更新日:2024/01/26
この記事のまとめ
IT業界にはさまざまな職種や働き方があります。専門性の高いフロントエンドエンジニアとして働きながら、これからのキャリアパスを考え始める人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、フロントエンドエンジニアのキャリアパスについて解説します。フロントエンドエンジニアが目指せる転職先やキャリアパスの進め方が分かれば、自分の価値を高めながらキャリアを積み上げられるでしょう。
目次
ITエンジニアは、必要なスキルや業務内容によってさまざまなタイプに分類されます。そのひとつがフロントエンドエンジニアです。需要の高い職種といわれており、転職先としても注目されています。ここでは、フロントエンドエンジニアの概要やキャリアパスを紹介します。
WebサイトやWebアプリケーションでユーザーが直接見る部分を「フロントエンド」といいます。フロントエンドの設計や構築をするのがフロントエンドエンジニアで、コーダーやマークアップエンジニアの上位職に該当します。
デザイナーが作ったデザインを構築するだけでなく、ユーザーインターフェース(UI)、ユーザーエクスペリエンス(UX)、SEOに配慮した設計が不可欠です。企業によりフロントエンドエンジニアに任せる業務領域には差があり、デザインやディレクションを担当するケースもあります。業務経験を積みながら、幅広いスキルを身につけていくフロントエンドエンジニアも少なくありません。
Webサイト数は現在も増え続けています。スマートフォンやタブレットの普及も進んでおり、Web開発はより高度で複雑になっているため、専門性の高いスキルを持つフロントエンドエンジニアの需要は今後も期待できるでしょう。
ITサービスの提供がクラウド利用にシフトしていることも追い風となり、その開発に関わるフロントエンドエンジニアの需要増加はまだまだ続くと見られます。
フロントエンドエンジニアのキャリアパスには、キャリアアップとキャリアチェンジという2つの道筋があります。
フロントエンドエンジニアとしてのスキルを極めて、より専門性の高い業務をこなすことで上位ポジションや年収アップを目指すのがキャリアアップ、いままで身につけたエンジニアとしてのスキルや経験を活かして新たな職種にチャレンジするのがキャリアチェンジです。キャリアチェンジを目指すのであれば、新たなキャリアで必要となる知識やスキルを磨かなければなりません。
さらに、転職するかどうかもキャリアパスの大きな分かれ道です。いまの会社でキャリアアップやキャリアチェンジを目指すのか、より条件のよい職場へと転職するのか、しっかりと考えましょう。
フロントエンドエンジニアとしてキャリアアップを目指すのでれば、スキルの向上が必要です。磨きたいスキルは現在の業務に直接関係するものだけでなく、自分の価値を高めてくれるものもあります。どのようなスキルを磨けばよいか、キャリアアップに役立つ学習計画を立てるうえでポイントを整理しておきましょう。
フロントエンドエンジニアとしてキャリアアップする際に不可欠なのが、知識とスキルのレベルアップです。 ここでは、フロントエンドエンジニアに必要なスキルとキャリアアップに必要な知識を紹介します。
【フロントエンドエンジニアに必要なスキル】
【キャリアアップに必要な知識】
さらに専門性の高いスキルを身につければ、フロントエンドエンジニアとしての価値を高められます。すぐに役立つものだけでなく、将来を見据えたスキルを習得しましょう。キャリアアップの可能性を高めるスキルは以下のとおりです。
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フロントエンドエンジニアを続けながらキャリアアップする場合、考えられるキャリアパスにはフロントエンドエンジニアのスペシャリスト、チームリーダーやマネージャーといったマネジメント職があります。
経験やスキルを積めば、転職することで待遇改善や年収アップも可能です。フロントエンドエンジニアは腕がものをいう職種であるため、時期やタイミングを考えながら、転職も視野にキャリアパスを描くとよいでしょう。
ほかの職種へキャリアチェンジするというキャリアパスもあります。これまで磨いてきたスキルや経験を武器にできれば、より有利に転職できるでしょう。ここでは、フロントエンドエンジニアとしてのスキルや知識を活かせる転職先を紹介します。新たに必要となるスキルや知識もあるため、転職先が決まったらすぐに勉強を始めましょう。
バックエンドエンジニアとは、サーバサイド全般を取り扱うエンジニアです。サーバ構築とサーバサイドプログラム開発が主な仕事で、構築したサーバや開発したプログラムの保守や運用を担当する場合もあります。
サーバサイドプログラミング言語の習得は必須で、Webサービスの開発全般の知識も身につけたほうがよいでしょう。より専門的な知識を必要とするため、キャリアチェンジが年収アップにつながるケースも少なくありません。
フルスタックエンジニアとは、システム開発やWeb開発といったエンジニアリング業務において、設計から開発・運用まですべての行程を手掛けるエンジニアです。
通常は複数名のエンジニアが協働して開発する仕事を1人で担当できるため、企業にとっては人件費削減や開発スピードの向上といったメリットがあります。スタートアップ企業での需要も増えており、年収アップが期待できる職種です。
