更新日:2024/10/22
この記事のまとめ
転職に年齢制限があるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。転職は年齢によって難易度が変わり、年齢が上がるほど転職は難しくなる傾向があります。しかし、適切な対策を取ることで、どの年代でも転職は可能です。
本記事では、年代別の転職事情と、転職を成功させるためのポイントを徹底解説します。年齢に関係なく転職しやすい業種の特徴や、おすすめの業界も紹介していますので、転職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
求人において年齢制限は原則存在しません。なぜなら、一定の条件を満たす求人を除き、選考の採否を年齢で決めることは法律上で禁止されているためです。このように転職の成功率が年齢で左右されることはありません。しかし、そのほかの兼ね合いから、年齢が選考に影響をおよぼすこともあります。ここでは、年齢と転職の現実的な関係性についてご紹介します。
転職に年齢制限はありませんが、ほぼ同じ条件の応募者がいた場合、基本的には若い応募者ほど有利になる傾向があります。なぜなら年齢が若いほど自社に貢献してもらえる年数が長くなり、かけた教育コスト以上のメリットを得られると企業は考えるためです。
企業はこのように教育コストに重きを置きますが、実績を十分に積み上げた同職種への転職であれば、年齢の高さが不利にならないケースも少なくないでしょう。
こちらは2024年2月に総務省から発表された「労働力調査」における2023年度の転職成功者の人数表です。
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どの年代にも転職成功者が多いことが分かります。特に多いのは25歳~34歳の世代ですが、55歳~64歳のシニア世代でも多くの方が転職に成功しています。
参照:労働力調査(詳細集計) 2023年(令和5年)平均結果|総務省統計局
男女別の結果も見てみましょう。以下は、2024年度の男女別の転職成功者の結果です。
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各年代の割合は、男女でおおむね変わりませんでした。この結果から、「転職は何歳までにしなければ難しくなる」といった傾向に、性別が影響することはあまりないと考えられます。
法律上「〇歳になったら転職できない」といったことはありませんが、年齢が上がるほど多くの経験やスキルを求められることから、若いほうが転職しやすい傾向にあるのも事実です。特に正社員を目指すのであれば、若いうちに行動することをおすすめします。一方、非正規雇用であれば、年齢が高くてもチャンスを得やすいでしょう。
「35歳転職限界説」とは、35歳を超えると転職が難しくなるという考え方です。35歳転職限界説は、人材が豊富かつ年功序列による出世が当たり前だった時代に生まれました。この時代は定年まで勤続することが当たり前であり、そのうえで出世を考えると35歳からの入社では時間が足りないことから、35歳転職限界説が生まれたようです。
しかし長く続く少子高齢化により、20代の人材はもちろん、35歳以降のミドル世代すらも足りていない企業が日本国内に増加しました。結果、マネジメントが可能なミドル世代の求人が転職市場では多くみられるようになり、35歳転職限界説はあくまで昔話といわれることが増えました。
なお「28歳転職限界説」や「32歳転職限界説」もありますが、こちらも同様に現代ではあまり通用しない説といえるでしょう。
転職の適正年齢はこれまでの経験や業種によっても異なります。たとえばミドル世代以降の転職成功数が多い傾向にあるのは、同職種への転職です。特に管理職から管理職など、ミドル世代にマッチした職種の場合には、難なく転職できている方も少なくありません。
一方、未経験の職種になると、やはり20代といった若い世代のほうが選考に有利でしょう。特にエンジニアやデザイナーなど、専門知識やスキルの取得に時間がかかる職種については、年齢を重ねるほど未経験からの転職は難しくなります。
転職成功のポイントは年齢によって異なります。若い世代ではポテンシャルや意欲が重視される一方、経験を積んだ世代では即戦力としての能力やリーダーシップが求められるでしょう。ここでは、24歳以下~40歳以上まで、5つの年齢層に分けて転職成功のポイントを詳しく解説します。それぞれの年代に合わせた効果的なアピール方法や、注目したいスキルについて確認してみましょう。
24歳以下の若手転職者にとっての武器はポテンシャルです。企業は即戦力よりも、将来的な成長可能性を重視する傾向があります。そのため、自身の意欲や熱意を積極的にアピールすることが重要です。たとえば、「未経験でも新しいことに挑戦したい」という姿勢や、「自己啓発に励んでいる」といった具体的な行動を示すことで、企業の目に留まりやすくなります。
また、第二新卒枠を活用するのも効果的です。この枠では、経験やスキルよりも成長意欲が重視されるため、異業種や異職種にも挑戦できます。若手の転職は、キャリアの方向性を決める重要な機会です。自分の興味や適性を見極め、将来のキャリアプランを描きながら、積極的に行動することが成功への近道となるでしょう。
25歳~29歳の転職者にとっての重要な武器は、ポータブルスキルといえます。ポータブルスキルとは、業界や職種を問わず活用できる汎用性の高い能力のことです。コミュニケーション力や問題解決能力、リーダーシップなどが挙げられます。
