更新日:2022/05/26
この記事のまとめ
IT業界でエンジニアになるには、現場で通用する知識やスキルを身につけなければなりません。仕事に直結する資格を取得している方は、転職活動が有利に働くこともあります。とはいえ、一からエンジニアを目指す方にとっては、ハードルが高いと感じるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、これからエンジニアになるための方法や必要なスキルについて解説します。未経験だからといって諦める必要はありません。実力を磨き、業界分析を行い、転職エージェントを上手に使えばチャンスは十分にあります。
目次
未経験からエンジニアを目指すのはハードルが高いと感じるかもしれません。エンジニアは特別なスキルを身につけた専門職のため、そう考えるのも無理はないでしょう。しかし、未経験からエンジニアに転職した方はもちろんいます。
現代社会でITは生活の一部になっています。Wi-Fiや5Gといった通信技術や電子マネー決済など、身近に利用しているIT技術を思い浮かべると実感できるでしょう。必然的にエンジニアのニーズは増加しており、IT企業は積極的にエンジニアの獲得に乗り出すようになりました。
こうした流れから、優秀な人材であれば未経験でも採用される傾向が強まっています。知識やスキルが不足していても、エンジニアとしての素質が垣間見える方は転職できる可能性が十分にあります。
エンジニアになるには、プログラミングやIT業界に関する知識が不可欠です。そのため書籍やIT系のスクールなどでコツコツ勉強する必要があります。最近はWeb上の学習サービスも充実しているため、上手に使えば未経験からでも実務に耐えられる力が身につくでしょう。
経験がない分、転職活動では身につけたスキルをどのようにアピールできるかが重要になります。ポートフォリオを作り、自分の強みやこだわったポイントを伝えましょう。
エンジニアは技術さえあればよいわけではありません。企業研究や自己分析を念入りに行い、面接で魅力的な自己PRをする必要があります。
自分PRに役立つのは、やはりポートフォリオです。アプリでもWebサービスでも、自分の強みが伝わるものを作成しましょう。
また、IT関連の資格をアピールするのも効果的です。資格保持者だから優遇されるとは限りませんが、ITへの関心の深さを伝える手段としては効果を望めます。
一口にエンジニアといってもさまざまな種類があり、仕事の内容も多種多様です。そこでここでは、エンジニアの職種や仕事内容、将来性を解説します。エンジニアの具体的な仕事内容を知りたい方や、エンジニアの未来について興味がある方に参考となる内容です。
エンジニアの職種はひとつに限りません。開発を担当する職種やネットワークを構築する職種などさまざまです。具体的には次に紹介する職種が挙げられます。
システムエンジニアは顧客からの要望を聞いてシステムの設計をする職種です。設計が終わると、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニア、インフラエンジニアといった職種が開発環境の構築をします。いずれもシステムの安定稼働のために欠かせない職種です。
環境が整ったところで、設計書に則ってプログラマーやデータベースエンジニアが開発します。要求通りの開発はもちろん、正常に動作するかのテストも担当範囲です。最後にセキュリティエンジニアがシステムの脆弱性をチェックします。安全にサービスを利用してもらうためにも欠かせない存在です。
エンジニアは不足傾向にあるため、転職することで高収入が見込めます。開発現場ではトレンドの技術が常に変化しており、対応できる人材の数も追いついていません。
自分の得意なジャンルで経験やスキルを高めていけば、年収1,000万を超えることも十分可能です。テクノロジーの変化に伴い、エンジニアの需要はさらに増えると考えられます。
エンジニアは専門性が高い職種なだけに、「IT技術が特化した人に適性がある」と思われやすい傾向にあります。しかし、エンジニアの向き不向きは、技術力だけでは判断できません。ここでは、エンジニアに向いている方の代表的な特徴を紹介します。
プロジェクトを円滑に進める能力は、エンジニアの現場でも不可欠です。チーム内やプロジェクトメンバー同士での密なコミュニケーションは欠かせません。
トラブルへの対処や作業進捗の報告など、連携が重要なシーンは数多く出てきます。システムの仕様が複雑なこともあるため、常に情報を共有し合う意識が必要です。
開発はひとりでするものではありません。チームメンバーとコミュニケーションを取り合える方こそ、エンジニアの適性があります。
テクノロジーは日々進化しているため、好奇心旺盛で向上心のある方はエンジニアの適性があると言えます。
向上心が役立つ例のひとつは、現場で扱うプログラミング言語です。基本的には同じ言語を用いて開発をするものの、不定期なバージョンアップがあります。向上心が高い方なら、いち早く仕様の変化や注意点を調べてメンバーに共有できるでしょう。
また、最新技術にも詳しくなれます。業界のニーズやトレンドに敏感なため、より付加価値の高い技術や開発手法を吸収できる傾向があります。
エンジニアはほかの職種に比べて効率性が求められます。そのため、仕事の中で無駄やムラのある仕事を見つけ出して改善するのが好きな方は、エンジニアの適性があると言えるでしょう。
たとえば、手動で1時間かかっている作業に対し、「システムを活用して半分以下に短縮できないか?」と考えられる発想や視点を持っている方はエンジニア向きです。
ここでは、エンジニアへの転職に必要なプログラミング言語について紹介します。代表的なものを挙げていますが、志望先の企業で使っている言語が分かっている方は、それに特化して勉強するのもよいでしょう。
