更新日:2024/10/24
この記事のまとめ
フロントエンドエンジニアへの転職を検討する中で、年収水準はどの程度なのかが気になることがあるでしょう。また、フロントエンジニアとしてさらなる高年収を実現するにはどうしたらよいのか、具体的な方法が知りたい方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、フロントエンドエンジニアの年収水準と転職のコツを詳しく紹介します。転職によって年収アップを実現するためにも、日頃からスキルの向上に努めましょう。
目次
フロントエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションの設計・構築において、フロントエンドの設計・開発を担うITエンジニアです。
フロントエンドとは、ユーザーが直接見る箇所や操作できる部分を指します。Webデザイナーが設計したデザインを基に、HTMLやCSS、JavaScriptといった開発言語を使用して実装する仕事です。
企業によってはデザインの制作やディレクションを担当する場合もあります。企業によって業務の幅が異なるため、転職する際には求人情報などを隅々までチェックしましょう。
転職で年収アップを実現するためにも、まずはフロントエンドエンジニアの年収水準を把握しておきましょう。そのうえで、現職の年収水準も考慮しつつ年収を上げられそうな転職先を選ぶことが大切です。ここでは、フロントエンドエンジニアの平均年収や月収の目安、年齢別の年収水準を紹介します。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の結果」によると、フロントエンドエンジニアを含むWebサイト開発に携わるITエンジニアの平均年収は557万6,000円です。プログラマーをはじめとしたほかのITエンジニアと同等であり、平均年収が684万9,000円であるプロジェクトマネージャーなど上流工程を担当する職種と比較すると低めといえます。
なお、同調査によると全産業の平均年収は506万9,400円なので、フロントエンドエンジニアの平均年収は比較的高いことが分かります。
参照:システムエンジニア(Webサイト開発)|職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag|厚生労働省
参照:賃金構造基本統計調査/令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類|厚生労働省
同じく厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によって所定内給与額別の人数割合を見ると、フロントエンドエンジニアの月額給与には以下3つのピークがあることが分かります。
異業種からの転職などで経験が浅くスキルレベルがそこまで高くないのであれば20万円台、十分なスキルを有している方が経験者として転職した場合は40万円以上がひとつの目安です。60万円以上の給与を獲得している方もいるため、年収アップを実現しやすい環境ともいえます。
年齢別の年収水準に注目すると、50代後半の732万1,700円がピークです。年代ごとの平均年収を以下にまとめました。
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50代まではキャリアを積むにしたがって年収アップが期待できます。60代以降はそれ以前の年代に比べて平均年収は低下しているのが特徴です。
フロントエンドエンジニアはスキルレベルが年収に直結する職種です。厚生労働省の調査によると、ITSSレベル5以上のスキルを有している人材であれば、年収950万円程度を目指せます。そのため、年収アップを実現したいのであれば、日頃からスキルアップに励むことが重要といえるでしょう。
なお、ITSSは情報処理推進機構(IPA)が公開しているスキルレベルの指標で、レベル5は「社内でテクノロジーやメソドロジー(方法論)、ビジネスを創造するプロフェッショナル」と定められています。
ITエンジニアは、フロントエンドエンジニアに限らず技術レベルや経験・実績が年収に直結する職です。そのため、年収アップ・キャリアアップを実現したい方は普段から学習に励み、スキルレベルを高めましょう。ここでは、年収アップを実現するために習得したい3つのスキルを詳しく紹介します。
世の中には多くのプログラミング言語があり、それぞれに得意・不得意分野があります。Web業界におけるフロントエンド開発では以下の言語が多く用いられるため、習得に励みましょう。
