更新日:2024/11/26
この記事のまとめ
ITエンジニアの中でも、ユーザーとWebサイト・Webアプリケーションをつなぐ部分を開発するフロントエンドエンジニアへの転職を目指している方もいるのではないでしょうか。しかし未経験でもフロントエンドエンジニアに転職できるのか、不安に感じている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、未経験からフロントエンドエンジニアへ転職する際のコツや習得したいスキルを紹介します。転職のコツをきちんと押さえれば、未経験でもスムーズに転職できるでしょう。
目次
これまでに経験のない異業種への転職では、「思っていた仕事と違った」と入社後のミスマッチが発生するケースは珍しくありません。未経験からフロントエンドエンジニアを目指すのであれば、まずは仕事内容や年収についてきちんと把握しておきましょう。ここでは、フロントエンドエンジニアの仕事内容と年収について解説します。
フロントエンドエンジニアとは、「ユーザーが直接見たり操作したりする部分の設計・開発を担当するITエンジニア」の総称です。Webサイト・Webアプリケーションの開発現場で活躍し、主に以下のような業務を担当します。
ただし、業務内容は企業によって異なります。Webデザイン業務についてはWebデザイナーのみが担う企業もあれば、フロントエンドエンジニアが一部を担当する企業もあります。転職するときには、求人情報やジョブディスクリプションの記載内容を隅々まで確認し、どこまでの業務を担当するのかを把握することが大切です。
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、フロントエンドエンジニアの平均年収は550万2,000円です。フロントエンドエンジニアは専門的な知識・スキルが問われる仕事であることから、クリエイティブ職の中でも比較的平均年収が高い職業といえます。
またディレクションスキルやフレームワークを使った開発スキル、SEOに関する知識を身につけて市場価値の高い人材になれば、さらに高年収を得られるでしょう。
参照:システムエンジニア(Webサイト開発)|職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag|厚生労働省
WebサイトやWebアプリケーションの普及により、フロントエンドエンジニアの需要が高まっています。専門的なスキルが求められる技術職であるものの、未経験者を積極的に採用する企業も少なくありません。ここでは、どのような人がフロントエンドエンジニアに向いているのかについて解説します。
Web業界は技術進歩が速く、トレンドの開発言語やWebデザインが目まぐるしく移り変わるのが特徴です。フロントエンドエンジニアとして最前線で活躍し続けるには、トレンドを追い掛けて新しい技術に柔軟に対応する必要があります。
したがって、フロントエンドエンジニアは技術面への興味・関心が高く、新しい技術を学んで積極的に取り入れたいと思う人に向いている職種といえるでしょう。
フロントエンドエンジニアは、Webサイト・Webアプリケーションの表示部分やUIなどユーザーが直接触れる部分を開発する職です。ユーザーフレンドリーなサイトやアプリケーションを制作するには、ユーザー目線で開発する意識が欠かせません。
「自分が使用する側だとしたら、どのように設計すると使いやすいだろうか」と考えて制作を進められる人に向いているといえます。Webサイト・Webアプリケーションの向こう側には利用者がいることを忘れないようにするのが、本当に使いやすいものを制作するコツです。
チームで開発を進める都合上、別のITエンジニアやプロジェクトマネージャーなどとのコミュニケーションは欠かせません。日々の業務では技術に向き合うだけではなく、業務報告や連絡などで他者とやりとりする機会があるでしょう。
そのため、周囲の人間とコミュニケーションを取るのが苦にならない人に向いています。この面で悩んだときは、「チームの一員として協力しながら開発を進めることに問題を感じないだろうか」と考えることをおすすめします。
WebサイトやWebアプリケーションの開発は制作が完了したらそれで終わりではなく、ユーザーからフィードバックを受けて改善することが多々あります。アップデートで新しい機能を実装したり、別のアプリケーションと連携させたりすることも考えられるでしょう。
改善に取り組むケースが多いことを考えると、常に試行錯誤して「どのようにしたらよりよくなるか」を考えられる人に向いています。「考えることが好きか」「制作したものをよりよくしたいか」と自問自答すれば、自分に向いているかどうかが見えてくるでしょう。
未経験からフロントエンドエンジニアへの転職を実現するためにも、以下のスキルを身につけておきましょう。
|
ITエンジニア未経験者がフロントエンドエンジニアへの転職を目指す場合は、経験者に比べてアピールできる武器が少ない点がデメリットです。未経験から転職を成功に導くためにも、スキルの習得やポートフォリオの作成といった事前準備を欠かさないようにしましょう。ここでは、未経験からフロントエンドエンジニアに転職するときのステップを紹介します。