HTML・CSSは、Webサイトの構造や見た目を整えるためのマークアップ言語です。HTMLでサイトをパーツごとに構造化し、CSSで見た目の装飾をします。それぞれを独立して使用することはほとんどありません。HTML・CSSのセットでWebサイトが整います。
正確に言うとプログラム言語ではありませんが、初めて学ぶWeb系の言語としておすすめです。企業のホームページやLP(ランディングページ)と呼ばれる広告ページは、HTMLとCSSだけで作られているものもたくさんあります。
JavaScriptは、主にシステム開発やWebサイト制作で使われる言語です。汎用性が高く、さまざまな現場で利用されています。HTML・CSSで作成したWebサイトに動きをつけたり、サイト内にほかのWebサービスを組み込んだりできます。
JavaScriptで作れるものには、Webサービスやスマホアプリ、ゲームなどがあります。Web上で動くものはほとんど作れるのが特徴です。学習コストも低く、HTML・CSSの次のステップとして選ばれる傾向があります。
C言語は、IT業界で古くから使われてきた言語のひとつです。大規模なシステムや歴史のあるサービスの運用に使われているケースが多い傾向にあります。プログラミングの基礎から応用までを網羅的に学べる言語としても有名です。
OSやソフトウェアの開発にはC言語が用いられています。また、家電製品や自動車のカーナビなどのシステムにも応用されています。
PHPは、Webページ内部のプログラムを構成できる「サーバーサイド言語」のひとつです。データを管理するためのソフトウェアやHTML・CSSなどと連携して、システムを構築します。
主にWeb系のサービスに用いられており、たとえば掲示板やショッピングフォームといった、ユーザーが入力した情報の処理に長けています。また、企業も多く導入しているWordPressの大部分はPHPで構成されています。記事の表示形式を変更したり、管理画面をより使いやすくしたりする場合はPHPをカスタマイズします。
Pythonはシステム開発やアプリ開発、機械学習などで使われる言語のひとつです。AI技術の台頭により、業界でのニーズが高まっています。Webの情報収集を自動化するプログラム開発も得意です。
たとえば、YouTubeやInstagramなどのアプリに搭載されているレコメンド機能でも用いられています。ユーザーのコンテンツ視聴傾向に合わせて、おすすめのコンテンツを自動で紹介できます。
エンジニアへの転職を有利に導くには、自身をアピールできる「何か」が必要です。強みは人それぞれですが、中には資格の取得を目指す方もいます。
エンジニアになるうえで資格が必要なわけではないものの、知識や技術をアピールする材料として使うのは有効でしょう。どのような資格が注目されているのか、代表的なものを紹介します。
IT技術の基礎から応用までを体系的に身につけられるのが、基本情報技術者試験・応用情報技術者試験です。ITの現場で役立つ基礎知識や論理的な思考力を有する証明になります。
主催はIPA(情報処理推進機構)です。午前と午後に150分ずつの試験時間があり、選択問題に回答します。
設計や開発、運用に関する知見など現場で役立つものを学べるため、初めて資格を取得する方にもおすすめです。
システムの要件定義や設計など、上流工程を目指す際に役立つのがシステムアーキテクト試験です。試験では情報分析やセキュリティの担保など、さまざまな視点から設計の知見を問われます。将来上流工程を目指すなら取得しておいてもよい資格と言えるでしょう。
試験はIPAが主催しており、午前2部と午後2部の計4部構成になっています。選択式と記述式で出題されます。組み込み系やIoTなどの分野も試験対象のため、事前に押さえておきましょう。
システム開発におけるネットワークの構築・運用スキルを身につけるのが、ネットワークスペシャリスト試験です。企業ごとに最適なネットワーク環境を構築するのはもちろん、セキュリティ面にも配慮した設計が組めることを目標としています。
試験はIPAが主催しており、午前2部と午後2部の計4部構成です。例年春期に実施されます。ネットワークに関する知見を深めたい方や、将来ネットワークエンジニアとして活躍したいと考えている方におすすめの資格試験です。
データベースに関する知識全般を問うのが、データベースエンジニア試験です。特定のデータベースについて専門的な知見を深める必要はないため、初心者でも学習しやすい試験でしょう。
試験はIPAが主催しており、午前2部と午後2部の計4部構成です。例年秋期に実施されます。データベースの要件定義から運用・保守までが出題対象です。現場で必要な知識になるため、初心者のうちから取得しておくと何かと役立つでしょう。
ITに関する基礎的な知識やビジネススキルを身につける資格が、ITパスポートです。開発やマネジメント、企業戦略などを幅広く学びます。IT初心者から資格取得を目指したいという方に向けた国家資格です。
試験はIPAが主催しています。1,000点満点中600点以上を合格ラインとして定めており、合格率は50%前後が目安です。Web上の学習サイトや過去問を活用することで、効率的な試験対策ができるでしょう。
ITエンジニアを目指すならスキルはもちろん、業界研究も必要です。未経験者は特に、転職市場で評価される対策を練る必要があります。ヒューマンスキルやIT関連の資格など、生かせるものは存分に生かしましょう。
転職活動を始めるにあたって疑問や不安がある場合は、ぜひマイナビITエージェントをご活用ください。専門のキャリアアドバイザーが一人ひとりの状況に合わせて適切にサポートします。
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