これらのスキルを効果的にアピールするには、具体的なエピソードを交えて説明することが大切です。たとえば、「チーム内の対立を解消し、プロジェクトを成功に導いた」といった経験を、状況・課題・行動・結果の順で説明すると説得力が増します。
また、この年代は社会人としての基礎力が身についている時期でもあります。「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」といった社会人基礎力をアピールすることで、企業側の評価も高まるでしょう。
30歳~35歳の転職者は、即戦力として期待される年齢層です。この時期は、一定の社会人経験を積み、専門性やスキルを磨いてきた段階であり、企業にとって魅力的な人材となります。転職活動では、これまでの経験や身につけたスキルを具体的にアピールすることが重要です。たとえば、「前職で新規事業の立ち上げに携わり、売上を200%増加させた」など、数字を交えながら実績を説明すると効果的です。
さらに、転職先でどのように自身の経験やスキルを活かせるかを明確に示すことで、企業側の興味を引くことができます。「御社の課題に対して、私のこれまでの経験を活かしてこのように貢献できます」といった具体的な提案ができれば、採用の可能性が高まるでしょう。
35歳~39歳の転職者には、リーダーシップが求められる傾向があります。この年代では、チームやプロジェクトを牽引する能力が重視されます。そのため、マネジメント経験や企業への貢献意欲を具体的にアピールすることが重要です。たとえば、「前職で10人規模のチームをまとめ、売上30%増を達成した」といった実績を示すと効果的でしょう。
また、経験やスキルだけでなく、企業の成長にどう貢献できるかを明確に説明できるよう準備しておくことも大切です。転職市場では即戦力としての期待も高まるため、自身の強みを活かせる職場を見極めることが成功への近道となるでしょう。
40歳以上の転職では、自身の強みを活かせる職場を見極め、粘り強く活動することが成功への近道となるでしょう。長年培ってきた専門知識やマネジメントスキルは、企業にとって貴重な資産です。たとえば、「20年間の営業経験を活かし、新規顧客開拓で売上を50%増加させた」といった具体的な実績をアピールすることで、即戦力としての価値を示せます。
また、この年代では、組織全体を見渡せる視点や若手の育成能力も重要視されます。一方で、柔軟性も求められるでしょう。「新しい技術やトレンドに常にアンテナを張り、自己研さんを続けている」といった姿勢をアピールすることで、年齢に関わらず成長し続ける意欲を示せます。
年齢に関係なく転職しやすい業種の特徴は、以下のとおりです。
これらに当てはまるのは、主に専門性が低い業種であり、一般事務や接客・販売、営業、配送といったものが挙げられます。またそのほかでは、規模の拡大に伴い、多くの人員を必要とするベンチャー企業も狙い目です。
ここでは転職を検討している方へ向け、年齢を問わず活躍できる5つの業界を紹介します。それぞれどのような特徴を持ち、なぜ転職先におすすめなのかまとめました。キャリアチェンジを考えている方は、ぜひご一読ください。
近年、インターネットを介したサービスやプログラムの需要は急激に拡大しました。これによりIT業界は全体的に業績を伸ばしているほか、求人数も増加しています。未経験者歓迎の求人も多いため、キャリアチェンジにもおすすめです。
また実力主義の傾向が強い業界であることから、資格取得をはじめとした自己研鑽に励めば、年齢に関係なく昇進や昇給が期待できます。
医療業界はニーズがゼロになることはまずないため、安定性を求める方におすすめの転職先です。中でも医療事務や看護助手、医療機器営業といった職種であれば、無資格・未経験者向けの求人も多くみられます。
無資格・未経験者向けの求人であれば、入社後に資格取得をサポートしてくれるケースも多いでしょう。結果として手に職をつけられ、つぶしが利くのもメリットといえます。
介護業界もまた医療業界と同様に常にニーズがあるほか、高齢社会の現代では特に需要が高まっています。その反面、人手不足が深刻であることから、未経験者であっても転職しやすいのがおすすめの理由です。
過酷なイメージもある介護業界ですが、その分、近年では国からの援助を受けている企業も多いのが特徴といえます。収入や福利厚生といった面が充実している傾向です。
製造業界といっても幅広いですが、特に工場のライン業務は未経験からの転職におすすめです。中でも大手企業になると収入や福利厚生が充実しているほか、残業も少ない傾向にあります。
また製造業界では、IoTやAIなどの新技術を活用した生産革新が進んでいます。そのため、新しい技術やスキルを学ぶ意欲のある人材も評価されるでしょう。
EC市場の拡大に伴い、宅配便のニーズが急増している運輸業界ですが、トラックドライバーの高齢化や人材不足といった課題を抱えています。そのため求人が多く、転職しやすいのがおすすめの理由です。
また発展が著しい業界であるほか、国を挙げて労働環境の改善が進められている最中であるため、将来性にも期待できます。
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転職に年齢制限はありません。一般的には若いほうが有利とされていますが、ミドル世代やシニア世代であっても、転職を成功させている方は数多くいます。業種や職種によっても適正年齢は異なるため、自身の強みを活かせる業界を選び、年齢別の転職成功のポイントを押さえることが重要です。
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