フロントエンドエンジニアは技術職であるため、必要なスキルを習得していなければ仕事になりません。まずは、マークアップスキルやプログラミングスキルなどの開発スキルを習得しましょう。独学したり、プログラミングスクールに通ったりなど、必要なスキルを習得する方法はさまざまです。予算や学習に充てられる時間に応じて適切な方法を選ぶとよいでしょう。
未経験から転職する場合は、経験者と比較してアピールできる実務経験や実績がありません。そのデメリットを解消するためにも、事前にポートフォリオを作成するとよいでしょう。
ポートフォリオとは制作物をまとめた資料のことで、選考時にスキルレベルやデザインセンスなどをアピールするために使用します。サンプルとして作成したWebサイトやデザインなどをポートフォリオにまとめ、いつでも提示できるようにしましょう。
フロントエンドエンジニアの求人情報をチェックすると、経験者のみに限った求人と未経験者歓迎の求人の両方がヒットします。たとえ未経験者であっても、企業によってはフロントエンドエンジニアになる道が開かれています。
必要なスキルを習得したうえで未経験者歓迎の求人に応募すれば、採用される確率を上げられるでしょう。また転職後のミスマッチを防ぐためには、具体的な業務内容や求められるスキルもチェックすることが大切です。
転職エージェントは求職者の転職活動をサポートするサービスです。転職エージェントを利用すれば、非公開求人にも応募できる可能性があり、選択肢が広がるのがメリットです。また応募書類の添削や面接のアドバイス、内定後の条件交渉など、転職活動におけるあらゆるサポートを受けられます。
転職活動はひとりで進めることも可能ですが、働きながら自分で求人を探したり企業研究したりするのは大変です。効率よく転職活動を行うためにも、IT分野に特化した転職エージェントを利用しましょう。
フロントエンドエンジニアに転職するには多くのスキルを習得する必要がありますが、どのようにして身につけたらよいのかが分からない方も多いのではないでしょうか。学習方法はいくつかありますが、自分に合った方法を選ぶことが大切です。ここでは、フロントエンドエンジニアに必要なスキルを習得する方法を5つ紹介します。
フロントエンドエンジニアに必要なスキルが学べる書籍は多く販売されています。書籍で独学するメリットは、自分のペースで学習できる点です。働きながらでも無理せず勉強できます。理解しにくい部分があればじっくり勉強を進められるほか、振り返り学習も容易です。
また、書籍は比較的リーズナブルな価格で入手できる点もメリットです。教育プラットフォームやスクールに通う方法と比べて、お金がかからずにスキルを習得できます。
効率的に勉強を進めるために、ツールを活用するのがおすすめです。たとえば、重要な内容を書き留めるための「メモアプリ」、1日のやることをリスト化できる「タスク管理アプリ」、集中して勉強するための「タイマーアプリ」などが挙げられます。
独学は自分のペースで勉強を進められるメリットがある一方で、計画的に学習しなければ怠けやすいのがデメリットです。ツールをうまく活用し、自己管理しながら勉強を進めましょう。
インターネット上にある学習サイトで独学するのもよいでしょう。無料の学習サイトを活用すれば、書籍よりもお金をかけずにスキルを習得できます。実際に学習サイトを通じてプログラミングできることもあり、学習のインプットとアウトプットのバランスがよい点が魅力です。
ただし、自分に合った学習サイトを見つけられない可能性があります。また信頼性のある学習サイトでないと、必要なことが学べない恐れもあるでしょう。
プログラミングスクールは、フロントエンド開発に必要なスキルを包括的にカバーするカリキュラムを提供しています。スクールが設計したプログラムに従って学習を進めれば、基本から応用までのスキルを体系的に習得できるでしょう。
また分からない部分があれば専門の講師に直接質問できるため、独学と違って挫折しにくい点もメリットです。スクールによっては転職をサポートしてくれる場合もあります。ただし、独学と違って費用がかかる点はデメリットです。
勉強では知識のインプットとアウトプットのバランスが大事です。覚えた知識を実践で試すことによって、より知識は定着しやすくなります。Webサイトを作成するプロセスを通じて、実践的なフロントエンド技術を習得しましょう。
また自分で制作したWebサイトは、ポートフォリオとして活用できます。未経験でも、ポートフォリオを提出すれば自分のスキルや熱意をアピールできるでしょう。
フロントエンドエンジニアへの転職について、気になる点や不安なことも多いのではないでしょうか。転職活動を前向きに進めるためにも、疑問は事前に解消しておきましょう。ここでは、フロントエンドエンジニアへの転職に関するよくある質問を3つ紹介します。
フロントエンドエンジニアになるために特別な資格は必要ありません。しかし、資格は第三者に自分のスキルを証明できるアピール材料となり得ます。フロントエンドエンジニア未経験者は経験者と比べて訴求できる強みが少ないため、資格を取得して一定のスキルをアピールするとよいでしょう。フロントエンドエンジニアにおすすめの資格には以下のものが挙げられます。
フロントエンドエンジニアはパソコンひとつでできる仕事が多いため、リモートワークに向いている職業です。実際に、「フルリモート可」「在宅ワーク可」と書かれた求人もあります。
