長引く夏の暑さを見舞うために出すのが「残暑見舞い」です。夏に出すお見舞い状には「暑中見舞い」がありますが、両者は全く異なるものであるため、違いをしっかり理解しておく必要があります。また、残暑見舞いには守るべきマナーもいくつか存在します。本記事では、ビジネス・カジュアルの両方で使える例文を挙げながら残暑見舞いの書き方を解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
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1 残暑見舞いとは
そもそも、残暑見舞いは何のために送るのでしょうか。ここでは、残暑見舞いの目的や送る期間、暑中見舞いとの違いといった基本を説明します。
1.1 残暑見舞いを送る目的は?
暑さが残る季節に、相手の安否を伺ったり健康を気遣ったりする目的で出すのが残暑見舞いです。
江戸時代に、先祖へのお供えものを持って盆の里帰りをしたことが起源であるという説や、盆礼に行っていた贈答品を持参する挨拶が、明治時代以降の郵便の発達とともにはがきを出す習慣に変化した説など、さまざまな説があります。
1.2 残暑見舞いはいつまでに送ればいい?
残暑見舞いは、二十四節気の立秋(8月7日頃)から8月末までに送ります。どうしても8月末に間に合わない場合は、遅くとも9月始めまでには届くように送りましょう。なお、2024年の立秋は8月7日です。
もしも、9月始めを過ぎる場合は、残暑見舞いではなく通常の手紙として出します。
1.3 残暑見舞いと暑中見舞いの違いは?
残暑見舞いと暑中見舞いの違いは「送る期間」です。暑中見舞いは、二十四節気の小暑(7月7日頃)から立秋(8月7日頃)の前日までに送るものとされています。
そのため、手紙がいつ相手に届くかで、暑中見舞いと残暑見舞いを使い分ける必要があります。なお、暑中見舞いに返信したい場合、届くのが立秋過ぎになるのであれば残暑見舞いとして出します。
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2 残暑見舞いの書き方
残暑見舞いの基本的な書き方を解説します。基本構成を参考にすることで、失礼のない残暑見舞いが書けるようになります。
2.1 「残暑お見舞い申し上げます」の一文を書く
まずは、「残暑お見舞い申し上げます」という一文を書きます。受け取った相手が一目で残暑見舞いであることがわかるように、大きめの文字で目立つように書いてください。
2.2 季節に合った時候の挨拶を入れる
季節に合わせた挨拶を続けます。ビジネスシーンで送る残暑見舞いでは、「晩夏の候」「初秋のみぎり」といった時候の挨拶に、相手の繁栄や健康を祝う言葉を記入します。
プライベートシーンで送る場合は、「秋とは名ばかりの暑さが続いておりますがいかがお過ごしですか」「連日暑さが続いておりますがお元気でいらっしゃいますか」など暑さに関する話題に触れてから相手を気遣うようにします。
2.3 近況報告などの本文を書く
自分の近況報告やお知らせしたいことなど本文を記入します。ただし、残暑見舞いはあくまでも相手を気遣う挨拶文であるため、重要なお知らせをしたい場合は、改めて連絡するようにしましょう。
2.4 結びの挨拶で締める
相手の繁栄を祈ったり健康を願ったりする挨拶を入れて、手紙を締めます。親しい方宛であれば、「近いうちにお会いしましょう」「ご一緒できるのを楽しみにしています」といったメッセージを伝えるのもいいでしょう。
2.5 日付を添える
残暑見舞いには具体的な日付を記入せず、「令和〇〇 晩夏」などと記載するのが一般的です。「晩夏」の部分は「葉月」「立秋」と書くこともあります。
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3 【相手別】ビジネス・カジュアルですぐに使える残暑見舞い例文
ここからは残暑見舞いを送る相手別に、実際の例文を紹介します。残暑見舞いを書く際の参考にご覧ください。
3.1 取引先に向けた例文
残暑お見舞い申し上げます
平素は格別のご高配を賜り心より御礼申し上げます
酷暑厳しき折、貴社の益々のご繁栄を祈念いたしております
令和〇年 晩夏
3.2 職場の上司に向けた例文
残暑お見舞い申し上げます
初秋の候 平素は大変お世話になり誠にありがたく存じております
知識や技術のなかった私が〇〇を成し遂げられましたのも
〇〇さんのご指導があったからこそと厚く御礼申し上げます
どうか今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくおねがいいたします
まだまだ暑い日が続きますが何卒ご自愛ください
令和〇〇年 葉月
3.3 恩師など目上の方に向けた例文
残暑お見舞い申し上げます
暑さの厳しい日々が続いておりますが お変わりなくお過ごしでしょうか
在学中はたいへんお世話になりました
〇〇先生の〇〇という言葉が今でも心に深く刻まれております
来月学校に伺った際は ぜひお会いできますと嬉しく存じます
季節の変わり目ゆえ どうぞ体調を崩されませんよう健康には十分ご留意ください
令和〇〇年 晩夏
3.4 親戚に向けた例文
残暑お見舞い申し上げます
立秋とは名ばかりの暑さが続いております 皆様お元気でお過ごしですか
先日帰省した際は 〇〇さんのお陰で大変楽しい時間を過ごすことができました
お忙しいところ時間を作っていただきありがとうございました
もうしばらく寝苦しい夜が続くようですが どうぞ体調を崩されませんようにご自愛ください
