更新日:2024/08/08
この記事のまとめ
転職活動の面接では、採用担当者から自己紹介をするように求められることが一般的です。しかし、具体的にどのように自己紹介をするとよいのかお悩みの方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、面接で効果的に自己紹介する方法や混同しがちな自己PRとの違い、自己紹介に盛り込みたいことを解説します。自分自身を採用担当者に魅力的に伝えるためにも、事前に確認しておくことをおすすめします。
目次
面接で自己紹介が必要な理由としては、以下が挙げられます。
面接の冒頭で応募者に自己紹介をするように促すことで、会話のきっかけを作れます。たとえば、「新潟出身とお聞きしましたが、雪は大変ですか」「映画が趣味ということですが、いままでに感銘を受けた映画は何ですか」といった具合です。こうした何気ない会話を通じて、応募者のコミュニケーションスキルを確認する意味合いもあります。
面接の質問の中で混同しやすいものに、自己紹介と自己PRがあります。自己紹介と自己PRはそれぞれ、以下のポイントにフォーカスして答えましょう。
自己紹介では、基本的なプロフィールをシンプルに伝えるのが基本です。経験やスキルに言及するときは、簡潔な内容にとどめましょう。必要に応じて自分の趣味や特技なども盛り込みます。
一方で自己PRは、自分のスキルや経験を具体的に伝え、応募先企業にとって有用な人材であることをアピールするものです。これまでに携わったプロジェクトの詳細や発揮した具体的なスキル、成果を分かりやすく伝えましょう。
応募者にとって、自己紹介は最初の印象を決める大切な時間です。しかし、自己紹介で「何を」「どこまで」伝えるかに関する明確なルールや基準はありません。そのため、何を話せばよいか悩む方もいるのではないでしょうか。ここでは、面接の自己紹介に含めたい内容を3つ紹介します。
自己紹介の冒頭では、自分の名前や現在の職業、過去の職歴などを伝えます。これまでにどのような仕事を経験し、現在はどのような仕事をしているのかを簡潔にまとめて説明しましょう。応募先企業の業務に関係のない情報を伝える必要はありません。
採用担当者に自分がどのような強みを持っているのかを知ってもらうために、過去の実績や習得したスキルについても簡単に触れましょう。たとえば「個人営業で月に20件の契約を獲得した実績があります」「ファイナンシャル・プランニング技能検定1級の資格を取得しており、金融の知識には自信があります」などです。具体的な内容は自己PRを通じて伝えるため、自己紹介の段階では一言で簡潔にまとめるとよいでしょう。
自己紹介の締めくくりとして、「なぜ応募先企業を選んだのか」「入社後にどのように活躍したいのか」を伝えます。「実務経験を積んでスキルアップしつつ、将来はリーダーを目指します」などと伝えるとよいでしょう。詳細は志望動機で説明すればよいため、ここでは概要を伝えれば十分です。最後に「本日はよろしくお願いいたします」とあいさつして締めると、好印象を与えられます。
自己紹介の主目的は、「自分を知ってもらう」ことです。しかし、自分を深く理解してもらおうと思って自己紹介が長くなりすぎると、伝えたいことが伝わりにくくなります。一方で簡潔にしすぎれば、自分という存在を採用担当者にうまくイメージしてもらえません。ここでは、自己紹介で好印象を与える3つのポイントを紹介します。
自己紹介は、要点をまとめて1分程度で話せる分量に仕上げましょう。文字数の目安は、300文字前後です。面接では緊張するため、普段よりも早口になって相手が聞き取りにくくなるケースがあります。面接の練習では時間を計測し、相手が聞き取りやすいスピードで自己紹介できているかをチェックしましょう。
自己紹介の内容がどれだけよくても、表情が暗かったり、ボソボソと話していたりすれば印象は悪くなります。自己紹介では、以下の点を意識しましょう。
応募先企業が転職市場で人気があって競争率が高い場合は、ほかの応募者よりも自分のほうが企業に貢献できると伝えることが大切です。ライバルと差別化できる自分の強みを自己紹介に盛り込み、積極的にアピールしましょう。
自分の経験やスキルのうち、何をアピールすると効果的かを考えて簡潔に盛り込みます。詳細は自己PRを通じて伝えるため、概要程度にとどめるのが基本です。
面接もビジネスシーンのひとつであるため、適切な言葉遣いを意識しましょう。ビジネスシーンでしか使わない言葉もあるため、よく使うものを事前にチェックして正しく使えるようにしておくことが大切です。