しかし、リモートワークの有無は会社によって異なる点に注意が必要です。またフロントエンドエンジニア未経験者は入社後に研修や教育が行われることがほとんどであり、最初からリモートワークは難しいといえます。フルリモートで働きたい場合は、求人の選び方にも注意しましょう。
フロントエンドエンジニアの仕事に年齢制限はなく、20代や30代未経験者でも転職可能です。しかし、長期的なキャリア形成のために「35歳まで」などと年齢を制限している求人もあります。
未経験者でも転職できる仕事ではあるものの、最低限のITリテラシーがないと転職活動は不利になるでしょう。基礎的なスキルの習得はもちろんのこと、学習意欲やコミュニケーションスキルなどの強みを見つけてアピールすることも大事です。スキル習得においては具体的な目標を設定し、学習を習慣化しましょう。
フロントエンドエンジニアに転職した後、別のITエンジニアへのキャリアアップを検討している方もいるのではないでしょうか。目指すべきキャリアパスが描けたら、その目標に到達するために必要な経験やスキルを積むことを心掛けましょう。ここからは、フロントエンドエンジニアが目指せる4つのキャリアを紹介します。
Webデザイナーは、Webサイトの企画やWebデザインに携わる職種です。開発コンセプトや設計の方針を定め、実際にどのような方向性で制作を進めるのかを考えます。Webサイトのレイアウトを考えたり、ユーザーに表示される部分のWebデザインを設計したりするのが主な仕事です。案件によっては、画像の作成や進行管理に携わることもあるでしょう。
Webデザイナーの業務には、フロントエンドエンジニアとしてWebデザインやWebコンテンツを実装した経験が役立ちます。フロントエンドエンジニアがWebデザイン業務の一部に携わる企業では、実際にデザインした経験も活かせるでしょう。
将来的にWebデザイナーへのキャリアアップを考えているのであれば、求人を探すときにWebデザイン業務にも携われる職場を探すのがおすすめです。併せてAdobe PhotoshopやAdobe Illustratorなどのクリエイター向けソフトウェアのスキルも習得しましょう。
Webディレクターは、WebサイトやWebアプリケーションの開発プロジェクト全般の監督に携わります。実際にクリエイターのひとりとして開発に携わるというよりは、進行状況を管理したり、クライアント企業の担当者と折衝したりするのが主な仕事です。
Webディレクターとして働くときには、開発工数やスケジュールの見積もり・進行管理においてフロントエンドエンジニア経験が役立ちます。ITエンジニア経験があれば開発現場の様子を正しく把握でき、予定どおり進んでいるか、納期までに終わりそうかなどを適切に判断できるでしょう。
企業によっては要件定義や企画などのプランニング業務に携わるケースもあります。Webディレクターとして働くには、クライアント企業の担当者や自社のクリエイターなど、多くの人とのコミュニケーションが必要です。フロントエンドエンジニアとして働きながらヒューマンスキルを磨き、Webディレクターとしての能力を習得しましょう。
フルスタックエンジニアは、ひとりで開発業務におけるさまざまなプロセスに携わるITエンジニアです。フロントエンド開発に携わるときもあれば、バックエンド開発に携わるときもあります。システムをリリースした後の運用・保守を担当することもあるでしょう。ただし、一般的なITエンジニアに比べて激務になりやすい点には注意が必要です。
フロントエンドエンジニアとして働く中で培ったコーディングスキルやデータベーススキルは、フルスタックエンジニアとして活躍するうえで役立ちます。しかしそれだけではスキル面で不十分なため、バックエンド開発に用いられる言語やサーバーサイドの知識なども培うとよいでしょう。
IT業界で働くプロジェクトマネージャーは、開発プロジェクトの責任者として計画段階から完了までのすべての段階に携わります。具体的な仕事内容の一例は以下のとおりです。
フロントエンドエンジニアとしての開発経験があれば、開発側の目線に立って無理のないスケジュールを組むなど、現実的な計画を立てやすくなるでしょう。要件定義の段階で実現できそうかどうかを判断する能力も、計画をスムーズに進めるためには欠かせません。
フロントエンドエンジニアは未経験でも転職可能な職種です。しかし、専門的なスキルが必要な技術職であるため、未経験者が転職を成功させるのは簡単ではありません。転職を実現するためにも、コミュニケーションスキルや高い成長意欲など自分の強みを最大限アピールしましょう。
フロントエンドエンジニアへの転職を成功させたい方、転職活動に不安のある方はぜひマイナビITエージェントにご相談ください。フロントエンドエンジニアの転職事情に精通したキャリアアドバイザーが求人紹介や選考対策など転職活動を全面的にサポートし、未経験からの転職を成功に導きます。
関連記事:マイナビITエージェント
IT業界
プリセールスがきつい3つの理由|対処方法や向いている人の特徴
IT業界
テストエンジニアの平均年収は557万円|未経験からの転職や年収アップの方法も紹介
IT業界
システムエンジニアのやりがいとは?向いている人や転職成功のポイントも紹介