ビジネスメールを送る際、結びや締めの言葉に迷うことはありませんか?
ビジネスメールでは、結びや締めの言葉にも大切なマナーがあります。基本のマナーを押さえておけば、普段のやりとりにおいてはもちろん、伝えにくいような内容のメールであっても、受け取る相手の気持ちを和らげることができます。
そこで今回は、ビジネスメールの結び・締めの言葉の基本マナーを、例文を交えながらご紹介します。
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1. ビジネスメールにおける締めの言葉の基本マナー
「文章を書くのが不得意」、「堅苦しい挨拶は苦手」などの理由で、ビジネスメールが難しいものだと思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ちょっとしたコツさえつかめばスムーズにメール作成ができるはずです。
ここでは、その基本マナーについて解説します。
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1-1. 内容や相手によって結び・締めの言葉を使い分ける
ビジネスメールは、取引先、上司、同僚など、送る相手によって使う言葉が変わります。同僚と上司に対してでは接し方が違うように、ビジネスメールでも相手や内容によって結び・締めを使い分けることが必要です。特に取引先相手に送信する場合には、下記のように、より丁寧な言い回しを使うようにしましょう。
<例>
→「どうぞよろしくお願いいたします」
「何卒お願い申し上げます」
→「ご検討いただければ幸いです」
ビジネスメールでは、相手にしてほしいことは「お願い」するのが基本です。上司や取引先が相手の場合には、自分が一歩下がるような気持ちで文章を作成しましょう。
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1-2. クッション言葉を上手に活用しよう
ビジネスメールでは、用件をわかりやすく簡素に伝えることが大切です。しかし、用件だけを伝えたのでは素っ気ない文章になり、冷たい印象を与えてしまいます。
そんな時に重宝するのが「クッション言葉」です。
<例>メールの返事を今日中に欲しい場合
クッション言葉あり:「お忙しいところ誠に恐縮ですが、本日中にご返信いただけましたら幸いです」
どちらも同じ内容ですが、クッション言葉がある方が相手を気遣いつつ用件を述べているように感じられます。「クッション言葉」とは、この「相手への気遣い」を言わば文字化したものです。
1-3. 文末の挨拶には注意する
メールも手紙と同じで、文頭だけではなく文末にも挨拶を添えます。文頭の挨拶は「お世話になっております」が定番ですが、文末の挨拶は本文の内容に応じてさまざまなバリエーションがあります。文末の挨拶一つで相手方の心証が変わりますので、締めの挨拶には注意を払いましょう。
1-4. 「追伸」で親しさや気遣いを示す
メールや手紙において文末に「追伸」と入れる場合があり、メールの内容とは別に何か伝えたいことなどがある場合に使用します。「追伸」はビジネスシーンでも活用でき、文脈や言い回しを変えずに要件を伝えられるので便利です。
英語表記では「P.S.」と表現し、「追伸」よりも「P.S.」の方に馴染みがある人も多いでしょう。
「追伸」や「P.S.」があることで、相手との親しさを表現したり、健康面を気遣う一言を追加したりすることができます。「追伸」を付け加える際は、長くなりすぎないように、なるべくシンプルにまとめて2〜3行以内に収めましょう。
1-5. 「取り急ぎ」は使い方に注意
「とにかく急いで用件を伝えたい」という場合に使う「取り急ぎ」ですが、「とりあえず急いで書いた」という意味を持つため、相手によっては失礼だと受け取ることがあります。「資料が届いて礼を言いたいが、今すぐ外に出なくてはならない」など、本当に急を要する時以外は使用を控えたほうがいいでしょう。
また「取り急ぎ」を使った場合には、「後ほど改めてご連絡させていただきます」など後で自分から連絡を入れる旨も添えたほうが、より丁寧な印象を与えます。
1-6.文末に「署名」を入れる
メールの最後に自分の名前や会社の連絡先などをまとめた「署名」を入れるのがマナーとされています。具体的には、「会社名」「氏名」「電話番号」「メールアドレス」「住所」「会社のホームページURL」などです。
署名を入れることで相手も次回からの連絡が取りやすくなり、郵便物を郵送する際にも便利です。
オプション設定で、メールの末尾に自動的に記載されるようなフォーマットにしておくといいでしょう。また、メールのやり取りが続いて「メールが長くなって読みづらさがあるのでは」と心配な場合は、都度手動で削除するなど臨機応変に対処するのもおすすめです。
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2. ビジネスメールを上手に活用するためのコツは?
