証券会社から転職したいと考えているものの、実際に何をすべきなのか分からず不安を感じるという方もいるのではないでしょうか。証券会社の仕事を辞めて転職するのであれば、「なぜ辞めたいのか」という理由や転職のコツを押さえるのが重要です。

そこでこの記事では、証券会社から転職する際に役立つ経験やスキル、おすすめの転職先を紹介します。ほかにも、成功させるコツが分かれば、スムーズに転職活動ができるでしょう。

証券会社から転職したいと考える理由とは？

証券会社の業務は、保険会社や銀行と比較してもノルマが厳しく、勤務条件も過酷です。将来のキャリアプランやワークライフバランスを見直して、転職を考える方も少なくありません。ここでは、証券会社から転職したいと考える理由を4つ紹介します。

【理由1】残業が多い

証券会社は残業が多い傾向があります。特に、営業担当は新規顧客の開拓や金融商品の注文対応、市場調査といった業務で1日平均3時間〜5時間ほど残業があるため、ワークライフバランスを崩しやすいのが難点です。

業務とプライベートのバランスを見直そうと考えて、残業を理由に証券会社からの転職を検討する方も少なくありません。

【理由2】ノルマが厳しい

証券会社はノルマが厳しく、達成できなければペナルティを科されたり研修への参加を促されたりするといった実情があります。さらに、顧客のニーズを満たすだけではノルマを達成できないこともある業界です。経済的に余裕のある方を対象に、ハイリスク・高単価の商品を提案し続けるケースもあります。

ノルマが達成できないプレッシャーや「人の役に立っていないのではないか」といった虚無感に耐えかねて、会社を辞めたいと考える方もいます。

【理由3】職場の雰囲気が合わない

職場の雰囲気になじめずに、ストレスを感じて転職を検討するケースもあります。特に、上司からのきつい叱責や嫌がらせといったハラスメント、体育会特有の強い上下関係に慣れずに悩みを抱えてしまうパターンは深刻です。

証券業界全体でパワハラが横行しているわけではありませんが、一部の会社では人間関係や職場の雰囲気が原因で転職する方も一定数います。

【理由4】やりがいを感じられない

仕事にやりがいを感じられないことが原因で転職に至る方もいます。具体的に挙げられるのは、「収益優先で人の役に立てている実感がない」「顧客の要望だけに応じる『御用聞き』的な営業に疲れた」といった理由です。証券会社の収益源は証券の売買手数料であることが根底にあるでしょう。

やりがいが得られない辛さと日々の仕事を充実させたい熱意が、証券会社からの転職を後押しする要因のひとつです。

証券会社の経験は転職に役立つ！生かせる経験やスキル

ほかの業界や企業に転職する際も、証券会社での経験や身につけたスキルを生かして活躍できます。コミュニケーション能力や目標達成に向けた取り組み方といった汎用性の高いスキルを備えているためです。ここでは、証券会社から転職した企業でも生かせるスキルを紹介します。

営業スキル

証券会社で身につくスキルのひとつが営業スキルです。証券会社の営業では、顧客の資産状況に応じて最適な金融商品を販売するため、コミュニケーション能力や交渉力、プレゼンテーション能力といったスキルが自然と身につきます。

ほかの業界や会社に転職する場合でも、証券会社で養った対人スキルは強い武器として活用できます。面接の場においても、ほかの求職者よりも秀でたアピールができるでしょう。

信頼関係を構築するスキル

顧客との信頼関係の構築に長けているのは、証券会社勤務ならではのスキルです。証券会社では高額商品を取り扱うため、顧客との十分なコミュニケーションや信頼関係の構築が不可欠です。商品の優位性を説明するプレゼン能力に加えて、人柄を認めてもらう必要があります。

このようなスキルは転職市場においては有利です。商品を売る能力に長けているだけでなく、顧客との信頼関係を築ける人材だとアピールできます。

成果を出すための強い精神力

業務遂行のために最後までやり切るメンタルの強さも、証券会社に勤めた経験のある人材の魅力のひとつです。証券会社は日々のノルマが厳しく、卓越した営業スキルや最後までやり切るメンタルの強さを駆使して成果を出しています。

営業力や金融に関する知識といった業務スキルのほかに、目標や結果を達成するためのバイタリティが転職市場では重宝されるでしょう。

証券会社経験者におすすめの転職先は？

証券会社で培ったスキルを生かす職場に転職している方は、どのような業界や企業に転職しているのでしょうか。証券会社で得られるスキルは多岐にわたるため、適性のある職場に迷う方もいるかもしれません。ここでは、証券会社経験者におすすめの転職先を紹介します。

