更新日:2023/05/15
ITストラテジスト試験に合格することで、高度なITスキルと同時に、企業の経営戦略を理解しており、IT戦略を指揮できる「高度IT人材」であることを示すことができます。
CIO(最高情報責任者)やCTO(最高技術責任者)といった、近年ニーズの高まる戦略的ITポジションを目指す人にぴったりの国家試験といえ、今後も取得者への評価は高まりそうです。
ここでは、ITストラテジスト試験の内容やITストラテジスト試験が役立つ職業、難度、受験方法などを紹介します。
目次
ITストラテジスト試験は、経済産業省が認定する国家資格である「情報処理技術者試験」の試験区分のひとつで、ITストラテジストを目指す人や、IT戦略に関わる人なら取得しておきたい資格です。
ITストラテジスト試験では、事業環境分析や情報技術動向分析、システム化計画、情報システム戦略などの知識が求められ、ビジネスモデルの策定能力が問われることになります。
企業のIT化を主導できる人材であるかを試される試験のため、ITに関する知識だけでなく、経営に関する知識もしっかりと習得していなければ合格することはできません。
情報処理技術者試験の中でも、レベル4として位置付けられている難関試験で、企業からのニーズは高まっています。
ITストラテジスト試験は、どのような職業への転職で有利になるのでしょうか。2つのケースでご説明します。
ITストラテジスト試験は、IT戦略に関わりたい場合に役立つ資格です。特に、ITコンサルタントへの転身を目指すエンジニアが取得すれば、そのメリットは大きいでしょう。
ITストラテジストに合格していれば、経営戦略からIT知識まで幅広く身に付いていることを証明できるため、転職でも有利に働くはずです。
ITストラテジストの仕事は、情報化社会の中、企業内においてもニーズが高まっています。一般企業の情報システム部門で活躍したり、ITを活用した経営戦略の提案に役立てたりすることもできます。管理職が資格を取得することで、CIOやCTOへのキャリアアップの道が見えてくる可能性もあります。
試験は午前I・午前II・午後I・午後IIの4項目となっており、午前は4つの選択肢から1つの回答を選択する多肢選択式、午後は記述式の試験が行われます。それぞれの試験時間と出題数、回答数は以下のようになります。
ITストラテジストは企業のIT戦略を担う人材ですので、試験の出題範囲には企業のマネジメントに関する知識が問われます。また、企業の経営方針を実現するための、システム戦略立案ができるかも問われます。
ITストラテジスト試験の合格難度は高いですが、具体的にどの程度難しいのか、独学でも合格できる資格なのか、詳しく見ていきましょう。
ITストラテジスト試験の合格率は2017年現在14.7%となっており、難度の高い試験といえます。また、合格者の平均年齢は39.5歳となっており、ある程度実務経験を積み、ITのスキルと経営的観点を養わないと合格が難しい試験といえます。
ITストラテジスト試験は難度の高い試験ですが、独学での合格も不可能ではありません。
中でも対策に注力すべきなのが、記述式テストとなる午後の試験です。ITや経営の知識だけでなく、読解力や論文構成力も求められる試験になるため、過去問の演習を中心にしっかりと対策することが重要になります。
人によって異なるものの、ゼロから独学で始める場合は30時間程度、ある程度知識がある状態で勉強を始める場合でも15時間程度の学習時間が必要になるでしょう。
ITストラテジスト試験は毎年10月に実施されており、申込期限は7月初旬から8月中旬までとなっています。インターネットと願書郵送の、いずれかで申し込むことができます。試験の一部免除規定がありますので、事前にチェックしておくと良いでしょう。
5,700円(税込)
ITストラテジスト試験には、年齢制限や受験資格はありません。
12月下旬に合格者の受験番号が、試験を主催するIPAd(情報処理推進機構)のWebサイトに掲載され、同時に成績照会、および成績のPDFファイルが掲載されます。閲覧には受験番号とパスワードが必要です。
試験結果の通知はありませんので、自分でWebサイトを見て確認します。合格者の受験番号は後日、官報にも公示されます。
ITストラテジストは、高度な情報化社会においてITと経営の両面を理解し、IT戦略を指揮できる人材としてますます需要が高まっています。難度の高い資格ではありますが、じっくりと勉強に取り組めば独学での合格も夢ではありません。
ITをバックグラウンドに企業の経営戦略に携わる人材へキャリアアップするためにも、ITストラテジスト試験の合格を目指してみてはいかがでしょうか。
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