上記のプログラミング言語を順番に学び、徐々に扱える言語を増やすとよいでしょう。各言語でよく用いられるフレームワークも併せて学習することをおすすめします。すでに扱える言語と構文や考え方が近いものから学習すると、効率的です。
ユーザーが直接目にする部分に携わるフロントエンド開発では、マークアップを担当することもあります。そのため、以下の言語も学ぶとよいでしょう。
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上記で紹介したマークアップ言語とスタイルシート言語は、双方を組み合わせて用います。マークアップ言語でテキストの構造を指定し、スタイルシート言語で表示スタイルを指定するという関係です。マークアップ言語とスタイルシート言語には密接な関係性があるため、セットで学習することが大切です。
デザインの実装やUI・UXの設計・実装をフロントエンドエンジニアが担当する案件もあります。そのため、Webデザインの基本的なスキルを習得したり、使いやすいUIがどのようなものか学んだりすることも大切です。
デザインやUI・UXスキルを高めれば、Webデザイナーとして活躍する道も開かれるでしょう。マネジメント層にキャリアアップしたときには、Webデザイナーをディレクションする際にその経験を活かせます。
さまざまな企業・団体・個人がWebサイトを開設していることもあり、フロントエンドエンジニアはニーズが高い職種です。ただしAI技術の向上により、今後はフロントエンドエンジニアのあり方が変わる可能性が否めません。
いまでは自動でコードを生成するサービスもあります。将来を正確に予測することはできませんが、フロントエンドエンジニアが担当している業務の一部がAIに取って代わられる日が来る可能性もあるでしょう。
したがって、短期的な将来性は明るく、長期的な将来性は未知数といえます。自身のスキルを広げたり、専門性を高めたりして需要の高い人材を目指すことが大切です。
これからフロントエンドエンジニアを目指そうと考えている方は、自分にとって適性がある職なのか考えることも大切です。向いているか判断するのが難しいと感じているのであれば、以下で紹介する条件に自分が該当しているかを考えてみましょう。
上記の適性は、フロントエンドエンジニアに限らずITエンジニア全般に共通します。変化が激しいIT業界で長期的に活躍するには、学習意欲の高さや柔軟性が大切です。
フロントエンドエンジニアへの転職を目指す場合は、事前に知識やスキルを習得することが大切です。どのようなスキルを習得すれば、転職において有利になるのでしょうか。ここでは、未経験者がフロントエンドエンジニアに転職する道のりについて詳しく解説します。
未経験でフロントエンドエンジニアを目指す場合、コーダーからキャリアをスタートするとよいでしょう。コーダーとはWeb開発に携わるITエンジニアのひとつで、HTMLやCSS、JavaScriptといったさまざまな開発言語を使用してソースコードを記述することに特化した職種です。Webコーダーやコーディングスタッフと呼ばれることもあります。
コーダーの経験を通じてコーディングのスキルを磨けば、フロントエンドエンジニアになった際にスムーズに業務をこなせるでしょう。
マークアップエンジニアは、HTMLやCSSを用いてWebデザイナーが設計したデザインを実装する仕事です。マークアップエンジニアはコーダーの上位職種にあたり、サイトの目的やSEOを意識したうえでマークアップするスキルが求められます。
フロントエンドエンジニアと似ているポジションですが、マークアップエンジニアはHTMLの作成と実装が主な仕事です。表示・操作に特化したスキルを身につければ、フロントエンドエンジニアへの転職に役立つでしょう。
フロントエンドエンジニアへの転職を成功させるには、業務に求められる知識やスキルを身につけることが大切です。特に未経験から目指す場合は、資格を取得し客観的に知識・スキルをアピールできるようにするとよいでしょう。ここでは、フロントエンドエンジニアに求められるスキルやおすすめの資格を紹介します。
フロントエンドエンジニアの業務に必要な知識・スキルを身につければ、転職で有利になります。フロントエンドエンジニアに必要な知識は以下のとおりです。
開発言語を扱うスキルに加えて、フレームワークやWeb関連の知識も求められます。より高度な知識やスキルを身につけて専門性を高めれば、転職後もさらなるキャリアアップを実現できるでしょう。
資格を取得すれば、応募先企業に対してスキルレベルを客観的にアピールできます。フロントエンドエンジニアの業務に役立つ主な資格は以下のとおりです。
