有効活用を身につけておきましょう。時間管理が苦手な人は、休日の24時間をどう使うか考える練習から始めてはいかかでしょうか。
広告クリエイターは、テレビや雑誌、Webなどのさまざまな媒体で活躍できるため、転職先としても人気が高い職種です。専門的な知識が必要にはなるものの、資格の取得やスキルアップで高収入も狙えます。
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