システムエンジニア(SE)とは、クライアントから要望をヒアリングし、システムの設計図を作るエンジニアです。主に要件定義から詳細設計までの上流工程を担当します。フロントエンドとバックエンド、両方の知識が求められるため、フロントエンドエンジニアから一度バックエンドエンジニアというキャリアパスを挟んでからシステムエンジニア(SE)に転職するケースが多く見られます。
上流工程を経験することでエンジニアとしての価値が上がることから、プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)、ITコンサルタントなどさらなるキャリアアップも可能です。
Webディレクターとは、Webサイトの企画立案や制作、運用における責任者です。業務内容は、クライアントへのヒアリングから始まり、見積もりや予算管理、スケジュールの進行管理、運用更新とあらゆる実務を含みます。
フロントエンドエンジニアの経験を積んでいれば、クライアントからの技術的な要求への対応もスムーズにできるでしょう。現場にも精通しているため、現実的で実際的な管理ができます。転職後のキャリアパスとして、Webディレクターの上位職であるWebプロデューサーへのキャリアアップも可能です。
WebデザイナーはWebサイトをデザインする職種です。PhotoshopやIllustratorのようなグラフィックソフトの操作スキルとデザインに関する知識が欠かせません。アーティストではないため、クライアントのニーズに沿ったデザインを提供することが重要です。流行のデザインや操作性も考えたうえで設計します。
フロントエンドエンジニアで培ったコーディング知識が、ユーザビリティやコーディングを意識したデザインへとつながることが大きな強みです。
UI(User Interface)とは、ユーザーの目に触れて操作に使用される部分で、Webページやアプリケーションのメニューボタンやアイコンが代表例です。UX(User Experience)とは、ユーザーがサービスを使用することで得られる経験・感想で、「操作が分かりやすい」「おしゃれなデザインで気に入った」といった感想が該当します。
UI・UXの向上を目指してサイトを改修するのがUI・UXエンジニアの仕事です。フロントエンドのプログラミング知識やWebデザインの知識に加え、Webマーケティングのスキルやコミュニケーションスキルも必要とされます。
WebマーケターはWeb上におけるマーケティング全般を担当する職種です。サイト分析やSEO対策、効果的なWeb広告によってマーケティングをサポートします。
Webマーケティングの具体的な目標を設定し、Webサイトの制作や改善によって目標達成を狙うのが主な仕事です。実際の作業はエンジニアやコーダー、デザイナーといった職種が担当しますが、フロントエンドエンジニアとして培った知識とスキルがあればスムーズに仕事が進むため重宝されます。制作チームのメンバーともコミュニケーションが取りやすいなど、現場で培った経験が強みとなる職種です。
フロントエンドエンジニアから目指せるキャリアにはさまざまな可能性があります。重要なのは、明確なキャリアパスを設定し、キャリアアップやキャリアチェンジを実現することです。ここでは、キャリアパスの設定と実現に必要な3つのステップを紹介します。ステップを踏むことで、フロントエンドエンジニアとして新たな目標に近づけるでしょう。
IT業界における転職は、年齢によって不利になるケースもあります。「将来的なキャリアパスは実力がついたら考える」では遅いかもしれません。
フロントエンドエンジニアとしてキャリアアップするにしろ、キャリアチェンジするにしろ、明確な目標を決めることが重要です。アクションを起こす時期を決めて目標に向かって実力を蓄えれば、時間を無駄にせずに済みます。目標は定期的に見直し、「モチベーションを保てているか」「目標に見合った努力をしているか」を吟味したうえで修正・変更しましょう。
IT業界ではスキルや知識がものをいいます。フロントエンドエンジニアを続ける場合でも、転職してキャリアチェンジする場合でも、必要とされるスキルを身につけて磨くことは不可欠です。業務の中で身につけられるものもありますが、新たに学ぶべきスキル・知識は実現可能な学習計画を立てなければなりません。
転職では資格が有利に働くケースもあるため、企業研究で正確な情報を取り入れ、転職に役立つ資格を取得するのもひとつの方法です。
社内でキャリアアップを目指す場合、早い段階で上司に相談しておくとよいでしょう。客観的な視点で問題点を指摘してもらえたり、重要度の高い仕事を任せてもらえたりすることでキャリアアップにつながります。
転職する場合、年収だけでなく自分の思い描くキャリアパスとしてふさわしい転職先かどうかを見極めることが重要です。フロントエンドエンジニアとしての実績を評価してくれる転職先が見つかれば、自分のスキルを活かしながら新しい環境でさらなるキャリアアップを目指せます。
フロントエンドエンジニアは専門性が高く、需要も将来性もある職種です。目指せる転職先やキャリアパスには、バックエンドエンジニアやシステムエンジニア、Webディレクターがあります。転職も視野に入れて、フロントエンドエンジニアとして培ったスキルや経験を活かせるキャリアパスを設定しましょう。
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