令和〇〇年 晩夏
3.5 親しい友人らに向けたカジュアルな例文
残暑お見舞い申し上げます
立秋とは思えない暑い日が続いています その後お変わりありませんか
こちらは相変わらず騒がしい毎日ですが 家族みんな元気に過ごしております
来月は帰省の予定ですので ぜひお食事でもご一緒できたら嬉しいです
季節の変わり目ですので お互い無理をしないよう健康に留意しましょう
令和〇〇年 立秋
3.6 暑中見舞いに返信する場合の例文
残暑お見舞い申し上げます
ご丁寧に暑中のお見舞いをいただきまして 誠にありがとうございました
ご家族皆様がお元気でご活躍のこと何よりに存じます
こちらもおかげさまで 皆変わりなく元気に過ごしております
また近いうちにお会いできますことを楽しみにしております
厳しい残暑も残りわずかとなりましたが 夏の疲れを残さぬようどうぞご自愛ください
令和〇〇年 立秋
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4 メールで残暑見舞いを送る際のポイント
近年は、はがきや便箋ではなくメールで残暑見舞いを送る方も増えています。メールで座印書見舞いを送る際は、以下の点に注意しましょう。
4.1 残暑見舞いであることがわかる件名を付ける
メールを送る際は、開かなくても残暑見舞いであることがわかるような件名を付けることが大切です。例えば「残暑お見舞い申し上げます<〇〇(差出人名)>」など、はっきりした件名が適切です。
「ご挨拶」「ご連絡」といった曖昧な件名は避けましょう。
4.2 送る時期はハガキや手紙と同じ
基本的に、ハガキでもメールでも残暑見舞いを送る期間は同じです。立秋までは「暑中見舞い」として送り、立秋を過ぎたら「残暑見舞い」として送ります。
メールははがきと違い、送ったその日に相手へ届きます。余裕がある分ついつい後回しにしてしまうこともあるので、あまりギリギリの日にちにならないように送りましょう。
4.3 シンプルな文章を心がける
メールはサッと目を通せるところが大きなメリットです。そのため、残暑見舞いもできるだけシンプルな内容にすることが大切です。
特に、ビジネスシーンでの挨拶状では基本的な挨拶以外、余計なことは書かない方が無難です。もしも、他にお伝えしたいことがある場合は、残暑見舞いで触れるのではなく、別のメールで連絡するようにしましょう。
4.4 残暑見舞いのメール例文
メールで残暑見舞いを送る際の一般的な例文を紹介します。メールでは日付は不要です。その代わり、会社名や部署名、氏名などを記載します。
件名:残暑お見舞い申し上げます<〇〇(差出人名)>
〇〇株式会社 〇〇様
残暑お見舞い申し上げます
平素は格別のご高配を賜り心より御礼申し上げます
今後とも なお一層ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます
厳しい残暑が続いておりますが
貴社ご一同様のご健康とご健勝を祈念いたします
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住所
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇
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5 残暑見舞いでよくある疑問
残暑見舞いに返信は必要か、喪中の人に出してもいいのかなど、残暑見舞いを出す際によくある疑問を解説します。
5.1 残暑見舞いに返信は必要?
残暑見舞い自体は必ずしも出さなければならないものではありませんが、もしも受け取った場合は返信するのがマナーです。残暑見舞いが出せる期間は限られているため、できるだけ早く返信の準備をしましょう。
もしも、9月始め頃までに間に合わない場合は、残暑見舞いではなく普通の挨拶状として返信してください。
5.2 喪中でも残暑見舞いは出していい?
残暑見舞いは年賀状のようなお祝い状とは異なり、相手を気遣う挨拶状であるため、喪中の方にも出すことができます。ただし、故人が亡くなってから四十九日の法要までは、慌ただしい時期でもあるため送らないようにします。
また、喪中の方への残暑見舞いでは、華美なイラストのないシンプルなはがきを選び、お祝いや喜びの表現は避けましょう。
5.3 残暑見舞いのNGワードは?
残暑見舞いでは「向暑」「盛夏」「向暑」という言葉は使用できません。「向暑」は暑さに向かう季節のことであり、「盛夏」は夏本番の時期を指します。そのため、残暑見舞いにはふさわしくありません。
また、相手を気遣う締めの挨拶を入れる際、「お体ご自愛下さい」と書くのは間違いです。「ご自愛」自体に「体を大切にする」という意味があるので、意味が重複してしまいます。
6 その他手紙の書き方
手紙の書き方については、以下の記事でもご紹介しています。併せてご覧ください。
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7 まとめ
残暑見舞いは日頃お世話になっている方に感謝を伝えたり、なかなか会えない方の安否を伺ったりするのに便利な挨拶状です。また、遅れて届いた暑中見舞いの返信としても使用できます。
残暑見舞いを送る際は文章の構成に気を付けて、できれば8月末までに出すようにしましょう。ぜひ、この記事の例文やポイントを参考にして、思いが伝わる残暑見舞いを送ってください。
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