また、敬語表現を間違えないように注意しましょう。尊敬語と謙譲語の使い分けや二重敬語の防止など、注意点は多岐にわたります。面接練習を何度も繰り返し、適切な言葉をスムーズに使えるようにしておくことをおすすめします。
自己紹介に盛り込む内容や伝え方のポイントが分かっても、実際どのように文章化したらよいのか悩む方もいるのではないでしょうか。ここでは、職歴別に自己紹介の例文を紹介します。例文はあくまでも参考とし、本番では自分の言葉で伝えるようにしましょう。
【例文】
私は〇〇と申します。〇〇大学出身で、現在は化粧品メーカーの〇〇企業にてマーケティング業務に携わっています。
現職では商品企画や販売戦略の立案に携わり、売り上げを20%向上させるなどの成果を残しました。日々充実していますが、直接顧客と接したいという気持ちが強くなり、御社に応募いたしました。現職で培った情報収集のスキルは、御社の営業部門でお役に立てると考えております。
社会人としての経験は長くありませんが、その分物事を柔軟に吸収する能力には長けていると思っております。
第二新卒は早期退職している事実があることから、「またすぐに辞めるのでは」と懸念される可能性があります。短期離職につながった理由に軽く触れつつ、応募先企業に入社すると退職理由を解消できることを盛り込みましょう。早期離職のリスクが低いと判断されれば、採用に至りやすくなります。
【例文】
○○と申します。私は現職でインフラエンジニアとしてサーバーの調達・設計やネットワーク構築を担当しています。小売業向けのシステムをメインとしており、比較的小規模な企業でも導入しやすいシステムの開発に携わっています。
これまでに培ったスキルや経験を発揮して、より大規模な開発案件を担当したいと思うようになり、転職を決意いたしました。御社は行政機関や金融機関のインフラ設計・構築をメインにしており、これまでに培った設計スキルを活かして、社会インフラとして欠かせないシステムに携われると考えて応募いたしました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
経験者を募集している求人に応募した場合は、これまでに培ったスキルや経験をどのような形で発揮できるかにフォーカスしましょう。企業側は、即戦力として活躍できる人材を求めているためです。これまでの経験を通じてどのようなスキルを習得したのかについて言及し、転職を決断した理由を述べつつ応募先企業に貢献できる人材であることを伝えましょう。
【例文】
〇〇と申します。私はこれまで約5年間、生活用品の販売員として働いてきました。子どもから高齢者まで多くの人と関わり、充実した仕事でしたが、以前より興味のあった介護業界に携わりたく、転職を決意しました。
御社はレクリエーションを多く取り入れているデイサービスであり、私の持ち前の明るさと元気のよさが活かせると思っております。また、販売員としての経験を通じて習得したコミュニケーションスキルやホスピタリティーも、介護の仕事に役立つと考えております。
未経験の業界・職種への転職の場合は入社意欲をアピールすることが大事です。企業研究を通じてどのような人材を求めているかをチェックし、説得力のある志望理由を盛り込みましょう。未経験転職でも、現職で培ったスキルや経験を活かせるケースがあります。自分のスキルを転職先で発揮できそうであれば、忘れずに伝えることが大切です。
【例文】
私は〇〇と申します。〇〇大学を卒業後、ミュージシャンを目指して音楽活動をしていました。30歳になっても音楽で食べていけなかったら夢を諦めて正社員として働こうと決意しておりましたが、先月30歳を迎えたためミュージシャンの道を断念しました。
夢は実現できませんでしたが、粘り強く努力したことに後悔はしておりません。また、ミュージシャンではなくても、大好きな音楽に関われる仕事がしたいと考えておりましたので、御社の求人に出会えてよかったと感じております。
私は何事も諦めずに努力できることとリーダーシップが強みですので、御社に入社できましたら、チームを引っ張ってプロジェクトを成功に導ける人材になりたいと考えています。
これまでアルバイトとして働いていた場合をはじめとして、正社員経験がないときはその理由を簡潔に盛り込みましょう。そのうえで正社員として働く意気込みに言及し、入社意欲をアピールすることが大切です。
【例文】
