更新日:2022/09/22
この記事のまとめ
ITエンジニアの中でも、ユーザーとWebサイト・Webアプリケーションをつなぐ部分を開発するフロントエンドエンジニアへの転職を目指している方もいるのではないでしょうか。
しかし未経験でもフロントエンドエンジニアに転職できるのか、不安に感じている方も多いでしょう。そこでこの記事では、未経験からフロントエンドエンジニアへ転職する際のコツや習得したいスキルを紹介します。転職のコツをきちんと押さえておくことで、未経験からでもスムーズに転職できるでしょう。
目次
フロントエンドエンジニアとは、「ユーザーが直接見たり操作したりする部分の設計・開発を担当するITエンジニア」の総称です。Webサイト・Webアプリケーションの開発現場で活躍し、主に以下のような業務を担当します。
ただし、業務内容は企業によって異なります。デザイン業務についてはデザイナーのみが担う企業もあれば、フロントエンドエンジニアが一部を担当する企業もあります。転職するときには、求人情報やジョブディスクリプションの記載内容を隅々まで確認し、どこまでの業務を担当するのかを把握することが大切です。
フロントエンドエンジニアとして活躍するには、Web開発の現場で用いられているさまざまなスキルを習得することが大切です。ここでは、開発現場において欠かせない5つのスキルを紹介します。転職後にフロントエンドエンジニアとして活躍するためにも、これらのスキルの習得を目指しましょう。
マークアップとは、テキストや装飾をはじめとした視覚表現をコンピュータ上で正しく表示できるように記述することです。Webサイト・Webアプリケーションの開発現場では、マークアップ言語と呼ばれる専用のツールを活用します。主なマークアップ言語の例は以下のとおりです。
2022年時点では、HTML5やXMLが開発現場で多く使用されています。フロントエンドエンジニアとして働きたいのであればこれらのスキルが必要になるため、学習に励むのがおすすめです。合わせてスタイルシート言語のCSSも習得するとよいでしょう。
WebサイトやWebアプリケーションを開発するには、プログラミングのスキルも求められます。フロントエンドエンジニアとして働きたいのであれば、以下のプログラミング言語のうち、いくつかを習得しておくとよいでしょう。
JavaScript
PHP
Python
すでに何らかのプログラミング言語を習得している場合は、構文が似た言語から学ぶと効率的に習得できます。さまざまな言語を学べば、将来的に別のITエンジニアにキャリアアップする際にも役立つでしょう。
ユーザーが直接見たり触れたりする部分を開発するという特徴を考えると、デザインに関するスキルも欠かせません。企業によってはデザイン業務に携わるケースもあるため、Webデザインについてのスキルがあれば活躍の幅を広げられます。
ほかにも、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)に関する知識を有していれば、ユーザーフレンドリーなWebサイトやWebアプリケーションを開発するのに役立ちます。
フロントエンドエンジニアはデータベースも取り扱う可能性があるため、SQLやKVSなどのデータベースに関連するスキルも合わせて習得するのがおすすめです。
Webサイト・Webアプリケーション開発の現場ではIndexedDBを利用するケースが多いため、こちらについても学ぶとよいでしょう。データベーススキルを習得しておけば、将来、バックエンドエンジニアにキャリアチェンジする際にも役立ちます。
開発業務はひとりで進めるものではなく、多くのエンジニアやデザイナーとチームを編成して進めます。円滑に開発を進めるには、コミュニケーションスキルや交渉力、ヒアリングスキルなどのヒューマンスキルが欠かせません。
場合によっては、クライアント企業の担当者や経営者などとのコミュニケーションが必要になることもあるでしょう。どのような業務に携わるとしてもヒューマンスキルが求められるため、スキルアップを怠らないようにする意識が重要です。
ITエンジニア未経験者がフロントエンドエンジニアへの転職を目指す場合は、経験者に比べてアピールできる武器が少ない点がデメリットです。未経験から転職を成功に導くためにも、スキルの習得やポートフォリオの作成といった事前準備を欠かさないようにしましょう。
ここでは、未経験からフロントエンドエンジニアに転職するときのステップを紹介します。
フロントエンドエンジニアは技術職であるため、必要なスキルを習得していなければ仕事になりません。そのため、まずはマークアップスキルやプログラミングスキルなどの開発スキルを習得しましょう。
独学で学んだり、プログラミングスクールに通ったりするなど、必要なスキルを習得する方法はさまざまです。予算や学習に充てられる時間に応じて適切な方法を選ぶことをおすすめします。
未経験から転職する場合は、経験者と比較してアピールできる実務経験や実績がありません。そのデメリットを払拭するためにも、事前にポートフォリオを作成するとよいでしょう。
ポートフォリオとは制作物をまとめた資料のことで、選考時にスキルレベルやデザインセンスなどをアピールするために使用します。サンプルとして作成したWebサイトやデザインなどをポートフォリオにまとめ、いつでも提示できるようにしておきましょう。
フロントエンドエンジニアの求人情報をチェックすると、経験者のみに限った求人と未経験者歓迎の求人の両方がヒットします。たとえ未経験者であっても、企業によってはフロントエンドエンジニアになる道が開かれているのです。
必要なスキルをきちんと習得したうえで未経験者歓迎の求人に応募すれば、採用にいたる確率を上げられるでしょう。また、転職後のミスマッチを防ぐためには、具体的な業務内容や求められているスキルについてもチェックすることが大切です。
