更新日:2024/09/26
この記事のまとめ
「IT資格は必要ない」という声もあるため、資格取得をためらっている人もいるのではないでしょうか。しかし、資格は自分の能力を客観的に証明する際に役立ちます。やみくもに資格の取得を目指すのではなく、転職に活きる資格に絞って学習に励みましょう。
そこでこの記事では、転職につながるIT資格20選を紹介します。転職に活きる資格を取得できれば、より転職活動をスムーズに進められるようになるでしょう。
目次
一口にIT資格といっても、その種類はじつにさまざまです。そのため、どの資格を取得すればよいのか分からないと悩む方もいるのではないでしょうか。そこでまずは、転職に活きるIT資格の選び方を3つのステップに分けて解説します。
転職を考えているのであれば、誰もが一目置くような資格を取得して箔(はく)をつけたいという気持ちもあるでしょう。しかし自分のレベルとかけ離れた資格を目指してしまうと、資格取得のためだけに多くの時間や労力を費やしてしまい、転職活動が進まないことにもなりかねません。
IT業界は資格よりも実力や実績がものをいう世界です。これまでのキャリアにそぐわない資格を持っていても、実務で使っていないのであれば転職でのアピールポイントになりにくいことも考えられます。
そこでまずは、自分に合った難易度の資格の取得を目指しましょう。それから難度の高い資格の取得を目指し、着実にスキルアップしていくことをおすすめします。
IT資格は種類が多いため、難易度だけで選ぶと転職で活用できないこともあります。重要なのは、自分の描くキャリアマップに沿ったIT資格を選ぶことです。資格の特徴をしっかりと把握し、希望職種やその後のキャリアパスに活かせるものかどうかを吟味する必要があります。
資格取得には時間や労力、お金がかかります。転職時に有利に使える資格を取得できれば、それらは無駄にはなりません。転職活動の際に、どのような目的でその資格を取得したのかを説明できるようにしておきましょう。
IT資格には「国家資格」「ベンダー資格」「VN(ベンダーニュートラル)資格」の3種類があります。それぞれの資格をどう活かすかを考えたうえで取得を目指すと、選考時にうまくアピールできるでしょう。国家資格は認知度が高いため、転職でも大きなアピールポイントになります。
ベンダー資格は民間資格で、IT機器やソフトウェアなどの製品提供を行っている企業が主催しているものです。特定の製品やサービスに関する知識やスキルを身につけていることを実践レベルで証明できます。応募先企業がその製品を使っている場合には、大きな武器になるでしょう。
VN資格は、企業ではなくNPO法人などが主催する民間資格です。特定の製品やサービスに特化した資格ではないため、さまざまな用途に活用できます。
初級編のIT資格は、スキルレベルや能力を証明するという意味ではあまり有効には活用できません。しかし、基礎知識を体系的に学ぶうえでは意味のある資格です。未経験からの転職の場合には、本気度や学習意欲を示すものにもなります。初級編のIT資格をステップに、さらに実践的な資格の取得を目指すとよいでしょう。ここでは、IT業界初心者におすすめのIT資格を6つ紹介します。
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ITパスポート試験は、IT全般の知識が問われる初心者におすすめの国家試験です。IT業界への転職を希望しているものの、まだ道筋がはっきりと見えていないというケースであれば、まずはITパスポート試験にチャレンジしましょう。IT業界の事務系職種に転職したい場合にも有効な資格といえます。
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国家試験でもある基本情報技術者試験は、ITエンジニアの基礎資格として広く認知されています。マネジメントスキルの基礎を押さえるうえでも有用です。ハードウェアからソフトウェア、プログラミング、プロジェクト管理、IT戦略など内容も充実しており、合格するにはしっかりとした試験対策が必要です。ITエンジニアを目指す人であれば、ぜひとも合格しておきたい資格試験といえます。
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マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)はMicrosoft 社が主催するベンダー資格で、高い認知度を誇ります。Word・Excel・PowerPoint・Access・Outlookなどに搭載されるさまざまな機能の利用スキルが問われる試験です。難易度はそれほど高くありません。未経験からIT職種を目指す方が最初にチャレンジするのに最適な資格です。
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G検定は一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施するVN資格です。AIとは何なのか、何ができてどのようにビジネスに活用できるのかといった体系的な知識と基礎的なスキルが問われます。AI分野への転職を希望する場合におすすめの資格です。
難易度はあまり高くありません。G検定に合格したら、やや難易度が高いE資格に挑戦してみるのもよいでしょう。こちらも一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)主催の資格です。
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CCNA(シスコ技術者認定)は、世界最大のコンピューターネットワーク機器の開発・販売企業であるシスコシステムズ(Cisco Systems, Inc.)が主催するベンダー資格です。シスコ製品の取り扱いスキルだけでなく、ネットワークやセキュリティの基礎知識が問われます。
難易度はやや高めで、受験資格としては1年以上のシスコ製品を使った管理経験が推奨されています。シスコシステムズの製品はネットワーク標準とされており、IT業界での評価も高いため、ネットワークエンジニアを目指す人はぜひとも取得しておきたい資格といえるでしょう。
