日本の多くの地域で、空が高くなり肌寒い日が徐々に増え始める10月は、暦の上では秋の終わりにあたる「晩秋」に区分されます。冬の一歩手前ということもあり、10月の季語には「寒」という語句も登場します。
本記事では、そんな10月の季語や有名俳句を一覧で詳しく紹介します。また、手紙などで使える10月の季語を使った挨拶文もピックアップしたので、ぜひお役立てください。
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1. 10月の季語とは
俳句や手紙で使う10月の季語には、どのようなものがあるのでしょうか。ここではまず、俳句の世界における10月の区分と恒例行事、季語の傾向などを解説します。
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1.1. 10月はどんな季節?
俳句の世界においては、8月8日頃(立秋)から11月6日頃(立冬の前日)までの3ヶ月間を「三秋」と呼び、「秋」と区分しています。10月は三秋の中で、終盤にあたる「晩秋」と呼ばれる季節です。暦の上では11月7日頃から冬となるため、10月は冬の一歩手前という位置づけです。
実際の気候で言うと、10月は晴れる日が多く気温もそれほど低くないため、過ごしやすい時期と言えるでしょう。とはいえ、朝夕は急に冷え込むこともあり、衣替えをしたり紅葉が進んだりして、秋の深まりを感じることが多くなります。
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1.2. 10月の恒例行事
10月には二十四節気の「寒露」「霜降」のほか、「スポーツの日」や「十三夜」といった行事があります。10月の主な恒例行事には以下のようなものがあります。
日にち | 行事 |
---|---|
10月1日 | 衣替えの日 |
10月8日頃 | 寒露 |
10月第2月曜日 | スポーツの日 |
10月23日頃 | 霜降 |
10月31日 | ハロウィン |
10月7日~11月8日の間の1日 | 十三夜 |
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1.3. 10月の季語の傾向
朝夕はもちろん日中の気温も下がり始める10月は、「寒」という字が付く季語が多くなっています。また、「秋収め」「行く秋」など、秋の終わりを表す言葉があるのも特徴です。
さらに、「紅葉」に関する言葉に加えて、「林檎」「栗」「柿」など秋ならではの果物や作物も10月の季語としてよく使用されます。
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2. 10月の季語一覧
ここからは10月に使える季語を、7つの分類ごとに一覧で紹介します。
2.1. 【時候】10月の季語一覧
季節・時期・暦上の区分など、時候に関する10月の季語には以下のようなものがあります。
秋惜しむ、秋寒、秋土用、秋深し、朝寒、うそ寒、寒露、菊黄花あり、九月尽、暮の秋、鴻雁来賓す、十月、冷まじ、雀蛤となる、霜降、草木零落す、そぞろ寒、蟄虫咸俯(ちっちゅう みな ふす)、長月、肌寒、晩秋、冬隣、漸寒、行く秋、夜寒
2.2. 【天文】10月の季語一覧
星・月・風・雷など、天文に関する10月の季語には以下のようなものがあります。
秋時雨、秋の霜、秋雪、露寒、露時雨、露霜、後の月
2.3. 【地理】10月の季語一覧
田畑・山・海・川など、地理に関する10月の季語には以下のようなものがあります。
刈田、枯野の色、野山の色、野山の錦、ひつぢ田
2.4. 【生活】10月の季語一覧
衣食住・仕事・健康など、生活に関する10月の季語には以下のようなものがあります。
秋収め、浅漬大根、蘆刈り、蘆火、網代打、甘干、稲刈、芋煮会、うるか、おくにち、からすみ、雁瘡、菊合、菊襲、菊供養、菊膾、菊人形、菊の酒、菊枕、菊花展、栗の子餅、栗飯、栗羊羹、古酒、小鳥狩、鮭打、椎柴、鹿の角切、地芝居、秋分の日、新麹、新酒、新蕎麦、新米、新藁、新豆腐、杉焼、茸狩、種採、後の雛、火恋し、冬支度、風炉の名残、文化の日、牧閉す、松手入、紅葉狩、紅葉衣、ゆびしお、柚餅子、柚味噌、よなべ