〇〇と申します。私はこれまで、営業職や飲食店、コールセンターなど、人と接する仕事を経験してきました。仕事をするうえで大切にしているのは、顧客の目線になってコミュニケーションを取ることです。
商品を提案する際には、顧客のニーズをヒアリングして最適な商品を選ぶようにしています。難しい専門用語や理解しにくい部分は分かりやすく言い換えて解説し、顧客に納得して購入いただけるように努めてきました。
これまでの仕事で培ったコミュニケーションスキルや営業スキルを活かして、御社でも活躍していきたいと思っております。
転職回数が多いと、「早期離職する可能性が高い」とマイナスな印象を持たれてしまう場合があります。自己紹介ではネガティブな表現は使わず、「経験が豊富」などポジティブに言い換えましょう。
志望する職業によって、自己紹介の内容は変わります。業界ごとに活かせるスキルや求めている人材の特徴が異なるためです。ここでは、「営業職」「事務職」「ITエンジニア」の3つの職業別に自己紹介の例文を紹介します。以下で紹介する文章を参考にしつつ自分のスキルや経験に合わせてアレンジし、オリジナルの志望動機に仕上げましょう。
【例文】
〇〇と申します。これまで3年間、乳製品の飛び込み営業をしていました。指定されたエリア内の家を回って商品を勧め、契約につなげるという仕事で、月に20件近く新規顧客を獲得していました。
最初は月に2件~3件しか契約できなかったものの、徐々に営業ノウハウが身についていき、契約数を伸ばしていくことにやりがいを感じていました。
さらにキャリアの幅を広げたいと思い、法人営業として働くために転職を決意し、御社の求人に応募いたしました。飛び込み営業で培った勇気と根性・営業ノウハウは、御社の法人営業でも活かせると考えております。
上記の例文は、個人営業として働いた経験を具体的にアピールしています。過去の職歴でアピールできる経験や身につけたスキルがあれば、積極的に伝えましょう。
【例文】
〇〇と申します。私は現在コールセンターで働いており、リストに掲載されている顧客に電話をかけて商品を勧めるアウトバウンド業務を行っています。
コールセンター業務の中には、顧客リストに情報を打ち込んだり資料を作成したりする作業もあり、私はそういった事務的な作業が特に好きでした。
約5年のコールセンター経験があり、電話対応や顧客対応には自信があります。また、MOS資格も取得し、基本的なパソコンスキルも備えておりますので、御社で即戦力になれると考えております。
上記の例文では、異業種への転職でも前職の経験が活かせる旨を記載しています。応募先企業の業務に活かせるスキルがあると伝え、即戦力として働けることをアピールすることが大切です。事務職では電話対応やPCを使用した業務が多いため、その点をアピールすることで有用な人材であると判断してもらいやすくなります。
【例文】
〇〇と申します。私は現在、〇〇工場で自動車部品の製造に携わっています。趣味でアプリの開発をしており、本格的にITの仕事に関わりたいと考えてITエンジニアへの転職を決意しました。
IT業界は未経験ではありますが、先月、基本情報技術者試験に合格しましたので、基本的なITリテラシーや開発スキルは習得できていると自負しています。また、独学でJavaやPythonを習得したため、御社の業務用アプリケーションの開発でお役に立てると考えております。
異業種転職で前職の経験がアピールできない場合でも、趣味や独学で得たスキルが仕事に活かせることがあります。資格を取得しているとスキルレベルを客観的に証明できるため、積極的に盛り込んでアピールすることが大切です。成長意欲をアピールしたいのであれば、関連資格の取得に向けて勉強していることも伝えるとよいでしょう。
面接の自己紹介では、注意したい点がいくつかあります。以下で紹介する注意点を知らないまま面接に臨むと、採用担当者によくない印象を与える恐れがあるため気をつけましょう。ここでは、面接で自己紹介をする際のNGポイントを5つ解説します。
自己紹介で前職を批判したりネガティブな表現を使ったりするのはNGです。たとえば「前職は給料が安かった」「上司が使えない人だった」などと伝えると、「入社しても自社の悪口を言うのではないか」「無責任な人なのではないか」と思われる可能性があります。
「給与が安かった」という理由であれば「スキルを評価してくれる会社へ転職したい」というように、ポジティブな表現に変換して伝えることがポイントです。