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Web開発をはじめさまざまなシーンで利用されるプログラミング言語・Rubyの知識・技術力を評価する試験です。試験はSilverとGoldに分かれています。未経験からWebエンジニアへの転職を目指しているのであれば、まずは基礎レベルのSilverを目指しましょう。
すでにIT職種で働いている人が、より高度な知識や実践的なスキルを証明したいと思うのであれば、中級編の資格にチャレンジしてみましょう。資格を取得すると自分の能力やスキルを客観的に証明でき、転職の際に強みとしてアピールできます。これまでに培ってきた知識やスキルを深め、応用力を身につけるうえでも役立つでしょう。
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応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位資格で、より高度なIT知識を活用する応用力が問われます。システム開発やITインフラの構築といったシーンで高いパフォーマンスを発揮できることを証明する、信頼性の高い国家試験です。転職の際にも大きな武器になるため、基本情報技術者試験に合格している場合にはぜひともチャレンジしておきたい国家試験といえるでしょう。
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C言語はさまざまな用途に用いられるプログラミング言語です。ハードウェアの制御やシステム開発など幅広いシーンで活用されるため、プログラマーを目指す人が最初に学習する言語ともいわれています。C言語プログラミング能力認定試験は、初級である3級から1級まであり、C言語のスキルレベルを認定します。プログラマーやシステムエンジニアとして活躍したい方におすすめの資格です。
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Linuxは世界でも高い評価を受けるオープンソースのオペレーティングシステム(OS)です。企業のサーバーやシステムアプリの開発環境として利用されています。試験は基本操作が問われるLinuCレベル1、応用力が試されるLinuCレベル2、より実践的なスキルを問うLinuCレベル3、上級エンジニア向けのLinuC システムアーキテクトの4段階です。まずはレベル1の合格を目指し、徐々にステップアップを図るとよいでしょう。
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CCNP EnterpriseはCCNA(シスコ技術者認定)の上位資格に当たります。IT業界でも高い評価を受ける認定資格であるため、転職時にも大いに活用できる武器になるでしょう。試験にはコア試験とコンセントレーション試験とがあり、資格を取得するためには両方に合格する必要があります。
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PMPはPMI(Project Management Institute)という国際組織が運営するVN資格です。プロジェクトマネジメントに関する専門知識として、人材に対する管理やサポート、プロジェクト達成へのプロセス、ビジネス環境へのアプローチといった内容が問われます。試験を受けるには、学歴ごとに定められたプロジェクトマネジメントの実務経験を満たす必要があります。
プロジェクトマネージャーとして活躍したい方におすすめの資格です。
ITエンジニアとして経験を積んできたのであれば、キャリアップを目指して上級資格にトライしてみるのもよいでしょう。ここでは、専門性の高い特定領域での上級資格を取り上げます。このレベルになれば、単に知識の習得だけでなく、キャリアアップやキャリアチェンジのカードとして資格を使えるようになるでしょう。
【上級資格【エンジニア系】を武器にできる職種例】
開発系エンジニア・データベースエンジニア・インフラエンジニア・ネットワークエンジニア・セキュリティエンジニア・セキュリティコンサルタント・組み込みエンジニア
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システムアーキテクト試験は、高度な知識や技能を有するITエンジニアであることを証明する、説得力のある国家試験です。情報システムの全体像を理解しているとともに、各業務プロセスについても専門的な知見を有しているかどうかを確かめる問題が出題されます。開発系のスペシャリストを目指す方に最適な資格といえるでしょう。
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データベーススペシャリストは、データベース管理者やインフラ系エンジニアに必要な高い知識レベルを証明する国家試験です。ビッグデータを活用するにあたり、高品質なデータベースを企画、開発、運用することはビジネスの成功に欠かせない要素といえます。ビッグデータを扱える貴重な人材として自分の市場価値を上げるのにうってつけの試験です。
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ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークに関連する専門知識を深め、クライアントの目的達成に向けた最適な論理・物理設計ができることを証明する国家試験です。設計技法はもとより、プロトコル技術、セキュリティ技術、コスト評価など幅広い知見を総合したネットワークの構築技術が求められます。ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアのスペシャリストを目指す方に最適の資格といえるでしょう。
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情報処理安全確保支援士はサイバーセキュリティに関連する専門的な知識やスキルを有していることを証明する国家資格です。サイバー攻撃や情報漏えいなどへの危険度が増している背景もあり、情報セキュリティの重要性はますます高まっています。セキュリティを担当するITエンジニアだけでなく、セキュリティコンサルタントを目指す人にも役立つ資格です。
