保険会社の営業は、成果主義であることも多く、高収入を得られる場合があります。一方、ノルマ達成のプレッシャーに耐え切れず、転職したいと考える方もいるのではないでしょうか。保険会社を辞める際は、退職理由や転職対策を把握することが大切です。

そこで今回は、保険会社から転職するにあたって役立つ知識を紹介します。おすすめの転職先だけでなく、転職でアピールできるスキルもまとめました。

保険会社から転職したい人によくある退職理由

退職理由は人によってさまざまですが、保険会社ならではの業務内容を理由に辞める方が多いのが特徴です。ここでは、保険会社を辞める方によくある退職理由を紹介します。自身に当てはまるのであれば、保険会社の営業が向いていないかもしれません。

厳しいノルマが課せられているから

保険会社の営業には、厳しいノルマが課せられている場合があります。一度ノルマを達成しても、また次のノルマに向かって営業努力をしなければなりません。

常にノルマを意識することで、次第にノルマに追われているように感じられ、精神的に追い詰められる方もいるでしょう。厳しいノルマは、保険会社から転職したいと考える理由のひとつです。

営業が泥くさいから

保険会社の営業方法はあまり効率化が進んでおらず、昔ながらのアウトバウンド型営業が一般的です。顧客獲得のために何度も足を運び、ときには手ひどい仕打ちを受けることもあるでしょう。

このような泥くさい営業方法には、体力だけでなく精神力が求められます。「疲れが取れない」「性に合わない」といった理由で転職を決める方もいます。

休日を十分に確保できないから

営業は顧客の都合に合わせて業務にあたるのが基本です。長時間労働なうえに土日祝日は休めない場合が多く、ときには休日出勤を求められるケースもあるでしょう。

また、保険を効率よく販売するには、商品や市場、顧客情報のリサーチが重要です。仕事の合間や休憩時間、休日をリサーチに充てる方も少なくありません。オンオフの切り替えが難しいことから、人生設計を見つめ直して転職する方もいます。

給料が不安定だから

保険会社の給与にはインセンティブが含まれ、成果次第で報酬が上下する傾向があります。多くの場合、営業の成果は毎月同じではありません。給料が不安定だと将来設計を立てづらく、結婚や子育てを想定したときに不安が頭をよぎる方もいるでしょう。

また、労働時間と給料が見合っていないと感じ、待遇の改善を希望して保険会社からの転職を考える方もいます。

スキルアップやキャリアアップがしにくいから

保険会社の営業は、証券会社や銀行とは異なり、金融情勢より義理人情が重視される傾向があります。

ニュースやほかの業界の事情に精通していなくても、自社商品を売るための知識やスキル、コミュニケーション能力があれば営業活動ができるため、スキルアップやキャリアアップがしづらいでしょう。キャリアパスを考えて、保険業界の異なる部門やまったく別の業界に転職する方もいます。

親戚や友人に疎まれるから

保険会社の営業は、多くの場合、親戚や友人に保険商品を売ることから始めます。欲しいと思っていない商品を売り込まれるのは、不快と感じる方も少なくないでしょう。結果として、親戚や友人に疎まれて、疎遠になる方もいます。

ただし、保険会社すべてが身内への保険販売を推奨している訳ではありません。そのため、いまと同じ保険会社の営業に転職するケースもあります。

保険会社から転職するか迷ったときは？判断のポイント

「いままで積み上げてきた経験がもったいない」「転職が成功するか不安」といった理由で、保険会社からの転職に二の足を踏んでいる方もいるでしょう。ここでは、転職するかどうか迷っている方に向けて、判断のポイントを3つ紹介します。

将来の自分を想像する

いまの仕事を続けている将来の自分を想像しましょう。現在の業務や環境に不満やストレスを感じているのであれば、精力的に働いている自分を想像できないでしょう。5年後や10年後も変わらず、同じ保険会社で働き続ける姿が想像できる方は検討の余地があります。

将来の自分を想像する際は、キャリアパスやプライベートといった人生設計も含めましょう。いまの保険会社で思い描く人生設計が叶うかどうかも判断の決め手です。

抱えている不満を解決できるかを考える

現在の仕事に対する不満が解決できるか考えてみましょう。解決できそうであれば、解決に向けて動くことをおすすめします。仮に解決しなくても、「退職理由を解決するために努力した経験」は転職活動の際にアピールできるためです。

ただし、無理は避けましょう。解決できない悩みで精神的に参っているようであれば、転職がおすすめです。

ほかの仕事でやりがいを得られるかを考える

いまの仕事にやりがいを感じていることで転職を悩んでいるのであれば、ほかの仕事でも同じやりがいを得られるか考えてみましょう。たとえば、人の役に立つことやノルマを達成することといったやりがいは、ほかの仕事でも得られます。

やりがいに限らず、代替の利かないものや譲れないものがあるかどうかは転職を判断するポイントのひとつです。

保険会社の経験は生かせる！転職に役立つスキルは？

ほかの会社や業種で働く場合でも、保険会社で培った経験は生かせます。自身の強みを客観的に理解すれば、履歴書作成や面接の際にうまくアピールできるでしょう。ここでは、保険会社で身についたスキルのうち、転職に役立つものを紹介します。