M&Aの仲介会社

証券会社からの転職先のひとつとして、M&Aの仲介会社があります。M&Aの仲介会社は、事業を譲渡する企業と譲受する企業の間に入って、法的な手続きや税務処理をするのが主な業務です。したがって、双方の経営陣と友好な関係を構築したり、利益のバランスを考えたりするマルチなスキルが不可欠といえるでしょう。

事業のM&Aをスムーズに行うため、企業同士のマッチングをサポートする仕事は、金融に関する知識が生かせる業種としておすすめです。

コンサルティング会社

コンサルティング会社も証券会社からの転職先としておすすめです。主な業務内容は、企業や機関から課題を吸い上げ、問題解決に向けたサポートをすることです。企業や業態によって解決する課題は異なりますが、ほかのメンバーと改善策を話し合いながら実行に移すといった点では、証券会社で養ったスキルが役立つでしょう。

顧客に対する徹底したヒアリングや調査、改善案の打ち立てが成果へとつながる仕事です。仕事にやりがいを求めている方に特におすすめします。

銀行・金融機関

銀行・金融機関を転職先として選ぶ方もいます。銀行・金融機関では、顧客のお金を預かることや資金が必要な企業・個人に利息をつけてお金を貸すこと、手形を発行することといった預金・融資・為替業務が主な業務です。

証券会社経験者は一定の金融知識を持っている傾向があり、銀行や金融機関が未経験でも、即戦力として活躍できるでしょう。

証券会社からの転職を成功させるコツ

証券会社からの転職を成功させるには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。何も知らずに転職活動をすると、後悔する結果につながるかもしれません。理想とする企業への転職を決めるためにも、転職のコツを積極的に活用しましょう。ここでは、証券会社からの転職を成功させるコツを紹介します。

数字に対する意識の高さをアピールする

数字への意識が高いことをアピールすると、選考において高評価を得られやすくなります。証券会社に限らず、ビジネスで重視されるのは成果である数字です。実際に、業務の進捗率やスケジュール、売り上げの達成度をシビアに管理できる人材は転職市場でも有利になります。

転職先の企業に「ビジネス視点がある人材」と理解してもらうためにも、数字に対する意識の高さをアピールしましょう。

証券会社の経験をどのように生かせるのかをアピールする

転職先の企業で自分の経験やスキルがどのように役立つのか、詳しく説明することも重要です。証券会社に勤めていると、営業や対人折衝に関する高いスキルが身につきますが、スキルがあるだけでは役に立つ人材だと判断してもらえません。

持っているスキルや経験を志望先の企業でどう生かせるのかを具体的に伝えましょう。入社後、自分が実現できることを、スキルや経験と絡めて説明すると好印象につながります。

企業のリサーチを徹底する

転職は求職者と企業の相性が大切です。すべての企業でこれまでの経歴や実績が生かせるわけではなく、今後やってみたいことが叶えられるとは限りません。また、仕事へのやりがいや働き方、企業の将来性など転職先に求める条件はさまざまです。

転職後に後悔しないためにも、十分な時間を費やして、志望先企業の情報は徹底的に調査しましょう。

転職エージェントを活用する

転職を決意しても、求職者の視点だけでは企業の実情が見えづらく、「希望する会社がブラック企業だったらどうしよう」という悩みを抱えている方もいるかもしれません。

転職エージェントを活用すれば、あらゆる業界に精通した専任アドバイザーのサポートを受けながらスムーズに転職活動を進められます。特に、証券会社の経験者であれば、条件がよい非公開求人を紹介してもらえる場合もあるでしょう。

まとめ

証券会社経験者は豊富なスキルを身につけているため、転職市場でも有利です。転職先の例として、M&Aの仲介会社やコンサルティング会社、銀行・金融機関が挙げられます。ほかにも、スキルが生かせる業界や職種があり、数ある選択肢の中から自分に適した企業を見つけられるでしょう。

ただし、転職を成功させるには、スキルをアピールするだけでなく「どのように貢献できるのか」を伝えることが重要です。転職活動に不安を抱えている方はマイナビ金融エージェントにご相談ください。徹底したマッチングや豊富な良質求人が特徴で、さまざまな業界に精通したキャリアアドバイザーが全力でサポートします。

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