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スマートフォンやデジタルカメラ、家電製品、産業機器、乗り物などに内蔵されるコンピューターシステムがエンベデッドシステムで、組み込みシステムとも呼ばれます。この領域において専門的な知識とスキルを有していることを証明するのが、エンベデッドシステムスペシャリスト試験です。組み込み・IoT系のフルスタックエンジニアを目指す場合に取得しておきたい資格といえるでしょう。
ITエンジニアとして特定領域を極めスペシャリストを目指す人もいれば、マネジメント職へのキャリアアップを図る人もいます。IT分野におけるマネジメント業務にはほかの分野とは異なる知識やスキルが求められるため、そこに特化した上級資格の取得を目指すのもおすすめです。転職にも有利に働く4つの資格を見てみましょう。
【上級資格【マネジメント系】を武器にできる職種例】
ITサービスマネージャ・プロジェクトマネージャー・システム監査エンジニア・CIO(最高情報責任者)・CTO(最高技術責任者)・ITコンサルタント
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ITサービスの提供においては、クライアントが求める機能だけでなく、安全性やコストなど幅広い観点からシステムを具現化していくことが求められます。そのリーダーとなるのがITサービスマネージャです。ITサービスマネージャ試験に合格すると、幅広い知識と実行力により信頼性の高いITサービスを提供できることを証明できます。マネジメント職へのキャリアアップを考えている方におすすめです。
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プロジェクトマネージャ試験は、システム全般の知識はもとより、メンバーや資源の確保、コミュニケーション能力、最適な開発アプローチの選択、プロジェクトの評価や分析など多面的な能力を有することを証明する国家試験です。マネジメント職へのキャリアアップを目指す方に最適な試験といえるでしょう。
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システム監査には、ITシステムの信頼性や安全性を客観的に評価・判断するスキル、積極的な改善提案を行う知見が求められます。システム監査技術者試験では、こういったスキルや知識に加え、技術者としての倫理観も問われます。情報システムの責任者を目指す人や監査法人への転職を目指す人におすすめの試験です。
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IT分野でのスキルや知識をフル活用し、経営という視点からIT戦略を策定できることを証明する国家試験がITストラテジスト試験です。ビジネスの動向や業務環境、セキュリティリスクなどさまざまな側面から現状を分析し、最適なITシステムの構築を策定する能力が問われます。経営サイドへのキャリアアップやITコンサルタントへのキャリアチェンジを目指す人に最適といえるでしょう。
IT資格を取得しても、それが転職に活かせなかったら意味がありません。取得したIT資格を活かすためにも、選考の際にどう役立てられるのかを把握しておきましょう。ここでは、IT資格が転職活動の際に果たす役割を3つ紹介します。
「難度の低い資格は持っていても無駄」という話を耳にすることもあるのではないでしょうか。確かに、難度の高くない資格を取得しても、ほかの求職者との差別化は図りにくい側面はあります。
しかし、資格取得を目指して学習した熱意は伝わります。転職を成功させるうえでは、自分の強みをアピールすることが欠かせません。未経験からの転職やキャリアチェンジを図る場合には、資格取得が大きな意味を持ってきます。スキルレベルややる気を実績で示せない人の場合には、資格取得がポテンシャルをイメージさせる重要な材料になるのです。
IT職種ですでに働いていた人であれば、経験や実績をどれだけ示せるかが転職成功の鍵になります。特定の領域や分野における専門性を証明できる資格があれば、自分の市場価値を上げられるため、より好条件での転職も可能です。
同じIT業界で職種を変える場合には、前職のスキルや知識が活かせる部分があれば、新たに学習する必要がある部分もあります。自信を持って新たな職種にチャレンジするうえでも、知識やスキルの客観的な指標となる資格を取っておくことは安心材料となるでしょう。
IT資格を取得していると、より好条件での転職が可能になる場合があります。資格により能力を客観的に評価してもらえるため、年収やポジションアップが実現しやすくなるのです。資格手当がもらえるケースもあります。
国や地方自治体などが関係する大型プロジェクトの場合には、プロジェクト参加に資格が求められることも少なくありません。専門性が求められる業務になるため、年収アップが期待できるだけでなく、大きなやりがいを感じることにもなるでしょう。大型プロジェクトを取り扱う企業に自分の市場価値をアピールする際には、資格取得は大きな武器になります。
転職を成功させるポイントは、自分に合った転職先を見つけ、自分の強みをしっかりとアピールすることです。取得した資格を評価してくれる企業、自分の能力やポテンシャルを必要としてくれる企業に巡り合いたいのであれば、転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントは単に転職先を紹介してくれるサービスではありません。資格をはじめとするあなたの強みをしっかりと理解し、その強みを求めている企業を見つけてくれるサービスです。どのように強みをアピールすればよいのかといった具体性のあるアドバイスを行い、転職を成功へと導いてくれます。なお、IT職種への転職を目指しているのであれば、IT業界に強い転職エージェントを選びましょう。
IT資格にはさまざまな種類があるため、自分のレベルに合った資格、自分のキャリアマップに沿った資格、転職で武器になる資格を選ぶことが重要です。未経験からIT業界やIT職種にチャレンジする場合はもちろん、スキルの幅を広げてキャリアチェンジする場合、専門領域でのスペシャリストやマネジメント職にチャレンジする場合にも、資格が転職の成功を後押ししてくれるでしょう。
IT業界・IT職種への転職には、IT業界に強いマイナビITエージェントをぜひご利用ください。あなたの資格を活かす転職先を紹介するのはもちろん、転職に役立つ資格は何なのか、どのように武器として使えばよいのかなど、転職のプロとして役立つ情報をご提供します。
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