メールには、電話と違って相手の都合に関わらずメッセージを伝えられるメリットがあります。ただし、相手が今何をしているのか、どんな状態であるのかを把握することはできないので、すぐに返信をもらえるとは限りません。また、顔が見えない分、言葉遣い一つで「失礼だ」と思われたり、自分の意図とは違う受け取り方をされたりしてしまうこともあります。
電話のように感情を直接伝えることが難しいからこそ、メールではできる限りのマナーを尽くすことが大切です。基本のマナーを押さえて、気持ちの良いコミュニケーションがとれるよう配慮しましょう。
【関連記事】「【メールの返信での引用マナー】注意すべき点や全文引用・部分引用のやり方を紹介」
3. ビジネスメールの常套句「結び・締め」の言葉の言い換え例
ビジネスメールを書いていると「毎回同じ文章になってしまう」、「ワンパターンすぎるのではないか」と気になることもあるでしょう。
確かに、定番と言われる結び・締めはあまり変えられるものではありません。しかし、文意を変えないまま言い換えることはできます。そんな時に使える言い換え例をご紹介します。
「よろしくお願いします」
<言い換え例>
「よろしくお願い申し上げます」
「どうぞよろしくお願いいたします」
「ご検討をお願いします」
<言い換え例>
「ご検討いただければ幸いです」
「ご検討くださいますようお願いいたします」
「ご検討いただけますでしょうか。何卒よろしくお願い申し上げます」
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4.【例文集】ビジネスメールの結び・締めの言葉
ビジネスメールでは、目的に応じて結び・締めの言葉が変わります。ここではシチュエーション別にビジネスメールの結び・締めの言葉をご紹介します。
4-1. 基本の結び・締めの言葉
「今後ともよろしくお願い申し上げます」
「どうぞよろしくお願いいたします」
4-2. お願いする時の結び・締めの言葉
「ご検討いただけますようよろしくお願い申し上げます」
「ご多忙の折、お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします」
「ぜひご出席くださいますよう、よろしくお願い申し上げます」
4-3. 「取り急ぎ」を使用する時の結び・締めの言葉
「取り急ぎご連絡いたします」
「取り急ぎ確認させていただきました旨ご連絡いたします」
4-4. お詫びや謝罪の結び・締めの言葉
「ご期待に添えず誠に申し訳ありませんでした」
「大変申し訳なく思っております」
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4-5. 感謝を伝える結び・締めの言葉
「誠にありがとうございました」
「心より感謝いたします」
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4-6. 返事待ち、連絡待ちを伝える結び・締めの言葉
「誠に恐縮ですが、ご返信いただきますようお願いいたします」
「折り返しのご連絡をお願いできれば幸いです」
4-7. 長文になりすぎた時の締めの言葉
メールの内容がどうしても長文になってしまう場合は、締めの言葉でそのことについて詫びるような一言を添えましょう。この締めの言葉があることで、より丁寧な印象を与えます。
「長文失礼いたしました」
「長文となってしまい申し訳ございませんが、ご検討のほどお願いいたします」
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5.【四季別】時候や健康を気遣う結び・締めの言葉
時候の挨拶や健康を気遣う言葉は、ビジネスメールの結び・締めの言葉として相手に好印象を与えるものです。四季折々の挨拶を丁寧にすることで、品格のあるビジネスメールを作ることができます。
時候や健康を気遣う言葉の基本は「季節の話題+相手の健康を気遣う文言」で構成されます。いくつか例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
5-1. 春
「春の息吹が聞こえ始めましたが、まだ寒さも残っております。お風邪などお召しになりませんよう」
「新緑が鮮やかな季節になりました。どうぞ楽しい休暇をお過ごしください」
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5-2. 夏
「猛暑が続きますが、くれぐれもご自愛くださいませ」
「暑さが増して参ります。お体に気をつけてお過ごしくださいませ」
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5-3. 秋
「夏の疲れが出やすい時節となりました。体調を崩されませんようご自愛くださいませ」
「紅葉の映える季節になりましたが早晩冷え込みもいたしますので、体調にお気をつけてお過ごしください」
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5-4. 冬
「年末に向けてご多忙とは存じますが、ご無理なさいませんようお過ごしください」
「新年も何卒変わらぬご交誼を賜りますようお願い申し上げます」
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6. 四季を問わず使えるフレーズ
時候に関わらず一年中使えるフレーズもあります。知っておくと便利ですので、ぜひ覚えておきましょう。
<例>
「皆様にくれぐれもよろしくお伝えください」
「末筆ながら、ますますのご健勝、ご多幸をお祈り申し上げます」
「略儀ではございますが、まずはメールにてお礼申し上げます」
【関連記事】「ビジネスメール「各位」の意味と正しい使い方を例文付きで解説」
7. 英語でメールを送る場合の結び・締めの言葉
外資系の企業や海外の会社と取引をする会社に勤めている場合は、英語でビジネスメールをやりとりする機会もあるかもしれません。
英語でも日本語のように、文末に結びや締めの言葉を入れる場合が多いです。
日本語でよく使われる「よろしくお願いいたします」に該当するフレーズや、よく使われるフレーズをご紹介します。
7-1.「よろしくお願いいたします」に該当する言葉
・フォーマルなシーンで使えるフレーズ
訳すと「真心を込めて」という意味で、上司や取引先など目上の人に対して使うフレーズです。また、「敬具」のような使い方をします。
〇〇(氏名)
・カジュアルなシーンで使えるフレーズ
訳すと「最上の敬意の気持ちを込めて」「思いやりと敬意を込めて」という意味になります。面識がある相手や、仲のいい同僚に対して使うフレーズです。
〇〇(氏名)
Kind regards,
〇〇(氏名)
7-2.「ありがとうございます」に該当する言葉
・フォーマルなシーンで使えるフレーズ
〇〇(氏名)
・カジュアルなシーンで使えるフレーズ
〇〇(氏名)
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8. まとめ
ビジネスメールでは、締めの言葉一つで相手が受ける印象が大きく変わることがおわかりいただけたかと思います。
顔が見えないメールだからこそ、基本のマナーを理解し、かつ相手への気遣いを言葉に乗せる必要があります。ぜひこの記事を参考にして、より良いビジネスメールを作成してみましょう。
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