「仕事を頑張りました」「成果を出しました」といったように、抽象的な内容に終始すると具体的なスキルや経験が伝わりません。面接は自分をアピールする場であるため、強みとなるエピソードは具体的に話しましょう。
「10%の売上アップに成功した」「3年後は管理職を目指す」など、数字を用いると具体性が生まれます。ただし具体的に話そうとするあまり、話が長くなりすぎないように注意しましょう。自己紹介で言及するのはあくまでも概要にとどめ、詳細な内容は自己PRや転職理由を通じて伝えます。
自己紹介は1分程度で伝えられる分量にまとめるのが基本です。文字数にすると、300文字がひとつの目安といえます。ただし、採用担当者から「2分程度」のように指示があった場合は、それにしたがいましょう。
自己紹介が長すぎると要点を見失いやすくなり、何を伝えたいのか分からなくなりがちです。一方で自己紹介が短すぎると、「伝えたいことがない」「熱意が感じられない」とマイナス評価につながりやすくなります。
自己紹介に限らず、面接の現場で採用担当者に伝わらない専門用語を多用するのは避けましょう。特に異業種転職の場合、前職の業界用語や社内用語が伝わらない可能性が高いことを覚えておく必要があります。
専門用語を多用して回答すると、「分かりやすく解説するスキルがない人」「常識がない人」と判断される可能性があります。一般的な用語だと思っていたものが専門用語であるケースもあるため、日常生活で使わない用語が登場したときは念のためにチェックしてみるとよいでしょう。
プライベートな内容や家族に関する話など、ビジネスに関係ない内容を伝えることは避けましょう。採用担当者が知りたいのは「応募者の採用が自社にメリットをもたらすか」というポイントです。自分を採用する利点を伝えるには、経験やスキルを応募先企業の業務でどう活かせるかにフォーカスする必要があります。
自己紹介にプライベートな内容を盛り込むと、「これといってアピールできるスキルがないのではないか」と判断されかねません。限られた自己紹介の時間を有効活用するためにも、言及する内容はビジネスに関係するものに限りましょう。
【例文】
○○と申します。私は現職で損害保険の法人営業として働いており、新規顧客の開拓を担当しております。現職では売上アップを目指してさまざまな施策を立案・実行し、毎月の営業目標を達成しております。
日々の営業活動では、ヒアリングを通じて顧客一人ひとりのニーズを把握して、適切な商品を紹介することが売上アップにつながるコツであると実感いたしました。
法人営業を通じて培った経験を活かし、御社のIT営業として活躍したいと考えてこの度応募いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
上記の例文では、現職で培ったスキルや経験の具体的な内容を理解できません。「施策を立案・実行した」といってもどのようなものかに言及しなければ、漠然としていて魅力的なアピールにはならないでしょう。
「リスクヘッジに関するセミナーを開催した」など、自分で立案した施策の例を挙げつつ経験を通じて培ったスキルをひとつピックアップし、そのスキルをどのように活かせるかに言及できるとよりよい自己紹介になります。
面接を成功させるには、入念な対策と準備が必要です。しかし、有効な対策は何か、自己紹介に含める内容をどのように考えればよいかが分からない方もいるでしょう。面接対策を万全に整えたい方は、転職エージェントの活用がおすすめです。
マイナビエージェントでは、転職のノウハウに精通したキャリアアドバイザーが面接対策のアドバイスや模擬面接などのサポートを実施しています。無料で転職を成功に導くサポートを提供しているため、ぜひご登録ください。
転職の面接では、応募者を知る目的で自己紹介をするように促されることが一般的です。自己紹介で伝えたい内容は、自分のプロフィール・これまでの実績・志望理由と意気込みです。いざ面接に臨む段階になって慌てないためにも、事前に準備を整えておきましょう。
ひとりで面接の準備を整えるのが難しいと感じているのであれば、早い段階でマイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントでは、模擬面接を通じて自分の魅力を効果的にアピールする方法をお伝えしています。転職サポートのプロが自信を持てるように徹底的にサポートするため、ぜひご相談ください。
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