2.5. 【行事】10月の季語一覧
イベント・お祭り・俳人や有名人の忌日など、行事に関する10月の季語には以下のようなものがあります。
秋の御灯、石上祭、伊勢御遷宮、岩倉祭、太秦の牛祭、恵比須祭、大神神社祭、大津祭、岡崎祭、菊の着綿、芸術祭、国民体育大会、金刀比羅祭、西院祭、逆髪祭、時代祭、城南祭、諸聖人祭、白川祭、聖体行列、体育の日、宝の市、重陽、天馬流鏑馬、東洋城忌、年尾忌、鳥羽僧正忌、鳴瀧祭、温め酒、野の宮の別、紅葉の賀、淀祭、蓼太忌、例幣、去来忌、桂郞忌、源義忌、紅葉忌、白雄忌、鳥羽僧正忌、白秋忌、広重忌、保己一忌、夢窓忌
2.6. 【動物】10月の季語一覧
鳥・魚・虫など、動物に関する10月の季語には以下のようなものがあります。
あとり、交喙鳥、猪、落鰻、落かいず、落鯛、落鮒、尾花蛸、頭高、鰹の烏帽子、雁、菊戴、熊栗架をかく、栗虫、木葉山女、坂鳥、秋刀魚、しめ、田雲雀、鶫、鶴来る、菜虫、残る虫、蜂の仔、鶲(ひたき)、ひひらぎ、鵯 鶸(ひわ)、猿子鳥、紅葉たなご、紅葉鮒、雪迎へ、連雀
2.7. 【植物】10月の季語一覧
花・草・木など、植物に関する10月の季語には以下のようなものがあります。
小豆、畦豆、一位の実、無花果、銀杏散る、銀杏黄葉、茨の実、岩茸、梅擬、梅紅葉、末枯、漆の実、オリーブの実、楓、柿、樫の実、榧の実、茸、金柑、銀杏、草紅葉、栗、栗茸、胡桃、柑子、木の実、サフランの花、椎の実、橙、竹の実、橘、萩の実、晩菊、菱の実、菱紅葉、ひつぢ、百菊、藤の実、仏手柑、葡萄紅葉、朴の実、柾の実、松茸、紫式部、木犀、紅葉、紅葉かつ散る、山梨、破芭蕉、柚子、落花生、辣韮の花、林檎、檸檬、早生蜜柑
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3. 10月の代表的な季語
上記の一覧で紹介した10月の季語の中から、代表的な季語をいくつか掘り下げて紹介します。
季語 | 意味 |
---|---|
秋時雨(あきしぐれ) | 晩秋から初冬にかけて、降ってはすぐに止む雨のことです。「時雨(しぐれ)」は冬の季語で、「秋」が付くことで秋の季語になっています。 |
後の月(のちのつき) | 現代の10月頃にあたる旧暦9月13日の「十三夜」の月のことです。中秋の名月(十五夜)に次いで美しいとされています。 |
露寒(つゆざむ・つゆさむ) | 晩秋の頃の、露が霜に変わるような寒さのことです。朝晩の冷えや冬に近づきを感じさせます。 |
新米(しんまい) | その年に収穫されたばかりのお米のことで、10月頃に出回ります。収穫の喜びや豊穣(ほうじょう)を表す季語です。 |
紅葉(こうよう・もみじ) | 落葉樹の葉が赤や黄色に色づく様子を指し、楓がその代表です。「初紅葉(はつもみじ)」「薄紅葉(うすもみじ)」など紅葉関連の季語は多数あります。 |
4. 10月の季語を使った有名な俳句
10月の季語が使用されている有名な俳句をいくつか紹介します。
俳句 | 作者 | 季語 |
---|---|---|
松原の 秋ををしむか 鶴の首 | 小林一茶 | 秋惜しむ |
秋深き 隣は何を する人ぞ | 与謝蕪村 | 秋深し |
肌寒し 竹切る山の 薄紅葉 | 野沢凡兆 | 肌寒し |
老眼に もるる小貝や 秋の霜 | 内藤丈草 | 秋の霜 |
稲懸けて 里しづかなり 後の月 | 大島蓼太 | 後の月 |
行く秋や 博多の帯の 解け易き | 夏目漱石 | 行く秋 |
竹売つて 酒手にわびむ 秋時雨 | 立花北枝 | 秋時雨 |
夕空の 土星に秋刀魚 焼く匂ひ | 川端茅舎 | 秋刀魚 |
柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺 | 正岡子規 | 柿 |
暮れさむく 紅葉に啼くや 山がらす | 加舎白雄 | 紅葉 |
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5. 美しい10月の季語といえば?