体力や精神力

保険会社の営業は昔ながらの営業方針である場合が多く、顧客獲得のために体を張ります。長時間労働なうえ、さまざまなところに足を運ぶため、体力が鍛えられるでしょう。また、ハードな営業業務やノルマ達成のプレッシャーにより精神面も強くなります。

ただし、体力や精神力がないから辞めたと捉えられる恐れがあるため、アピールするときはノルマ達成率といった数字を挙げて具体的に伝えると効果的です。

コミュニケーション能力や営業スキル

保険会社の営業では、コミュニケーションを円滑に進める能力のほか、プレゼンテーション能力や交渉力といった営業スキルが身につきます。これらの能力は保険会社以外の営業でも役立つでしょう。ほかにも、接客業やコンサルティング業、チーム制の職種など、さまざまな職種で重宝されます。

ただし、いずれのスキルも具体的な根拠がなくては、強いアピールポイントにはなりません。数字やエピソードとともにアピールしましょう。

分かりやすく説明するスキル

保険商品は類似の商品が多く、サービス内容も複雑です。販売するには自社の商品を正しく理解してもらわなければならないため、専門的な知識を分かりやすく説明するスキルが身につきます。

このようなスキルは、異なる業界の営業でも役立ちます。販売職やカスタマーサポートで、消費者への説明を担当する仕事でも生かせるでしょう。

保険会社経験者におすすめの転職先

保険会社から転職するのであれば、いままでの経験が生かせる保険業界や金融業界、ほかの業界の営業がおすすめです。履歴書や面接で好感を得られ、転職成功率も高まります。また、転職後も仕事に慣れるのが早いでしょう。ここでは、保険会社経験者におすすめの転職先を紹介します。

同じ業界の会社

保険会社の業務ではなく職場環境や運営方針に不満を抱えている方は、同じ業界の会社に転職すれば、これまで培った経験をそのまま生かせます。保険会社経験者には、国内の保険会社や外資系の保険会社、保険業界の別部門、金融業界の営業といった仕事が向いています。また、いままでと業務内容が大きく変わることに不安がある方にもおすすめです。

他業界の営業

保険会社の営業で磨いたコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、交渉力といったスキルは、他業界の営業でも活用できます。営業実績を含めた経験を具体的にアピールでき、採用担当者に好印象を与えられるためです。

営業という仕事にやりがいを感じているものの、職場環境や待遇に不満がある方や営業としてキャリアアップを目指したいという方は、メーカーや食品業界といった他業界の営業でも活躍できるでしょう。

営業アシスタント

営業アシスタントとは、営業のサポートをメインに担う事務職です。保険会社の営業アシスタントであれば、営業経験に基づいた的確なサポートができるでしょう。また、異なる業界でも、営業で培ったコミュニケーション能力やスケジュールの管理・調整能力が生かせます。

事務職であるためパソコンの操作に関する基本スキルは必要ですが、体力を理由に転職を考えている方におすすめです。

保険会社からの転職で成功するコツ

保険会社からの転職を成功させたいのであれば、念入りに面接準備をしましょう。転職成功とは採用されることだけを指すのではありません。転職後に後悔しないためには、転職先選びも重要です。ここでは、保険会社からの転職で成功するコツを紹介します。

将来のビジョンを明確にする

転職後、自分はどのようなキャリアパスをたどるのか、将来のビジョンを明確にしましょう。将来のビジョンが曖昧なまま転職先を選ぶと、「想像とは違う」と後悔につながるためです。

特に異業種への転職では、退職理由や志望動機について詳しく質問される傾向があります。将来のビジョンに基づいて回答すれば、採用するメリットが具体的になり、好印象を残せるでしょう。

業界や企業の分析を徹底する

やりたい仕事や働きたい環境を明確にせずに、業界や企業の分析をしないまま転職活動をすると、転職先選びに失敗して採用されても再び辞めたいと思う恐れがあります。

現職への不満をかみ砕き、「給与を上げたい」「休みを増やしたい」といった条件を明らかにしたうえで、業界や企業の分析を徹底しましょう。求める条件が具体的であるほど、自分にマッチした転職先を見つけやすくなります。

築いてきた人脈を活用する

保険会社での営業をとおして築いた人脈を活用できる場合があります。顧客からの紹介により、通常の求人よりも好条件で転職できるかもしれません。ただし、紹介だからこそ内部事情を詳しく聞き出せず、一度入社したら辞めづらいといったデメリットもあります。

人脈だけに頼ることは避け、さまざまな方法で自身に合った転職先を探すとよいでしょう。たとえば、転職エージェントを利用するのもひとつの方法です。

まとめ

保険会社から転職したいと考える理由は、厳しいノルマや不安定な給料と人それぞれです。転職を迷っている方は、将来の自分を想像して、いまの会社で実現できるかどうか判断するとよいでしょう。明確なビジョンがあれば、転職先を選ぶときも自分に合った業界や企業を見つけやすくなります。

とはいえ、企業情報を個人でリサーチするには限界があります。求人情報や公式サイトに記載されている情報には限りがあるためです。企業の社風や具体的な業務内容を知りたいのであれば、マイナビ金融エージェントにご相談ください。マイナビ金融エージェントでは、各企業の非公開情報を会員様向けに提供しています。

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