フロントエンドエンジニアに転職した後、別のITエンジニアへのキャリアアップを検討している方もいるのではないでしょうか。目指すべきキャリアパスが描けたら、その目標に到達するために必要な経験やスキルを積むことを心掛けましょう。ここからは、フロントエンドエンジニアが目指せる4つのキャリアを紹介します。
Webデザイナーとは、Webサイトの企画やデザインに携わる職種です。開発コンセプトや設計の方針を定め、実際にどのような方向性で制作を進めるのかを考えます。Webサイトのレイアウトを考えたり、ユーザーに表示される部分のデザインを設計したりするのが主な仕事です。案件によっては、画像の作成や進行管理に携わることもあるでしょう。
Webデザイナーの業務には、フロントエンドエンジニアとしてデザインやWebコンテンツを実装した経験が役立ちます。フロントエンドエンジニアがデザイン業務の一部に携わる企業では、実際にデザインした経験も活かせるでしょう。将来的にWebデザイナーへのキャリアアップを考えているのであれば、求人を探すときにデザイン業務にも携わるところを探すのがおすすめです。合わせてPhotoshopやIllustratorなどのクリエイター向けソフトウエアのスキルも習得しましょう。
Webディレクターは、WebサイトやWebアプリケーションの開発プロジェクト全般の監督に携わります。実際にクリエイターのひとりとして開発に携わるというよりは、進捗状況を管理したり、クライアント企業の担当者と折衝したりするのが主な仕事です。
Webディレクターとして働くときには、開発工数やスケジュールの見積もり・進捗管理においてフロントエンドエンジニア経験が役立ちます。エンジニア経験があれば開発現場の様子を正しく把握し、予定通り進んでいるか、納期までに終わりそうかなどを適切に判断できるでしょう。
企業によっては要件定義や企画などのプランニング業務に携わるケースもあります。Webディレクターとして働くには、クライアント企業の担当者や自社のクリエイターなど、多くの人とのコミュニケーションが必要です。フロントエンドエンジニアとして働きながらヒューマンスキルを磨き、ディレクターとしての能力を習得しましょう。
フルスタックエンジニアとは、ひとりで開発業務におけるさまざまなプロセスに携わるエンジニアです。フロントエンド開発に携わるときもあれば、バックエンド開発に携わるときもあります。システムをリリースした後の運用・保守を担当することもあるでしょう。ただし、一般的なエンジニアに比べて激務になりやすいデメリットがあります。
フロントエンドエンジニアとして働く中で培ったコーディングスキルやデータベーススキルは、フルスタックエンジニアとして活躍するうえで役立ちます。しかしそれだけではスキル面で不十分なため、バックエンド開発に用いられる言語やサーバーサイドの知識なども培うとよいでしょう。
IT業界で働くプロジェクトマネージャーは、開発プロジェクトの責任者としてプロジェクトの計画段階から完了までのすべての段階に携わります。具体的な仕事内容の一例は以下のとおりです。
フロントエンドエンジニアとしての開発経験があれば、開発側の目線に立って無理のないスケジュールを組むなど、現実的な計画を立てやすくなるでしょう。要件定義の段階で実現できそうかどうかを判断する能力も、計画をスムーズに進めるためには欠かせません。
フロントエンドエンジニアの仕事内容やキャリアパスを理解しても、自分に向いているのか判断しにくいと感じている方もいるのではないでしょうか。そこでここでは、フロントエンドエンジニアに向いている人の特徴を4つ紹介します。転職後のミスマッチを防ぐためにも、転職活動前に自身がこれらの特徴に当てはまっているのかどうかを確認しておきましょう。
Web業界は技術進歩のスピードが早く、トレンドの開発言語やデザインが目まぐるしく移り変わるのが特徴です。フロントエンドエンジニアとして最前線で活躍し続けるには、トレンドを追い掛けて新しい技術に柔軟に対応する必要があります。
したがって、フロントエンドエンジニアは技術面への興味・関心が高く、新しい技術を学んで積極的に取り入れたいと思う人に向いている職種といえるでしょう。
フロントエンドエンジニアは、Webサイト・Webアプリケーションの表示部分やUIなどユーザーが直接触れる部分を開発する職です。ユーザーフレンドリーなサイトやアプリケーションを制作するには、ユーザー目線で開発する意識が欠かせません。
「自分が使用する側だとしたら、どのように設計すると使いやすいだろうか」と考えて制作を進められる人に向いているといえます。Webサイト・Webアプリケーションの向こう側には利用者がいることを忘れないようにするのが、本当に使いやすいものを制作するコツです。
チームで開発を進める都合上、別のエンジニアやマネージャーなどとのコミュニケーションは欠かせません。日々の業務では技術に向き合うだけではなく、業務報告や連絡などで他者とやりとりする機会があるでしょう。
そのため、周囲の人間とコミュニケーションを取るのが苦にならない人に向いています。この面で悩んだときは、「チームの一員として協力しながら開発を進めることに問題を感じないだろうか」と考えることをおすすめします。
WebサイトやWebアプリケーションの開発は制作が完了したらそれで終わりではなく、ユーザーからフィードバックを受けて改善することが多々あります。アップデートで新しい機能を実装したり、別のアプリケーションと連携させたりすることも考えられるでしょう。
改善に取り組むケースが多いことを考えると、常に試行錯誤して「どのようにしたらよりよくなるか」を考えられる人に向いています。「考えることが好きか」「制作したものをよりよくしたいか」と自問自答すれば、自分に向いているかどうかが見えてくるでしょう。
フロントエンドエンジニアはWebサイトやWebアプリケーションのうち、ユーザーが直接操作する部分を開発する職種です。未経験からの転職も可能ですが、転職を成功させるにはスキルを習得したり求人を吟味したりするなどの事前準備が欠かせません。
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