秋も深まり、月の後半にかけては冬の気配も感じ始めることも多い10月には、秋の実りや美しい情景を表す季語が多くそろっています。俳句や手紙で使用できる美しい10月の季語としては、以下のようなものが挙げられます。
- 秋深し
- 暮の秋
- 行く秋
- 秋時雨
- 露時雨
- 後の月
- 野山の錦
- 銀杏紅葉
- 銀杏散る
- 木犀
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6. 要注意!間違えやすい10月の季語
10月の季語はまさに秋らしさをイメージできる季語が多いです。しかし、中にはほかの季節と間違えやすい季語もあります。
例えば「寒」や「霜」といった寒さを連想させる字が付く言葉は、一見冬の季語のようにも思えますが、10月の季語にも多くあります。「冬隣」も「冬」と付くため冬本番の季語と混同されやすいですが、冬が近づいていることを表す季語です。
また、「梅擬」「梅紅葉」などは春の季語である「梅」の字が入っているものの、どちらも葉の色付きを表す季語であるため、晩秋に使われます。字面のみで判断しないよう気を付けましょう。
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7. 10月上旬に使える時候の挨拶
季語は手紙に季節感を添える目的でも使用されます。そこで、ここからは手紙に使える時候の挨拶を紹介します。まずは、10月上旬〜10月中旬頃に適した時候の挨拶を、書き出しと結びに分けて解説するので、ぜひ参考にしてください。
7.1. 10月上旬の書き出しに使える時候の挨拶
改まった手紙の書き出しでは、「拝啓」など頭語の後に季節感を添える時候の挨拶を続けるのが一般的です。10月上旬に適した書き出しの時候の挨拶には、以下のようなものがあります。
- 寒露の候、皆様におかれましては、一段とご壮健のこととお慶び申し上げます。
- 朝晩の風に肌寒さを感じる季節となりました。皆様お元気でいらっしゃいますか。
- 街路樹の紅葉に深まる秋を感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
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7.2. 10月上旬の結びに使える時候の挨拶
手紙の最後に挿入する「敬具」など結語の前には、内容を締めくくる結びの挨拶を添えます。ここでも、季節感のある言葉を使うのが一般的です。10月上旬に適した結びの時候の挨拶には、以下のようなものがあります。
- 秋晴の候、一層のご隆盛を衷心よりお祈り申し上げます。
- 秋気肌に染む時節、風邪など召されませぬよう、どうぞお健やかにお過ごし下さい。
- 爽やかなよい季節になりました。ご自愛専一に、益々ご活躍ください。
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8. 10月下旬に使える時候の挨拶
次に、10月中旬から10月下旬にかけて使用できる時候の挨拶を紹介します。
8.1. 10月下旬の書き出しに使える時候の挨拶
10月下旬に適した手紙の書き出しに使える時候の挨拶には、以下のようなものがあります。
- 霜降の候、〇〇様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
- 深秋のみぎり、貴社におかれましては、ますますご発展の段、心からお慶び申し上げます。
- 日足はすっかり短くなり、秋風の冷たさを感じる季節となりました。皆様お変わりありませんか。
8.2. 10月下旬の結びに使える時候の挨拶
10月下旬に適した手紙の結びに使える時候の挨拶には、以下のようなものがあります。
- 秋寒の候、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
- 秋冷が加わります折、ご自愛専一にてお願い申し上げます。
- ひと雨ごとに秋の深まりを感じる季節、くれぐれもご自愛ください。
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9. 他の月の季語
他の月の季語は、下記の記事でご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。
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10. まとめ
季語の世界において、10月は秋の終わりにあたる「晩秋」と呼ばれる時期です。実際の気候は秋真っ只中で、比較的過ごしやすい日が多い印象ですが、10月の季語には「寒」という字が付く言葉が多く揃っています。また、去り行く秋を惜しむ季語があるのも特徴です。
そんな10月の季語は、誰でも一度は耳にしたことがある有名俳句でも数多く使用されています。また、時候の挨拶に使用すれば、手紙に彩りを添えることもできます。ぜひ、10月の季語を俳句や手紙で活用してみましょう。
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