中でも、基本情報技術者試験はITエンジニアの定番資格です。ほかにもフロントエンドエンジニアの業務に関連する資格はたくさんあるため、企業研究をしっかりしたうえで必要な資格の取得を目指しましょう。
フロントエンジニアとして年収アップを実現したいのなら、転職する際に意識しておきたいことがいくつかあります。転職してから後悔しないためにも、以下で紹介する3つのポイントを事前にチェックしておきましょう。自分の価値を正しく評価してくれる企業に転職し、キャリアアップすることが大切です。
同じフロントエンドエンジニアでも企業によって提示する年収は異なります。そのため、転職で年収アップを実現したいのなら、年収水準が高い企業を選択することが大切です。フロントエンドエンジニアの平均年収と現職の年収水準を考慮し、より高い金額を提示している企業を選びましょう。
ただし年収水準が高い企業への転職を成功させるには、自分が有しているスキルや実績のアピールが欠かせません。日頃からスキルアップを心掛け、対応できる業務の幅を広げることを意識しましょう。
IT業界で活躍するITエンジニアには、スキルレベルを高めるほど年収アップを実現しやすくなる特徴があります。そのため年収アップを実現したいのであれば、学習を欠かさないようにしてより高度なスキルを習得することが大切です。具体的には、扱えるプログラミング言語の種類を増やし、複雑な設計のWebサイトやWebアプリケーションを開発できるようになるとよいでしょう。
企画や設計といったより高いスキルが求められる上流工程を担当できるスペシャリストになると、高年収が期待できます。
年収アップを実現するもうひとつのルートが、マネジメント領域を目指すものです。マネジメント領域は開発プロジェクト全体の進行を管理する分野で、プロジェクトマネージャーなどが含まれます。
マネジメント領域を目指す場合は、フロントエンドエンジニアとして働くのに必要な開発スキルに加えて、管理職に必要なマネジメントスキルを習得することが大切です。また、プロジェクトメンバーとスムーズにコミュニケーションを取るためのヒューマンスキルも求められます。
すでにフロントエンドエンジニアとして活躍していて、年収アップを実現するために転職しようと考えている方もいるのではないでしょうか。ここでは、年収アップを目指すときにおすすめの転職先を3つ紹介します。自分が思い描いているキャリアパスと照らし合わせながら考え、どの道に進むとよいか判断しましょう。
WebディレクターはWeb制作や運営においてプロジェクトを指揮・監督するポジションです。具体的には、プロジェクトが円滑に進むようスケジュールを管理し、各メンバーとの調整を担当します。
フロントエンドエンジニアとして実績と経験を積み、Webディレクターに転職すれば年収アップを目指せるでしょう。また、WebデザイナーやUI・UXエンジニアといった関連職種へ転職して年収アップを狙うのもひとつのルートです。
技術を極めたいと考えているのであれば、広範な技術を高いレベルで習得してフルスタックエンジニアを目指すのもひとつの道です。
フルスタックエンジニアはひとりで多くの分野をこなすITエンジニアであり、さまざまな分野のスキルを高いレベルで有している必要があります。ITエンジニアのジェネラリストというよりは、多くの分野を極めたスペシャリストといえます。
担当できる案件が広がる分、年収アップを実現しやすいでしょう。ただし、ひとりで多くの工程を担当する都合上、激務に陥りやすいのがデメリットです。
ITエンジニアからWebマーケターへのキャリアチェンジを目指す道もあります。Webマーケターは、Webサイトを通じて集客するにはどのような施策を展開すればよいか、課題を解決するには何をすればよいかを考えて売り上げアップを実現する職です。
最前線で活躍するには、SEO関連のスキルやデータ分析スキル、AIを活用するスキルなどが求められます。Webマーケターは成果を出すほど年収アップを実現しやすい職です。開発よりマーケティングのほうが向いていると感じるのであれば、必要なスキルを学んでキャリアチェンジしてもよいでしょう。
フロントエンドエンジニアはWebサイト・Webアプリケーションのうち、ユーザーが実際に目にする部分を開発する職種です。厚生労働省の調査によると平均年収は557万6,000円ですが、スキルレベルによってはさらに高い年収を目指せます。年収アップを実現したいのであれば、十分なスキルを習得したうえで高い年収を提示してくれる企業への転職を検討するとよいでしょう。
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